更新日:2025/12/06

社内にナレッジを蓄積する方法とうまくいかない状況の解決策を紹介

社内にナレッジを蓄積する方法とうまくいかない状況の解決策を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

社内ナレッジを蓄積し共有していれば、特定の業務が属人化していたがために一人の離職で業務が停滞する、というケースを減らせるでしょう。そのために必要な蓄積方法や解決すべき課題について解説していきます。

 

01社内ナレッジとは何か

ナレッジとは|DIKWモデル

▶︎画像引用:Schoo|業務の「属人化」を「標準化」に変える 情報共有仕組み化のコツ

社内ナレッジとは、企業やその従業員が蓄積してきた経験、知識、ノウハウなどのことを指します。オンライン学習サービスSchooの授業『業務の「属人化」を「標準化」に変える 情報共有仕組み化のコツ』に登壇するプライズ株式会社の代表取締役CEO内田 孝輔先生は、ナレッジを「組織の様々な目的達成において有益な形に情報が統合されたもの」と定義しています。

ナレッジであるための条件

▶︎画像引用:Schoo|業務の「属人化」を「標準化」に変える 情報共有仕組み化のコツ

同授業の中で、内田先生は単なる情報ではなくナレッジであるための条件には、以下の3つの条件が必要と述べています。

  • 1.活用の目的が明確になっていること
  • 2.目的に即した情報量と内容であること
  • 3.活用の目的に沿って検索できること

ナレッジを蓄積するだけでは意味がなく、それは単なる情報の蓄積です。ナレッジは蓄積されて活用されることで初めて意味を成します。そのため、目的が明確になっていたり、検索できるといった条件が揃っていることがナレッジであるための条件となるのです。


【無料アーカイブ動画】
ナレッジマネジメントツール「flouu」のCEOが語るナレッジマネジメントを成功せるポイント

この動画では、ナレッジマネジメントツール「flouu」を提供するプライズ株式会社 代表取締役CEOの内田 孝輔氏が、ナレッジマネジメントについて、必要性から方法、ポイントまで詳しく解説しています。ツール提供者だからこそ知りえる、多くの企業を支援してきた中で見えてきた失敗例などもケーススタディとして語っていただいているので、ナレッジマネジメントに本格的に取り組みたいという方はぜひご覧ください。

 
  • プライズ株式会社 代表取締役CEO

    アクセンチュア経営コンサルティング本部等にて多数の戦略・業務改革コンサルティング業務に従事。その後、カカクコム食べログ本部等3社にて新規事業の立ち上げおよび事業経営に従事した後、株式会社iettyにて取締役COOとして業務改革、オペレーション組織立ち上げを中心とした幅広い企業経営に携わる。 営業から経理まで幅広い領域における業務変革をコンサルタント・事業経営者としてリードした経験を有する業務変革のプロフェッショナル。

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02社内にナレッジを蓄積・共有するメリット

社内にナレッジを蓄積・共有するメリット

▶︎画像引用:Schoo|業務の「属人化」を「標準化」に変える 情報共有仕組み化のコツ

オンライン学習サービスSchooの授業『業務の「属人化」を「標準化」に変える 情報共有仕組み化のコツ』に登壇するプライズ株式会社の代表取締役CEO内田 孝輔先生は、社内ナレッジを蓄積・共有するメリットには「業務効率化(コスト抑制)」・「イノベーション(売上拡大)」の2つがあると述べています。この章では、これらのメリットについて詳しく紹介します。

1.業務効率化(コスト抑制)

社内にナレッジを蓄積・共有することによって、経験の言語化や共通認識の醸成、知識の融合が行われます。その結果、仕事の内容や進め方を平準化したり、業務の品質を高い状態に保ったりすることが可能となります。

この標準化の実現により、組織は業務効率化(コスト抑制)につなげることができます。また、ノウハウが共有されずに、似たような資料を各自がゼロから作成するといった非効率な事態を防ぎ、組織の生産性低下を食い止めることにも役立ちます。

2.イノベーション(売上拡大)

