公開日:2020/12/03
更新日:2022/12/20

チームビルディングとは?定義やその目的、組織作りに効果的なポイント・手法について解説

チームビルディングとは?定義やその目的、組織作りに効果的なポイント・手法について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

最近新しいプロジェクトを社内で立ち上げたものの、全体の士気が上がらずお悩みの方もいらっしゃるでしょう。 この記事ではチームの仲間が一丸となって目標に向かうことのできる組織作り、チームビルディングについて詳しく解説します。

 

01チームビルディングとは?

チームビルディングとは個人のスキル・能力・経験を最大限に発揮しながら一人では達成できない目標に対して一丸となって取り組むことのできる組織作りのことを言います。 チームビルディングは企業に所属する人全てを対象とした取り組みであり、一人一人の強みを認め合うことでパフォーマンスを上げることを目的としています。 また新入社員は主体性、中堅社員はリーダーシップが身につくなど立場や役職によっても違う効果があらわれるのが特徴的と言えるでしょう。

チームビルディングの理論的背景をさかのぼってみると、古くは1920~30年代に行われたホーソン研究による組織行動論(企業の業績や生産性に影響を与える行動を個人行動、集団行動、組織行動の3つに分類して研究する、経営学の分野のひとつ)だと言われています。 その後組織心理学者の小林 惠智(こばやし けいち)氏によって提唱されたFFS理論(自分がどういう時にストレスを感じる人間かという観点から自分の強みや特性を導き出す診断方法)により、2000年代から広く企業にその考え方が取り入れられるようになりました。 チームビルディングは現在、組織を開発する方法として広く知られています。

 

02チームビルディングの目的とは?

チームビルディングとは、組織力を強化してパフォーマンスを上げることを目的にしています。チームビルディングを通じて行う組織力の強化とは、具体的には「マインドセットの形成」「チームの展望・目標の共有」「コミュニケーションの活性化」です。次で詳しく説明します。

マインドセットの形成

マインドセットとは、人間が無意識のうちに行っている習慣化した思考・感情のパターンのことを言います。 マインドセットには2種類あり、それぞれfixed(固定)マインドセットとgrowth(成長)マインドセットと呼ばれているのです。 fixed(固定)マインドセットとは自分の能力は成長せず固定していると思い込む心の状態を言い、growth(成長)マインドセットとは自分の能力は開発すれば高まっていくと信じられる心の状態を言います。 もし1つのチーム内にこの2種類のマインドセットを持つ人が混在していたら、チームが同じ目標を目指して進むことはできません。 そのためチームビルディングではgrowth(成長)マインドセットを全員が持つことが1つの目的となります。

チームの展望や目標の共有

チームが同じ方向を向いて走るためには、そのチームが達成する目標や展望を全員が共有する必要があるため、チームビルディングでは少しずつこれらを浸透させるのを目的としているのです。

コミュニケーションの活性化

組織がうまく機能しなくなる原因の1つにコミュニケーションの不足が考えられます。 コミュニケーションが活発な組織であればメンバーの価値観や考え方、得意な仕事の分野などを少しずつ理解していくことができるので、チームのパフォーマンスがよくなり適切な人員配置や役割分担にもつながるでしょう。 そのためチームビルディングではコミュニケーションの活性化も目的とされるのです。

 

03チームビルディングで有効な理論「タックマンモデル」について

チームビルディングの発展段階について心理学の観点から解説した理論に「タックマンモデル」があります。 1965年に心理学者のブルース.W.タックマン(Bruce Wayne Tuckman)により初めて提唱され、チームビルディングの発展段階を形成期 (Forming)→混乱期 (Storming)→統一期 (Norming)→機能期( Performing)の4つの段階で示しました。 その後タックマンとジェンセン(Mary Ann Jensen)が1977年に共同研究で発表した「Tuckman’s stages of group development」で散会期(Adjourning)が加えられ現在の5段階のタックマンモデルとなったのです。 それぞれの発展段階の持つ意味と、段階別に取り入れるとチームビルディングに有効な施策について説明します。

タックマンモデル1.形成期(Forming)

形成期とはチームメンバーがそれぞれに紹介される段階です。 自己紹介で第一印象が形成されますが、チームの目標やチーム内でのお互いの役割や責任については理解できていません。 チームメンバー間のコミュニケーションにおいては遠慮や緊張感があり、チームメンバーそれぞれに不安を抱えているでしょう。 リーダーが形成期において次のステップへと進むために行うのは、チームの協力体制を早く作るためにチームのルール、目標を明確に説明し具体的な指示を出して仕事を進めることです。 形成期のチームには短時間で気軽に楽しめるゲームやアクティビティがチームビルディングを行う上で有効です。

形成期におすすめのゲーム:バースデーライン

言葉ではなく身振りや手振りなどの非言語的コミュニケーションだけを用いて制限時間内に誕生日順に並ぶというゲームです。 より正確な順番で並べたチームが優勝です。 誕生日がお互いにわかってしまうため1度しか行うことができないのがデメリットですが、言葉で伝えることの大切さや情報共有時のコミュニケーション方法などを自然に感じてもらえるのがメリットだと言えるでしょう。

