公開日:2022/03/11
更新日:2023/02/19

自律型人材に必要とされる自律的行動とは? 重要となる目標設定のポイントや育成方法について解説

自律型人材に必要とされる自律的行動とは? 重要となる目標設定のポイントや育成方法について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

IT技術の発展や少子高齢化の影響などにより自律的に行動できる人材はますます企業にとって貴重な存在であるといえます。本記事では、ビジネスの変化速度に順応した自律型人材になるために必要とされる自律的行動とその育成方法について解説します。

 

01自律的行動とは?

ビジネスの変化スピードが年々増している一方で、人員は削減され一人ひとりの業務量はさらに増えるといった悪循環に、どの企業の現場でもおちいってしまっているのではないでしょうか。そのため、ますます一人ひとりの作業効率の改善や能動的な業務の推進、つまり、社員の自律的行動が求められています。 自律的行動とは、他人からの力にしばられないで自分の立てた規範に従って行動することです。会社においては、個人が自ら問題意識を持って、目の前の課題について考えたり他者に働きかけたりすることともいえます。 ある目標や目的に向けて自律的行動をとるための要素は、目標意図と実行意図です。その2つの意図がともにあるときに最大限パフォーマンスを発揮できるといわれています。

目標意図

自分が成し遂げたいことを特定するのが、目標意図です。 たとえば、「私は将来、社長になりたい」というのがあげられます。これ自体は目標意図で間違いないですが、成し遂げたいことだけを特定するだけでは実行するのは難しいでしょう。なぜなら、具体的に実行するという意図が含まれていないためです。 「やろうと思えばできるはず」や「やりたいことはあるがどう始めてよいかわからない」などの発言を耳にする機会はよくありませんか。 実際に社長になるための行動がともなっていれば別の話ですが、実行する意図が含まれていないため、実現するのは困難でしょう。

実行意図

目標を実行するためには、実行意図も必要です。ある目標を達成するための行動をいつ、どこで、どのようにとるかをあらかじめ決めているものが実行意図です。 たとえば、「今日の夕方雨が降ったら、車で買い物に行こう」というのを例にします。この例では、いつ、どこで、どのように行動するかをあらかじめ決めています。この意図に、買い物にいって何を買うか決められていない場合には目標意図が含まれていないため実行されない場合が考えられます。 具体的に、夕飯の材料を買いに行くなどの目標意図があればそれは実行に移されるでしょう。 仕事の場合、自分に与えられた仕事をやろうという姿勢で仕事をするときには、目標意図はあまりなく、自律的行動をとれないでしょう。

▼自律的行動ができる自律的人材の特徴や育成方法について知りたい方はこちらから▼
【関連記事】自律型人材とは|育成方法やメリット・デメリットを解説

 

02目標設定が自律型人材の促進のために重要な理由

自律型人材の促進のためには、個人や組織における目標設定が重要となります。なぜ目標設定が自律型人材の促進の肝となるのか、その理由についてを3点解説します。

目標自体に価値を感じる

目標自体に価値を感じることで自律型人材の促進を可能にします。 もし、上司から管理職をやってほしいと言われたタイミングで自分としてはスキルをもっと磨きたいと考えていた場合、本人はどのように目標を考えるでしょうか。 自分がスキルをもっと磨きたいと考えている背景として、顧客の課題解決に重きをおいている場合、目標意図は「顧客の課題解決」であり、目標自体は「スキルの向上」でそれ自体に価値を感じているでしょう。 一方で、上司からの期待に応えるために管理職になる場合、目標が「管理職になること」となるため、目標に価値を感じられなくなり自律的な目標設定ができなくなります。 したがって、目標自体に価値を感じられれば自律的行動をとれるようになるでしょう。

自律的な目標設定の効果

自分で目標を決めると、その目標への効果が高まるといわれています。 大学受験を控えている高校生に対して、親が「〇〇大学に行きなさい」と言っても子どもは聞く耳を持つでしょうか。「〇〇大学に入りたい」という目標を本人が決めて勉強をする場合とそうでない場合の結果は明らかで、勉強に対するやる気やうまくいかないときの耐性を高めるためには、自分で決めるというのが大切です。 仕事の場合であっても結果は同じで、自分で目標設定をしない限り目標への効果は高まりません。

目標達成には実行意図も重要

目標意図を決めるだけでなく、実行意図も目標を達成するためには非常に重要です。 実行意図とは、具体的にどのように行動するかをあらかじめ決めておくことです。目標意図だけでなく実行意図を用意しておくことで、目標に近づくための最も効果的なタイミングで行動できるようになり、目標達成に必要な新しい行動をするのを手助けする役割をはたします。

 

03自律型人材を育成するメリット

自律的行動や目標設定の重要性については理解していただけたのではないでしょうか。では、組織にとって自律型人材を育成することでどのようなメリットが期待できるのでしょうか。4つの観点から解説します。

管理職の負担軽減

自律した人材がそれぞれで考えて仕事を進めるため、管理職の負担軽減が期待できます。 日頃の業務の進捗管理はもちろん、問題が発生した場合でも問題に対処する方法や問題の発生原因を特定するなど、自分が何をすべきなのか、どうすれば解決できるかを自律型人材であれば自分で考えるでしょう。すべて指示する必要がないため、社員の成長をサポートする時間がとれるなどマネジメントに余裕が生まれるため、企業の成長にもつながります。

オリジナリティのあるアイディアが生まれる

指示待ち人間だけの組織では、オリジナリティのあるアイディアは生まれません。 自律型人材は能動的に仕事にとりくむので、タスクのその先のことまで考えていることがあげられます。やってほしいと言われたことのその先を考えられるようになれば、革新的なアイデアで仕事にとりくめるため、顧客の価値提供だけではなく企業価値の向上にもつなげられるでしょう。