組織内のさまざまな人々の知見や目線を融合することによって、従業員は新しい気づきを得ることができ、これが新たなビジネスの種となることに繋がります。

つまり、組織が継続的なナレッジマネジメントを行うことで、イノベーションに貢献し、結果的に売上の拡大を期待することができるということです。

 

03社内にナレッジを蓄積する具体的な方法

ナレッジを活用するためには、ナレッジの蓄積と共有の双方が欠かせません。この章では、まず社内にナレッジを蓄積する具体的な方法を紹介します。

社内wiki

社内wikiとは、社員が自由に知識やノウハウなどを書き込むことができるツールのことです。閲覧権限の設定もできることが多く、ナレッジの活用だけでなく議事録や社内共有資料としても活用できます。

社内wikiを活用するメリットは、情報の整理のしやすさです。ナレッジを社内で蓄積し、共有するためには、ナレッジを探しやすく整理しておくことが欠かせません。その点で、社内wikiはツリー構造を簡単に作成できるので、部署単位でまとめたり、施策単位でまとめることが簡単にできるので、ナレッジを探しやすい状態で蓄積することができます。

社内wikiツールの代表例として、esa・Notion・Confluenceがあり、特にNotionはAI活用もできるため、蓄積する社員の負担を軽減するという面でおすすめのツールです。

Notion AIの使い方を動画で解説

この動画では、Notionを活用した効果的なアイデア出し、to doリストの生成、文章翻訳、要約、記事作成の方法を学ぶことができます。Notionの基本的な概要と使い方、NotionAIの便利な機能(アイデア出し・to doリスト生成・文章翻訳・要約・記事作成)、NotionAIの具体的な活用イメージなどを実際にNotionの画面を用いながら解説しています。

 
  • AI活用インフルエンサー

    AIを日常使いする方法をSNSで発信中。Notion公認資格所持。企業へのAI導入や受託開発、Notion運用支援の実績多数。国際基督教大学卒業

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Google Workspace

Google Workspaceとは、Google社が提供している無料で使用できるツールのことです。Microsoft社が展開しているExcelやPowerPoint、Wordとほぼ同じ利用が可能なため、スタートアップ・ベンチャー企業ではGoogle Workspaceがよく使用されています。

Google Workspaceのメリットは、リアルタイムでの同時更新と無料という部分にあります。同時に複数人が書き込み、編集することができるので、オンラインMTGの際はホワイトボードのような使い方も可能です。一方で、社内wikiのように情報を整理するという面では1つ手間がかかるというのがデメリットです。GoogleDriveでフォルダを分けて、そのフォルダに格納しなければ情報が整理されず、ナレッジを探しにくくなってしまいます。

ナレッジマネジメントツール

ナレッジマネジメントに特化したツールを活用するという方法もあります。ナレッジの蓄積と共有に強みを置いたツールになるので、ナレッジ活用を本格的に推進したい企業に向いています。

一方で、ナレッジマネジメントツールと社内wikiツールの境界線は昨今薄れてきており、機能がそれぞれ追加されて、どちらも同様の機能が備わっていることも多くなってきました。用途ごとに異なるツールを導入されても、それぞれ開くのが面倒で使わなくなる危険性があるので、社内wikiをすでに導入している場合はその社内wikiでナレッジの蓄積と共有を実現できないか、まずは検討してみるのが良いでしょう。

 

04ナレッジ共有を社内に浸透させる方法

ナレッジは蓄積するだけでは意味がなく、共有されて初めて意味をなします。しかし、社内にナレッジを蓄積していくことと同様に共有する文化を浸透させていくことも難しいのが事実です。この章では、ナレッジ共有を社内に浸透させる方法について紹介します。

ナレッジマネージャーを決める

社内にナレッジが蓄積され、共有されることは望ましいと考える社員が大半でしょう。しかし、実態としてうまく機能している会社は多くありません。その理由は端的に言えば、面倒だからです。特に、目標を達成するために多くの業務をこなしているプロフィットセンターの社員の中には、ナレッジの蓄積と共有はされたら嬉しいが自分が率先して続けることは億劫に感じてしまうという人も少なくないでしょう。多くの社員にとってナレッジの蓄積と共有は自身の目標になっておらず、査定にも響かないので、やった方が良いがやらなくても損を感じない仕事なのです。

