公開日:2023/09/15
更新日:2023/10/13

キャリア志向とは?その重要性と考えるための方法やポイントを解説

キャリア志向とは?その重要性と考えるための方法やポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

キャリア志向は、自分自身の仕事におけるキャリアについて、どういった興味や価値観、考え方で形成するかという概念を指しています。 近年、終身雇用が破綻し、老後2,000万円が必要と言われている中で、自分自身のキャリアを今後どうするのかを把握することが非常に重要になってきています。 そこで本記事では、キャリア志向の概要からキャリア志向を考えるための方法、ポイントについて詳しく解説していきます。

 

01キャリア志向とは

キャリア志向とは、個人が自身の職業や仕事に対して積極的な成長を追求する姿勢のことを言います。 自身の仕事への目標(ゴール)を設定し、スキルや知識を高めることで仕事での昇給や職務の向上を目指しています。 自己啓発や専門的なスキルの向上を目指すことで、会社や組織の成功、業務における満足度を向上させることができます。

 

02キャリア志向の重要性

仕事において、なぜキャリア志向が重要視されているのでしょうか。それぞれ解説していきます。

  • ・キャリアオーナーシップが求められる時代であるため
  • ・人材の適材適所を考える必要があるため
  • ・社員が自発的に働く動機につながるため

キャリアオーナーシップが求められる時代であるため

現代は人生100年時代と呼ばれ、長期に渡ってキャリアを築くことが求められます。 従来のような一つの企業で一生働くという概念が変わりつつあり、個人個人がキャリアの舵取り役となるキャリアオーナーシップが重要となります。 キャリア志向を持つ人は、自身の強みや興味を積極的に追求し、適切なタイミングで転職やスキル習得ができるので、長期的な視点で職業に困らない職業的成功を実現することができます。

人材の適材適所を考える必要があるため

キャリア志向は、組織にとても大きな影響を与えます。 社員が自身のキャリアを真剣に考え、自己成長に努めるという姿勢は、組織内での適材適所の人材配置が可能となります。 経験やスキルに基づいた最適なポジションを用意することで、個人の能力を最大限に引き出すことができるので組織全体のパフォーマンス向上につなげることができます。

社員が自発的に働く動機につながるため

キャリア志向によって自分自身のキャリアの適性や方向性を見極め、それに基づいて目標を設定することで仕事に対する熱意やモチベーションが生まれます。 そのモチベーションを原動力に、スキルを高めるために努力を惜しまず尽力することができます。それによって得られた達成感や成長の実感が、自主的に働く動機を高める要因になります。

 

03キャリア志向の分類方法

キャリア志向を理解する際には、「キャリアアンカー」と呼ばれる概念に基づく分析が有効です。 キャリアアンカーは、個人の仕事やキャリアに対する傾向や志向性を理解するためのモデルで、このモデルは「3つの要素」と「8つのカテゴリー」で構成されています。

これらの要素とカテゴリーは、どのような仕事やキャリアを選択するか、またどのように成長や満足感を追求するかを示す重要な指針になります。 キャリアアンカーを理解することで、自身の強みや動機、適切な職業やキャリアの選択を行うことができるのでぜひ参考にしてみてください。 キャリアアンカーを構成する3つの要素と8つのカテゴリーについてご紹介します。

キャリアアンカーの3つの要素

キャリアアンカーを構成する要素は以下の3つです。それぞれ解説します。

  • ・能力
  • ・動機
  • ・価値観

能力

キャリアアンカーの要素の一つである「能力」とは、個人が持っているスキルや知識の範囲を指しています。 これは、個人がどの分野で優れた業績をあげて、専門的な成果を出せるかを示した要素です。 能力志向の人は、自身の専門性を高めることにモチベショーンを持っているので、技術的な成長や特定の専門分野でのリーダーシップを追求する傾向があります。 また、自己啓発を通じてスキルを向上させることで、専門家としての地位を確率して個人としての満足度を得ることができます。

動機

「動機」はキャリアアンカーの要素の中で、個人が仕事に取り組むための根本的な理由や内在する意欲の範囲を指しています。 動機志向の人は、自己成長や課題の改善、新しい市場やフィールドへの挑戦に好奇心や満足を感じやすい傾向があります。 成果を追求して達成感を得る一方で、絶え間ない学びと自身の進化につながります。

価値観

最後に「価値観」は、個人が重要視する信念や倫理に関連しています。 価値観志向の人は、仕事や組織との一体感を通じて満足度や幸福度を追求する傾向があります。 会社での使命や社会貢献などに共感し、その価値を実現するために積極的な活動を行います。個人の価値観と合うような社風や社会文化を求めて、自分自身の価値を尊重しながら成果をあげることを目指します。 価値観が合うかは、長期的な満足度を得ることができるので、キャリアの意義を感じる基盤となります。

