構想力とは?構成化を行うために必要なプロセスとそのポイントを解説

構想力は、新しいプロジェクトの計画を立案するときなどに重要なスキルとなります。しかし、構想力を高めるには具体的に何から行えば良いのでしょうか。本記事では構成力とは何か、構成化を行うために必要なプロセス、そのポイントについて解説します。
- 01.構想力とは?
- 02.構想力は大きく5つのスキルに分類される
- 03.物事の構成化を行うためのプロセスについて
- 04.構想力を高めるためのポイント
- 05.構想力を向上させるSchooのオンライン研修
- 06.まとめ
01構想力とは?
構想力とは新しいアイデアやそれを実現する方法を考えるとともに、まとめ上げる力のことです。構成力が高い人材は新しい事業やプロジェクトのアイデアを出すことができます。なおかつ、アイデアを魅力的かつ分かりやすくプレゼンすることが可能です。構成力を高めることで、プレゼンの説得力を高めることができ、企画が通りやすくなるメリットがあります。マネジメント職を目指す方や企画職として働く方には特に構成力は求められる能力といって良いでしょう。
ビジネスにおいて構想力が重要な理由
構想力は昨今のビジネスにおいて重要な能力の1つと言えます。構想力が必要な理由の1つに、変化の激しい時代に突入している、というものが挙げられます。最近はIT技術をはじめ、トレンドや人々の生活の模様の移り変わりが激しい時代になりました。将来どのような時代になっていくか予測することも難しくなっています。このような時代においては、従来と同じことを繰り返しても上手くいかないことが多く、企業は新しい事業を積極的に推進していく必要があります。そして、新事業を考えるうえで肝となるのが構想力です。
日本経済が停滞している理由の1つに、日本企業はイノベーション力が弱いからというものも挙げられます。今後の日本企業に求められるのは、GAFAを代表するアメリカの大手企業のように、積極的にイノベーションを起こしていくことです。そのためには社員の構想力を育成し、アイデア創出を活性化させないといけません。
02構想力は大きく5つのスキルに分類される
構想力は、様々な能力を高めることで始めて培われる能力といって良いでしょう。構想力を身につけるには、次の5つの能力を身につける必要があります。各能力の意味や、そのポイントについて詳しく解説します。
- 1.大局観
- 2.想像力
- 3.編集力
- 4.主観力
- 5.実行力
1.大局観
大局観とは、現状を俯瞰して観察し将来のプランを立てる力のことです。目標に到達するには今何をすれば良いか明確にイメージし、スケジュールを立てられる能力と言って良いでしょう。大局観を培うには、現状を客観的に捉えることや、別の視点から物事を考えたりすることが必要になります。大局観という言葉は将棋でも良く使われています。将棋では現在の戦況を俯瞰して捉え、有利か不利か見極めることで、今後どのような方針で戦っていけば良いか考える能力が求められます。ビジネスでも同様に大局観が重要になります。
2.想像力
想像力とは自分が経験してないことや、まだ起こっていない未来の出来事について、頭の中で思い描く力のことです。新しいアイデアを考えるには想像力が必要不可欠です。想像力を高めるには、物事の背景まで考える癖をつけることが重要です。「あの会社はなぜこのような事業に力を入れ始めたのか」など理由まで想像することで、新しいアイデアを創出する際のヒントが見つかることもあります。また、日頃から新しいことに挑戦し脳に刺激を与え続けることでも想像力は培われていきます。
3.編集力
構想力を高めるにはアイデアを考えるだけでなく、それをまとめるための編集力が重要になります。説得力あるプレゼンを行える人は、単にコミュニケーション能力が優れているだけでなく、情報を分かりやすく編集して人前に出すことに慣れています。編集力を高めるには、物事をシンプルに捉えられるようにしたり、道筋立てて論理的に考えたりする力が必要です。編集力が高いと企画書も分かりやすく書けるようになり、上司からの承認を得られやすくなるなど様々なメリットがあります。
4.主観力
主観力とは、自分の立場から物事を捉えることです。ビジネスにおいては客観的に捉える方が良いとされることが多いです。しかし新しい事業を捻出する際は、時には自分視点で考えることも大事です。自分はこうしたい、こう考えるという主観性をアイデアに取り入れないと、アイデアを具現化するためのモチベーションが沸かず、イノベーションを起こすまでに至らないことが多いです。また、世の中の常識や他の人の間違った考えに左右されないためにも、主観的に考えることは必要になります。ビジネスマンには客観力と主観力が両方求められると言えるでしょう。
5.実行力
実行力とは、目標に向けて計画を立てて最後までやり遂げる力のことです。自分で創出したアイデアは最後まで責任を持って遂行することが重要です。どんなに良いアイデアが思いついたとしても、それを実行できるだけの行動力・主体性がないと意味がありません。実行力を身につけるには、失敗を恐れずに積極的に取り組むマインドが重要です。実行力がある人は失敗したとしても、改善点を洗い出し次に向けて努力していくことができます。
