公開日:2023/01/12
更新日:2023/01/27

ミスをしない組織を作るには?ミスの原因から対策まで詳しく解説

ミスをしない組織を作るには?ミスの原因から対策まで詳しく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

従業員の仕事におけるミスが目立つため、どうにかミスをしない組織を作りたいと悩むことはないでしょうか。この記事では、ミスをしない組織を作るために知っておきたいミスの原因から対策まで詳しく解説します。

 

01ミスをする原因とは?

ビジネスの場において、従業員はどのような原因でミスを引き起こしているのでしょうか。 主な5つの原因を挙げて解説します。

  • 1.連絡不足
  • 2.近道行動や省略行動
  • 3.集団思考
  • 4.場面行動本能
  • 5.潜在的な原因

1.連絡不足

複数の人が関与する仕事において起こりやすいミスが連絡不足によるものです。従業員同士のコミュニケーションがスムーズに行われていないことが背景にあるため、社内SNSやチャットツールの活用など、組織としての情報共有のあり方に目を向けることが重要だと言えるでしょう。

2.近道行動や省略行動

近道行動とは、本来であればしなければならないことを何らかの理由でしないことを指します。また省略行動とは、本来のやり方であればしなければならない手順の一部を省略して、目的を達成しようとすることです。面倒だと思う心理が近道行動や省略行動を生み出していると言えますが、職場の環境や雰囲気も近道行動や省略行動の要因となるため、従業員に対しコンプライアンス教育を行うのも対策の1つとなります。

3.集団思考

集団思考とは、集団で意思決定をする際に非合理的で危険な意思決定が行われることを指します。空気を悪くしたくないがためお互いに遠慮し合った結果、合理的ではない案が採択されてしまう、などが該当します。

次のような条件を満たす組織は、集団思考を起こしやすくなります。

  • ・団結力のある組織
  • ・公平なリーダーシップや規範意識が欠如しているなど構造上の欠陥がある組織
  • ・リーダーの考えよりよい解決策が望めないような外部からの強い脅威にさらされた組織

自社が集団思考に陥っていると感じたら、間違った判断が行われないうちに組織に異なる意見を意図的に持ち込むようにすることが大切です。

4.場面行動本能

場面行動本能とは人間の注意が瞬間的に1点に集中し周囲を見ずに行動したり、他の事を見落としたりすることです。

どんな人でも場面行動本能を原因とするミスを引き起こす可能性がありますが、とりわけ新人のミスの原因となりやすいでしょう。 複数の業務を同時進行するマルチタスクの状態が場面行動本能を原因とするミスを引き起こす要因となりやすいため、できるだけ1つ1つの仕事に集中することがミスの防止に役立ちます。

5.潜在的な原因

ミスを引き起こす原因には、今まで挙げてきたような直接的な原因に目を向けて解決策を見出すことも大切ですが、さらに直接的な原因を引き起こすような潜在的な原因があることも考えられます。

例えば商品の数をしっかりと確認せずに発注した従業員がいて、数が足りず商品の納入に間に合わないというミスにつながった場合、直接的な原因は従業員の省略行動ですが、省略行動を取るに至った潜在的な原因は何なのかを考え改善する必要があるということです。

 

02ミスをしない職場作りのポイント

従業員がミスをしないようにするためには、職場での仕組みづくりが重要となります。そのポイント5つについて、以下で解説します。

  • 1.ミスを誘発する作業は機械化・自動化する
  • 2.フールプルーフ
  • 3.ヒヤリハットを活用する
  • 4.職場の環境を見直す
  • 5.リスクリテラシーを向上させる

1.ミスを誘発する作業は機械化・自動化する

ミスはそのほとんどがヒューマンエラーのため、ミスを誘発しやすい作業や業務は機械化・自動化を進めていくのが望ましいでしょう。具体的にはミスが起こりやすい作業に対してクラウドシステムなどを導入し、代わりにやってもらうのです。システムの導入に費用がかかりますが、リソースを他の重要な仕事に割くことができるようになったり、人件費を削減したりといったメリットもあるため、実際に導入する際には事前準備としてミスをしないこと以外のメリットとデメリットを比較検討するのが望ましいでしょう。

