公開日:2021/05/07
更新日:2023/02/02

企業の成長を促進するイノベーション研修の実施方法とポイントを解説

企業の成長を促進するイノベーション研修の実施方法とポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業が成長し続けるためには、既存の事業に変革を起こしたり、新規事業を立ち上げるといった新しい価値創造ができる人材が必要です。 昨今では、変化の激しいビジネス環境に対応するため、イノベーションを起こせる人材の必要性が増してきており、そういった人材の育成を検討している人事担当者も少なくないと思われます。 この記事では、イノベーション研修の実施方法とそのポイントについて解説します。

 

01そもそもイノベーションとは?

企業にとってのイノベーションとは、これまでにない新しいサービスや製品などを生み出すことを指します。 日本語でのイノベーションは「技術革新」と訳されることが多いですが、本来は技術に限らず幅広い概念を含んでいます。

企業の成長にはイノベーション人材の育成が重要

イノベーション人材とは、今後社内でイノベーションを起こす見込みがある人材のことを指します。 これまでにない新しいことを始めることは難易度が高く、柔軟な発想力や思考力、行動力が求められます。 また、イノベーション人材と一口に言っても、3つのタイプがあると考えられており、その3つのタイプとは以下の通りです。 ・プロデューサー:イノベーションの創出から事業化までの全プロセスを統括する。 ・デザイナー:市場の課題やニーズを汲み取り、ビジネスやサービスの企画・構成を行う。 ・デベロッパー:アイデアを迅速に具現化、継続的に改善・改良する。 上記のように、それぞれのタイプの人材が企業に求められることとなり、そういった人材がいる企業は今後も継続的な成長が期待できます。

 

02イノベーション研修の目的

イノベーション研修を実施する目的は企業によって様々です。ここでは代表的なものについてご紹介します。

既成概念に捉われない新しい考え方を身に着ける

一見完璧に見えるビジネスモデルであっても、見方や考え方によっては課題があったり、構造的な問題があることは少なくありません。 既成概念に捉われてしまっていると、新しい価値の創出どころか既存のビジネスプロセスのような細かな改善の発想も難しくなってしまうことすらあります。 そういった既成概念を取り除き、ゼロベースから思考するための考え方を身に着けることを目的として研修を行うことがあります。

事例から自社でイノベーションの起こし方を学ぶ

過去の事例から、イノベーションの起こし方を学び、その学びを自社で活かしてもらうことも目的の一つです。 事例には、自社が属している業界にとどまらず、他業界や異業種での事例からの学べる点は多くあります。 また、イノベーションの起こし方だけではなくビジネスモデルの作り方まで学べるため、過去の事例紹介は多くの研修で取り入れられています。

自社の現状理解と問題意識や危機感の醸成

全ての企業に当てはまるわけではありませんが、自社の事業環境や課題、問題点を普段から意識していない社員の方が在籍していることも少なくないと思われます。 そういった社員を含めて研修を行い、自社の現状や今後の見通しなどを解説することで、社員に問題意識や危機感を醸成することもイノベーション研修の効果として期待されています。 各社員が危機感を持つことで、自社が今後成長していくために、自分に何ができるのかといった当事者意識が芽生え、イノベーションにつながることもあるのです。

 

03おすすめのイノベーション研修のプログラム

イノベーション研修の目的によって、構成するプログラムは変化しますが、多くの研修で実施されているプログラムをここで解説します。

イノベーションの沿革と意義の理解

社内でイノベーションを促すためには、まずはイノベーションとは何を指すのか、どういった歴史があるのかといった概要を理解してもらう必要があります。 イノベーションには、市場と技術に与えるインパクトによって4つに分類されるという考えがあり、以下がそのタイプです。

  • ・構築的革新:斬新な技術を用いてこれまでの体系を破壊し、新たな開発によって新しい市場を生み出す。
  • ・革命的革新:既存の製品・サービスに新しい技術や生産体系を利用して新たな製品・サービスを生み出す。
  • ・間隙創造的革新:既存の技術を用いて新たな市場を生み出す。ニッチ創造とも呼ばれる。
  • ・通常的革新:技術やプロセスを改善し、安くて高品質なコストパフォーマンスの良い製品・サービスを生み出す。

上記の通り、イノベーションと一口に言っても、種類は様々あるため、それぞれの特徴を理解してもらったり、それに併せて自社にはどのようなイノベーションが必要なのかを考えてもらうのも良いでしょう。

