公開日:2022/11/25
更新日:2024/01/09

集中力を維持するには?社員が集中できる職場環境の作り方や高める方法を解説

集中力を維持するには?社員が集中できる職場環境の作り方や高める方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年、多くの企業が職場環境の見直しを実施しています。職場環境を整えると、従業員だけではなく、企業にもさまざまなメリットが生まれるためです。本記事では、社員の集中力を維持する方法や集中を維持しやすい職場環境を整えるためのポイントについて詳しく解説しています。

 

01集中力とは

集中力とは、特定の事柄に注意を向ける状態を維持する能力のことです。

神経科学では「集中力」という言葉は用いず、「注意」という言葉を用います。注意には「選択的注意」・「分散的注意」・「持続的注意」の3つがあり、「選択的注意」は複数の中から選択した対象だけに注意を向けること、「分散的注意」は複数の対象に同時に注意を向けること、「持続的注意」は特定の対象への注意を持続させることを、それぞれ意味します。

従って、一般的に言われている「集中力」は、選択的注意と持続的注意を掛け合わせた能力のことを指します。

 

02集中力の持続時間

集中力の持続時間は、一般的に15分と言われています。集中力には周期という波があり、15分程度は高い状態を維持できますが、その後は1度落ち込み、また15分程度集中できるという周期を繰り返しているのです。

そのため、世の中には15分の倍数で構成されているものが多くあります。小、中、高校は45~50分を1時限とすることが多く、大学では90分を1時限の長さとして設定していることが多いのです。さらにテレビCMも15分程度の間隔で流れるようになっています。

 

03集中力を維持できない要因

集中力を維持できない要因は、主に以下の5つが挙げられます。

  • 1.職場で集中しづらい環境となっている
  • 2.業務内容が複雑で業務量が多い
  • 3.集中力の限界を超えた作業時間
  • 4.コミュニケーションの著しい不足
  • 5.心身の不調を抱えての作業

それぞれの要因について、以下で詳しく紹介します。

1.職場で集中しづらい環境となっている

「誰かがひっきりなしにおしゃべりをしている」「上司の怒鳴り声が大きい」など職場が集中しづらい環境となっている場合は、当然のことながら社員は集中力を継続させることができません。また、「外の道路工事音がうるさい」、「車の通りが激しく、クラクションが終始鳴り響いている」など、窓から聞こえてくる騒音によっても社員の集中力は途切れてしまいます。

2.業務内容が複雑で業務量が多い

社員一人ひとりの業務負担が大きすぎると、焦りやプレッシャーから気が削がれてしまい、注意散漫な状態になってしまいます。次第に、作業をしていても頭のなかにいくつも気になることが浮かんできて、目の前のことに集中できなくなります。

3.集中力の限界を超えた作業時間

繁忙期や重要なプロジェクトの進行中はどうしても作業時間を確保するため、休憩を取らずに仕事をしてしまいがちです。しかし、休む間もなく長時間作業をしていると、次第に体は疲れを感じ、情報を記憶したり思い出したりすることが困難になります。その結果、業務上のミスが目立つようになります。

加えて、認知機能や反射神経も鈍り、機械操作のミスなど、いわゆるヒューマンエラーが頻出しやすくなります。

4.コミュニケーションの著しい不足

コミュニケーションが著しく不足している場合にも、仕事の効率は低下します。なぜなら、一日のなかで他者と会話をする機会がまったくない場合、新しい考えに触れることができず、モチベーションを高められないためです。

加えて、コミュニケーション不足は、報告・連絡・相談といった業務において必要不可欠な共有も行いづらく、ミスが発生する原因にもつながります。度々、ミスが発生する職場はストレスも溜まりやすく、集中しづらい環境であることは言うまでもないでしょう。

5.心身の不調を抱えての作業

心身の不調を抱えての作業は、集中力低下の大きな要因です。このようなケースは、仕事による疲れやストレスが溜まった状態にあることがほとんどで、イライラや緊張によって集中力が散漫になってしまいます。体に十分な栄養が足りず、リフレッシュできていないため、体調不良にもなりやすいといったデメリットも存在します。

 

04集中力を高める方法

この章では、集中力を高める方法について紹介します。この章で紹介している内容は、「どこでも働ける私たちが「集中力」を保つためにすべきこと」というSchooの授業で、『集中力』(日本能率協会マネジメントセンター)、『深い集中を取り戻せ』(ダイヤモンド社)の著者である株式会社Sun Asteriskの井上氏が紹介している方法です。