そのため、ナレッジマネージャーという役割を決めて、ナレッジの蓄積と共有を推進する人材をチームや部署内に置くことが有効です。そして、そのナレッジマネージャーの目標設定にナレッジの蓄積と共有、仕組み化などを組み込むことによって、ナレッジマネージャーにとってその仕事が達成しなければならないタスクに変わります。最初はチームメンバーに頻繁に声をかけて、蓄積を促し、共有する場を設けるなどの取り組みが必要ですが、一度仕組み化して定常化してしまうと、それが当たり前の文化になるので、そこまで昇華させることができれば、ナレッジマネージャーとして会社に大きく貢献したと言えるのではないでしょうか。

共有すべきナレッジを決めておく

部署やチームにとって有益なナレッジは何かを考え、そのナレッジに関しては共有する仕組みを組むようにしましょう。例えば、目標達成に関してのナレッジは必ず共有するとルール化することで、メンバーも何を共有して何を共有しなくて良いのかの判断に迷うことがなくなり、共有が面倒なものと感じる要因を減らすことができます。

また、どのようにナレッジを共有するのかもルールにしておくと良いでしょう。おすすめはチャットツールで表記ルールも決めた上で共有する方法です。例えば、【ナレッジ共有】と文頭に必ず入れるといったルールを決めておくことで、後々探しやすい状態も共有と同時に作っておくことができます。これは中途採用で入ってきた社員に共有する際にも有効なので、ぜひ試してみてください。

ナレッジ共有によって結果を出す

多くの社員にとってナレッジ共有は面倒なもので、自分の業務に影響をもたらさないものと思われているでしょう。このような思考を打破するには、ナレッジ共有によるメリットを感じてもらう他ありません。社内にナレッジを蓄積・共有する目的も生産性の向上や形式知による業績貢献のはずなので、結果を出すことは目的にも則しているはずです。

ナレッジの共有によって、他者に貢献したという結果をまずは出しましょう。そして、その結果が出たことも大々的に共有することもおすすめです。誰かの役に立ったという経験がナレッジ共有に向き合う姿勢に大きく影響するので、部署やチーム内で発言力や影響力の強い人材を率先して巻き込めるように工夫すると、ナレッジの蓄積・共有が文化として根づきやすくなります。

 

05社内のナレッジ蓄積・共有がうまくいかない状況

社内のナレッジ蓄積・共有がうまくいかない状況

▶︎画像引用:Schoo|業務の「属人化」を「標準化」に変える 情報共有仕組み化のコツ

社内のナレッジ蓄積・共有がうまくいかない場合、以下の5つの状況が発生しているる可能性が高いです。

  • 1.共有するのが面倒
  • 2.欲しい情報が探せない
  • 3.業務に役に立たない
  • 4.ナレッジが蓄積されない
  • 5.継続せず形骸化してしまう

この章では、これらの社内のナレッジ蓄積・共有がうまくいかない状況と、その解決法について詳しく紹介します。

1.共有するのが面倒

「共有するのが面倒」という状況は、主にマインドの問題として捉えられます。これは各社員が、ナレッジの蓄積・共有の重要性や自分自身への恩恵を理解していないために発生します。従業員は自分の業務がある中でナレッジ共有を行うため、ナレッジ蓄積の重要性が腹落ちしていないと、なかなか工数を割いてくれないでしょう。

この状況を打開するためには、「貢献者の利を示す」ことが重要です。ナレッジを提供(貢献)する一人ひとりに、最初は大変でも後から確実に業務に役立つ形で恩恵が戻ってくることを具体的に示し、全員がその恩恵を理解している状態を目指す必要があります。

