公開日:2022/03/11
更新日:2024/03/28

自律型組織とは? 主な組織形態の種類や階層型組織との違いについて解説する

自律型組織とは? 主な組織形態の種類や階層型組織との違いについて解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

 

01自律型組織とは?

自律型組織とは、社内の権力をそれぞれの社員に分散し、自らの意思で主体的に行動できる組織形態です。 社長や部長などといった上下関係がなく、社員に権力が分散されているため、自らの意思で事業を展開していくことができます。 一方で、自律型組織には意思決定を伺う上司が存在しないので、周囲に指示を受けずに臨機応変な対応が必要など難しい側面も存在するのです。 そんな自律型組織と比較される組織形態として階層型組織があげられます。 自律型組織と階層型組織の違いについて見ていきましょう。

階層型組織との違い

階層型組織とは、組織のトップに権力が集中し、社員によって権利や裁量が異なる組織形態です。 自律型組織と主に異なるのは、上司と部下の上下関係の有無です。階層型組織は上下関係があり、事業を進める権限は組織のトップがもっています。 そのため、企画や会議に費やす時間が多く、事業を実行に移すまで長時間がかかってしまいがちです。 しかし、自律型組織では、上下関係がなく、権利もそれぞれの社員が持っています。 事業の方向性が決定すれば、すぐ事業を実行に移せるので、階層型組織よりも早く事業を進められるでしょう。

自律型組織が注目される背景とは

自律型組織が、なぜ注目を集めているのでしょうか。自律型組織が注目されている理由は、顧客のニーズの変化が激しくなっていることがあげられます。食品などのメーカーであれば、商品開発から販売までの期間をできるだけ短くしなければ、商品を販売するころには顧客ニーズが変わってしまい、商品が売れなくなる事態を招いてしまうでしょう。 そのため、顧客のニーズに対応するため意思決定から販売までの期間を短くするよう、労働生産性を向上させたりと組織の形態を見直すなどの対策が必要です。

 

02自律型組織の種類

自律型組織と言っても、以下の3つが代表的です。

  • ・アジャイル組織
  • ・ティール組織
  • ・ホクラシ―組織

アジャイル組織

アジャイルは「素早い」「機敏な」という意味があり、柔軟性や俊敏性のある組織形態です。アジャイル組織では、計画に重きを置いておらず、実行しながら改善していく点が特徴です。現場に一定の権限を与えることで、改善を前提とするため素早い意思決定が可能です。

ティール組織

ティールは「青緑」という意味です。ティール組織はフレデリック・ラルーが提唱した組織論で、上司の指示などのマイクロマネジメントがなくても、目標の実現に向かってひとつの生命体として進むことができる組織を指します。いかに組織内の権力を分配して、互いにセルフマネジメントをし合いながらも個人として組織の全体を動かすかが問われるため、社員同士のつながりが極めて重要になります。

ホラクラシ-組織

ホラクラシー組織は、ティール組織の一つの形態であり、事業に合わせてメンバーを決定する組織です。 事業が終了次第、ホラクラシー組織は解散し、また新たな組織を構築します。 事業で収集されるメンバーも、各分野のプロフェッショナルのみが収集されるため、事業開始の速度を上げることや、効果的な事業推進が望めるでしょう。

 

03自律型組織のメリット

注目が集まる自律型組織ですが、企業が導入するメリットには何が挙げられるのでしょうか。自律型組織の主なメリット2つについて、それぞれ確認していきましょう。

個人の裁量が大きい

自律型組織のメリットとしては、個人の裁量が大きいことがあげられます。階層型組織とは異なり、上下関係で感じる圧力がなく個人に権限が与えられているため、自分らしさをそのまま事業に反映できるのです。 たとえば、自律型組織で事業を進めていく過程では、周囲に相談する必要はありません。自身がこの事業で売上を向上できると考えるなら、自分の判断で事業を実行できます。 このように自律型組織は、自分らしさを事業に反映できるので業務の効率をさらに向上させたい組織にはおすすめです。

意思決定が速い

意思決定が速い点も、自律型組織のメリットです。従来通りの組織の場合、事業の開始時や変更が生じた場合など意思決定にはさまざまな人の承認が必要となるでしょう。その点、自律型組織であれば承認の手間がはぶけます。 要するに、自分の組織での方向性の決定が容易である点が、自律型組織のメリットと言えるでしょう。 また、顧客のニーズは変わりやすいため、その変化にも応えやすくなります。 そのため、意思決定が速いことで売上向上だけでなく組織の価値向上にもつなげられるでしょう。

 

04自律型組織のデメリット

自律型組織は個人の主体性に委ねることで様々なメリットがあるものの、デメリットが生じる可能性もあります。検討・導入の前にどのようなデメリットがあるのか、事前に確認しておきましょう。