タックマンモデル2.混乱期(Storming)

混乱期とはチームメンバーが一緒に仕事を始めてアイデアや意見がたくさん出てくるため、チームの目標に対する認識の違いが明らかになったり、チームメンバー間のすれ違いや対立が起こったりとモチベーションが下がりやすくなる段階です。 一部のチームは混乱期を乗り越えられず、チームビルディングに失敗する例も見受けられます。 チームメンバーにとっては非常に居心地の良くない環境と言えるでしょう。 リーダーが混乱期において次のステップへと進むために行うのは、課題を解決する際リーダーのトップダウンとせず、チームメンバー全員で解決方法にアプローチすること、チームメンバーの意見を出してもらいお互いが納得するまで話し合うようサポートすることです。 混乱期のチームにはお互いを理解するためのディスカッションがチームビルディングを行う上で有効と言えるでしょう。

混乱期におすすめのゲーム:選択型ディスカッション

「今から習い事を始めるなら楽器・英会話・ゴルフのうちどれか?」のように問いかけに選択肢があるディスカッションです。 正解を導き出すことではなく、チームメンバーが自分の考えを論理的に説明できるようになることを目的とします。 チームメンバー一人一人の意見が明確に分かれますが、問いかけの内容次第でチームメンバーの好みや考え方などがより深く理解できるようになるのがメリットです。

タックマンモデル3.統一期(Norming)

チームの目標が浸透し、チームメンバー間では信頼関係、尊重しあえる関係が出来上がった段階です。 チームメンバー同士が積極的に助け合いながら仕事を進めていくためチームは活性化し、モチベーションも高まるでしょう。 リーダーが統一期において次のステップへと進むために行うのは、チームが何らかの理由で停滞した時にその阻害要因を取り除き、チームとして業務がうまく遂行できているかどうか確認を行うことです。 統一期のチームにはメンバー間のより深いコミュニケーションを推進していくことが混乱期へと後戻りしないためにも重要なため、ビジネスゲームを取り入れるのがチームビルディングを行う上で有効と言えるでしょう。

統一期におすすめのゲーム:マネジメントゲーム

4〜6人のボードゲームで企業を疑似経営します。 ソフトバンクの孫正義社長も実践していることで有名です。 仕事上のチームワークを自然と意識でき、仕入れから販売、決算まで1人で行うため簿記の貸借対照表や損益計算書などもゲームをしながらできるようになるのがメリットと言えます。

タックマンモデル4.機能期(Performing)

チームが一致団結しながらも個人は自立して能力を発揮し、パフォーマンスとモチベーションが非常に高い段階です。 いくつかのチームは統一期で成長が停止する中、チームとして課題解決し成果を生み出せる理想的な状態と言えるでしょう。 リーダーが機能期において次のステップへと進むために行うのは、細かな指示は避けるよりチームメンバーの自主性を重んじることです。 機能期のチームには仕事から離れたスポーツやアクティビティでリフレッシュすることがチームビルディングとして有効です。

機能期におすすめのゲーム:ブラインドサッカー

目隠しをして行うサッカーです。 視覚以外の感覚を研ぎ澄ませる効果があります。 見えないことでよりコミュニケーションを深く取る必要があるため、遊びながら信頼関係が深まるのがメリットです。

タックマンモデル5.散会期(Adjourning)

目的の達成や時間の制約によりチームが解散する段階です。 チームメンバーは次のミッションへと向かってチームを卒業していきます。

 

04チームビルディングを実践する時のポイントと成功させるコツ

チームビルディングを成功させるためのポイントとコツを3つご紹介します。

1:チームのビジョンや目標を明確化する

目標がない状態でチームを運営していっても、メンバーはどこに向かっているのかわからず、業務やタスクに対して、モチベーションが湧かなくなってしまいます。そのため、まずはチームのビジョンや目標を明確にしましょう。また、目標に対する成功、失敗の定義、目標達成のための具体的な行動をチームメンバーで検討するようにしましょう。これにより、目標に対しての進捗を測ることができるので、自分達が進んでいるのか、遅れているのかを知ることができます。

2:リーダーシップを発揮できる存在がいること

チームビルディングを行う上で起こりやすい問題が認識のずれや意見の相違です。 チームで認識を共有したり、一人一人の意見を尊重しながらも方向性を指し示したりできるリーダーがチームビルディングには不可欠だと言えるでしょう。

3:チームメンバーに相談できる相手がいること

個人個人が仕事についての悩みを相談できる相手を持つことは重要です。 仕事が効率化するだけではなく、チームとして極端な意見へと暴走するのを食い止める効果もあります。

4:チームビルディング研修を行うこと

タックマンモデルの段階ごとにご紹介した、ゲームやスポーツを取り入れたチームビルディング研修を適宜行うのもチームビルディングには有効です。 しかし研修内容や行うタイミングについて社内にノウハウがない場合は、社員研修のプロである専門会社の手を借りるというのも1つの選択肢だと言えるでしょう。