2.フールプルーフ

ミスを防ぐためにミスをできなくするという考え方に基づいて行われるのが、フールプルーフです。fool(愚者)とproof(耐える)という2つの言葉を組み合わせ「愚者に耐えられる」=「どんな人でもミスをしない」という意味を表しています。ビジネスの場においてはミスをしないようにするための業務設計や業務計画を指し、ミスという期待されない行動を防止するために物理的な制約を加えるのです。例えば間違いやすい2種類の道具は近くに保管しないといった工夫で、誤使用のミスを防ぐことができます。

3.ヒヤリハットを活用する

企業においてミスを予防するためには、ヒヤリハットの情報を全社で共有し、原因や改善策を考えていくことが近道だと言えるでしょう。ヒヤリハットとは重大な事故や災害に直結する一歩手前の出来事を指します。ビジネスの場におけるヒヤリハットとは、例えば重要な商談をスケジューラ―に入力し忘れるというミスをしたけれど、直前になって思い出し商談に間に合うといった事例のことです。

ヒヤリハットの重要性を裏付けるのは、アメリカ合衆国の保険会社社員だったハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが導き出したハインリッヒの法則です。ハインリッヒの法則は「1:29:300の法則」とも呼ばれ、1件の重大な事故や災害の裏には、29件の軽微な事故や災害、300件のヒヤリハットがあるという法則で、この法則から事故や災害を防止するためには、ヒヤリハットの段階で対処することが必要とされているのです。

4.職場の環境を見直す

企業全体でミスをしないようにするためには、職場の環境を見直すことも大切です。 職場環境を整えるための5つの要素として「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seisou)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」が挙げられますが、これらの要素に取り組むための活動を各要素の頭文字を取って5S活動と呼びます。

5Sの要素の具体的な内容は次の通りです。

5Sの要素 概要
整理(Seiri) ・職場において必要なものと不要なものを分類し不要なものを処分すること
整頓(Seiton) ・職場にあるものにそれぞれ所定の位置を決め、全てのものが所定の位置に置かれるようにする
・所定の位置を決める際は使いやすく返しやすい場所を設定する
清掃(Seisou) ・職場を定期的にそうじしきれいな状態を維持する
清潔(Seiketsu) ・職場の整理・整頓・清掃を正しく行い、常にきれいな状態とする
しつけ(Shitsuke) ・従業員が職場の規律やルールを身に着ける

5Sが整った職場においては作業効率だけではなく仕事の質も上がるため、従業員がミスをしにくくなります。

5.リスクリテラシーを向上させる

リスクリテラシーを向上させるのもミスの予防に役立ちます。例えば危険余地トレーニング(KYT)は元々労働災害を防止するために行われてきたトレーニングですが、行うことでヒューマンエラーが起こりやすい心理状態を把握できるようになるため、ミスをしないようにするための行動に結び付きやすくなるでしょう。

 

03ミスをしない組織作りの方法

ミスをしない組織作りを行うためには、どのような方法を取るのが望ましいのでしょうか。 企業が取り組むべき方法として、以下の2つについて解説します。

  • 1.IcT化・DXを推進する
  • 2.研修を行う

1.IcT化・DXを推進する

企業がIcTやDXに意識を向けることで、組織全体でミスをしないための取り組みがしやすくなります。

IcTとは「Information and Communication Technology」の頭文字を取った言葉で、日本語では「情報通信技術」と訳されます。企業において個人個人がコンピュータを利用するだけではなく、インターネットなどを経由して知識や情報を共有しあうことを指します。IcTを活用することで、離れた拠点に所属する従業員ともリアルタイムで、しかも画像や動画なども含めたより伝わりやすいコミュニケーションを行うことができます。そのため連絡不足やコミュニケーション不足によるミスが起こりにくくなるでしょう。

DXとは「Digital Transformation」の略称で、企業がデジタル技術やデータを活用して、顧客や社会のニーズに合った形にビジネスモデルを変化させ、業務や企業文化を改革し競争上の優位を獲得することを指します。DXはビジネスそのものの仕組みを変化させることなので、ミスにつながるような工程や作業環境が見直されることにつながるでしょう。

2.研修を行う

企業としてミスを防ぐためには、従業員に対してミスの原因を意識し対処方法を自分で考えられるようになるための研修を行うのもよいでしょう。研修はミスそのものについて各自が考えるきっかけとなるようなものとするのはもちろんですが、リスクマネジメントについての内容も取り入れ、ミスを起こした結果が企業にとってどのようなリスクをもたらすのかを考えられるようにするのが望ましいと言えます。座学だけではなくワークショップ形式なども取り入れると、従業員がミスを起こすことについて自分の考え方をより深めたり、自分の部署でミスを防止するための適切な対策を講じたりすることにつながるでしょう。