社員の育成に時間がかかる

従来の階層型組織であれば、ルールを改定する必要があるため、社員の育成に時間がかかります。 組織のルール改定以外にも、今まで受動的に仕事をしていた人を主体的に行動できるように育てなければなりません。 従来の階層型組織の仕事方法に慣れてしまっている社員には、今までと異なる主体的に行動する仕事方法が求められます。 そのため、自律型組織の仕事方法に変更した場合、育成し直すのに時間がかかるでしょう。実際に自律型組織で働いた経験のある社員を採用したり、もともと自律的に働いている社員にロールモデルになってもらうえば育成時間を削減できます。

情報の一元化が難しい

自律型組織のデメリットとして、情報の一元化が難しいことがあげられます。 従来の階層型組織では、全ての意思決定を上司や役職の高い社員がおこなっていました。そのようなこともあり、決定事項を上司から共有されることで情報の一元化が可能が容易でした。 しかし、自律型組織の意思決定は、基本的に個人でおこなわれています。 数人や数十人などの組織で自律型組織を導入するのなら、ある程度社内に情報を共有することは可能でしょう。 また、数百人の組織となると、意思決定の数も増加するため、全体に情報が伝わりにくくなります。 全体に情報が伝わりにくくなることは、社内の混乱を招くきっかけにもなり、円滑に仕事がしにくくなるでしょう。 そのため、自律型組織を導入する際は社内で情報共有ツールを導入し、情報の一元化が容易になるような環境づくりをすることが大切です。

 

05自律型組織づくりに必要な3つのポイント

自律型組織のメリット・デメリットを理解したうえで導入を検討している人事担当者もいるかもしれません。自律型組織づくりに必要なポイントを3つ紹介します。

組織のビジョンへの共感とバリューの社員への浸透

自律型組織を導入する際に、組織のビジョン(価値観)への共感とバリュー(行動指針)を社員へ浸透させなければいけません。 そのためには、組織のビジョンやバリューが分かりやすくシンプルに言語化されている必要があります。 ただ、ビジョンやバリューによっては、社員からの共感が得られず見直しが必要な場合もあるでしょう。見直しが必要な場合は、経営者だけでなく社員とともに行動指針を作り直すことをおすすめします。 作り直したビジョンやバリューは社員に説明し、共感を得て浸透させることが大切です。 このように組織のビジョンへの共感とバリューを社員に浸透させることでトラブルを防ぎ、より働きやすい環境づくりになるでしょう。

働きやすい職場環境を整える

自律型組織は、社員の数字面での成績よりも働きやすい職場環境を整えることが大切です。 自律型組織は社員のモチベーションによって事業のパフォーマンスが左右されるので、企業の利益を向上させるためにも働きやすい職場環境を整える必要があります。 たとえば、社員同士が気軽にコミュニケーションを取りやすい職場環境や時間や場所にとらわれない働き方の実現など社員目線で働きやすい職場環境を考えて整えましょう。 社員に働きやすい職場環境に関するアンケートに回答してもらうのもいいかもしれません。

最適な目標を設定する

最適な目標を設定することが自律型組織では大切です。自律型組織は、各部門が独立してプロジェクトを推進するため、階層型組織よりも最適な目標を設定する必要があります。 目標を達成するまでの道のりが簡単だったら飽きてしまうかもしれません。難しすぎて目標達成のきざしが見えないとやる気を失ってしまう可能性もあります。 そのため、社員のモチベーションを維持したりするためには最適な目標を設定する必要があるのです。


 

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  • 株式会社チームボックス代表取締役

    三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任。2010年より日本ラグビーフットボール協会、指導者を指導する立場である初代コーチングディレクターに就任。12年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、16年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。14年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。

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  • マーケター

    龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感し、多摩大学大学院で"学び直し"。 その後、株式会社デコムなどでデジタルマーケティング、消費者インサイト等の業務に携わり、現在は「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーにてマーケティング全般を担当している。

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生産性やアウトプットの質を高める上で重要な「課題設定力」をどのように磨いていくか、そのノウハウについて学んでいきます。 課題設定の精度を上げる手法として、ロジカルに考えていく方法、そしてラテラルに考えていく方法があります。第1回目の授業では、ロジカルに課題設定の精度を上げる方法について紹介します。

 
  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。

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07まとめ

自律型組織の概要や種類、メリット、デメリット、導入に必要なポイントについて紹介しました。自律型組織は、上下関係がなく社員に意思決定の権利が与えられているため、自分自身の意見を事業に大きく反映できることや意思決定を早くすることも可能です。 社員一人ひとりが自律して変化の激しい社会を生き残っていくためには、従来の組織から自律型組織に変えていく必要があります。今よりもさらに企業の価値を向上させたいと考えている人事の担当者は、自律型組織の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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