創造的思考とは?社員が創造的思考を持つことの5つのメリットや高めるために有効な4つのことを解説
創造的思考とは、既存の枠組みにとらわれない、自由な発想的思考のことです。本記事では、創造的思考の概要や社員が創造的思考を持つことのメリットについて解説します。創造的思考を高めるために有効な4つのポイントについてもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。
- 01.創造的思考とは
- 02.創造的思考を持つ人の特徴
- 03.社員が創造的思考を持つことの6つのメリット
- 04.創造的思考を高めるために有効な4つのこと
- 05.創造的思考を学べるSchooのオンライン研修
- 06.まとめ
01創造的思考とは
創造的思考とは、問題に直面したときに、斬新かつ有意義な着想を生み出せる思考を指します。学校教育では学ぶ機会のない思考様式ですが、人間社会の多様性に対応し、目まぐるしく変化するビジネス市場を勝ち抜いていくために必要不可欠な思考と考えられています。
創造的思考の過程と原動力
創造的思考の過程を支えている原動力は、主に新しいことに対する好奇心と、持続的な思考に対する集中力です。そのため、創造的思考を身につけるには、未知の領域に思考を進めていくことへの不安に打ち勝つ冒険心と、既成の枠組みから外れることを楽しむ遊び心、および自分の意見を展開させていく自信が必要であると考えられています。
注目される理由
人口構造の変化、少子高齢化、グローバル化、エネルギー不足、テクノロジーの進展、働き方の多様化など、我々を取り巻く社会的環境は、加速的に変化を続けています。 特に、将来の予測が困難な「VUCAの時代」と呼ばれる現在では、市場構造の変化などにより、多くの企業がこれまでのプロセスや既存事業では、大幅な成長が見込めない事態に陥っています。 加えて、労働の一部がAIに代替される社会が近いうちに訪れることも予想されています。AI社会を勝ち抜くためには、さまざまな文化や考え方をもつ人たちと意見交換をしながら、 問題を解決し、新たなものを生み出したりしていくことが不可欠です。 つまり、これからの多文化共生の時代においては、自分と異なった考えや思いをもつ人と対話を重ね、共通する部分を見付けだし、新たな知や価値を創造する人材の育成が強く求められているのです。
02創造的思考を持つ人の特徴
創造的思考を持つ人には、いくつかの共通した特徴が見受けられます。
- 1.さまざまなことに興味がある
- 2.客観的に物事を考えられる
- 3.多くのことにチャレンジしている
- 4.自分の意見を伝えられる
下記では、創造的思考を持つ人の特徴を紹介します。具体的に、創造的思考を持つ人の特徴について知り、どのような対策を講じたら創造的思考を持った人になることができるのか考えていきましょう。
さまざまなことに興味がある
創造的思考を持つ人は、常識にとらわれず、さまざまなことに興味をもつ傾向にあります。また、常にアンテナを張り、思考し続ける事ができるのは創造的思考を持つ人ならではの特徴です。 考える癖をつけることは、柔軟な発想力にもつながります。また、疑問を疑問のままで終わらせるのではなく、考え模索し行動に移すことで、さらなる創造のヒントにつなげているのです。
客観的に物事を考えられる
創造的思考を身につけている人は、客観的に物事を考える力も長けています。創造的思考では、既成事実だけにとらわれず、自由な発想で物事をあらゆる角度から考えます。そのうえで、人の脳が持つ直感や無意識の力を引き出して、新しい仮説を導き出しているのです。
多くのことにチャレンジしている
創造的思考を有している人は、失敗は成功までのプロセスだと考えているため、挑戦に対する失敗をおそれず、日々さまざまなことにチャレンジしています。結果が出るまで、やり抜く力があるため、多くのことを成し遂げられます。
自分の意見を伝えられる
創造的思考では、言葉や身体・図・イラスト・動画などあらゆるフォーマットを活用して、自分の想いを相手に伝えることが求められます。そのため、創造的思考を持っている人は、周りの意見に流されることなく、自分の意見をきちんと伝えられます。
03社員が創造的思考を持つことの6つのメリット
ここまで、創造的思考の概要や創造的思考を持つ人の特徴について見てきました。では、社員が創造的思考を持つことで、企業はどのような恩恵を受けられるのでしょうか。 ここからは、社員が創造的思考を持つことで企業が得られる6つのメリットについてお伝えします。
- 1.さまざまな問題に柔軟に対応できる