イノベーションを起こすための思考力

前述した通り、イノベーションを起こすためには既存事業をゼロベースで考えることが重要です。 そして、そのためには物事を論理的に捉えて本質的な課題や問題点を洗い出すロジカルシンキングや物事を批判的に見るクリティカルシンキングの訓練が有効です。 また、ゼロベースでビジネス戦略を検討するにあたり、戦略のフレームワークを学ぶことも大切です。主なフレームワークには以下の4つが挙げられます。

  • ・3C分析:Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字をとったもので、マーケティング環境を漏れなく把握できる。
  • ・バリューチェーン分析:自社や他社の事業を機能別に分類し、工程ごとににどういった付加価値が生じているのかを分析する。
  • ・ライフサイクル分析:製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)又はその特定段階における環境負荷を評価する手法
  •  
  • ・業界構造分析:「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の5つの要因から業界の収益構造や競争におけるキーポイントを判断する。

上記のように、事業や業界構造から課題や問題点の把握、優位性の発見などを考えるための思考法は様々あり、研修を通じて多角的な考え方を身に着けていくことが重要です。

他業界・他業種の事例紹介

前述した過去の事例からイノベーションのヒントを得るという内容です。過去の規模の大きい事例だけでなく、最新のトレンドを含んだ事例や自社で成功した事例などを取り上げると、理解しやすくなるでしょう。 また、ただ事例を紹介するのではなく、どういった考え方や分析をしたことがイノベーションにつながったのかといった考察を受講者同士で話し合い、理解を深めるというのも有効です。

ビジネスモデルの企画・プレゼン

イノベーションの考え方をただ学ぶのではなく、受講者をグループに分け、実際に自分たちで市場を分析して、新しいビジネスモデルを考えてもらうといった内容も多くの研修で行われています。 最後に各グループにプレゼンを行ってもらい、それに対してフィードバックをすることで、良かった点や悪かった点を明確にし、研修後に活かすことができます。 ただし、ビジネスモデルの企画にはより質の高い内容を考えるために時間を要することになるため、1日といった短期間で研修では実施が難しくなることが考えられます。 そのため、研修期間にはできるだけ2,3日など余裕を持たせる必要があるでしょう。

 

04イノベーション研修の効果を高めるためのポイント

より効果的なイノベーション研修を行うためにはどのようなポイントがあるのでしょうか。 ここでは主なものを3つ解説します。

企業が社員に対して成長の機会を提供する

イノベーションを促進するためには、社員が自ら積極的に行動することが大切です。 例えば、新規事業を企画するポジションを創設したり、手を挙げた社員を積極的に対象のポジションに採用する制度を導入する方法などが挙げられます。自身のスキルアップにつながると思えるような内容を利用できれば、成長できるチャンスと捉える社員が増え、社内の意識改革にもつながるでしょう。

復習できる環境を整えておく

イノベーションを起こすためには様々な思考法やフレームワークを用いる必要があり、研修で一度学んだだけでは内容を忘れてしまうこともあるでしょう。 そこで、受講者がいつでも復習できるような環境を整えておくことが大切です。具体的には、研修資料の配布はもちろんのこと、PDFとしてデータで保管していつでもアクセスできるようにしたり、研修そのものを動画で録画して視聴できるようにするなどが挙げられます。 自社に合った方法で運用するのが良いでしょう。

外部研修を利用する場合は公開型研修を利用する

社内で研修を行わず、外部の研修サービスを利用するという場合、自社の社員だけが参加するものではなく、他業界・他業種の方も参加する公開型研修を利用するのがおすすめです。 講師という外部の意見をや考えを聞けることはもちろんのこと、普段接することのない他業種・異業種の方と交流することで、そこから得られる視点がたくさんあります。 外部の研修サービスは当然ながら社内研修よりも費用がかかってしまいますが、利用する場合にはぜひ公開型研修を検討してみてください。


 

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05イノベーション研修ならSchoo for Business

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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超解説「デザイン思考」―不確実性の時代にチームで成果を出す―

このコースでは、アイリーニ・マネジメント・スクール/デザイン思考研究所 代表の柏野先生に、「デザイン思考とは何か?」という基礎知識から、デザイン・テーマのつくり方やアイデアの生み出し方といった具体的な方法論、DXやAIといったテクノロジーとデザイン思考の組わせ、国内でデザイン思考を実践する組織事例から「デザイン思考をどう使うのか」などのテーマを用意し全5回の授業で学んでいきます。この機会に、不確実な時代にイノベーションを生み出すデザイン思考を学び、会社の新規事業の創出につなげていきましょう。

