更新日:2025/09/16

自律的行動とは|他律的行動との違いや具体例を紹介

自律的行動とは|他律的行動との違いや具体例を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

自律的行動とは、自分の規範や目標意識に基づき主体的に判断して行動する姿勢を指します。本記事では、ビジネスの変化速度に順応した自律型人材になるために必要な自律的行動と、その育成方法について解説します。

 

01自律的行動とは?

ビジネスの変化スピードが年々増している一方で、人員は削減され一人ひとりの業務量はさらに増えるといった悪循環に、どの企業の現場でもおちいってしまっているのではないでしょうか。そのため、ますます一人ひとりの作業効率の改善や能動的な業務の推進、つまり、社員の自律的行動が求められています。 自律的行動とは、他人からの力にしばられないで自分の立てた規範に従って行動することです。会社においては、個人が自ら問題意識を持って、目の前の課題について考えたり他者に働きかけたりすることともいえます。 ある目標や目的に向けて自律的行動をとるための要素は、目標意図と実行意図です。その2つの意図がともにあるときに最大限パフォーマンスを発揮できるといわれています。

目標意図

自分が成し遂げたいことを特定するのが、目標意図です。 たとえば、「私は将来、社長になりたい」というのがあげられます。これ自体は目標意図で間違いないですが、成し遂げたいことだけを特定するだけでは実行するのは難しいでしょう。なぜなら、具体的に実行するという意図が含まれていないためです。 「やろうと思えばできるはず」や「やりたいことはあるがどう始めてよいかわからない」などの発言を耳にする機会はよくありませんか。 実際に社長になるための行動がともなっていれば別の話ですが、実行する意図が含まれていないため、実現するのは困難でしょう。

実行意図

目標を実行するためには、実行意図も必要です。ある目標を達成するための行動をいつ、どこで、どのようにとるかをあらかじめ決めているものが実行意図です。 たとえば、「今日の夕方雨が降ったら、車で買い物に行こう」というのを例にします。この例では、いつ、どこで、どのように行動するかをあらかじめ決めています。この意図に、買い物にいって何を買うか決められていない場合には目標意図が含まれていないため実行されない場合が考えられます。 具体的に、夕飯の材料を買いに行くなどの目標意図があればそれは実行に移されるでしょう。 仕事の場合、自分に与えられた仕事をやろうという姿勢で仕事をするときには、目標意図はあまりなく、自律的行動をとれないでしょう。

▼自律的行動ができる自律的人材の特徴や育成方法について知りたい方はこちらから▼
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02自律的行動の関連語との違い

「自律的行動」と混同されやすい用語として「他律的行動」「自発的行動」「自立的行動」があります。いずれも主体性や行動様式に関わる言葉ですが、それぞれ意味が異なります。ここでは、関連する3つの用語の違いを整理し、研修設計や人材育成で活用できる視点を紹介します。

他律的行動との違い

他律的行動は、外部からの指示や規範に従って行動することを指します。たとえば、上司から「このタスクを処理してください」と指示され、そのまま遂行する行為は他律的行動にあたります。自律的行動が「自ら考え、内面的な規範に基づいて行動する」のに対し、他律的行動は「外から与えられた枠組みに依存して動く」点で異なります。人材育成の観点では、他律的行動の比重が大きい職場では、社員の成長が受け身になりやすいため、自律的行動を促す環境設計が必要です。

自発的行動との違い

自発的行動は、突発的に自分の意思で行う行動を意味します。自ら思い立って行う点で自律的行動に似ていますが、異なるのは「一貫した規範や目的に基づいているかどうか」です。たとえば「気づいたから対応する」「思いついたから提案する」という行動は自発的ですが、長期的な目標や意図を伴わない場合もあります。一方で自律的行動は、明確な目標意識や実行意図に基づいているため、継続性と再現性があります。研修設計では、自発的行動を自律的行動へと昇華させる仕組みづくりが重要です。

自立的行動との違い

自立的行動は、他者に依存せず、自分の力で物事を進める行動を意味します。経済的・精神的に自分で完結できることを強調する概念であり、生活面や職業選択にも関わります。自律的行動との違いは「行動の基準が内面の規範かどうか」です。自立的行動は「自分でできるかどうか」が基準であり、自律的行動は「自分の規範に従って行うかどうか」が基準となります。つまり、自立は依存の有無を示し、自律は行動の動機や内面的基準を示すのです。人材育成では両者を組み合わせて理解することで、社員の成長段階に応じたアプローチが可能になります。

 

03自律的行動の主な特徴

自律的行動には、他の行動様式と異なる明確な特徴があります。代表的な要素は、自身の規範に基づく行動、主体的な判断と行動、目標意図と実行意図、そして自己責任の意識です。これらの特徴を理解することで、研修の中で自律的行動を育成するポイントが明確になります。

自身の規範に基づく行動

自律的行動は、外部からの強制ではなく自らの価値観や規範に基づいて選択されます。たとえば「顧客第一を貫く」「品質を妥協しない」といった自身の信念が行動の基準になります。組織からの指示を守るだけではなく、自らの基準に沿って判断するため、状況に応じて柔軟に行動できる点が特徴です。研修においても、社員が自身の行動基準を明確化する機会を設けることが重要になります。

