公開日:2022/08/31
更新日:2022/11/09

判断力がない人材の特徴や理由から判断のプロセス・トレーニング方法も紹介

判断力がない人材の特徴や理由から判断のプロセス・トレーニング方法も紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

判断力は、日常業務だけでなく、想定外の出来事やトラブルにおいて求められる重要なスキルです。企業を取り巻く環境の変化にともない、判断力のある人材育成が重要になります。本記事では、判断力の意味と判断に至るまでのプロセス、判断力がない人材の特徴やその理由、判断力のトレーニング方法について解説します。

 

01判断力とは?

判断力とは、物事を正しく認識し、論理的に評価するスキルを指します。日常業務における諸問題に対する判断から、企業経営に影響を与えるほどの判断まで、日々求められているのが判断力です。今あるエビデンスを元に、ベストの選択肢を判断する必要があるため、冷静さや合理性の高さが求められるスキルといえるでしょう。

 

02判断に至るまでのプロセス

判断に至るまでの一連の流れは、多くの場合において、以下に示す3つのプロセスをたどると考えられます。

  • プロセス1.判断対象を特定する
  • プロセス2.選択肢をリストアップする
  • プロセス3.選択肢の中から選ぶ

現在のような変化の激しい環境下では、判断に至るプロセスが複雑になる可能性も少なくありません。プロセスをたどれば良いということではなく、それぞれのステップで正確性を高めることが重要です。

プロセス1.判断対象を特定する

判断に至る最初のプロセスは、判断対象となる解決すべき課題を特定することです。何について判断するのか、その対象が決まっていなければ、状況を正しく認識することができません。また、解決すべき課題を誤って特定したり、対象範囲を広げすぎてしまうと、これ以降のプロセスをスムーズに進めることができなくなるため注意が必要です。

プロセス2.選択肢をリストアップする

判断対象が特定できたら、解決策として考えられる選択肢をリストアップするプロセスに進みます。解決すべき課題を細分化し、原因と問題点を明らかにして、いくつかの解決策を考案していきます。このプロセスでは、社内におけるこれまでの事例や同業企業の施策など、広い観点での情報収集が鍵になるでしょう。

プロセス3.選択肢の中から選ぶ

最終プロセスでは、リストアップした選択肢からベストの選択肢を選びます。ここでは、それぞれの選択肢が企業や組織に与える影響を考慮しなければなりません。選択肢それぞれのメリット、ならびに予測されるリスクといったデメリットを洗い出し、優先順位をつけましょう。 ただ、選択肢を1つに絞るのではなく、いくつかを組み合わせる場合もあります。選択肢を組み合わせることで、1つの選択肢から得られるメリットを上回ることも多々あるためです。最も有益な選択肢を選べることが、判断力のある人材といえます。

 

03判断できない理由4つ

最も有益な選択肢を選べる人材がいる一方で、なかなか判断できない人材もいます。なぜ、自分で選択肢の中から選ぶことができないのでしょうか。判断力がない人材には、以下のような共通する理由があります。

  • 自分に自信が持てない
  • 現状が把握できていない
  • 自分の意見に固執している
  • 自分で判断した経験がない

ここでは、判断できない理由について詳しく解説します。

1.自分に自信が持てない

判断できない理由として、自分に自信が持てないことが挙げられます。責任やリスクの度合いが高いほど、判断を躊躇するのは当然かもしれません。また、自分の判断が原因で迷惑をかけたり、叱責されたりといった経験から、自信が持てなくなることもあります。判断ミスを経験することで、それ以降どうしても判断ができなくなるというのは、よくあるケースの1つです。

2.現状が把握できていない

自分が何をするべきかを把握できていないため、判断ができない場合があります。現在の状況や自分の立場によって、判断が求められる場合もあればそうでない場合もあるでしょう。現状が把握できないために、判断するべきではない場面で判断してしまうといったエラーを引き起こす可能性があります。