 
  • アイリーニ・マネジメント・スクール 代表

    慶應大学SFC在学中にスタンフォード大学へ留学し、デザイン思考を学ぶ。帰国後にデザイン思考研究所を設立し、国内でのデザイン思考普及に尽力。開発教材ダウンロード数16万回超、セミナー累計参加者数5,000名。2018年、組織のイノベーション支援を行う「アイリーニ・マネジメント・スクール」を設立。マイクロソフトやパナソニックなどの組織変革や事業開発を支援し、世界40カ国発行『Startup Guide』で日本を代表する教育機関に認定される。日経クロストレンド等で体系的にデザイン思考を解説。デザイン思考を個人の仕事術として整理した著書『地頭が劇的に良くなる スタンフォード式 超ノート術』は、ビジネス企画カテゴリーにてAmazon1位を獲得。Twitter@takanorikashino。
  • 日本電気株式会社 新規事業開発統括部

    新卒以来パナソニックにて携帯電話やカーナビなど既存事業の営業やプロジェクトマネジメントを国内外で経験。2013年に自動車用通信モジュールを使った新規事業を担当し、アジアでサービスを立ち上げた後、本社のR&D部門に異動し、デザイン思考や未来洞察など新しい手法を社外から取り入れ、社内に普及する活動を推進。アイリーニマネジメントスクールの他、東京工業大学、一橋大学、東北大学、東京大学などとの産学連携を通じて新しい発想や事業を生み出す方法についての研究や社内でのワークショップなどを展開。2020年からNECで自らがプロジェクトリーダーとして具体案件の事業開発に挑戦中。

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「イノベーション」とは何か~課題を上手に定義することから始めよう

本授業では、「イノベーション」の定義を改めて理解しつつ、どんな職種業種の人でもイノベーション的発想を養うためにどのような思考でいるとよいかを学んでいきます。

 
  • 株式会社やさしいビジネスラボ 代表取締役

    経営学者/YouTuber。経済学博士(東京大学)。大阪大学経済学研究科准教授を経て独立。「アカデミーの力を社会に」をモットーに、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。専門は、イノベーション・マネジメント、経営戦略論。 主な著書に『ど素人でもわかる経営学の本』(翔泳社)『感染症時代の経営学』(千倉書房)『戦略硬直化のスパイラル』(有斐閣)など。YouTube「中川先生のやさしいビジネス研究」では毎週火・木・土に経営学講義や時事解説動画を配信中。

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顧客理解を深める はじめてのジョブ理論

本授業では、「ジョブ理論」について初めて学ぶという方でも理解できるよう、第1回の授業で「ジョブ理論」の基本的な考え方を学んでいきます。そして、第2回ではバリュー・プロポジション・キャンバスというフレームワークを使い、「ジョブ理論」を活用していく方法を学びます。

 
  • 株式会社やさしいビジネスラボ 代表取締役

    経営学者/YouTuber。経済学博士(東京大学)。大阪大学経済学研究科准教授を経て独立。「アカデミーの力を社会に」をモットーに、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。専門は、イノベーション・マネジメント、経営戦略論。 主な著書に『ど素人でもわかる経営学の本』(翔泳社)『感染症時代の経営学』(千倉書房)『戦略硬直化のスパイラル』(有斐閣)など。YouTube「中川先生のやさしいビジネス研究」では毎週火・木・土に経営学講義や時事解説動画を配信中。

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06まとめ

イノベーションを起こすためには、これまでの社内で当たり前とされてきた前提や概念を取り払い、ゼロベースで物事見ることが求められます。 また、そこから得られた事象から新しい価値を創出するビジネスモデルを構築するためにも、様々なフレームワークを学ぶ必要があります。 イノベーションは決して容易なものではありませんが、企業の成長には欠かせないアクションですので、変革を起こせるイノベーション人材を育成するためにも、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。

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越境学習を活用した人材育成についてのウェビナーアーカイブです。多様性が重要視され、イノベーション人材が求められている中で、積極的に自分が持っている価値観や考え方とは別の文脈に触れられる「越境学習」についてご紹介します。

  • 登壇者:石山 恒貴 様
    法政大学大学院政策創造研究科 教授

    NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事等。主な著書:『越境学習入門』(共著)、『日本企業のタレントマネジメント』、『地域とゆるくつながろう!』(編著)、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(共著)等

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