主体的な判断と行動

自律的行動をとる人材は、上司や環境に依存せずに自ら判断し、行動します。問題が発生したときに「指示を待つ」のではなく「どうすれば解決できるか」を考えて行動するのです。この主体性は、組織全体のスピードや柔軟性を高める要因となります。人材育成の場では、社員が自分で考えて動く習慣を身につけるトレーニングを組み込むことが効果的です。

目標意図と実行意図

自律的行動には「何を達成したいか」という目標意図と「いつ・どこで・どう行動するか」という実行意図の両方が必要です。目標意図だけでは実際の行動に結びつかず、実行意図だけでは方向性を失います。両者を組み合わせることで、行動に一貫性と成果が生まれるのです。社員に対しては、目標と実行の両面を明確にする研修設計が欠かせません。

自己責任の意識

自律的行動をとる社員は、自分の行動や判断に責任を持つ意識が強い傾向があります。成果が出なかった場合も他人や環境のせいにせず、改善点を自分の行動に求めます。この自己責任の姿勢が、組織における信頼関係や再現性の高い成果につながります。研修担当者は、社員が失敗を学びに変えられる環境を整えることで、この特徴を強化できます。

 

04自律的行動を促す要因

自律的行動は偶然に生まれるものではなく、いくつかの要因によって促されます。代表的なものは、行動の基準となる「羅針盤」、物事を俯瞰して捉える力や問題解決思考、そして仮説思考です。これらの要因を理解することで、社員の自律性を高める研修や環境設計につなげられます。

「羅針盤」となる「行動基準」

社員が自律的に行動するには、何を基準に判断するかという「行動基準」が不可欠です。これは個人にとっての羅針盤のようなもので、組織の理念や価値観と結びつくことで行動に一貫性が生まれます。明確な行動基準があると、状況が変化しても判断がぶれにくくなり、主体的に行動できるようになります。研修では、社員が自身の行動基準を言語化するワークを取り入れると効果的です。

俯瞰力と問題解決思考

自律的行動には、物事を多角的に捉える俯瞰力が欠かせません。自分の業務だけにとらわれず、チームや組織全体の状況を理解したうえで判断できることが重要です。さらに、問題が発生したときに原因を特定し、解決策を考える問題解決思考を持つことで、行動が具体的な成果につながります。研修では、ケーススタディを活用してこの思考を養うことが効果的です。

仮説思考

仮説思考とは、不確実な状況でも自分なりの仮説を立てて検証しながら行動する考え方です。完璧な情報が揃うまで待つのではなく、一定の根拠に基づき行動し、結果を見ながら修正していきます。自律的行動を促すには、失敗を恐れずに仮説を試せる環境づくりが必要です。研修においても「仮説を立てて検証する」演習を繰り返すことで、この思考力を強化できます。

 

05自律的行動をする人材の育成方法

自律的行動を組織に根付かせるには、社員が自ら考え、判断し、行動する経験を積むことが重要です。そのためには、意思決定や目標設定の機会を提供し、リーダーシップやセルフマネジメントを育む環境を整える必要があります。以下では、具体的な育成方法を解説します。

意思決定の機会を与える

自律的行動を育成する第一歩は、社員に意思決定の機会を与えることです。業務の進め方や優先順位を自ら選ばせることで、自分の判断に責任を持つ姿勢が身につきます。小さな意思決定の積み重ねが、大きな判断力へとつながるため、研修や日常業務の場で積極的に導入しましょう。

自ら目標設定してもらう

自律的行動を育成するには、社員自身に目標を設定させることが効果的です。上から与えられた目標よりも、自分で設定した目標の方が達成意欲が高まりやすいからです。研修においても「個人目標を立て、実行計画を作成する」ワークを取り入れることで、自律的行動につながります。

リーダーシップを発揮する機会を提供する

プロジェクトの進行やチームのまとめ役を任せることで、リーダーシップを発揮する機会を提供できます。責任ある役割を経験することで、意思決定や課題解決に必要なスキルが磨かれます。研修では、グループワークや模擬プロジェクトを通じてリーダーシップを体感できる仕組みを取り入れるとよいでしょう。

セルフマネジメントを高める

自律的行動には、自分の行動を管理するセルフマネジメント力が不可欠です。時間管理やストレスコントロールを学ぶことで、計画的に行動できるようになります。研修にセルフマネジメントのプログラムを組み込むことで、社員が持続的に成果を出せる基盤を整えられます。

挑戦する環境を与える

最後に、挑戦できる環境を整えることが自律的行動の定着に直結します。新しい業務や難易度の高い課題に挑戦することで、社員は自己成長を実感しやすくなります。失敗を学びにつなげられる文化を醸成することが、組織全体で自律的行動を促進するカギとなります。


 

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07まとめ

本記事では、自律的行動の意味や他律・自発・自立との違い、特徴や促進要因、人材育成の方法について解説しました。自律的行動は、自身の規範に基づいて主体的に判断し、責任を持って行動する姿勢を指します。組織においては、意思決定や挑戦の機会を提供し、心理的に安全な環境を整えることで促進できます。自律的に行動できる人材は、業務効率やイノベーションの推進にもつながり、企業の成長にとって大きな力となります。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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