 

04職場でのミス防止に役立つSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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仕事のミスの予防策

どんなに気をつけていても、仕事にミスはつきものです。 「性格上、ミスをなくすことはできないだろう」「気をつけているのになぜミスしてしまうんだろう」と悩んでいる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。 この授業では、「日程を間違えてしまう」「やるべきことをうっかり忘れる」など具体的なシチュエーションから、ミスをなくす対策を学びます。

 
  • 東京大学環境安全研究センター特任研究員・失敗学会事務局長

    1959年大阪生まれ。1984年、東京大学工学系修士卒業、同年アメリカゼネラル・エレクトリック原子力発電部門入社。 1992年スタンフォード大学機械工学・情報工学博士。2000年にサイドローズ社を設立して独立、ゼネラル・パートナーに就任(現職)。2002年に畑村洋太郎東京大学名誉教授とNPO法人失敗学会を設立、副会長に就任(現職)、その後事務局長兼務。 東京大学学術支援専門職員を経て特任研究員(現職)。 上智大学院、東京大学院で創造設計、関西大学院で学術英語を教えるほか、消費者庁で安全調査委員会専門委員、製品事故情報専門調査会委員を兼務。 著書に「ミスしても評価が高い人は、何をしているのか?」、「思考停止する職場」、「仕事が速いのにミスしない人は何をしているのか?」、「ミスしない大百科 “気をつけてもなくならない”ミスをなくす科学的な方法」など。

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業務改善のはじめ方 プロセスの見える化

本授業は、業務プロセスの重要性と可視化に必要な技法について取り上げる、業務改善に必要なノウハウを学ぶ総論授業です。 デジタルに強い組織運営へ成長していくためには、業務課題を発見することが何よりも大切です。 業務プロセスとその可視化技法を学ぶことで、潜在的な業務課題発見の糸口を掴みましょう。

 
  • 代表取締役社長

    1968年生まれ。1992年、東京大学電気電子工学科 卒業。 同年、日本電気株式会社(NEC)に入社。 大規模プロジェクトのシステムエンジニア、プロジェクトマネージャを経験。2008年から全社基幹システム改革プロジェクトでのBPM(ビジネスプロセスマネジメント)方法論の設計と展開の責任者。 2010年、ドイツでの世界大会「プロセス・ワールド」でアジア初の「ビジネスプロセスエクセレンス賞」 受賞。 2014年からは全社業務改革プロジェクトの中核として創立されたNECマネジメントパートナーに出向、業務改革体系の企画・設計・展開の責任者。 2019年、株式会社カレントカラーを設立。

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組織で働く人のためのコンプライアンス

企業や団体など、組織で働く全ての皆さんへお届けするコンプライアンスの授業です。 コンプライアンス違反のない職場は、働きやすい職場とも言えるでしょう。 ただし、コンプライアンスを「法令順守」の徹底だけで語ることはできません。 組織の不祥事はなぜ起きてしまうのか。 綺麗事では済まない世の中で、流されず、身を守る心構えとは。 そして、働きやすい職場・組織を実現するために私たちは何ができるか。 組織の修羅場と痛みを知る大西先生と、一緒に考えましょう。

 
  • コンプライアンスコンサルタント

    Big West Brothers合同会社代表。通算37年間40ヵ国でグローバルビジネスを経験。グローバル経営・事業経験者としての目線と平時・有事双方の企業法務担当者としての経験を活かし、企業コンプライアンス戦略構築・不祥事対応・再発防止・企業風土変革等の実効的ソリューションをクライアント企業に提案・支援。自走支援・伴走型コンプライアンスコンサルティングを行っている。一方、セミナーでは他には無い斬新な切り口と受講者を本気にさせ自走・自立を促す独自のスタイルによりリピートが絶えない唯一無二の講師との定評を持つ。グローバル人財育成分野も大人気。BWB Home Page: http://www.bwbcs.co.jp/著作:「ビジネスパーソンの英語」(NHKEテレ・ラジオ英会話の人気講師・実弟の大西泰斗と共著)

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05まとめ

企業でミスが引き起こされる原因には直接的な原因だけではなく潜在的な原因もありますが、それらを適切に把握しフールプルーフ・5S活動などを取り入れた職場作りや、IcT化・DX推進などの対処をすることでミスをしない組織作りができるでしょう。この記事も参考に、ぜひ自社に合ったミスの予防策を講じてみてください。

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