  • 株式会社 Sun Asterisk

    大学卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルに入社。大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事する。2012年、JINSに入社。商品企画、R&D室JINS MEME事業部マネジャー、Think Lab取締役を経て、JINS経営企画部門 執行役員を務める。JINS退社後、Sun Asteriskに入社、Business Development Unit Manager。著作に『集中力』(日本能率協会マネジメントセンター)、『深い集中を取り戻せ』(ダイヤモンド社)、『異能の掛け算 新規事業のサイエンス』(NewsPicksパブリッシング)がある。

1.植物を置く

植物を10%~15%ほど目に入るようにしておくことで、集中力が高まります。仕事をする際には、PCやモニターの周辺に観葉植物を置いておきましょう。また、植物にはストレス軽減効果もあるので、それも相まって集中力を高める作用につながっています。

2.光マネジメントを行う

在宅勤務の場合は、光マネジメントに注意すると集中力が高まります。在宅勤務では、家の光を浴びながら仕事をすることになります。家の光は夕方から夜にリラックスすることを前提にされていることが多く、夕日のような暖色系の光であることが多いです。一方で、オフィスの光は昼間に過ごすことを前提にしているので、青空のようなブルーライトであることが多いです。日中はブルーライト、夕方以降は暖色系の光に切り替えることで、集中力を維持できる環境を作ることができます。

3.自然音を聞く

自然音を聞くことで集中力が高まります。ただし、在宅勤務やオフィスの場合に、この自然音で集中力を高める方法をとるのは難しいです。その理由として、自然音は耳で聞こえない音まで再現すると、集中に効果があると言われています。耳で聞こえる音だけではリラックス効果は無いことが証明されており、スピーカーを自分で調節して耳で聞こえない音を再現する必要があります。つまり、Youtubeなどで自然音と検索してイヤホンで聞くだけでは、集中力向上に寄与しないのです。

4.アロマで気持ちのスイッチを入れる

アロマは、気持ちのスイッチを入れるのに効果があります。例としては、お坊さんが代表例でしょう。仏教には匂いを嗅いでから瞑想に入るような宗派もあり、匂いが気持ちのスイッチ、集中力を高めるトリガーとして使われています。どの匂いが良いというものは特になく、自分の好きな匂いを1つ決めて、この匂いの時は集中すると決めると集中力が高まります。

5.長時間座れる椅子に座る

姿勢は集中力に大きな影響を与えると言われています。腰を支えて、正しい姿勢で座ることのできる椅子は、集中力を高める効果もある上に、腰痛や肩こりを軽減する効果もあります。コロナで在宅勤務が余儀なくされた際には、長時間座っても疲れない椅子に自己投資する人が増えたことから見ても、椅子の重要性は証明されていると言えるでしょう。

6.集中しやすいデスク環境を整える

人は圧迫感を感じると、どうしても集中力が欠けてしまいます。これを防ぐには、デスク周りに空間を設けることが重要です。また、背後にドアがあるというレイアウトも、ドアが開くたびに後ろが気になるため、集中しづらい傾向にあります。可能であれば、背後が壁になるようにデスクを設置してみましょう。

7.タスクの優先度づけを徹底する

タスク管理がしっかりできていると、期日までに業務を終わらせようと頑張るため、自ずと集中力が高まって、効率よく仕事を行えます。 仕事の締め切りを守ることはもちろん、締め切りが特に決まっていない仕事でも、あえて締切を設けることで、集中できる環境を作り出せます。また、仕事をいくつかのタスクに分けて、タスクごとの締め切りを設定すると、より集中しやすくなります。 ただし、すべての仕事に締め切りを設定してしまうと、常に締め切りに追われている状態となり、ストレスを感じやすくなってしまいます。そのため、優先順位の高いもののみ、タスクづけを行いましょう。

8.集中する時間帯を決めてスケジューリングする

人間には一日の中で集中力が高まる時間帯があります。それが以下の3つです。

  • 脳も体も疲れていない午前中(起床後2〜5時間)
  • 軽い運動後(疲れない程度)
  • 仮眠後(30分以内)

これらの時間は脳が活性化し、集中力が高まりやすいと言われています。そのため、発想力が求められるクリエイティブな作業や、集中して行う必要がある作業はこれらの時間に遂行し、作業の効率化を図りましょう。

