公開日:2023/05/15
更新日:2023/05/17

データ分析とは?ビジネスに活かす手法や育成方法も解説

データ分析とは?ビジネスに活かす手法や育成方法も解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

データドリブンやデータに基づく意思決定が注目されています。それを可能にするのが、正しいデータ分析です。この記事では、データ分析をいかにしてビジネスに活かすか、またその手法や従業員の育成方法までお伝えします。

 

01データ分析とは

データ分析とは、文字通り得られたデータを分析し、その意味を読み解くことを表しています。 昨今のITの進歩やビジネスのデジタル化によって、得られるデータはかつてとは比べ物にならないほど膨大なものになりました。ビッグデータという言葉は以前から存在しますが、様々なツールの開発によってより一般的に扱えるようになってきています。また、AIの進歩も留まるところを知らず、ますますビジネスにおけるデータ活用の重要性が高まっています。 一方、多くの企業がDX化を課題に挙げるように、まだビジネスでの活用がしきれていないという側面もあります。

 

02データ分析の重要性とは

データ分析の重要性がますます高まる理由としては、以下のようなビジネスを取り巻く環境の変化が挙げられます。

  • ・消費者の価値観やニーズが多様化している
  • ・製品のライフサイクルが短くなっている
  • ・データドリブンな経営や意思決定が求められる

消費者の価値観やニーズが多様化している

これまでの大量生産・大量消費型の社会が終わり、ユーザーのニーズが多様化しています。 物質的に満たされた現代において、ユーザーは安くて良い物を求めるだけではなく、様々な付加価値を求めるようになりました。 企業として、そういった多様化、複雑化した二ーズに対応していくために、データといった事実に基づき、顧客のニーズやそのための仮説を導き出すことが求められます。

製品のライフサイクルが短くなっている

消費者ニーズの多様化に合わせて、提供する商品やサービスも多品種になっています。さらに、SNS等の情報伝達の速さも相まって、トレンドの流行り廃りが加速し、商品ライフサイクルが短くなっていることも大きな特徴です。 そういった多様化したニーズがあり、商品のライフサイクルが短くなっている中では、これまでの自社データを有効活用し、市場の動向や顧客のインサイトをつかみ対応していく必要があります。従来のように一定の経験や勘にもとづいた判断だけでは適切なサービスやソリューションの提供を打ち出すことは難しいため、データを活用することは重要となります。

データドリブンな経営や意思決定が求められる

「データドリブン」とは、データに基づく意思決定を行うことを意味します。 現代はVUCA時代と呼ばれ、変化が早く予測がしにくいと指摘されています。そのような環境下では過去の経験は通用せず、成功体験がむしろ足を引っ張ってしまうことすらもあり得る状況です。 根拠がある客観的な施策やスピーディな経営判断が求められる時代となったため、その根底を担うデータ分析の重要度が増しているのです。

 

03データ分析をビジネスに取り入れるメリット

では、実際にデータ分析をビジネスに取り入れることのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。この項で確認していきます。

  • ・顧客ニーズに細やかに対応できる
  • ・迅速に正しい意思決定ができる
  • ・業務を効率化できる

顧客ニーズに細やかに対応できる

データ分析が大きく活きる場面の一つが、マーケティングやプロモーションなどの顧客向けの施策です。 ニーズが多様化した現代において、各個人がどれだけ「自分に合った」商品やサービスだと認識できるかが成功の鍵となります。データ分析によって顧客をセグメント化すれば、顧客タイプに応じたコミュニケーションが可能になります。 また、IT技術の進歩やマーケティングオートメーションなどの登場により、何万単位もの顧客への個別対応が可能になりました。それにより、必要なタイミングで必要な情報を届けるなどの対応ができ、よりよい顧客体験が築けるようになっています。

迅速に正しい意思決定ができる

変化が激しい現代は、VUCAの時代とも呼ばれます。過去の成功体験に固執したり、思い込みで施策を進めてしまうと、適切な意思決定ができない可能性があります。 データ分析によって得られた知見を元にすれば、先入観や思い込みなどのバイアスを排除できます。事実に基づいた説明もできるため、他部署やチームメンバーに対して伝える際も納得感を得られやすいでしょう。 適切なデータ分析が出来れば、その先の施策の検討も進めやすくなります。自社のアセットからできることとできないことを選別し、インパクトがありなおかつ可能な施策から実施していけばいいのです。

業務を効率化できる

データ分析は様々な面で業務効率化に役立ちます。例えば、一連の営業フローをプロセス毎に数値化して管理する、商品の各々の製造過程で不良品の発生確率を分析するなどにより、既存の業務プロセスのどこに問題があるのかを明確化し、改善につなげることができます。その他、今までは従業員個人がその都度考えて行っていた仕事も、「データがこのパターンの際はこうする」というようにマニュアル化することでの効率化も可能です。

 