8種類のキャリアアンカー

つづいて、8種類のキャリアアンカーのカテゴリは以下の通りです。

1.専門・職能別

自身の技能や専門性に重きを置く人。 熟練したスキルを磨くことで、専門家として成長し、専門分野でのリーダーシップを目指します。

2.全般管理

組織内で責任ある役割を担うことにやりがいを感じる人。 組織の運営や人材マネジメントなど、幅広い管理スキルを発揮し、組織の成果に貢献します。

3.自立・独立

仕事を自分のスタイルでコントロールしたいと考える人。 自己責任で業務を進め、独立心と創造性を活かして個人事業主や起業家として成功を目指します。

4.保障・安定

安定した雇用や経済的な保障を重要視する人。 組織の安定性を求め、安心感を持ちながら長期的なキャリアを築くことを重視します。

5.独創性

創造的なアイデアを追求し、新たな価値を生み出すことに情熱を抱く人。 クリエイティブなプロジェクトや事業を展開し、自らのアイデンティティを発揮します。

6.奉仕・社会貢献

社会や他人に貢献することに喜びを感じる人。 社会的な課題に対処し、非営利団体やボランティア活動を通じて社会に貢献します。

7.純粋な挑戦

難解な問題に立ち向かうことに情熱を傾ける人。 困難を克服し、刺激的な課題に取り組むことで成長し、新たな可能性を探求します。

8.ライフスタイル

個人の欲求と家族、仕事のバランスを大切にする人。 柔軟な働き方や時間管理を重視し、充実した生活を築くことを目指します。

 

04社員にキャリア志向を持ってもらう方法

キャリア志向は、もともと身についているものではありません。 様々な経験を通じて形成される志向になるため、組織や会社の社員に向けた取り組みによって身につけることができます。 以下では、社員にキャリア志向を持ってもらうための方法についてご紹介します。

  • ・ジョブローテーションの実施
  • ・自己啓発(SD)の制度を設ける
  • ・OKR制度の導入
  • ・キャリア開発の環境を整備する
  • ・定期的なキャリア面談の機会を作る

ジョブローテーションの実施

ジョブローテーションは、特に若い年代の社員にキャリア志向を促進するための効果的な手段です。 まずジョブローテーションとは、組織内で社員が異なる部署やポジションを一定期間ごとに移動する制度のことです。異なる部署やプロジェクトの経験を通じて、幅広いスキルや視野を身につけ、自身のキャリア形成に役立てることを目的としています。 これにより、新たなチャレンジと成長の機会を社員に提供することができるので、社員が自分の能力や興味を発見のある業務を見つけることができ、キャリア目標を明確化するきっかけになります。

自己啓発(SD)の制度を設ける

ここでの自己啓発というのは、社員が自分自身の意思で行うスキルアップのことを指します。英訳では、「Self Development」の頭文字をとって「SD」と訳されることがあります。 企業で自己啓発を向上させるための制度を導入することで、社員は自身のスキルや知識を向上させるための学習機会を得ることができます。 セミナーやオンラインコース、専門トレーニングなどを支援することで、社員は専門的な知識力を高めて、キャリアの成長を実感できます。 自己成長に対する意欲を刺激して、主体的な学習からキャリア志向の向上が期待できます。

OKR制度の導入

OKR(Objectives and Key Results)制度は、目標設定と成果指標を明確にする制度です。 この制度を導入することで、社員は自分の目標を定めて、それにむけて効果的に行動するスキルを身につけることができます。 透明性の高い目標管理が個人の成果や組織の成果につながるので、自己成長と結果の実感からキャリア志向の強化につながります。 一方、不透明の目標を設定してしまうと、社員もなにに向けて努力をすればいいのかわからずモチベーションややる気の低下に繋がってしまいます。 個人個人が自身の目標を把握できるようにOKR制度をぜひ導入してみてください。

キャリア開発の環境を整備する

継続的なキャリア開発環境をしっかり整備することで、社員は自分のキャリアを積極的に築くことができます。 例えば、研修プログラムや社内公募のチャンス、副業承諾などの提供です。 多様な成長機会を社員に提供することで、社員自身が関心や興味にあった道を選ぶことができるのでキャリアの可能性を広げることができます。

定期的なキャリア面談の機会を作る

定期的にキャリアに関する面談をすることで、社員の今持って持っている目標や今後行いたい業務の意向などを把握することができ、適切なキャリアプランの策定やサポートを行うことができます。 方法として、メンター制度や1on1などがあります。 個々のニーズや成長の方向性に合わせたアドバイスや指導を提供することで、社員に向けてこれまで以上の進路を見つけて、主体的な成長につなげることができます。


 

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05まとめ

キャリア志向は、個人が自身の成長と達成を追求する姿勢です。 適切なキャリア志向を持つことで、個人にとって目標達成や満足感の源となり、組織にとっては成果の向上や人材の定着を促すことができます。 適材適所での活躍や自己成長を追求することで、個人はモチベーションを維持し、意義あるキャリアを築く一方、組織は有能な人材を引き留め、競争力を高めることができるのでぜひキャリア志向を社内でも取り入れてみてください。 キャリア志向の重要性は、個人と組織双方にとって持続的な発展を実現する鍵となる要素です。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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