- 2.従来にはないイノベーションの創造につながる
- 3.新たな知識やスキルを身に付けられる
- 4.多様なシーンで応用が利く
- 5.新たなアイデアを生み出す力を持つ人材を育成できる
- 6.企業の活性化につながる
1.さまざまな問題に柔軟に対応できる
創造的思考では、多様な意見を受容することが要求されます。それぞれの意見に向き合い、合意形成を図っていくなかで、画期的な視点や新たな発見を得られるためです。多様性が重視される現代において、さまざまな問題に柔軟に対応できるスタンスが社員に広がっていくのは、企業として非常に好ましいと言えます。
2.従来にはないイノベーションの創造につながる
イノベーションの創出も、創造的思考のメリットです。慣れ親しんだ手法にこだわっていては、新たなものを生みだすことは困難です。新しいアイデアやこれまでにない斬新な手法を思いつき、失敗をおそれず試すことで、予想を超える結果を得られるチャンスが広がるのです。
3.新たな知識やスキルを身に付けられる
ビジネスでは、失敗を回避するあまり「このアイデアは提案するのはやめておこう」という思考に陥りがちです。しかし、創造的思考では、失敗は課題を発見するための重要なプロセスです。「とりあえずやってみる」という思考が習慣になることで、失敗に対する恐怖心が薄れ、結果的に新たな知識やスキルを身に付けやすくなります。
4.多様なシーンで応用が利く
多様な意見を受け入れられる環境下では、メンバー間の連携や信頼が高まり、チームワークが強化されます。チームの結束力が高まることで、「エンゲージメントの向上」「企業理念や価値観の浸透」「業務の効率化による生産性の向上」など、仕事の質や業績アップにつながる要素が多数生まれます。
5.新たなアイデアを生み出す力を持つ人材を育成できる
創造的思考力が鍛えることで、今までとは異なる見方や考え方で「人」「物」「事」を 捉えることができるようになります。これにより、より良い社会を創造するための新たなアイデアを生み出す力を持つ人材を育成できるのです。
6.企業の活性化につながる
社員がアイデアや知恵をもって積極的に協力し合う姿勢は、強い組織作りにも大きく寄与します。加えて、創造性溢れる活気的な職場は、エンゲージメントの向上にも大きくつながります。社員一人ひとりのエンゲージメントが向上することで組織の活性化が促進され、企業の更なる発展が期待できます。
04創造的思考を高めるために有効な4つのこと
創造的思考は、日常の積み重ねによって高められていきます。以下では、創造的思考を高めるために有効な4つのポイントについて解説します。ぜひ普段から意識して取り入れ、創造的思考を鍛えましょう。
- 1.多くの知識やスキルに触れる研修を行う
- 2.体を動かせる設備を社内に設ける
- 3.社員にお昼休憩に軽い睡眠を取るよう促す
- 4.マインドマップによる社員のプロジェクト管理を行う
1.多くの知識やスキルに触れる研修を行う
まず初めに挙げられるのは、研修の実施です。外部講師を招き、座学やグループワークを行うことで、創造的思考習得までのプロセスを体系的に学べます。 また、社内メンバーで別途時間を割いて、ワークショップを実施し、どのように創造的思考を取り込んでいけば良いのか、考えることも有効な手法のひとつです。
2.体を動かせる設備を社内に設ける
オフィスに体を動かせるリフレッシュスペースを設けることは、社員間コミュニケーションの活性化だけでなく、創造的思考力アップにも役立ちます。また、健康で活気に満ちた職場環境を構築することで、社員は「この企業は社員の労働環境を考えてくれている」と感じ、会社へのエンゲージメントが高まります。
3.社員にお昼休憩に軽い睡眠を取るよう促す
15〜20分程度の昼寝は、寝不足解消だけではなく創造的な思考の促進にも役立ちます。加えて、「脳の働きが活性化し、集中力が高まる」「発想力が豊かになる」「ストレスが解消される」などの、メリットを得られるため、ぜひ積極的に取り入れることをおすすめします。
4.マインドマップによる社員のプロジェクト管理を行う
マインドマップとは、私たちの頭が自然に行っている思考プロセスを図式で表現するためのツールです。マインドマップを使って社員のプロジェクト管理を行うことで、社員一人ひとりが頭の中で考えていることが「見える化」されます。これにより、相互理解が深まるだけなく、新たな発想が起きやすくなります。
