自律協働型人材とは?その育成方法やマネジメントのポイントについて解説

自律協働型人材の導入を検討しているけど、具体的にどのような人材なのか分からないと悩んでいませんか。 本記事では、自律協働型人材の概要や特徴、育成方法、活かすための組織作り、管理職に求められるマネジメントスタイルの変化を紹介します。
01自律協働型人材とは
自律協働型人材とは、環境の変化から主体的にやるべきことを見出して目標達成に向けて実行できる人材のことです。 現代では、上司に指示された仕事を受動的におこなう人材より、企業目標の達成を目指して主体的に動く人材の方が、求められています。 まずは、自律と協働が人材に求められる理由を把握しましょう。
自律と協働が人材に求められる理由とは
自律と協働が人材に求められる理由は、日本の競争力が世界的に落ちてきているからです。 元々、日本人は勤勉な性格の人材が多いことから、受動的に仕事をおこなう人材の方が必要とされていました。 しかし、現代では、日本の競争力が落ちていることから、時代の変化に沿った対応力が重要だと考えられています。 そのため、時代の変化に沿って主体的に動ける人材を日本の企業は求めているのです。
02自律協働型人材の特徴とは
今後、日本社会でますます求められていくであろう自律協働型人材にはどのような特徴があるのでしょうか。 自律協働型人材の特徴として、主体性がある、責任感がある、価値観があるというのがあげられます。
主体性がある
先ほども紹介したように自律協働型人材の最大の特徴は、主体性でしょう。自律協働型人材は、主体的になって創造的なアイデアや経営戦略を生み出します。 主体性がある人材を雇うことで、生産性向上につながる可能性も高いです。
責任感がある
自律協働型人材は、責任感があります。なぜなら、他の人材と異なり、自律協働型人材は主体的に仕事に取り組んでいるからです。 責任感がある人材は、上司や同僚に好かれて信頼感を得られます。仕事の内容によっては、周囲から高い評価を得られるかもしれません。 周囲から高評価を得ると、仕事に対するモチベーションが向上し、ますますクオリティの高い仕事をしてくれるようになるでしょう。 このように責任感が強いことから、結果的に生産性向上にもつながります。
価値観がある
自律協働型人材は、自身の確固たる価値観を大切にしているため、周りに流されません。 たとえば、自分の「顧客第一で行動する」という価値観を重視する自律協働型人材がいることを想定します。他の社員がこなせば良いと思っている仕事でも、この社員であれば顧客の利益が最優先できるような行動をとるでしょう。 仕事をこなすだけでは顧客に満足感を感じてもらえない、つまり、自分の価値観に背いた仕事をしていると考えるからです。 その結果として、このように価値観を持って仕事をする人材は、クオリティの高い仕事をしてくれるでしょう。
03自律協働型人材を育成するための方法とは
世界の企業の競争に打ち勝つには、自律協働型人材を採用することが必要です。しかし、少子高齢化による人手不足が蔓延する昨今に、なかなか経験者を採用できない可能性もあります。 そこでおすすめなのが、自律協働型人材の育成であり、育成することで人手不足問題の解消にもつながるでしょう。 自律協働型人材を育成するためには、目標設定、環境整備、研修と実践が必要です。
目標設定
まず、自律協働型人材を育成するために目標設定をしましょう。 まだ自律協働型人材を雇用したことがない企業からすれば、どのような目標設定を行えばいいか分からない方も多いと思います。 そこで、自律協働型人材を育成する前に自社の経営戦略に沿って必要な人材を定義することが大切です。
環境整備
自律協働型人材を育成するためには、環境整備も欠かせません。環境整備は、心理的安全性、育成内容、評価基準などに目を向けておこなう必要があります。 心理的安全性とは、それぞれの社員が他者からの反応に恐怖を感じることなく、自然体で発言できる状態のことです。 主体的に行動するには、社員の発言に対して周囲が否定しないことは必須です。社員が発言したことに周囲から否定の声が挙がると、恐怖感により発言しにくくなります。 また、育成内容に関しては、社員が能動的な行動をした場合に先輩社員からの振り返りやフィードバックすることが大切です。 先輩社員からだけでなく、自律協働型人材自身も自らの行動を検討し、振り返る機会を設けることで適切な人材育成がしやすくなります。
研修と実践
自律協働型人材を育成するためには、自立型に基づいた研修をおこなう必要があります。ただ、いきなり仕事の方法を自立型に変更しようとしても難しいでしょう。 まずは研修を実施し自立型の特徴について慣れ、仕事しやすい土台作りをすることが大切です。 研修で自立型の土台作りを行ったら、実践の場を設けましょう。実際に、管理職の社員に部下の自立性に関して評価してもらうと良いでしょう。 研修と実践を共におこなうことで、知識やスキルが身に付きやすくなるので、おすすめです。
04自律協働型人材を活かすための組織とは
自律協働型人材を活かすために、どのような組織作りを心がければ良いのでしょうか。そのためにはホラクラシー型組織とティール型組織のような組織作りが必要と言われています。
ホラクラシー型組織
ホラクラシー型組織は、役職や階級のない組織のことです。日本の多くの企業は、社長や部長などといった役職や階級があります。 しかし、ホラクラシー型組織には、役職が一切ありません。実は、ホラクラシー型組織には、権限が従業員全員に与えられるので、わざわざ役職を就ける必要がないのです。 ホラクラシー型組織を導入することで、業務効率化や上下関係によるストレス軽減などのメリットを得られるので、より働きやすい環境につながります。 少しでもホラクラシー型組織の導入を検討している人事担当者は、自律協働型人材を活かすためにも導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ティール型組織