03物事の構成化を行うためのプロセスについて
物事の構成化を行う際は、次の3つの手順に基づいて行うことが多いです。新しいアイデアを具現化しやすくなり、企画を打ち立てやすくなるため、以下の3点について確認しておきましょう。
- 1.構成をデザインする
- 2.目的を創造する
- 3.エコシステムを形成する
1.構成をデザインする
物事の構成化を行うには、まずはアイデアを生み出すことから始まります。どのようなものを作りたいのか、自由に想像を膨らませてみましょう。また、アイデアを実現するための仕組みも考え、具体的にどういった商品・サービスにするのか構成をデザインしていきます。
2.目的を創造する
次に、その商品・サービスのメリットを考えていきます。社会にとってどのような価値をもたらすのか、誰に対して主に価値をもたらすのか、などを詰めていきます。誰に価値をもたらすのかが明らかになっていないと、企画案を具現化させていくことができません。
3.エコシステムを形成する
続いて、エコシステムを形成します。エコシステムとは、サービス・商品などが連携することで大きな利益構造となることです。例えばIT業界ではスマホアプリやWebサービスなどが連携することによって、サービス全体が発展し、市場も大きくなっていきます。価値を持ったサービス同士を連携させることでシナジー効果を得るのが目的です。新しい事業によってどのようなエコシステムを形成したいか、構成を考えておくことは重要です。その商品・サービスを生み出すことでどのようなエコシステムが作り出されるのか、それによって自社のビジネスはどのように進化していくのか、などを詰めていきましょう。
04構想力を高めるためのポイント
構想力を高めるためのポイントとして、次の4つが挙げられます。以下で、それぞれの詳細について解説します。
- 1.まずは現状の分析を行う
- 2.考える引き出しを多く持つようにする
- 3.既存のルールや慣習を一度疑って考えてみる
- 4.構想力を高める研修に参加する
1.まずは現状の分析を行う
構想力を高めるには、まず現状を正しく把握することが重要です。物事を構想するためには、より情報を多く持ち、さらに整理できているかどうかで推進のスピードにも差がついてきます。例えば、プロジェクトや企画を進めるうえでは、その目的やゴールから何が不足しており、実行のために何が課題になっているのかなどの現状分析から行います。この際に批判的思考を持ちながら、関係者へのヒアリングやリサーチをおこなうと良いでしょう。
2.考える引き出しを多く持つようにする
構想力を高めるためには、考える引き出しを多く持つことが重要です。知識・経験が多い方が新しい企画や事業の構想を具体的に描きやすくなります。この引き出しを増やしていきたいと考える方は、フレームワークを活用してみるのも良いでしょう。例えば、SCAMPER法といったアイデアの具体化に役立つフレームワークなどがおすすめです。このフレームワークを使うことで、物事を「入れ替えたら」「統合したら」などの通常とは違った捉え方をすることで、視野を広げたり、思考を深められたりできるでしょう。
3.既存のルールや慣習を一度疑って考えてみる
構想力を高めるには、既存のルールや慣習を一度疑って考えてみることが大切です。常識を取っ払って考えることで新たな視点が見えてくることは多くあります。特に現在は変化の激しい時代ですので、これまでの常識が役に立たないことは往々にしてあります。常識を疑うには物事に対して「なぜ?」と疑問を投げかけてみるのがポイントです。「なぜ?」と深堀りして考えていることで、物事の矛盾や問題点に気がつくことがあります。
4.構想力を高める研修に参加する
構想力を高める研修に参加することもおすすめです。研修では、構想化を実現するためのプロセスに沿って具体的な施策を考えるワークなどが行われるため、実践的なスキルを高めることができます。また、構想力だけでなく、上記で解説した構想力に必要な想像力や実行力といった基礎スキルを身につける際にも、外部研修はおすすめできます。外部研修には様々な種類があるので、利用を検討してみると良いでしょう。
05構想力を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
構想力を向上させるSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、構想力を向上させる授業を紹介いたします。
超解説「デザイン思考」―不確実性の時代にチームで成果を出す―
このコースでは、アイリーニ・マネジメント・スクール/デザイン思考研究所 代表の柏野先生に、「デザイン思考とは何か?」という基礎知識から、デザイン・テーマのつくり方やアイデアの生み出し方といった具体的な方法論、DXやAIといったテクノロジーとデザイン思考の組わせ、国内でデザイン思考を実践する組織事例から「デザイン思考をどう使うのか」などのテーマを用意し全5回の授業で学んでいきます。この機会に、不確実な時代にイノベーションを生み出すデザイン思考を学び、会社の新規事業の創出につなげていきましょう。
