公開日:2023/09/15
更新日:2023/10/13

ジョブカードとは?書き方や活用メリット・企業事例を紹介

ジョブカードとは?書き方や活用メリット・企業事例を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ジョブカードは、厚生労働省が普及を促進している、転職や就職、従業員のキャリア形成に役立つ様式です。本記事では、ジョブカードの概要や書き方、活用メリット、さらには活用している企業事例について、紹介していきます。

 

01ジョブカードとは

ジョブカードとは、個人のキャリアアップや円滑な就職活動を目的として、職業能力を証明するための様式です。厚生労働省が、2008年に開始しました。 過去に経験したアルバイトや資格、職業訓練などについて記載することで、正社員経験の少ない求職者が自身の能力を示す補助資料として活用されています。 その後、2015年に様式が一新され、学生や在職者、求職者、採用担当者と幅広くキャリア形成や求職活動に役立つ内容となりました。ジョブカードは主に以下の3種類で構成されています。

  • ・キャリアプランシート(様式1)
  • ・職務経歴シート(様式2)
  • ・職業能力証明シート(様式3)

職務経歴書との違い

ジョブカードは職歴、資格などを記載する点において、職務経歴書と類似した様式です。 職務経歴書との大きな違いは、過去の仕事や経験に基づいて、自身の強みや興味、関心を細かく記載・分析できることです。 また、今後長期的なキャリアプランとして働き方や目指す方向性なども記載できる点も異なります。 そのほかの違いとしては、職務経歴書は様式が自由で求職者のみを対象としてますが、ジョブカードは様式が固定で求職者・在職者・学生を対象としているという点も挙げられます。

 

02ジョブカードの作成方法

ジョブ・カードは、「手書き」と「デジタル」の2パターンで記入可能です。 手書きの場合、ハローワークの窓口もしくは厚生労働省のWebサイト(マイジョブ・カード)から様式をダウンロードし、記載します。 デジタルの場合、厚生労働省のWebサイト(マイジョブ・カード)にアカウント登録することで、編集・保存・印刷などが行えます。また、マイジョブ・カードのサイトで作成したデータから、自動で職務経歴書や履歴書の作成も可能です。

ジョブカードの記入例

ジョブカードの記入をする際に参考としたいのが、厚生労働省のWebサイト(マイジョブ・カード)上に掲載のある記入例ページです。そちらのページ上では各様式(キャリアプランシート、職務経歴シート、職業能力証明シート)の就業経験有無や年代など、細かくパターンを分けて、記入例を記載されています。また、キャリアプランの作成補助シートもあるので、参考にしながら作成を進めていくと良いでしょう。

▶︎参照元:厚生労働省「マイジョブ・カード ジョブ・カード記入例PDF一覧」

 

03ジョブカードの活用事例3つ

ジョブカードは、従業員のキャリア形成や人材評価のより具体的な判断材料になります。ジョブカードを上手く取り入れながら、効果的に活用すると良いでしょう。それでは、具体的なジョブカードの活用事例を3つ解説していきます。

  • 1.人材評価におけるひとつの材料とする
  • 2.採用時に応募者から提出してもらう
  • 3.キャリア形成に関する研修で作成してもらう

1.人材評価におけるひとつの材料とする

ジョブカードは従業員の保有しているスキルや能力を明確にできるため、人材評価におけるひとつの材料として活用することができます。ジョブカードにはキャリアプランや職務経験のなかで学んだスキルや経験、またそのスキルがどんな業務に活かせるかなども記載できるからです。 また、仕事の振り返りについては、上司や人事担当者といった第三者の評価も記入されます。そのため、従業員の適性や目指す方向性などが分かり、評価の材料として有効に活用できるでしょう。

2.採用時に応募者から提出してもらう

ジョブカードを採用時に応募者から提出してもらうことで、履歴書では把握できない応募者の職業能力や強み、キャリアの方向性などの理解の手助けになります。職務経歴書や履歴書、面接だけでは応募者が企業に適しているかの正確な判断が難しいです。 そこで、ジョブカードを補助資料として活用し、応募者の特性をより具体的に把握することで、就職後のミスマッチを防止しやすくなります。その結果、採用後の離職率の低下も期待できるでしょう。

3.キャリア形成に関する研修で作成してもらう

従業員の定着率向上に向けて、キャリア形成に関する研修で従業員にジョブカードを作成・活用も行えます。ジョブカードを活用することで、自身の強みや能力、これまでのキャリアを振り返ることが可能です。 それらをキャリア研修のなかで棚卸し、従業員自らキャリア目標を描き、アクションプランへとつなげていきます。ジョブカードのキャリアプランの作成補助シートなども活用しながら、作成をしてもらうと良いでしょう。

 

04ジョブカードの活用メリット4つ

次に、ジョブカードを活用することによる、企業側のメリットを紹介していきます。具体的には、以下の4つのメリットがあります。

  • 1.従業員の職務遂行スキルを把握しやすくなる
  • 2.人材採用におけるミスマッチを防ぎやすくなる
  • 3.従業員のモチベーションを高められる
  • 4.助成金が支給される

