公開日:2020/03/27
更新日:2024/02/26

人材育成における9つの課題|解決策と併せて紹介

人材育成における9つの課題|解決策と併せて紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人材育成を進めているのに、思った様に社員が育たない。そんな悩みを抱えている人事担当者は少なくないと思われます。 昨今では、人材育成に関する様々なフレームワークや研修方法が生み出されていますが、それらをただ導入するだけでは効果が出ないこともあります。 この記事では、人材育成における根本的な課題や、一般的に取り入れられている研修方法に関して起こりやすい課題と解決策を紹介します。

 

01人材育成とは

人材育成とは、企業の成長に貢献できる人材を育成することです。社員にスキル・知識・経験を与えることで、企業の持続可能な成長を可能にします。昨今では働き方改革の影響もあり、自律型人材の育成に焦点を充てている企業も多いです。また、テクノロジーの進化も激しく、イノベーション人材・DX人材の育成も注目されています。

【関連記事】人材育成とは|効果的に社員を育成して組織に定着させる3つの方法

人材育成の目的

人材育成の目的は、自社の成長を担う人材を育成することにあります。自社の成長を担うといっても抽象的であるため、この章ではスキルという観点で人材育成の目的を紹介します。

ポータブルスキルの向上

人材育成の目的の1つはポータブルスキルの向上です。基本的なPCスキルや論理的思考力など、どのような職種でも必要な持ち運びができるようなスキルをポータブルスキルといいます。 ポータブルスキルの上に、職種ごとに求められるテクニカルスキルが乗るため、ポータブルスキルが不足しているとテクニカルスキルをどれだけ磨いても仕事にならないということは往々にしてあります。

テクニカルスキルの向上

人材育成の目的には、テクニカルスキルの向上もあります。ポータブルスキルがあってこそではありますが、テクニカルスキルによって個性・強みが発揮されることも事実です。 社員の特性・意思・キャリアデザインを理解した上で、強みを伸ばすような人材育成を行いましょう。特に、イノベーション人材という観点では平均的にスキルが高い人よりも突出したスキルを持っている人が重要という意見もあります。ダイバーシティが注目される現代こそ、社員それぞれの強みやパーパスに寄り添い、その人がやりがいを感じられるような仕事・スキルを伸ばすことも人材育成において重要となっています。

 

02人材育成における課題は企業状況によって異なる

厚生労働省が発表した「成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-」の中では、人材育成の課題について調査結果が記載されています。特に正社員に対する人材育成の課題として、「従業員が多忙で育成時間を確保できない」や「上長等の育成能力や指導意識の不足等」が挙げられていました。 また、この調査では、「多様な人材の能力の発揮状況」と「人手不足」に課題を持つ企業についても調査が行われていましたので、ここでご紹介します。

▶︎参考:平成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-

多様な人材の能力発揮に課題がある企業

多様な人材の能力発揮に課題がある企業において、課題として多く挙がっていたのが、「上長などの育成能力や指導意識が不足している」、「人材育成を受ける従業員側の意識が低い」、「社内で人材育成を積極的に行う雰囲気がない」などです。多様な人材の能力開発に向けた課題を解決するためには、能力開発に対して、労使の意欲を向上させることや、育成能力や指導意識を高めていくことが必要になりそうです。

人手不足の企業

多様な人材の能力発揮に課題がある企業において、課題として多く挙がっていたのが、「転職・離職等で人材育成投資の成果が回収できない」、「従業員が能力開発に取り組むため不在にしても、その間、他の人が業務を代替できる体制が構築できていない」、「従業員の業務が多忙で、人材育成に充てる時間を確保できない」などでした。 やはり、労働環境が悪く、人材投資をしても無駄になってしまったり、従業員が余裕を持ってスキルアップに取り組める状況ではないことが問題のようです。そのため、人材育成に時間を使えるように、環境構築などが必要不可欠になります。

 

03人材育成における9つの課題と解決策

人材育成には、主に以下のような課題が生じる可能性があります。

  • 1:従業員が多忙
  • 2:指導者の意識・指導力不足
  • 3:業務を代替できる体制構築
  • 4:従業員の意欲不足
  • 5:社内の育成意識の不足
  • 6:離職率が高い
  • 7:人材投資の予算不足
  • 8:人材育成の目標が不明瞭
  • 9:人材育成の効果がわかりづらい