05創造的思考を学べるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,500本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は4,000社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,500本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
創造的思考に関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,500本以上の講座を取り揃えております。この章では、創造的思考に関する授業を紹介いたします。
ワークショップデザイン -創造性を高める場のつくり方-
この授業では『ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ』『協創の場のデザイン―ワークショップで企業と地域が変わる』の著者である安斎勇樹先生をお招きし、ワークショップデザインについてお話いただきます。 授業内では、ワークショップの概念や考え方だけでなく、仕事での会議に活かせるような少しブレイクダウンした内容までお届けします。
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株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO
1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。ウェブメディア「CULTIBASE」編集長。企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の創造性を高めるファシリテーションの方法論について探究している。主な著書に『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』、『問いかけの作法:チームの魅力と才能を引き出す技術』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』などがある。東京大学大学院 情報学環 特任助教。
ワークショップデザイン -創造性を高める場のつくり方-を無料視聴する
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
プロジェクトマネジメント入門~チームで目的達成を目指す方法~
本授業では、プロジェクトマネジメントの基本的な進め方に則り、「①ゴール設定」「②計画の立て方・段取り」「③プロジェクト実行・リスクマネジメント」の全3回に渡って学んでいきます。
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ビジネスファイターズ合同会社 代表
愛知県生まれ。南オレゴン大学卒。インサイトテクノロジー入社。インド企業とのソフトウェア共同開発プロジェクトに従事。その傍ら、プロジェクトマネジメント協会の標準本の出版翻訳に携わる。マーケティングに特化後は、データベース監査市場にて2年連続シェア1位獲得に貢献 (ミック経済研究所)。 外資系製造企業FAROでは、アジア太平洋地域でのマーケティングやプロジェクトに責任者として取り組む。人材育成や多様性のあるチーム作りにも力を入れ、1on1ミーティングは1,000回を超える。現在は、マーケティング支援や人材育成(研修・講習・執筆)など多方面で活動中。著書に『童話でわかるプロジェクトマネジメント』(秀和システム)、『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』(明日香出版社)、『令和上司のすすめ』(日刊工業新聞社)、『まわるリモートチームのマネジメント術』(明日香出版社)などがある。
プロジェクトマネジメント入門~チームで目的達成を目指す方法~を無料視聴する
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06まとめ
今回は、創造的思考の概要や社員が創造的思考を持つことのメリット、創造的思考を高めるために有効な4つのポイントについてお伝えしました。創造的思考は、新規事業を生み出す際や、既存ビジネスが行き詰まった際の改善活動に役立ちます。 創造的思考を持つために必要なことは、情報のアンテナが立つよう、自分にとって好奇心がくすぐられるテーマを見つけることです。ぜひ、本記事を参考に創造的思考についての理解を深め、新しいことを生み出すきっかけにしていただければ幸いです。