公開日:2022/09/08
更新日:2023/01/18

離職率を低下させるメリットとは?離職率の平均値や低下させる方法を解説

離職率を低下させるメリットとは?離職率の平均値や低下させる方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

一定期間内に、どれだけの社員が離職したかを示す離職率。離職率の低下によって、人材採用に多くのメリットを期待できます。本記事では、国内における離職率平均や離職率を低下させるメリット、低下させる方法を解説しているため、人事担当者はぜひ参考にしてください。

 

01離職率とは?

離職率とは、一定期間内に、どれだけの社員が離職したかを示す指標です。離職率の定義を定める法律はありませんが、厚生労働省が公表する雇用動向調査にて定義が示されています。 厚生労働省の「雇用動向調査:調査の結果」では、1月1日時点の常用労働者に対する離職者の割合を、離職率と定義しています。 厚生労働省は、1月1日を基準として1年単位の離職率を算出しています。一方で、基準日を変更して、入社後3年間の離職率を算出している企業も存在します。また、対象の従業員を新卒採用者に限定し、新卒採用の離職率を算出している就活情報サイトもあります。 このように、離職率の一般的な定義は存在しているものの、活用目的や企業によっては算出対象となる従業員や期間が異なる場合もあるのです。

▶︎参考:「雇用動向調査:調査の結果|厚生労働省」

離職率の「七五三現象」とは?

離職率と関連性の高い言葉に、七五三現象が挙げられます。七五三現象は、入社後3年以内の新卒社員において、中卒が7割、高卒が5割、大卒が3割離職するという傾向を表した言葉です。1994年前後から、七五三現象が注目を集めて問題視されるようになりました。 厚生労働省が令和3年10月22日に公表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、令和2年度における新卒社員の離職率平均は、中卒55%、高卒36.9%、大卒31.2%です。 このデータからは、中卒と高卒の新入社員の離職率は、七五三現象が取り沙汰されていた1994年ごろよりも大幅に低下していることがわかります。しかし、大卒の新入社員の離職率はほとんど変化しておらず、今後の採用現場における課題のひとつと言えます。

▶︎参考:「新規学卒就職者の離職状況を公表します|厚生労働省」

 

02国内における離職率について

国内平均よりも著しく高い離職率の企業は、労働環境が悪い職場なのではないかという印象を求職者に与えかねません。それでは、日本国内の企業において、離職率の平均はどれほど高いのでしょうか。離職率の計算方法を確認したうえで、厚生労働省が公表しているデータを見ていきます。

離職率の計算方法とは

企業や活用目的によって、離職率の計算対象となる期間や従業員の範囲は異なるものの、基本的な計算方法は同じです。離職率は、対象従業員の総数に対する「一定期間内に離職した人数」の割合で計算します。 例えば、2022年の全従業員における離職率を計算したい場合、2022年1月1日から12月31日までの間に離職した従業員数を、2022年1月1日時点での全従業員数で割ります。2022年1月1日時点で200人が在籍している企業において、2022年1月1日から12月31日までに10人が離職した場合、計算式は「10÷200×100=5」となり、離職率は5%です。

国内全体の離職率平均値

厚生労働省が令和3年12月21日に公表した「令和3年上半期雇用動向調査結果の概況」によると、日本国内における離職率平均は2021年度で8.1%です。2019年度は9.1%、2020年度は8.5%であったため、2021年度は3年連続での離職率低下となりました。 また同調査結果によると、2021年度における性別離職率平均は、女性が8.9%で男性が7.4%と、男性よりも女性の方が離職率が高くなっています。

▶︎参考:「令和3年上半期雇用動向調査結果の概況|厚生労働省」

 

03離職率が高くなる原因とは

離職率を低下させたい場合、離職率を高めている原因を意識的に取り除くことが重要です。離職を決断する理由は人それぞれ異なりますが、主にどのような原因で離職率が高くなってしまうのでしょうか。ここでは、離職率が高くなりやすい原因をいくつかピックアップして、解説していきます。

  • ・1.給与面の待遇に不満がある
  • ・2.残業や休日出勤が多い
  • ・3.仕事にやりがいや達成感を感じられない
  • ・4.職場の人間関係がうまくいかない

1.給与面の待遇に不満がある

給与面の待遇に不満があることは、離職率を高める大きな原因です。ほかの企業に勤めている同期と比べて年収が低い、または勤続年数が増えても思うように昇給しないといった場合、従業員は給与面の待遇に不満を抱いてしまいます。その結果、今の企業よりも給与面の条件が良い企業への転職を検討し、離職に至るおそれがあります。

2.残業や休日出勤が多い

残業や休日出勤が多すぎると、従業員は十分に休息をとれなかったり、私生活を楽しむ時間の余裕がなくなったりします。その結果、今の労働環境に対して大きなストレスを抱くようになり、残業や休日出勤が少ない企業を探して離職する可能性があります。残業や休日出勤が多いと感じる基準は人それぞれですが、従業員が労働環境に不満を持っていないかを定期的にチェックすることが重要です。