以下でそれぞれについて、解決策と併せて詳しく紹介いたします。

1:従業員が多忙

人材育成において、授業員が多忙であるというのは非常に大きな課題となります。多忙であるために、教育プログラムの開発や改善に必要な時間を割くことができず、それが育成の質の低下につながることがあります。また、従業員が多忙な場合、育成プログラムを実施するための人材不足が発生することもあります。このため、企業は授業員の負荷軽減や育成プログラムの効果を最大限に引き出せるような支援を提供することが求められます。

2:指導者の意識・指導力不足

人材育成において、指導者の人材育成に対する意識・指導力不足もまた大きな課題の一つです。上長などが適切な指導力を持たず、教育プログラムが実施されても十分な成果が出せないことがあります。指導力不足は、育成プログラムの質の低下や従業員のスキルアップの停滞、そしてやがては企業の競争力低下につながることもあります。このため、企業は指導力向上のための研修や支援などを行い、従業員のスキルアップを図る必要があります。

3:業務を代替できる体制構築

受講者が不在の間に、その業務に対応できる人がいないという課題は、人材育成において非常に重要なものです。例えば、社員が研修や勉強会などに参加している間に、その社員が担当していた業務がストップしてしまうと、企業全体の業務の遅れや滞りが生じる可能性があります。また、その業務を代行する人材がいない場合、その業務が担当者に戻った際には遅れが生じ、それによって企業の業績や信頼性が損なわれることもあります。そのため、担当者の業務を誰でも対応できるように、業務のマニュアル化やトレーニングを行うことなどが必要となります。

4:従業員の意欲不足

企業が人材育成に力を入れているにもかかわらず、従業員が学びたいと思っていないために成果が上がらないことがあります。この課題を解決するためには、従業員のニーズに合わせたカリキュラムの提供や、学び方に合った環境の整備が必要です。また、従業員が学んだことを実践する機会を提供することで、学びの意欲を高めることも可能です。

5:社内の育成意識の不足

従業員の能力を育成するためには、企業全体で育成意識を高めることが必要です。しかし、社内の育成意識が低いと、育成プログラムが浸透しなかったり、従業員が学習の機会を得られないことがあります。社内の育成意識を高めるには、トップダウンでのメッセージや、従業員の育成に対する評価や報酬制度の整備などが必要です。

6:離職率が高い

人材育成にどれだけ注力しても離職率が高いと、育成した社員が辞めてしまいます。この課題も社員の責任ではなく企業の責任であることが大きいです。 離職率が高い要因として、給与が低い・やりがいを感じないといった理由が多く聞かれます。他社で月収80万円をもらう能力のある社員が、月収50万円で働く理由はないのは言うまでもないでしょう。 また、給与は高いけどやりがいを感じられないという場合もあります。やりがいに関しては社員のWillを聞いた上での人材配置ができていないという要因が多いです。全ての社員の意思が反映される人材配置は難しいですが、会社が社員のWillを尊重する姿勢を示すことが大事です。

7:人材投資の予算不足

企業が人材育成に投資する際、予算が限定される場合があります。そのため、経営陣は人材育成による投資効果を考慮し、必要な予算を決定する必要があります。しかし、人材育成は直接的な利益に結びつかないため、予算の優先順位が低くなることがあります。 この課題を解決するには、経営陣が人材育成に対して正しい評価を行い、必要な予算を確保することが必要です。また、人材育成による投資の効果を明確に示すことで、他の予算と比較して優先順位を上げることができます。

8:人材育成の目標が不明瞭

人材育成計画を策定する上で、明確な目標が設定されていないと、育成する人材の方向性が定まらず、育成の成果が出にくくなります。そのため、人材育成の目標は、企業のビジョンや戦略とリンクしており、企業の方針を理解した上で、目的に合った育成計画を策定する必要があります。

9:人材育成の効果がわかりづらい

例えば、セミナーや研修に参加させた従業員が、実際に仕事に生かしているかどうかがわからない場合や、育成後の成果を正確に評価できていない場合などです。この課題を解決するには、育成前と育成後の業務の変化を測定し、育成前と比較して成果が出ているかどうかを検証することが必要です。また、育成前と後の成果を可視化することで、従業員や経営層に育成の効果をアピールすることができます。

 

04人材育成のポイント

人材育成を成功させるには、組織全体で取り組む必要があります。周りの部署の長が否定的であったり、経営の理解が得られなかったりすると望んだ結果とならないことの方が多いでしょう。また、上司やOJT担当者によって教育の質が変わってしまう「OJTガチャ」であったり、やりっぱなしの研修にも対策を講じる必要があるでしょう。