業務の効率化につながる

上司からの指示を待たずに自分で判断して自律型人材は行動できるため、非効率な業務であっても改善案を提示してくれるでしょう。 上司からの指示を待っているだけでは、方向性が定まるまでは業務が進みません。上司の指示を待って行動する組織では、もし仮に部下が何か改善したいと考えていたとしても、上司からの指示がない限り、それを実行に移せないでしょう。 自律型人材が業務をすすめるような組織では、業務の効率化はもちろん生産性の向上にもつなげられます。

テレワークに向いている

テレワークでは上司がいない環境で働くため、従来の組織の場合は社員の管理がしづらいです。 しかし、能動的に仕事ができる自律型人材であれば、管理職の目が届かなくても自らの判断で業務を進められます。自分で自分の事を管理できる人材にとっては、どんな状況下においても目標を達成できるためテレワークに向いているといえます。 コロナウイルスなどの影響によってテレワークが推奨される今だからこそ、自律型人材を育成するメリットがあるといえるのではないでしょうか。

 

04自律型人材を育成する5つの方法

自律型人材を育成するには、自律型人材を定義してから目標をたてる方法、心理的な安全性を確保する方法、環境を整える方法、会社の方針を深く理解させる方法、研修と実践を組み合わせる方法があります。以下、5つの方法について解説しますので人材育成の計画に役立ててください。

自律型人材を定義してから目標をたてる

自社にあった自律型人材とはどのような人材なのかを定義しましょう。 その際には、「経営戦略に必要な人材」と「自社内にいる自律型人材を目標にする」という2点に重点をおいて定義しましょう。自社の経営戦略に必要な人材にあわせることで、社員が目標達成しやすくなります。また、社内にいる自律型人材を目標にすることで具体的なロールモデルを社内に提示できるでしょう。

心理的な安全性を確保する

心理的な安全性とは、発言や行動が他人からの影響を考えずに自由に物事を実施できることです。能動的に行動したにもかかわらず、非難されてしまったら誰だって次から進んでやりたいとは思わないでしょう。そのため、進んで物事を進める人に対して前向きな組織体制を整えて心理的な安全性を確保することで、自律的な人材を育成できます。

環境を整える

自律型人材を育成するためには、環境を整えることが重要です。 まずは、社内全体で自律型人材育成への理解を深めましょう。その重要性について社内で共有することで能動的な行動や発言を認める環境ができます。 次に、自律型人材を適切に評価できるような評価制度の見直しも重要です。具体的には、成果だけに目を向けるのではなく、目標に対してどれだけ挑戦していったかという評価を入れることで、社員の向上心をさらに高められるでしょう。

会社の方針を深く理解させる

会社の方針を深く理解させることも自律的な人材を育てるために重要視されます。 なぜなら、会社の目標が最終的に自分の目標と関係してくるためです。自分で考えて行動できる人材であれば自社にとって何が最良なのか、求められている行動は何なのかを考え、判断するようになります。組織にとって自律とは、単に主体的に動くだけではなく企業の利益を追求して行動できることです。

研修と実践を組み合わせる

実務で実践させるだけでいきなり自律を促したとしても、従来どおりの指示出し・指示待ちのワークスタイルの企業では自律的な働き方がわからず業務に支障をきたすかもしれません。そういう場合に備えて自律型人材の定義や模範行動などが分かるような研修を実施することで、自分の目指すべき自律の型がわかるようになり、自律型人材に対する理解が深まるでしょう。


 

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05自律型人材の育成ならSchoo for Business

Schoo for Businessでは約7,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自律学習にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自律学習の両方に対応することができるシステムになっています。

研修と自律学習を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学ぶ習慣を身につけ、自走しながら成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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1.研修と自律学習を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自律学習にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自律学習には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約7,000本にも上る授業では、研修系の内容から自律学習に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、自らの業務に直結した学びを社員自ら選択することが可能です。

2.Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実

3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方2

管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。

管理画面の使い方1

さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。

さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。

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06まとめ

自律的行動と自律型人材を育成するメリットと育成方法について解説しました。目標意図と実行意図の2つの意図がともにあるときに自律的行動を最大限に発揮できるため、自律型人材を育成する際にはそれらを念頭に置いておく必要があります。 また、自律型人材を育成することでさまざまなメリットがあることを理解していただけたのではないでしょうか。効果的に自律型人材を育成して企業の価値向上と社員の成長につなげていきましょう。

▼自律的組織について詳しく知りたい方はこちら▼
【関連記事】自律型組織とは? 主な組織形態の種類や階層型組織との違いについて解説する

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自律性を持った人材を育てる「自律型組織」についてのウェビナーアーカイブです。トップダウンの統率による組織に限界を感じ、ボトムアップで社員が自律的に動けるよう組織開発を行う企業が増えています。Zホールディングスにて次世代リーダー開発を担う伊藤羊一氏をお招きし、現代に適応した自律型の組織の作り方についてお話いただきます。

  • 登壇者:伊藤 羊一 様
    Zアカデミア学長 / 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長 / Voicyパーソナリティ

    日本興業銀行、プラスを経て2015年よりヤフー。現在Zアカデミア学長としてZホールディングス全体の次世代リーダー開発を行う。またウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてもリーダー開発に注力する。2021年4月に武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)の学部長に就任。代表作に56万部超ベストセラー「1分で話せ」。ほか、「1行書くだけ日記」「FREE, FLAT, FUN」など。

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この記事を書いた人
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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