3.自分の意見に固執している

自分の意見に固執するゆえに、判断に至らないという場合もあります。自分の意見に固執するとどうしても視野が狭くなるため、判断の選択肢が少なくなりがちです。さらに、判断が求められる場面において、どれも納得できないまま選びきれなくなることが多くなります。

4.自分で判断した経験がない

自分で判断した経験がないという理由で、判断できない場合もあります。例えば、新入社員のようにビジネスシーンで判断した経験がないため、判断できないのはある意味やむを得ないでしょう。しかし、常に他者に判断を委ねてきた人は、判断力を養う機会もないため、判断力が身についていません。そのため、判断することで得られる成功体験もさることながら、失敗体験もないのです。

 

04判断力がない人材の特徴

ビジネスにおいて、判断力がなく誤った判断をしやすい人材は、上司や同僚からの信頼を得にくいものです。さらに、判断力が求められる重大な局面では、企業や組織に損失を与えてしまう可能性もあります。 このような、判断力のない人材には、以下のような特徴があります。

  • 判断の前提となる情報が不足している
  • 長期的な視点に欠ける
  • 周囲の評価や意見に影響されやすい

1.判断の前提となる情報が不足している

判断力のない人材は、判断の前提となる知識やルールといった情報が不足しているという特徴があります。判断するための情報がなければ、なかなか決められないのも無理はありません。 特に、経験のない場面に対しては、持っている情報だけでは対応できないことも多いものです。指示がないと動けない場合やマニュアルにない例外的な出来事に対して、適切に判断できないことがその典型的なケースといえるでしょう。

2.長期的な視点に欠ける

長期的な視点に欠けるのも、判断力がない人材の特徴の1つといえます。目先のことにとらわれがちなため、先々を予測して状況をとらえられないことが弱みです。短期的には問題が解決したように見えても、長期的に根本的な解決につながらなかったというケースも珍しくはありません。ゆえに、長期的視点に欠けていると、環境を改善し好転させることは難しいといえます。

3.周囲の評価や意見に影響されやすい

判断力のない人材は、周囲の評価や意見に影響されやすい点が特徴です。自分に自信が持てなかったり、判断した経験がなかったりなどの背景があると考えられます。対して、優れた判断力のある人材は、自分の考えや行動に信念があり、周囲に流されることはありません。 自分の考えと周囲の評価や意見を比較することは大切ですが、あまりに周囲を気にしていると、常に迷いが生じ、適切に判断することが難しくなります。また、他者の意見によって判断が変わり、自分の判断を維持できない場合も、判断力がないといえるでしょう。

 

05判断力を高めるトレーニング方法

判断力を高めるトレーニングには、いくつかの方法があります。ここでは、個人で取り組める方法や、企業が人材育成として実施できる方法を合わせてご紹介します。 判断力を高めるトレーニング方法は、以下の5つです。

  • 目標を設定する
  • フィードバックを受ける
  • 論理的思考を身につける
  • クリティカルシンキングを実践する
  • 人材・社員研修を実施する

1.SMARTを用いて目標を設定する

判断力を高めるためには、まず明確な目標を設定することが重要です。組織においては、チームの目標や個人の目標がない状態だと、社員が能動的になれず、自分で判断して行動する機会を失いかねません。明確な目標があることで、今やるべきことなのか否かという判断がつくようになるのです。 目標設定をどのようにしたらいいのか、その方法が分からないという方も多いでしょう。そのような場合に役立つのが、目標設定のための手法として注目されているSMARTです。以下の5つの要素に沿って、具体的な目標設定からゴールを明確にします。自分の行動が、目標達成のために適切な行動であったのかの判断がしやすくなるのです。

  • Specific:具体的であるか
  • Measurable:測定可能であるか
  • Achievable:達成可能なであるか
  • Related:経営目標に関連しているか
  • Time-bound:期限が定められているか

