公開日:2022/01/26
更新日:2024/02/15

フォロワーシップとは?主な分類やメンバーが発揮するためのポイントを解説

フォロワーシップとは?主な分類やメンバーが発揮するためのポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

フォロワーシップとは、フォロワーが自律的かつ主体的に考え、行動することを指します。仕事を進めていく上で、重要とされるフォロワーシップですが、いくつかの分類があります。本記事では、フォロワーシップについて詳しく解説しながら、その具体例やポイントについて解説します。

 

01フォロワーシップとは?

フォロワーシップは、フォロワーが自律的かつ主体的に考え、行動することを指します。 考え方の根幹となるのは、リーダーや組織への貢献です。リーダーの意見に従うだけではなく、全体最適を考慮してリーダーへ提言したり、組織やチームに対して主体的に働きかけることを指します。 フォロワーと聞くと、部下やメンバーを思い浮かべるかもしれませんが、リーダーであってもシチュエーション次第ではフォロワーにもなり得ます。メンバーに対して建設的な批判をしたり、提言をするなどしながら発揮するフォロワーシップも存在します

フォロワーシップとリーダーシップの違い

「~シップ」と聞くと、まず思い浮かべるのはリーダーシップではないでしょうか。 チームをけん引するという観点、また、最終的な意思決定を積極的に行うという観点で、リーダーシップは必要不可欠です。 リーダーシップとフォロワーシップは相互関係を持って、どちらか一方ではなく、それぞれが効果を発揮することで、相乗効果を狙っていくのが理想的です。

フォロワーシップとメンバーシップの違い

「~シップ」と聞いてもうひとつ思い浮かべる言葉があるとしたら、メンバーシップではないでしょうか。メンバーシップとは、メンバーそれぞれが役割を果たし、組織全体を活性化させていくことを指します。 メンバーシップは、リーダーシップやフォロワーシップを包括した言葉であり、リーダーシップやフォロワーシップと合わせ持つことが大切です。

 

02フォロワーシップが注目を集める背景

フォロワーシップが注目されている背景には、社会情勢やビジネス環境が従来とは変わっていることが挙げられます。 ここでは、フォロワーシップが注目される背景と、フォロワーシップが組織へ与える影響について解説します。

フォロワーシップが注目を集める背景

これまで日本では、将来へのビジョンを抽象的に語り、メンバーをけん引していくようなカリスマ性溢れるリーダーの支持率が高い状態にありました。しかし現在、時代は日々大きく変化していく中で、リーダーの考え方や描くビジョンも柔軟に変化していく必要があります。 変化の中で、必ずしもリーダーの意思決定が最適とは限りません。そのため、フォロワーシップを発揮するメンバーが近くにいることで、リーダーが進む方向性を軌道修正することが可能です。 また、現在は労働人口が減少していることに伴い、マネージャーをしながらプレイヤーをしている人も少なくありません。リーダーがリーダーシップを発揮することだけに専念出来ない状態も、フォロワーシップに注目が集まる理由のひとつです。

フォロワーシップが組織の成果を左右する

フォロワーシップが組織全体の成果に影響を与えると言っても過言ではありません。カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授は著書である「指導力革命 -リーダーシップからフォロワーシップへ」において、「リーダーの影響力はせいぜい1割から2割、残りの8割から9割はフォロワーの力による」としています。組織の中ではリーダーが権限を持ちますが、成果を出すのはフォロワーです。そのため、組織の成果を最大化させるためには、フォロワーシップが重要であると言えます。

 

03フォロワーシップの5つの分類

フォロワーシップの5つの分類

フォロワーシップは一言にフォロワーシップといっても、大きく5つの種類に分類されます。こちらでは、5つの分類について紹介していきましょう。

模範型:協働者

フォロワーの中でも最も模範的とされるのが、模範型フォロワーです。リーダー、そしてメンバーの協働者として、組織やメンバーへ積極的な関わりを持っていくことができるフォロワーです。 次期リーダー候補とされるほど、組織の中で重要な役割を果たす模範型フォロワーは、リーダーへ建設的な批判を行うことができるほか、組織にとって必要不可欠なフォロワーです。

孤立型:破壊者

評論家的なポジションである孤立型フォロワーは、意見や批判はするものの、自身の組織に対する貢献度が低い点が特徴です。 自身は一匹狼、アウトロー的な存在と自認していますが、組織から見るとチームプレイに向かない存在として、頑固で扱いにくいと思われている場合が多いです。ゆえに組織に対する破壊者として認識される場合が多いです。

順応型:従事者

フォロワーの中でも順応型と呼ばれる順応型フォロワーは、リーダーの従事者となる可能性が高いです。指示に対しては明確に従うものの、自主性が少ない点がデメリットとして扱われるケースがあります。 指示に従うだけでなく、主体性を持った行動を促すことができれば、より組織への貢献度が高まると言えるでしょう。

消極型:逃避者

実質的にフォロワーと語るには難しいのが、消極的フォロワーと呼ばれる人たちです。積極性などは基本的にはなく、やるべきことを最低限行うだけのフォロワーです。傍から見れば、やる気が無いと思われることが多いでしょう。 組織への貢献の前に、組織への関与を求めることが必要です。