1.従業員の職務遂行スキルを把握しやすくなる

ジョブカードを活用することのメリットのひとつ目は、従業員の職務遂行スキルを把握しやすくなることです。履歴書や職務経歴書と異なり、フォーマットが決まっているため、記載内容にばらつきが生じにくくなります。 そのため、自社の従業員について人事評価を行う際、職務遂行スキルのレベルの判断が付きやすくなるでしょう。フォーマット内には、職務で獲得できたスキルや知識などの記載箇所もあり、より詳細な遂行スキルが把握できます。

2.人材採用におけるミスマッチを防ぎやすくなる

ジョブカードの導入メリットとして、人材採用におけるミスマッチを防ぎやすくなることも挙げられます。ジョブカードは資格や職業能力、強み、興味のあることなど、履歴書や職務経歴書には記載事項としてない項目も記入することができます。 そのため、採用する企業は応募者の能力を細部まで確認できるようになるでしょう。応募者としても、志望動機の補足資料として活用できて、興味や関心、キャリアプランなどを伝えやすくなるメリットがあるのです。その結果、採用時点でお互いのミスマッチを防ぎ、入社後の定着率向上につながります。

3.従業員のモチベーションを高められる

社内研修などのキャリア形成を考える機会にジョブカードを活用することで、従業員のキャリア形成を支援し、モチベーションを向上できるメリットもあります。従業員がキャリアステップを検討するとき、まず何をどのように検討して良いか分からないことも多いです。そのとき、ジョブカードのような定型フォーマットがあると、従業員のキャリアの整理や検討がスムーズに進められます。

4.助成金が支給される

最後のジョブカードを企業が活用するメリットは、ジョブカードを活用した人材育成には助成金が支給される場合があることです。自社の従業員を育成するとき、ジョブカードを利用した雇用型訓練を実施する事業主に対して、一定の条件をクリアすることで国から助成金を受給できます。たとえば、有期実習型訓練はジョブカードを利用した社内OJTと社外OFF-JTですが、キャリア形成助成金の対象であり、訓練費用の負担を抑制可能です。 このようにジョブカードの訓練など助成金を上手く活用することで、低コストで人材育成が進められます。


 

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05ジョブカードを活用している企業事例

最後に、実際にジョブカードを従業員のキャリア形成などに上手く活用している企業を見ていきましょう。今回紹介する企業事例は、以下の4つです。

  • ・株式会社朝日ラバー
  • ・青木信用金庫
  • ・岩塚製菓株式会社
  • ・株式会社全農広島直販

株式会社朝日ラバー

株式会社朝日ラバーは工業用ゴム製品を製造しており、製品別に工場が分かれています。その中で従業員が多様な経験を積極的に積めるように、ジョブカードを導入しました。現場のリーダーに対して、ジョブカードを活用したキャリアセミナーを実施し、異動に対しての抵抗感の払拭やより広い目線でキャリアを考えられるようになりました。結果として、ジョブカードを活用した研修を終え、人事ローテーション制度も再設計できたのです。また、工場間を跨いだ人材配置を積極的に行い、従業員も多様な考え方が可能となりました。

▶︎参照:厚生労働省「キャリア形成学び直し支援センター:株式会社朝日ラバー」

青木信用金庫

青木信用金庫では、コロナ禍で顔合わせが少ない職場環境において、新入社員同士の交流促進及びモチベーション向上のため、ジョブカードの導入を行っています。新入社員の導入及びキャリアアップのための「キャリア研修」ではジョブカードや補助シートを使い、自身を振り返るツールとして活用しています。このときただジョブカードを記入するだけではなく、従業員同士で意見交換などを行うことで、コミュニケーションの活性化にもつながってるようです。

▶︎参照:厚生労働省「キャリア形成学び直し支援センター:青木信用金庫」

岩塚製菓株式会社

岩塚製菓株式会社では、会社の中核人材の育成及び企業の活性化のためにジョブカードを活用しています。中核人材にジョブカードを使い、自身の業務の棚卸やキャリアを振り返りを実施させます。その結果、自身が組織にどう貢献できるか、組織をどのようにしていきたいかを考えるきっかけとなりました。職場全体で従業員同士がお互いに良い刺激を与えられて、組織の成長へとつながっているようです。

▶︎参照:厚生労働省「キャリア形成学び直し支援センター:岩塚製菓株式会社」

株式会社全農広島直販

株式会社全農広島直販では、コロナ禍による休業申請や人の制限により思うように働けない環境下で、モチベーションの低下を懸念していました。そこでジョブカードを「働きがい」に気付くためのツールとして活用して、従業員のモチベーションアップにつなげています。研修のなかではライフチャートを作成し、人生を振り返ったり、価値観を整理したりしているそうです。それらをお互いにシェアすることで、モチベーションアップと組織の活性化を行えています。

▶︎参照:厚生労働省「キャリア形成学び直し支援センター:株式会社全農広島直販」

 

06まとめ

ジョブカードを活用すると、従業員の職業能力の把握やキャリア形成によるモチベーションアップが期待できます。また、採用時に履歴書と合わせて提出してもらうことで、応募者と企業のミスマッチの防止にもつながります。本記事では、ジョブカードの書き方、活用メリット、活用している企業事例について紹介してきました。本記事を参考に、ジョブカードを活用してみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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