 

05チームビルディングを実践する際の注意点

チームビルディングを成功させるために注意点を3つご紹介します。

目標を一方的に強いる

チームビルディングでは、序盤にチームの目標を設定しますが、この目標が一方的にならないように注意しましょう。「納得感のない目標」や「一方的な目標の強制」は、チームメンバーのモチベーション低下につながります。

メンバーへ丸投げしてしまう

チームビルディングをしていく中でタスクや役割を分担しますが、ここで役割を他人に丸投げしないようにしましょう。人によって強み・弱みは異なります。よりパフォーマンスの高いアウトプットとするためにも役割を丸投げしたりするのではなく、話し合いや適切を踏まえて、分担していきましょう。

バランスの悪いチーム編成

人数が揃えばチームが成り立つのではなく、それぞれスキルや能力、関係性を踏まえてチームづくりをする必要があります。適性に合わせて配置し、メンバー同士の対立やパフォーマンス低下を未然に防いでいきましょう。

▼チームビルディングに関して詳しく知りたい方はこちら▼
【関連記事】チームビルディング研修における3つの効果とおすすめのゲームを紹介


 

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05チームビルディング研修をオンラインで行う

schooビジネスプランは、オンライン研修にも社員の自発的学習を促進させるツールとしても利用いただけるサービスです。Schooビジネスプランのチームビルディング研修では、チームビルディング研修をオンラインで行う際に必要な内容を網羅しており、効果的なチームビルディング研修を行うことが可能です。ここでは、具体的にオンラインでどのようにチームビルディング研修を行うのかを解説します。

1.Schooの授業を事前に視聴

まずは、事前にSchooの授業をそれぞれが視聴し準備を整えます。視聴する授業は、研修したいテーマに即したものを選びます。Schooの授業を視聴しながら、自分の気づきや意見を書き留めておき、それまでの経験などを照らし合わせながら自分自身を振り返るなど、一人ひとりがワークシートなどに記入します。

チームビルディング研修におすすめのSchoo研修パッケージ

  • 相手を尊重しながら自分の意見を伝える「アサーション」「アサーティブコミュニケーション」について学べる研修パッケージです。ビジネスコミュニケーション事例からアサーティブコミュニケーションの方法について学び、人間関係のストレスを減らして仕事のパフォーマンスを上げる方法を身につけることができます。
  • マネージャー向けの組織マネジメントについて学べるカリキュラムです。マネージャーの役割と業務について体系的に学んだ上で、具体的にチームで成果を出していくために必要なことについて学習できる研修となっています。
  • チームビルディングについて基礎を身につけたいという方向けの研修パッケージです。成果を出すチームビルディングに必要なコミュニケーション方法や、チームで成果を出すための基本スキルについて学びます。
  • チームビルディングの基礎については習得していて、さらにスキルアップしたいという方向けの研修パッケージです。チームをさらに強化するための「仕事可視化の技術」や「課題を解決するファシリテーションの方法」について学ぶことができます。

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2.それぞれの感想・学びを共有

次に、それぞれが記入したワークシートをもとに受講者同士で気づいたことを発表し共有します。自分の意見を発表することで、自分の意見の伝え方を学ぶこともできますし、自分にはなかった視点に気づくこともできます。

3.テーマについてディスカッション

受講者がひとりずつ発表し終わったら、それをもとに気づいたことや発見したことをシェアしたりディスカッションしたりします。相互理解を深め、学ぶテーマに対して多角的な視野で理解していけるようになります。

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06まとめ

チームビルディングとは個人の能力やスキルを最大限に発揮しながら目標に向かって一丸となって取り組むことのできるチーム作りですが、うまく実践できればチームとして課題解決し成果を生み出せる理想的な状態を作り出すことが可能だとわかりました。 ぜひ自社の社風に合った形で取り入れて、より企業としてのパフォーマンスを高く発揮するために役立ててください。

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組織の根幹を蘇らせ、健全な組織状態を作るための「心理的安全性の作り方」をテーマにしたウェビナーのアーカイブです。人事界隈で、組織の心理的安全性を確立するための方法論は広まっています。しかし、多くの企業が背景の理解もないまま、枠組みをそのまま組織に当てはめるような小手先の施策だけ行い、組織状態が改善されない事例を聞くことが多い現状です。本セミナーでは、同氏の調査・分析内容と、組織の機能不全の原因と組織づくりの方法をお話しいただきます。

  • 登壇者:斉藤 徹 様
    ループス・コミュニケーションズ 代表取締役

    1991年、日本IBMを退職、ICT技術を活かしてベンチャーを創業。携帯テクノロジーが注目され、未上場で時価総額 100億円超。その後、組織論と起業論を専門として 学習院大学 客員教授に就任。幸せ視点の経営講義が Z世代に響き、立ち見のでる熱中教室に。現在は ビジネス・ブレークスルー大学 教授として教鞭をふるう。2018年には、社会人向け講座「hintゼミ」を開講。卒業生は 600名を超え、三ヶ月毎に約70名の仲間が増えている。

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