実務型:実践者

現実的に、自身の範囲内の業務だけをこなすのが実務型フォロワーです。順応型フォロワーと差異が無いように感じますが、より現実的に、自身の仕事と認識した範囲の仕事のみを十個するフォロワーです。 組織への貢献やメンバーへの働きかけは、自身の仕事の範囲内で必要だと判断した場合に実行します。設定する目標によっては、うまくフォロワーシップを発揮できる素養があるフォロワータイプです。

 

04フォロワーシップの具体例とは

フォロワーシップは具体的にどのようなシーンで活用されるのか、という点については以下のものが挙げられます。

  • ・自発的な貢献
  • ・適切な情報の共有
  • ・提案やアイデアの積極的な提供

ここでは、上記について詳しく解説していきます。

自発的な貢献

フォロワーシップには、自発的な貢献が不可欠です。フォロワーは、自分の役割を適切に理解し、その役割に関連する業務を遂行することでチームの目標達成に貢献する必要があります。フォロワーは、指示されたことをただこなすだけではなく、組織への貢献を念頭に置きながら行動することが重要です。

適切な情報の共有

フォロワーシップには、適切な情報の共有が不可欠です。フォロワーは、リーダーとチームメンバーとの間での情報の共有を行い、プロジェクトの進捗状況や問題点などを的確に伝えることで、チーム全体の成功に貢献します。また、チームメンバーの持つスキルや知識を共有し、お互いに学び合うことも重要です。

提案やアイデアの積極的な提供

リーダーが求めるわけではない場合でも、自分の意見やアイデアを提供することで、チームの成果に貢献できます。また、リーダーが見落としている可能性がある問題点や改善点を指摘することで、組織全体の改善につながることもあります。

 

05フォロワーシップに必要なスキル

フォロワーシップに必要なスキルとして、「クリティカルシンキング」、「傾聴力」、「主体性」の3つが挙げられます。ここでは、これらのスキルの概要と、身に着けるコツを解説します。

クリティカルシンキング

クリティカルシンキングは、情報を正確に理解し、論理的に分析する能力です。フォロワーシップに必要なスキルとしても重要であり、指示を受けた際に的確な判断を下すことができることが求められます。クリティカルシンキングを身につけるためには、問題解決や判断力を養うためのトレーニングが必要です。自己反省や反省会などで、常に自分の行動を客観的に分析し、情報の正確性や論理性を考慮した意思決定を行うことが大切です。

傾聴力

傾聴力は、相手の話を注意深く聴き、理解する能力です。フォロワーシップに必要なスキルとしても重要であり、リーダーからの指示や他のチームメンバーからの意見を正確に理解することが求められます。傾聴力を身につけるためには、相手に対して興味を持ち、相手が言いたいことに焦点を当てることが必要です。また、自分の偏見や予測を排除し、相手の言葉を冷静かつ客観的に受け止めることが重要です。

主体性

主体性は、自分自身で問題を発見し、主体的に解決する能力です。リーダーの指示を待つのではなく、自分自身で行動し、成果を出すことが求められます。主体性を身につけるためには、自分自身の価値観やビジョンを持ち、自分が達成したい目標に向けて自ら行動することが必要です。また、失敗や課題に対して自ら改善策を考え、実行することが重要です。

 

06フォロワーシップを持った人材を育成する方法

では、フォロワーシップをどのように発揮するのがポイントなのでしょうか。いくつかのポイントを見ていきましょう。

自身のフォロワータイプを把握する

まず大切なのは、自身のフォロワータイプを把握することです。先に紹介した5つのフォロワーシップのうち、ご自身はどのフォロワータイプに該当するでしょうか?ご自身の分析はもちろん、他社分析を踏まえて自身のフォロワータイプを把握しましょう。 フォロワータイプを理解することができたら、自身の得意・不得意を理解することができます。フォロワータイプの説明を参考に、得意を伸ばし、不得意を補っていくようにしましょう。

研修などを通じて、フォロワーシップの共通理解を深める

フォロワーシップを発揮するためには、フォロワーシップを発揮しやすい環境である必要があります。そのためには全員がフォロワーシップを理解する、研修などを実施するのが有効です。 フォロワーシップに関する研修を近しい同僚などで実施することができれば、互いの思考の癖を理解することも可能です。また、互いのフォロワーシップを理解することで、得意な部分は頼り、苦手な部分は自身で補うなどの行動をすることも可能です。 また、上司が自身のフォロワータイプを理解してくれることで、現実味がある目標設定なども可能になるでしょう。共通概念を積極的につくっていくことで、お互いを理解できる幅を増やすようにしましょう。

フォロワーシップを発揮しやすい環境をつくる

フォロワーシップを発揮するためには、フォロワーシップを発揮しやすい環境をつくることが大切です。具体的には、孤立型フォロワーや順応型フォロワーだけではなく、模範型フォロワーを増やしていけるような教育や上司との関わりなどをつくっていくことが大切です。 また、お互いのタイプが違っていても、双方が認め合えるような環境づくりも大切です。互いの理解ができるような日頃のコミュニケーションを、施策などで補っていけるようにしましょう。