ティール型組織は、上司が部下へ仕事の指示出しを行わなくても、目的達成のために組織の従業員全員が個別に自己決定をおこなう組織のことです。 ティール型組織は、ホラクラシー型組織のように明確な決まりごとはありません。ただ、ティール型組織は、従来の企業のように社長や部長などといったヒエラルキー制度が廃止されます。 つまり、ヒエラルキー制度を導入していたからこそ行われていた定期ミーティングなどの廃止をすることが可能になるのです。 要するに、ティール型組織を導入した場合、比較的自由な組織作りが行えます。 ただ、ヒエラルキー制度を廃止したことから指示出しをする上司がいないので、従業員全員が組織のルールを理解する必要があるでしょう。 そのため、従来の組織からティール型組織に転換をおこなうのであれば、従業員全員に組織のルールを理解してもらった後に導入することをおすすめします。 イメージとしては、ホラクラシー型組織の中にティール型組織内部に持っているイメージなので、比較的ティール型組織の方が明確な決まりがないため、導入しやすいと言えるでしょう。
05管理職に求められるマネジメントスタイルの変化とは
従来の人材から自律協働型人材を雇用し始めたことによって、管理者に求められるマネジメントスタイルはどのように変化するのでしょうか。 管理職に求められるマネジメントスタイルは、直接支援型から自立支援型に変化しつつあります。
直接支援型
従来の企業では、管理職は直接支援型のマネジメントを行っていました。管理職は自身の権限の範囲内で部下に指示をし、効率よく成果を出すことが求められています。 ただ、それと同時に管理職の権限行使には責任がともないます。場合によって、説明を求められる機会もあるので、しっかり検討したうえで答えを出す必要があるため、直接支援型の管理職の役割は責任重大と言えるでしょう。
自立支援型
自立支援型は、今回紹介している自律協働型人材で管理職が求められる支援方法です。直接支援型とは異なり、直接仕事の指示をする必要はありません。 自律協働型人材は、基本的に主体性が求められます。自分から経営戦略や事業アイデアを検討する必要があるので、主体的に従業員が動けるようにサポートしましょう。 たとえば、従業員が受動的に仕事をしていた際、先輩からフィードバックすることで、次回からは自律的な仕事をしやすくなるでしょう。
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■資料内容抜粋
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・研修への活用方法
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06自律協働型人材の育成ならSchoo for Business
Schoo for Businessでは約7,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自律学習にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自律学習の両方に対応することができるシステムになっています。
研修と自律学習を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学ぶ習慣を身につけ、自走しながら成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自律学習を両方行うことができる
Schoo for Businessは社員研修にも自律学習にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自律学習には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約7,000本にも上る授業では、研修系の内容から自律学習に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、自らの業務に直結した学びを社員自ら選択することが可能です。
2.Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる
Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。

さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。
さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。
07まとめ
自律協働型人材の概要と特徴、育成方法、活かすための組織づくり、管理職に求められるマネジメントスタイルについて紹介しました。自律協働型人材を組織に取り入れることで、上記の特徴を持っている人材が社内で働いてくれるため、会社の経営に大きな利益をもたらしてくれるでしょう。 自律協働型人材を組織に取り入れることで、管理職の負担を減らすこともできるので、会社での導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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自律性を持った人材を育てる「自律型組織」についてのウェビナーアーカイブです。トップダウンの統率による組織に限界を感じ、ボトムアップで社員が自律的に動けるよう組織開発を行う企業が増えています。Zホールディングスにて次世代リーダー開発を担う伊藤羊一氏をお招きし、現代に適応した自律型の組織の作り方についてお話いただきます。
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登壇者:伊藤 羊一 様Zアカデミア学長 / 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長 / Voicyパーソナリティ
日本興業銀行、プラスを経て2015年よりヤフー。現在Zアカデミア学長としてZホールディングス全体の次世代リーダー開発を行う。またウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてもリーダー開発に注力する。2021年4月に武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)の学部長に就任。代表作に56万部超ベストセラー「1分で話せ」。ほか、「1行書くだけ日記」「FREE, FLAT, FUN」など。