SMARTを用いる際は、定期的に進捗確認し、目標と結果に大きな開きが見られるようであれば、目標を見直す必要があります。

2.フィードバックを受ける

失敗をそのままにせず、上司や先輩からしっかりフィードバックを受けることで、判断力を高めることができます。フィードバックの手段として、多くの企業で導入されているのが、1on1ミーティングです。 1on1ミーティングとは、上司と部下で定期的に行なわれる1対1の対話であり、部下の成長促進を目的の1つとしています。そのため、判断ミスなどの失敗を学びに変えることが可能です。上司へ事前に相談したい内容を提出しておくと、スムーズに話を展開できるでしょう。

3.論理的思考を身につける

論理的思考を身につけることは、判断力を鍛えることにもつながります。判断力には情報収集が重要になりますが、持っている情報だけでは、応用が利きません。そういう場合に必要なのが、物事の因果関係を正確に把握する論理的な考え方です。 論理的思考をスムーズに展開するためには、因果関係や相関関係や仮説推論(演繹法、帰納法など)といった思考テクニックが必要です。 また、論理的思考には、以下のようなフレームワークが使われています。

  • ピラミッドストラクチャー:論理を整理するためのピラミッド構造
  • ロジックツリー:原因や解決法を発見するためのピラミッド構造
  • MECE(ミーシー):漏れなくダブりなく情報を分解する手法

4.クリティカルシンキングを実践する

判断力を高めるトレーニングとして、「批判的思考」と呼ばれるクリティカルシンキングがあります。感情や主観の影響を受けることなく、客観的な視点で物事の本質をとらえ、解決策を見出そうとする思考プロセスです。ビジネスシーンでは、判断力のレベルを高めるためにも用いられています。 実践は、以下の4ステップです。

  • ゴールを明確にする
  • 現状を批判する
  • 課題を見つける
  • 施策の実行と再検証

クリティカルシンキングを実践する上で重要なのは、問いを自分に投げかけ続けるという、自分の考えを常に疑う姿勢です。目的を達成できない場合は、別の視点から再び検証する必要があります。

5.人材・社員研修を実施する

判断力を高めるトレーニングで有効な方法は、人材・社員研修を実施することです。社内での研修方法は、主に集合研修やOJT、e-ラーニングがあります。集合研修で判断力や判断に必要な思考法などを学び、実践で活かし、eラーニングで復習するというパターンが、スキルの定着に有効です。全社として、判断できる人材を育てるという風土作りにも役立つでしょう。

 

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2回にわたってお送りするこの授業では、これまで学んできた数学の知識や数学的なプロセスを、日常生活やビジネスのさまざまなシチュエーションに適用し、数学的な根拠を持って結論へと導く力を鍛えていきます。

 
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    算数・数学ワークショップ団体代表、塾講師、フリーランスマーケター 大学生時代から「数学の楽しさを伝える」ために「数学のお兄さん」として活動をはじめ、数学×お笑い、数学×恋愛、数学×俳句など、今までにない数学と何かを組み合わせるという切り口で活動中。早稲田大学大学院数学応用数理専攻修士課程修了。 大手進学塾から株式会社サイバーエージェント、株式会社ビズリーチのマネージャーを経て独立し、現在は主にベンチャー企業数社のマーケティング業務支援を行う傍ら、並行して数学・算数ワークショップを提供するmath channelの代表、日本お笑い数学協会副会長、また小中高生向け探究型学習塾の算数・数学講師としても活動。 2017年11月 国立研究開発法人科学技術振興機構主催「サイエンスアゴラ」にてサイエンスアゴラ賞受賞。 著書に、『笑う数学』(KADOKAWA)、『愛×数学×短歌』(河出書房新社)、『理数センスが育つ・算数王パズル』(小学館)等。

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07まとめ

判断力は、日常業務から企業経営のさまざまな局面で求められている重要なスキルの1つです。優れた判断力をもつ人材がいる一方で、なかなか判断できない人材もいますが、トレーニングによって判断力を高めることが可能になります。人材・社員研修やフレームワークを用いた思考法、1on1ミーティングを取り入れることが有効な手段です。企業には、社員の自発的な学びやスキルを身につけられるような環境の整備が求められています。

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