コミット力とは?若手人材のビジネススキルとしてのコミット力を解説

ビジネススキルとしてのコミット力は、信用を勝ち取るために必要な力であるといえます。コミット力とは責任を持って仕事に関わり、結果を約束する力です。本記事ではビジネススキルとしてのコミット力と、人材のコミット力を高める企業の取り組みを紹介します。
- 01.コミット力とは
- 02.ビジネスにコミット力が必要な理由
- 03.人材のコミット力を低下させる原因
- 04.人材のコミット力を高める組織の取り組みとは
- 05.コミット力を向上させるSchooのオンライン研修
- 06.まとめ
01コミット力とは
コミット力とはビジネスシーンにおいては、責任を持って仕事に関わり結果を約束する力であるといえます。責任を果たす能力とも言い換えられます。ビジネスにおいては信用が第一です。社外の取引先との契約では、報酬の代わりに契約通りのアウトプットを出すことが求められます。社内の業務においても、任された仕事は期日までにやり遂げなくてはなりません。 企業としてコミット力が低く、契約を履行できない場合、取引先からは次の仕事がもらえないでしょう。コミット力の低い部下に、上司は重要な仕事を任せることはありません。 コミット力はビジネスパーソンにとって、信用に関わる重要なスキルであるといえるでしょう。
コミットメントの意味
英単語の「commitment」には、様々な意味があります。「委託」「委任」「関与」「参加」「責任」「約束」「公約」「契約」といった意味です。 文脈によっていろいろな意味で用いられるので、本来の意味をよく理解しないまま使ってしまうこともあるかもしれません。 ビジネスシーンにおいてはコミットメントは、「責任を持って仕事に関与すること」であり、「責任ある関与を公約・明言すること」でもあります。また「責任をともなう約束」そのものを指す場合もあります。
02ビジネスにコミット力が必要な理由
ビジネスにコミット力が必要なのは、信用に関わるからです。コミット力が低い取引先や部下とは安心して仕事を進めることはできません。 企業として事業を維持していくためには、取引先と信頼関係を構築したうえで取引を継続させることが必要です。 また、ビジネスパーソンとして成長していくためには、上司の信頼を得て新しい仕事を任されるようにならなくてはなりません。 自社の人材がコミット力を高めることで、様々なメリットが得られる点が、コミット力が重視される理由です。得られるメリットは以下の2点です。
社員のエンゲージメントが向上する
自社の人材がコミット力を高めることで、事業に関与する意識が高まります。仕事の意義を深く理解するため、日々の業務に充実感を持ってあたり、成果を出すようになるでしょう。成果を出す人材に対して、会社はできる限り良い待遇で報いようとするものです。 こうした好循環が、人材の帰属意識を高めエンゲージメントを向上させます。結果として離職率の低下など、企業にとって好ましい状況につながっていくでしょう。
事業や業務の生産性向上のため
コミット力の高い人材が力を発揮することで、事業や業務の生産性の向上が見込めます。事業に関与する意識の高い人材は、目標達成への意識も高く、当事者意識を持って業務に打ち込みます。こうした人材が多くいることは、自社の事業に様々な良い影響を及ぼすでしょう。 新規事業など新たな取り組みの提案も活発に行われるでしょう。業務改善に向けた様々な提案がなされ、効率化も推進します。こうしたことにより組織としての生産性が向上していくのです。
03人材のコミット力を低下させる原因
人材がコミット力を高めることは企業にとって、様々な良い影響を与えることがわかりました。しかし自社の人材のコミット力が向上しないことに、頭を悩ませる企業も多いようです。 ここでは人材のコミット力を低下させる原因を5つ挙げます。
- ・1.仕事の目的が明確ではない
- ・2.目先の仕事しか見えていない
- ・3.目標に対して能力とのギャップが高い
- ・4.適切な人材評価がされない
- ・5.身近にロールモデルとなる社員がいない
1.仕事の目的が明確ではない
人材のコミット力が向上しないのは、仕事の目的を明確に示していないことが原因かもしれません。そのため、人材は自身の仕事の意義を理解できていないのです。 人材のコミット力を高めるには、自身の仕事がどのような役割を果たし、組織に貢献しているのかを理解してもらうことが必要です。 こうした理解が進まなければ、事業に対する積極的な関与は望めません。
2.目先の仕事しか見えていない
目先の仕事しか見えていないことも、コミット力を低下させる原因として考えられます。人手不足により、目の前の業務をこなすことに精一杯になっているのかもしれません。 常に仕事に追われている状態では、視野が狭くなってしまいます。こうした状態では、自身の仕事の意義を深く考えることはないでしょう。
3.目標に対して能力とのギャップが高い
目標と能力にギャップがあることも原因として考えられます。人材が持つ能力に対して高すぎる目標を設定した場合、達成に向けた努力を諦めます。自身の能力不足を感じ、自信を喪失してしまうかもしれません。反対に能力に対して低すぎる目標を設定した場合も問題です。簡単すぎる業務を日々繰り返していては、成長が見込めないからです。仕事に対する面白みや、やりがいを失ってしまうリスクもあります。
4.適切な人材評価がされない
評価に対する不満も原因として考えられます。自身の業務が適切に評価されないと感じてしまうことは、モチベーションを低下させるばかりか、会社に対する不信感につながります。 適切な評価制度が運用されていないことは問題です。しかし、それは社員の側の制度への理解不足が原因かもしれません。 いずれにせよ、適切な評価がされていないという不満は、コミット力を低下させるでしょう。
5.身近にロールモデルとなる社員がいない
身近にお手本となる社員がいないことが原因かもしれません。自社の企業文化がコミット力を重視しない風土の場合は問題です。しかし、ロールモデルとなる社員がいないと感じてしまうのは、コミット力のある人材と仕事をする機会に恵まれていないだけかもしれません。 こうした環境では人材交流を図り、ロールモデルとなる人材が、多くの社員と接する機会を作る必要があります。 コミット力は細かいスキルや、良い仕事習慣の積み重ねにより成り立つものです。こうした良い習慣を多くの社員がお手本にすることで、人材のコミット力は高まっていくでしょう。
04人材のコミット力を高める組織の取り組みとは