会社全体で取り組む

研修で学んだ内容をアウトプットする機会を創出するためには、現場任せでは不十分です。 まず、人手不足によりアウトプットの機会を作ることができない場合の解決策として、業務範囲の見直しが挙げられます。 営業社員が事務作業も行っているために忙しい場合は、業務の一部を他の社員に分担させることで業務量に余裕を持たせることがベターです。強引な方法ではありますが、人手不足の中で新たなスキルを身に着けさせるには、企業側が環境を整えることが必要不可欠です。 また、現在の管理職が人材育成に対して非協力的である場合の解決策の一つとして、会社全体で業務を任せるような仕組みづくりを行うことなどがあります。例えば、管理職の業務を初級・中級・上級などの段階に分け、管理職候補の社員の学習・習得状況に応じて業務を分担させる仕組みを構築する必要があります。会社全体として仕組み化されれば、人材育成に非協力的な管理職であっても、強制的に業務を分担させざるを得ない状況を作りだすことができます。

指導の質を均一化させる

指導のムラをなくすためには、育成担当によって異なる指導のポイントを統一化することが重要です。その方法の1つとして、教育担当のための指導内容のチェックリストを作成することが挙げられます。社員のどの点を見てあげればいいのか、任せた業務をいつまでに・どのくらいできるようになっていれば良いのかを明確にすることができれば、指導の均一化を図ることができます。 また、教育担当の業務量が多く、指導の時間がとれないという場合にはeラーニングなどを活用するという方法もあります。全員が同じ動画で学ぶことになるので教育の質は必然的に均一化されます。一方で、実務との結びつけや受講前の動機付けなどを周囲がフォローする体制を作らないと、受講して終わりという状態になってしまうというデメリットもあります。

4:2:4の法則

研修効果は、研修前の動機付けが4割、研修が2割、研修後の行動変容が4割という法則があります。多くの企業では、真ん中の2割に注力してしまい、研修会社を頻繁に変えたり、社内の研修をブラッシュアップしたりという改善に工数を割いてしまっています。しかし、本来注力すべきは研修前と後なのです。研修の前に動機付けをしっかりと行うフローを現場の管理職と一緒に作り、研修後に学んだことを実戦で活かせるような環境を作り、活かせているかのフィードバックを現場を巻き込んで実施する。他部署の協力を得る必要があるという点で、かなり骨の折れる仕事になりますが、その効果は絶大なので人事部主導で完結するような新入社員研修などから試してみてください。


 

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


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05人材育成のご相談ならSchoo for Business

Schoo for Businessでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

1.研修と自己啓発を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.自発的に学ぶ人材を育成できる

上記でも説明したように、Schooでは約8,000本もの動画を用意している上に、毎日新しいトピックに関する動画が配信されるため、研修に加えて自ら学び、成長する人材の育成が可能です。近年の社会のグローバル化やテクノロジーの進化などにより、企業を取り巻く環境が刻々と変化しています。それに伴い、社員の業務内容や求められるスキルも早いスパンで変化しています。このような予測のつかない時代の中で会社の競争力を維持するためには、社員一人一人が自発的に学び、成長させ続けることができる環境、いわば「学び続ける組織」になることが必要です。

Schoo for Businessでは、体系的な社員研修だけでなく、自己啓発を通じて自発的に学び、成長できる人材を育成することが可能です。

3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方2

管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。

管理画面の使い方1

さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。

さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。

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06まとめ

・人材育成において思うように社員が育たないことについて、そもそも人材育成に対する考え方や仕組みに課題があるケースが考えられる。具体的には、目標設定を疎かにしていたり、人材育成が体系化されていないことなどが挙げられる。 解決策として、目標は具体的かつ現実的なものに設定することや、役職や職種ごとに必要なスキルを洗い出して育成計画を立てて体系化していくなどがある。

・人材育成の方法に課題があることも考えられる。多くの企業で取り入れられている育成方法には集合研修とOJTがあり、前者はアウトプットの機会が少ないことが課題となっているケースがあり、企業側でアウトプットの機会を創出する仕組みを整える必要がある。また、後者は教育担当によって指導内容にムラが発生してしまうことが課題として挙げられ、均一化のためには指導内容のチェックリストを作成することで、教育担当の視点を統一させる方法などがある。

・人材育成において集合研修などでのインプットの機会が重要ではあるが、人手不足により研修を実施することが難しい場合はeラーニングの導入がおすすめ。時間や場所を選ばずに学習できるだけでなく、コンテンツも豊富なのであらゆる研修に対応が可能。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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