04データ分析の手法

ここまで、データ分析の重要性について見てきました。以降はその手法をフローに沿って解説していきます。

  • ・スコープや領域の設定
  • ・データ収集
  • ・データ分析
  • ・施策立案と実施
  • ・振り返り

スコープや領域の設定

まずは、自社においてデータ分析のスコープや領域を設定します。スコープとは、「ここからここまでの範囲、粒度を対象とする」という範囲決定のことを意味します。 まず、自社のデータ分析をどの領域に適応するかを設定しましょう。データ分析で取り組むべき課題は、前提として数値などのデータで確認できるものであり、なおかつ改善施策の結果も施策前後の数値で確認できなければなりません。その上で、ビジネスにおける影響が大きい領域にすべきでしょう。

データ収集

スコープと領域を定めたら、次はその領域でデータを収集します。データを分析するためには、分析に必要な量のデータが必要です。また、データ収集においてはその後のデータ分析を踏まえ、目的にかなった内容やフォーマットで実施します。 例えばある地域では顧客データの「年齢、職業、年収」を取得し、別の地域では「性別、住所、趣味」を取得しているとしたら、それぞれデータを合わせて活用することができません。適切に利用できる状態でデータを収集しましょう。

データ分析

上記の2つが完了すれば、次は分析を行います。分析には様々な手法が存在しています。専門的なデータ分析は、標準偏差や外れ値の見極めなど、分析に関する資格が設けられるほど複雑かつ高度な手法です。そのため、高度な分析が必要な場合はその難易度に応じて適切な対応を行うことが必要です。具体的には、次のような対応が考えられます。

  • ・データサイエンティストを雇用する
  • ・分析ツールを導入する
  • ・知見をもった外部の人材にサポートしてもらう
  • ・社内で分析関連の資格取得者を育成する

施策立案と実施

データを分析できたら、その結果をもとに施策を立案し、実施していきましょう。 おすすめなのが、自社のアセットをもとにマトリクス図を描いて施策を行う手法です。 ビジネスにおけるインパクトの大小と実施可否の難易度の2軸を描きます。

  • インパクト:大、難易度:高
  • インパクト:大、難易度:低
  • インパクト:小、難易度:高
  • インパクト:小、難易度:低

自社のアセットをもとに施策を立案したら、上記のいずれかに分類分けをします。 インパクトが大きく難易度が低い施策を優先して行っていけば、効果的な施策が実施できるでしょう。

振り返り

重要なのが、施策の振り返りです。いくらデータを元にしたからといって、必ず成功するとは限りません。 通常、データ分析を元に施策立案をした場合、それらデータを定点観測することで推移を追い、検証を行います。施策立案をするタイミングで、何を成果指標とするのかは定めて置く用にしましょう。 それらをもとに振り返ることで、次回以降の施策の成功精度を上げることが可能になります。

 

05データ分析の導入を成功させるポイント

データ分析を成功させるためには、いくつかポイントがあります。それらについて確認していきましょう。

  • ・データ分析で成果につながりやすい領域を選ぶ
  • ・データサイエンティストの確保と育成
  • ・目的や課題に応じた分析ツールを活用する

データ分析で成果につながりやすい領域を選ぶ

スコープと領域を設定するという項目で少し解説しましたが、データ分析が扱う分野には得意不得意があります。 数値化でき、かつ数値を明確に確認でき、そして改善や改悪が数値として結果が出る領域はデータ分析が得意な領域です。 人間の感情など、数値化が難しい領域も慣れてくればデータとして扱うことができるようになります。しかし、最初にそういった難しい領域に挑むのは避けたほうが無難です。 まずは、売上高や広告費の費用対効果など、明確に数値化できる領域からデータ分析を活用してみてください。

データサイエンティストの確保と育成

データ分析は専門的で高度な技能であるというのは前述のとおりです。 より専門的なデータ分析を行うためには、データ分析やデータを元にした施策立案に特化した、データサイエンティストと呼ばれる人材の確保を検討しましょう。特にデータを活用する環境が整っていなかったり、有効なデータ活用ができていないのであれば、データサイエンティストによって整備を進めると良いでしょう。 もし難しいのであれば、外部のデータサイエンティストにサポートを受けながら、社内メンバーをデータのスペシャリストとして育成するのも1つの手です。データ分析や統計などの自己学習を促進したり、資格取得の支援から始めるのがおすすめです。

目的や課題に応じた分析ツールを活用する

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールやMA(マーケティングオートメーション)ツールなど、データ分析を助けてくれるツールが数多くあります。 それらのツールを適切に使うことで、データ分析の正確性やスピードを上げることができるようになります。 近年のツールの多くはSaaSタイプのため比較的安価で、なおかつ用途に応じて機能を制限すれば、有効なツールを安価に利用しつつ、最大限の効果を発揮することも可能です。 こういったツールの利用についても、講座などが提供されている場合があるので確認してみるといいでしょう。


 

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06まとめ

データ分析は、政府が推し進める企業のDX化に必要なだけでなく、今後の意思決定の正確性の担保や施策の成功のためにはなくてはならないものです。 漠然と行っているという企業や部署も多いかもしれませんが、これを気に、ぜひ体系的にデータ分析について学んでみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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