ここでは人材のコミット力を高める組織としての取り組みを紹介します。コミット力を高める取り組みは、仕事に対する興味を引き出す取り組みでもあります。自身の仕事の意義を理解し、重要性を認識することで事業に積極的に関与する姿勢が生まれるでしょう。 コミット力を高める組織の取り組みとして、考えられるのは以下の5つです。
- ・1.適材適所の人員配置
- ・2.理念やビジョンの共有
- ・3.適度なストレッチ目標を設定する
- ・4.メンター制度やコーチング支援の実施
- ・5.社内勉強会や研修を実施する
1.適材適所の人員配置
それぞれの人材が、持てる能力を適切に発揮できることが望ましい状態です。そのためには適材適所の人員配置が欠かせません。 日々の業務で自身のスキルを存分に発揮できることは、仕事への満足度を高めます。そして、それは会社への貢献を実感できることでもあります。 こうした実感は組織に対する愛着や、その一員であることへの誇りをもたらすでしょう。人材にとっても組織にとっても理想的な状態といえるでしょう。
2.理念やビジョンの共有
理念やビジョンを共有することで、組織の一員としての自覚を高めることも必要です。そのためには、すべての社員にしっかりと伝えることが大切です。 会社の理念に共感し、ビジョンの実現のために自らも力を発揮したいと感じさせなくてはなりません。そして個々の仕事がそのビジョンの実現のために、欠かせないものであることを自覚してもらいます。そうすることで事業に対して積極的に関与する姿勢が芽生えるでしょう。
3.適度なストレッチ目標を設定する
「ストレッチ目標」とは今の力では達成が難しいが、少し成長することで手が届くような、適度な難易度で設定された目標のことです。こうした適切な目標を設定し、日々の業務で達成を意識した行動をとることで、着実に成長していけます。 多くの人材は、自分を成長させてくれる環境に愛着を持つでしょう。自社で働くことに誇りを持ち、この会社で働き続けたいといった気持が高まります。
4.メンター制度やコーチング支援の実施
メンターによるサポートや、コーチングによる支援もコミット力向上には効果的な手法です。 お手本となる人材が身近にいて支援することで、成長スピードも加速し、成功体験を積み上げていけます。成長を実感させてくれる支援者の存在は、その企業で働く意義を高めます。やがて自身もメンターとして、後輩の指導に関わりたいと思うようになるかもしれません。これは会社に対するコミット力が高まっている状態といえるでしょう。
5.社内勉強会や研修を実施する
人材のコミット力を高めるには、社内勉強会や研修を実施することも効果的な取り組みです。理念やビジョンを共有するには、社内研修の実施が適しています。定期的に繰り返し実施することで、多くの社員に浸透していくでしょう。 実務におけるスキルを高める研修を提供することも効果的です。自身を成長させてくれる組織への愛着を高めることにつながります。
05コミット力を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級7,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
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【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
コミット力に関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、コミット力に関する授業を紹介いたします。
成果につながる仕事のススメ
仕事の生産性を上げる術を身につける授業です。 仕事が効率的に行えずに、成果が出せていない人が 段取りよく、より多くの仕事がさばけるようになるために必要なスキルを学んでいきます。
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株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長
大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。
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モチベーション・マネジメントの心理学
この授業では、部下や後輩の指導に悩んでいる方、チームの目標達成に向け自身を含めたメンバーのやる気を高めたいと考えている方を対象に、モチベーションをどのようにマネージしていくか、ということを心理学の視点から解説します。
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東京未来大学 学長
北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程退学、札幌医科大学助手、山形大学講師、助教授、北星学園大学教授(この間に英国York大学心理学部研究員)を経て、2000年大阪大学大学院人間科学研究科教授、同大学名誉教授。 大坊郁夫「しぐさのコミュニケーション」(サイエンス社)、大坊郁夫編「幸福を目指す対人社会心理学」(ナカニシヤ出版)等。
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東京未来大学 モチベーション行動科学部教授
慶應義塾大学商学部卒業後株式会社リクルートに入社。26年間のリクルート勤務を通じて「モチベーション・マネジメント」を探求。モチベーション行動科学部では、モチベーション理論と実務の現場を繋ぐ実践スキルを中心に担当。
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東京未来大学 モチベーション行動科学部学部長
立教大学文学部心理学科卒業。同大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、産業・組織心理学会常任理事(元会長)、人材育成学会常任理事、日本応用心理学会理事など。ワーク・モチベーションに関する著書、論文多数。
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06まとめ
コミット力の高い人材を育成することは、企業の組織力を高めます。多くの人材が事業に対し、当事者意識を持って積極的に関与するようになるからです。 人材のコミット力を高めるには、多くの成長機会を与えることが必要です。人材育成に多くのリソースを割くことが、人材のコミット力を高める近道かもしれません。