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アイリーニ・マネジメント・スクール 代表
慶應大学SFC在学中にスタンフォード大学へ留学し、デザイン思考を学ぶ。帰国後にデザイン思考研究所を設立し、国内でのデザイン思考普及に尽力。開発教材ダウンロード数16万回超、セミナー累計参加者数5,000名。2018年、組織のイノベーション支援を行う「アイリーニ・マネジメント・スクール」を設立。マイクロソフトやパナソニックなどの組織変革や事業開発を支援し、世界40カ国発行『Startup Guide』で日本を代表する教育機関に認定される。日経クロストレンド等で体系的にデザイン思考を解説。デザイン思考を個人の仕事術として整理した著書『地頭が劇的に良くなる スタンフォード式 超ノート術』は、ビジネス企画カテゴリーにてAmazon1位を獲得。Twitter@takanorikashino。
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日本電気株式会社 新規事業開発統括部
新卒以来パナソニックにて携帯電話やカーナビなど既存事業の営業やプロジェクトマネジメントを国内外で経験。2013年に自動車用通信モジュールを使った新規事業を担当し、アジアでサービスを立ち上げた後、本社のR&D部門に異動し、デザイン思考や未来洞察など新しい手法を社外から取り入れ、社内に普及する活動を推進。アイリーニマネジメントスクールの他、東京工業大学、一橋大学、東北大学、東京大学などとの産学連携を通じて新しい発想や事業を生み出す方法についての研究や社内でのワークショップなどを展開。2020年からNECで自らがプロジェクトリーダーとして具体案件の事業開発に挑戦中。
超解説「デザイン思考」―不確実性の時代にチームで成果を出す―を無料視聴する
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心を揺さぶるアイディアの作り方
ゼロからプラスの感情を生み出す、「人の心を動かす」ことのできるこれからの時代のアイディア発想法を学びます。
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アイデア総研代表/トイクリエイター
アイデア発想の専門家。トイクリエイター。 アイデア商品のセレクトショップ「王様のアイディア」店長兼、アイデア共創コミュニティ「アイデアステーション」代表。大手玩具メーカー勤務時代に「ベイブレード」「夢見工房」「人生銀行」など数々のヒット商品・話題商品の企画開発に携わる。2021年にはクラウドファンディングにて2,000万円以上を集めた話題商品「ミャウエバー」を企画開発。 “共創により新しい価値を生み出す”をビジョンに、多くの企業やクリエイターと日々モノづくりを行う。 アイデア発想のポータルサイト「アイデア総研」運営。大阪府立大学客員講師。著書に『おもちゃ流企画術』(実業之日本社)。Twitterにてアイデア発想のコツを毎日発信中!
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クリティカルシンキング実践演習
クリティカルシンキングとは、物事の本質を見極める思考法です。例えば会議や議論の場で、雑多な意見や抽象的な情報、偏った思考にとらわれそうになるとき。クリティカルシンキングを活用することで、本質的な答えを導き出すことができるようになります。この授業では、とある企画会議を題材にしたケーススタディ方式の問題に取り組みながら、クリティカルシンキングの力を高めるために必要な視点と考え方を紹介します。
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YouTuber/外資系コンサルタント
大阪府出身。ITソフトウェア企業に入社後、プロジェクト管理業務に従事。経済産業省プロジェクトマネージャ試験、国際資格PMP(Project Management Professional)などを取得。プロジェクトマネジメントの専門家として 大手メーカーのプロジェクトマネジメント業務に携わる。その後外資系コンサルティングファームに転職しIT・会計を中心とした経営コンサルタントとして従事。副業ではプレゼンテーション・思考法の専門家として、コンサル・セミナー・執筆などで活動。YouTubeチャンネル『マナビジネス』では「学び」+「ビジネス」をテーマに仕事の現場で使える仕事術についての情報を発信している。【YouTube】https://www.youtube.com/c/manabusiness
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06まとめ
変化の激しい時代において構想力を高め、新しいことにチャレンジしていくことは重要な意味を持ちます。構想力がどういったものか理解した方は、物事の構成化を行うためのプロセスを意識して新しい企画の構成などを考えてみましょう。