3.仕事にやりがいや達成感を感じられない

給与面の待遇がいくら良くても、仕事にやりがいや達成感を感じられない場合、仕事をするのがつらく感じるようになってしまいます。仕事にやりがいを求めない人もいるものですが、多くの人は仕事に達成感を感じられないと次第にモチベーションが下がり、仕事へのやる気を失うおそれがあるのです。

4.職場の人間関係がうまくいかない

ほとんどの場合、自分ひとりだけで仕事が完結することはなく、職場の人たちと協力し合いながら仕事を進める必要があります。そのため、職場の人間関係がうまくいかないと、仕事を進めること自体につらさやストレスを感じる可能性が高くなります。職場の人間関係によってストレスが溜まりすぎると、転職するしか方法がないと感じ離職に至ってしまいます。

 

04離職率を下げることによるメリットとは

離職率を下げることで、企業のイメージアップや生産性向上といったメリットを期待できます。また、人材採用や育成にかかるコストが無駄にならないというメリットもあります。それでは、離職率を下げることでどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきます。

  • ・1.働きやすい企業というイメージを持ってもらえる
  • ・2.企業全体の生産性が向上する
  • ・3.人材採用・育成にかかるコストが無駄にならない

1.働きやすい企業というイメージを持ってもらえる

一般的に、従業員が労働条件や企業の経営に対して不満を持っている場合、離職率が高くなりやすいと言えます。そのため離職率が高い企業は、従業員にとって働きにくい労働環境なのではないか、あるいは経営が不安定なのではないかといったイメージを抱かれるおそれがあります。 一方で、離職率が低い企業は、従業員が働きやすいクリーンな労働環境と、安定した経営状況の企業というイメージを持ってもらえる可能性が高いです。その結果、離職率を入社の基準にしている求職者への大きなアピールとなり、人材採用現場における競争力が高まると期待できます。

2.企業全体の生産性が向上する

離職率が低い企業では、従業員が労働環境や職場の人間関係に満足している状態であると言えます。そのような状態では、従業員は快適に仕事に取り組めるため、業務効率がアップする可能性があります。そして、従業員一人ひとりの業務効率が上がれば、企業全体の生産性が向上し、企業としての体力を強化できるはずです。

3.人材採用・育成にかかるコストが無駄にならない

人材採用の現場では、広告費や採用担当者の人件費など、さまざまなコストがかかっています。また、採用後の人材育成では、研修の費用などのコストが発生するものです。従業員が離職するということは、こうしたコストが無駄になってしまうことを意味します。 また、離職率が高ければ高いほど、離職によって無駄になるコストも増加してしまいます。そのため離職率が下がれば、人材採用・育成にかかるコストが無駄にならず、企業にとって大きなメリットとなるのです。

 

05離職率を低下させるための方法とは?

離職率を下げることで、生産性の向上や企業のイメージアップなど、多くのメリットを期待できます。しかし、離職率を下げるためにはどのような方法が考えられるのでしょうか。ここでは、離職率を低下させるための方法を紹介していきます。

1.採用候補者に提示する情報量を増やす

離職率が高まる原因には、休日出勤や残業時間の多さ、給与面の待遇への不満が挙げられます。こうした労働条件は、企業側が公表している情報を確認することで、入社前に自分の希望と合致するかどうかを判断できます。 しかし、企業が提示する情報量が少ないと、入社後に企業側と従業員側とで労働条件に関するミスマッチが発生するおそれがあるのです。そのため、離職率を低下させるためには、採用候補者に対して公表する情報を増やすことがおすすめです。

2.面談では従業員が抱える不満やニーズを聞く

同じ労働条件や職場環境でも、従業員一人ひとりで不満やストレスの感じ方は異なります。したがって、定期的に面談を実施し、従業員が抱える不満やニーズをヒアリングするのがおすすめです。 ヒアリングした結果、不満が多く挙がった労働条件やニーズの高い施策に関しては、経営層へ相談して改善するようにしてください。

3.研修を増やして人材育成に力を入れる

離職率が高まる原因のひとつに、仕事にやりがいを感じられずモチベーションが下がることが挙げられます。そのような事態に対しては、従業員への研修機会を増やして、人材育成に力を入れるのが有効です。 研修が増えれば、従業員が研修を通して自身のスキルアップを感じられたり、仕事へのマインドセットができたりといった効果を期待できます。その結果、仕事に対してやりがいを感じやすくなり、離職率が低下する可能性があります。

  • ・1.採用候補者に提示する情報量を増やす
  • ・2.面談では従業員が抱える不満やニーズを聞く
  • ・3.研修を増やして人材育成に力を入れる
 

06離職率低下に役立つSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級7,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級7,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
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離職率に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、離職率に関する授業を紹介いたします。