2.欲しい情報が探せない

ナレッジとして活用できる情報が組織内に存在していても、それを探せる仕組みがない場合、ナレッジとして活用することができません。これは、ナレッジが時間と共にその価値が減耗していく資産であるにもかかわらず、陳腐化したナレッジがメンテナンスされずに残り続けてしまうことで、探したときにノイズ(古くて使えない情報)が大量に出てきてしまうことなどが原因で起こります。

このような状況を引き起こさないためには、陳腐化したナレッジを最新の状態にするためのプロセスを業務設計の際に意識する必要があります。また、ナレッジの蓄積や活用を効率的・効果的に行うテクノロジー(システム)を実装することも欠かせません。特に、利用者は「欲しい情報が効率的に検索できる」といった、基本的な作業を効率的に行える機能に大きな期待を寄せています。つまり、陳腐化した情報が混ざらず、目的の情報をすぐに検索できるシステムと、それを維持するプロセスを設計することが解決に繋がります。

3.業務に役に立たない

5年前や10年前の古い情報が残り続けていることが原因で、探してもノイズ(役に立たない情報)しか出てこないという状況が起こりえます。ナレッジは時間によってその価値が減耗していく資産であるため、メンテナンスがされていないと、いざ活用しようとしても業務に役立たなくなってしまうのです。

この状況を打開するためには、陳腐化したナレッジを最新の状態に維持するための「更新も含めた業務設計」を考える必要があります。また、ナレッジマネジメント推進の立場から、そもそも提供されたナレッジが「活用者の利」になっているかどうかを常にチェックし、利になっていない場合は、その理由を考察して改善に向けることも重要です。これにより、組織が保有するナレッジの鮮度と関連性を高め、実務に役立つものにすることができます。

4.ナレッジが蓄積されない

ナレッジ共有を草の根的な活動として進めようとした結果、ベテラン社員が「自分のやり方でやるから、あなたはあなたのやり方でやっていい」と協力を拒否してくることも珍しくありません。また、ナレッジの言語化を依頼しても、マインドが醸成されていないため、協力が得られずうやむやになってしまうケースが多く見られます。

ナレッジが蓄積されない

▶︎画像引用:Schoo|業務の「属人化」を「標準化」に変える 情報共有仕組み化のコツ

このような状況を打開するためには、まずマネジメント層から啓蒙を行い、組織全体の取り組みとしてナレッジマネジメントを推進するアプローチに切り替える必要があります。さらに、ベテラン社員本人に言語化を依頼するのではなく、「学ばせていただく」スタンスで、他の社員が汗をかいてナレッジを言語化していくプロセスを採用することも検討しましょう。その上で経営層も巻き込み、ナレッジマネジメントへの貢献を具体的な人事評価として反映させ、ボランティアで終わらない仕組みを作ることも重要です。

5.継続せず形骸化してしまう

ナレッジ共有のルールが厳密過ぎることや、ナレッジ共有が独立したタスクとして存在し、現場に負担をかけているとナレッジの蓄積や共有が継続せず、形骸化してしまうことが多いです。また、ナレッジ共有に対する納得感(マインド)が調整されていないことで、従業員がその意義や自分への恩恵を理解できず、業務がある中で意識が向きづらいことも原因と言えるでしょう。

継続せず形骸化してしまう

▶︎画像引用:Schoo|業務の「属人化」を「標準化」に変える 情報共有仕組み化のコツ

このような状況を作り出さないためには、ルールを厳密にしなくても情報が蓄積・共有できるように、システムを効果的に活用し、利用者の負担を軽減すると良いでしょう。また、ナレッジ共有が独立したタスクとならないよう、定常業務の中でナレッジ化が進むような業務プロセスを設計しなければなりません。


 

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06まとめ

従業員たちは何もせずとも業務上で必要な知見を蓄積していきます。あとはその個人の知見を社内ナレッジとして共有し、誰でも活用できるようにするのみです。 ここで紹介した社内ナレッジの共有化に必要な考え方やツールは、そのために役立つでしょう。ぜひこの機会に、自社の社内ナレッジの共有方法について取り組みを見直してみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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