心理的安全性を確保する

フォロワーシップを発揮するために大切なのは、職場の心理的安全性です。「この発言をすると何か言われるのではないか」「この発言をすることで、自分の立場が怪しくなるのではないか」などと思うような環境であれば、心理的安全性が無いと言えます。 フォロワーシップを適切に発揮するためには、フォロワーシップを発揮することで関係性が悪くならないような状態作りが大切です。安心・安全な心理状態を保つことができなければ、誰もがフォロワーシップを発揮できないほか、模範型フォロワーシップを発揮しようと思う人は少ないでしょう。 環境づくりも仕事だと理解し、フォロワーシップを発揮できる環境づくりを行いましょう。


 

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07Schooのフォロワーシップ研修

Schoo for Businessでは約8,000本を超える数の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。フォロワーシップに役立つ授業も多数ご用意しています。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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1.研修と自律学習推進を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自律型学習にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自律型学習には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約7000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自律型学習の双方の効果を得ることができるのです。

Schooのおすすめフォロワーシップ研修

ここでは、フォロワーシップで求められるスキルについて、Schooでもおすすめの授業がありますので、ここで紹介します。

<フォロワーシップについてのSchooおすすめ授業>

相手の立場から"勝手に"想像する訓練

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相手の行動・思考・感情・心理を想像できない状態で、体系化された知識やスキルを身に付けても効果的に使いこなすことはできません。 まずは自分から勝手に相手のことを想像してみます。その想像は仮説に変わり、検証するためには相手に関わらなければなりません。関わることで相手のことを知り、共働できるようになってきます。そのようにして関係を築き、「今自分ができること」を自発的に増やしていきます。

  • リクエスト株式会社 代表取締役

    事業戦略を実現する人材の「できることを自発的に増やす」行動変容プログラムを「事業個別の実情」を踏まえ、個別に研究・開発・制作する ABAオペレーションズ研究センター とスマートクリエイティブマネジメント総合研究所 を構え、応用行動分析学( ABA )と芸術( Art )に基づいた 人材開発技術 smart creative management® を提供。日本行動分析学会会員。

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言いづらいことを伝える方法

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ビジネスの場においては、言いづらいこともはっきりと伝えなければならない場面があります。 「目上の人からのお誘いにノーと言えますか?」「忙しそうな相手に遠慮して、仕事をお願いできずにいませんか?」 「後輩や新人のミスをうまく指摘してモチベーションを上げてもらうには?」 本授業で扱うアサーティブコミュニケーションは、相手を尊重しながら、誠実、率直、対等に伝えるためのコミュニケーションスキルです。 ビジネスにおける対人関係を良好にするためのコミュニケーションのポイントや具体的なノウハウを学びます。

  • NPO法人アサーティブジャパン 代表理事

    社会福祉士の資格を取得後、渡英先でソーシャルワーカーとして勤務した。アサーティブトレーナーの資格を取得して帰国後、2004年にNPO法人アサーティブジャパンを設立。

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クリティカルシンキングと「伝え方」

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クリティカルシンキングとは、物事の本質を見極める思考法です。このコースでは、これからクリティカルシンキングを取り入れようと思っている人を対象に、どんな考え方をすればよいか、そのプロセスやフレームワークを学びます。

  • 外資系コンサルタント

    外資系コンサルティングファーム勤務。専門領域における日本支社の実務責任者を務め、IT部門に対するコンサルティングを手がける。「クラウド」×「インフラ」×「サービス管理」を専門分野とし、ファシリテーションやコーチングにも造詣が深い。

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08まとめ

フォロワーシップには種類があることや、フォロワーシップを発揮しやすい環境があるということに驚いた方は多いのではないでしょうか? フォロワーシップのタイプ理解や、フォロワーシップを発揮する環境を上手く作っていくことで、職場全体にフォロワーシップが浸透するのが理想的です。 まずはできることから取り組みながら、フォロワーシップを発揮しやすい環境を目指していきましょう。

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  • 登壇者:小金 蔵人 様
    株式会社ZOZO 技術本部 技術戦略部 組織開発ブロック ブロック長 / 組織開発アドバイザー STANDBY 代表

    1998年に大学卒業後、味の素株式会社に入社し、営業マーケティングに従事。2006年にヤフー株式会社へ転職し、新規ビジネス開発・サービス企画のリリースを経験するかたわらで各種組織活性プロジェクトを推進。2016年に希望して人事部門に異動後、全社の人材開発・組織開発を担当。1on1ミーティングをはじめとしたピープルマネジメントツールの推進や管理職のマネジメント支援と並行して、現場の組織課題解決をサポート。2019年に個人での組織開発アドバイザリー事業と組織開発エバンジェリストとしての情報発信を開始。2020年に株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO)へ転職し、現在は全社およびクリエイター部門の人事企画・人材開発・組織開発に携わっている。

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この記事を書いた人
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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