テレワーク下でのラインケア - メンタルヘルスマネジメント

この授業ではテレワーク下で起こりうる属性ごとのメンタルダウン発生要因についてと、予防のために管理職として配慮、注意すべきことを解説します。

 
  • 株式会社カイラボ 代表取締役

    大学卒業後、(株)日本能率協会コンサルティングにて企業の業務効率化などに従事。ストレスが原因で入社2年で退職。 2011年に社会人教育のベンチャー企業でマネージャーを務める。 2012年株式会社カイラボを設立。新卒入社後3年以内で辞めた若者100人インタビューをおこない、その内容をまとめた「早期離職白書」を発行。 現在は多くの企業の若手社員定着率向上支援を行うほか、 講演、管理職・OJT担当者向け研修、採用コンサルティングなどを行っている。

テレワーク下でのラインケア - メンタルヘルスマネジメントを無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

メンタルヘルスマネジメント〜メンタルダウンを未然に防ぐラインケアの基礎〜

この授業では職場の上司が部下の心の健康づくりのためにケアをしていく「ラインケア」を学び、 心身ともに健全なチームづくりの実践ができるようになることを授業のゴールとしています。 講師には、企業の早期離職防止や人材育成力アップの為のコンサルタントとして活躍されている 井上洋市朗さんを招き、不調の早期発見のポイントや、 リモートワーク下でのケアのポイントなどをわかりやすく授業していただきます。

 
  • 株式会社カイラボ 代表取締役

    大学卒業後、(株)日本能率協会コンサルティングにて企業の業務効率化などに従事。ストレスが原因で入社2年で退職。 2011年に社会人教育のベンチャー企業でマネージャーを務める。 2012年株式会社カイラボを設立。新卒入社後3年以内で辞めた若者100人インタビューをおこない、その内容をまとめた「早期離職白書」を発行。 現在は多くの企業の若手社員定着率向上支援を行うほか、 講演、管理職・OJT担当者向け研修、採用コンサルティングなどを行っている。

メンタルヘルスマネジメント〜メンタルダウンを未然に防ぐラインケアの基礎〜を無料視聴する

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「1on1」に不可欠な心理的安全性と心理的柔軟性

この授業では、「心理的安全性」と「心理的柔軟性」の2つのキーワードをもとに、どのような「1on1」が成果を最大化するために価値を発揮するのか、プロラグビーコーチで人材育成プロデューサーの二ノ丸さんからお話を伺います。

 
  • プロラグビーコーチ/人材育成プロデューサー

    ラグビーを始めるため名門・啓光学園中学・高校、同志社大学に進学。 卒業後は、ラグビーの本場ニュージーランド留学を経て、ジャパンラグビートップリーグ(現:ジャパンラグビー リーグワン)のクボタスピアーズでトップリーガーとして選手生活を送り、2006年に引退。 引退後は、株式会社クボタにて、法務部、広告宣伝部で従事するなど社業に専念する。 2012年に日本ラグビーフットボール協会リソースコーチ(協会から任命を受けたトップコーチ)となり、 U17/U18ラグビー日本代表コーチを歴任するなど、特にユース世代選手の発掘・育成・強化に携わる。 2016年には約15年勤務した株式会社クボタを退社し、人材育成プロデュース事業、スポーツコーチング事業、デュアルキャリアサポート事業を主に展開する「Work Life Brand」を設立し、代表に就任。 全国屈指の強豪チームである奈良県立御所実業高校ラグビー部やカーリングチーム、更にはサッカーやハンドボール、バレーボールなどのコーチなど、10を超える契約を結びサポートしている。 また、主体的に行動する”自考動型人材”を提唱し、新入社員から管理職までの階層別の研修・講演を行うなど、 スポーツとビジネスの両分野でデュアルに活動している。 (コロナ禍におけるオンラインの講義は国内外で200回を超える) 2021年、指導者と保護者が学び続け、選手を含めた全ての人びとが幸せになることを理念とした、「#他競技から学ぼう」の代表プロモーターとして活動をスタート。 2022年、監督ではなくいわゆるNO.2の存在である“コーチ“に限定し、少人数制ディスカッション型セミナー”二ノ丸友幸の参謀サミット”を主宰している。 テレビ解説、ラジオなどのメディアにも出演中

「1on1」に不可欠な心理的安全性と心理的柔軟性を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

 

07まとめ

離職率は、求職者が入社する企業を選ぶ際の、重要な指標のひとつです。離職率が高い企業は、働きにくい環境というイメージを持たれてしまいます。一方で、離職率が低ければ、従業員にとって働きやすい企業というイメージを持ってもらえる可能性が高いと言えます。 昨今は人材不足によって、採用現場における競争が激化しつつあります。採用現場における競争力を高めて優秀な人材を集めるためには、離職率を低下させる取り組みが欠かせません。本記事では、離職率を下げる取り組みとして、定期的な面談の実施や研修の強化などを紹介してきました。 離職率を低下させたい、または優秀な人材を採用したい人事担当者は、本記事で紹介した取り組みを試してみてはいかがでしょうか。

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