9.マルチタスクを極力しない

マルチタスクは、一度に2つのことを同時に脳内で処理しているように見えますが、実際は、異なるタスクに取り掛かるたびに、使う脳の場所を瞬時に切り替えているため、脳にかかる負荷が大きく、集中力が途切れやすい作業方法です。「脳は忙しいのに、実際に作業はなかなか進んでいない」というケースが少なくないため、作業はシングルタスクでこなすのがおすすめです。

 

05集中力を向上させるSchooのオンライン研修

Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約8,000本の講座を用意しており、様々な種類の研修に対応しています。集中力の向上に役立つ講座だけでなく、階層別研修からDX研修まで幅広い研修を1つのサービスで実施することができるという点が特長です。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 8,000本
※2023年12月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,500円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

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大企業から中小企業まで3,500社以上が導入

Schoo導入企業ロゴ

Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで3,500社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。

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集中力を向上させるSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、集中力を向上させる授業を紹介いたします。

どこでも働ける私たちが「集中力」を保つためにすべきこと

この授業では、在宅勤務の課題でよく聞かれる「家で集中して仕事ができない」という悩みに対して、環境設計や集中できる仕事の取り組み方について解説していただきます。 講師は、集中力を測定できるJINS MEME所属の井上一鷹さん。 環境整備度合いと家族構成でどのくらいの集中力の差があるのかデータをもとに教えていただきます。

 
  • 株式会社ジンズ執行役員 兼 株式会社Think Lab取締役

    Newspicksプロピッカー(キャリア・教育関連)。 大学卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルにて大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事後、ジンズに入社。 商品企画部、JINS MEME事業部、Think Labプロジェクト兼任。算数オリンピックではアジア4位になったこともある。 著書「2021/01/28発売:深い集中を取り戻せ」   「集中力 パフォーマンスを300倍にする働き方」

どこでも働ける私たちが「集中力」を保つためにすべきことを無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

『トップ1%の必須常識 「集中」と「リラックス」』著者:辻秀一さん

この授業では、「仕事の速い人」の頭の中では何が起こっているのか?」や「トップアスリートや一流経営者も実践しているパフォーマンスを最高にあげる方法」について、著者辻秀一さんから教えていただきます。

 
  • スポーツドクター

    1961年東京都生まれ。 北海道大学医学部卒業、慶應義塾大学で内科研修を積む。 その後、人の病気を治すことよりも、「本当に生きるとは」を考え、人が自分らしく心豊かに生きること、すなわちクオリティーオブライフ(QOL)のサポートを志す。 スポーツにそのヒントがあると閃き、慶大スポーツ医学研究センターでスポーツ医学を学ぶ。 99年、QOL向上のための活動実践の場として、株式会社エミネクロスを設立。 スポーツ心理学を日常生活に応用した応用スポーツ心理学をベースに、個人や組織のパフォーマンスを、最適・最大化する心の状態「Flow」を生みだすための独自理論「辻メソッド」でメンタルトレーニングを展開。 エネルギー溢れる講演と実践しやすいメソッドで、一流スポーツ選手やトップビジネスパーソンに熱い支持を受けている。 現在、「辻メソッド」はスポーツ界だけではなく、そのわかりやすく実践しやすいメソッドに反響を得てビジネス界、教育界、音楽界に幅広く活用されている。 またスポーツドクターという健康の専門家として、健康経営という考え方を取り入れた新しい企業の経営の在り方を、産業医や健康コンサル、CHO(Chief Health Officer)として取り組み、フローカンパニー創りに大きな成果を上げている。 志は“ご機嫌Japan”と“スポーツは文化といえる日本”創造。 書籍は『スラムダンク勝利学』『自分を「ごきげん」にする方法』『プレイライフ・プレイスポーツ』他累計70万冊。

『トップ1%の必須常識 「集中」と「リラックス」』著者:辻秀一さんを無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

集中力 -仕事に没頭する心理学-

この授業は、「心理学的アプローチによる集中力UP特訓を通して、仕事を短時間で片付ける方法を身につける授業です。」

 
  • 作家

    心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。 1973年北海道旭川市生まれ。97年獨協大学卒業後、ドコモサービスで働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。 同大学卒業後、04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。

集中力 -仕事に没頭する心理学-を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

 

06まとめ

今回は、社員の集中力を維持する方法や集中力を維持できない要因、集中を維持しやすい職場環境を作るためのポイントについてお伝えしてきました。 職場の環境改善に力を入れ、社員の集中力向上に努めることで、結果的に企業全体の生産性向上につなげられます。ぜひ本記事を参考に、オフィスの環境改善に努めてみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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