公開日:2023/09/15
更新日:2023/10/13

エグゼクティブコーチングとは|メリットや導入の流れを解説

エグゼクティブコーチングとは|メリットや導入の流れを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

エグゼクティブコーチングは、社長や取締役などの経営層を対象にしたコーチングです。 経営者は企業にとって重要なことを最終的に判断し決定する立場にあります。しかし、その悩みや苦しさを相談する相手は少なく、孤独を感じることも少なくありません。そうした中で、経営者層がエグゼクティブコーチングを活用する事例が増えています。この記事では、エグゼクティブコーチングのメリットや導入の流れ、コーチの選び方などを解説します。

 

01エグゼクティブコーチングとは

エグゼクティブ―チングとは、企業の経営者層に当たる社長や取締役を対象としたコーチングのことです。 不確実性が高く未来への予測が難しい時代といわれる現代社会において、企業のトップは、自分の軸となる考え方をもちながらも、変化に対して柔軟に対応し、新しい価値観を取り入れていかなければなりません。非常に難しい判断をしなければならない場面が多くありますが、相談する相手は少なく、孤独で弱みを見せることが許されない立場で苦しい思いを感じていることも少なくありません。 こうした背景から経営層を対象としたエグゼクティブコーチングの需要が高まっています。

一般的なコーチングとの違い

一般的なコーチングでは、依頼者が考える「なりたい自分の姿」になるために、依頼者を導くサポート役としての役割が求められます。エグゼクティブコーチングにおいても、同様に「なりたい経営者としての姿」になるための引き出し役としての役割ではありますが、エグゼクティブコーチングの根底には、自ら経営する企業の課題解決があります。

経営コンサルティングとの違い

エグゼクティブコーチングでは、依頼者の話を傾聴し、対話を通して気付きを与え、可能性を引き出す手法をとります。そのため、コーチは依頼者を指導したり、業務を代わりに行うということはありません。 これに対して、経営コンサルティングでは、保有する知識や経験、ノウハウを用いて企業の課題解決の提案を行います。自分の持つ能力を使って、経営者の業務の一部を担う役割となります。

 

02エグゼクティブコーチングの特徴

エグゼクティブコーチングの実施スタイルには、どのような特徴があるのでしょうか。ここではエグゼクティブコーチングの実施スタイルについて具体的に解説します。

  • ・1on1が基本スタイル
  • ・グループコーチングも可能
  • ・コーチングの進め方はコーチそれぞれ

1on1が基本スタイル

エグゼクティブコーチングの実施スタイルは、経営者とコーチの1on1形式が基本となります。テーマによっては他の人に聞かれたくない話をすることもあり、しっかりとした守秘義務契約を結んだうえで実施されるのが一般的です。近年ではオンラインでのコーチングを実施することも増えています。 簡単に結論が出ないような難しい問題がテーマとなることも多いため、1回のセッションでは1時間〜1.5時間程度のまとまった時間をとることが多いです。

グループコーチングも可能

経営者一人でなく、取締役などの経営陣でのグループコーチングを実施することも可能です。経営者の考えや、会社の課題などを共有することや、グループコーチングを通じて次代の経営層を育成する機会とするケースがあります。

コーチングの進め方はコーチそれぞれ

コーチングの進め方には決まったルールはありません。経営者が考えるテーマや希望、コーチのこれまでの経験などによって進め方を決定します。 特にどういった人に依頼するかで、そのやり方や解決すべき課題、目的によって取り入れる手法も大きく変わることが大きな特徴といえるでしょう。

 

03エグゼクティブコーチングの目的

エグゼクティブコーチングを行う目的として、主に以下の2つがあります。それぞれの詳細について解説します。

  • ・経営者の相談相手となる
  • ・経営者としての成長をサポートする

経営者の相談相手となる

経営者は責任の重い立場であり、難しい状況でも判断を下さなければならないことの連続です。そのため、社内では悩みを話したり弱いところを見せたりすることができません。 エグゼクティブコーチングの時間の中で、コーチと対話をし、経営者の良き相談相手となってもらうことが大きな目的となります。

経営者としての成長をサポートする

企業を成長させるためには、経営者自身の成長も必要です。エグゼクティブコーチングでは、経営者がこうなりたいと思う姿を引き出し、そこに近づいていくためのサポートをしてもらえます。 自分一人では分からない気付きが得られ、考え方を成長させる機会となります。

 

04エグゼクティブコーチングの効果

エグゼクティブコーチングによって、安定した状態で経営に向かうことができます。具体的には下記のようなメリット効果が期待できます。

  • ・経営の意思決定を後押しする
  • ・経営陣の想いを明確に言語化する
  • ・経営幹部候補人材の育成ができる
  • ・経営層に気づきを与える

経営の意思決定を後押しする

社会の価値観も大きく変化する現代で、企業経営を続けていくと、経営者自身はこれでいいのか、間違っているのではないか、と思うことも少なくありません。 エグゼクティブコーチングを通じて企業としての在り方や方向性を話し合うことで、自分の意思決定に自信を持てるようになります。

経営陣の想いを明確に言語化する

経営者として、漠然とした不安や不満を抱えながら経営を続けている場合、エグゼクティブコーチングを通じて、会社が進むべき方向を明確にすることができます。 方向性をしっかりと言語化し、ビジョンやミッションにまで高めることができれば、社内で経営者の想いを共有できるようになります。

経営幹部候補人材の育成ができる

エグゼクティブコーチングは、現在の経営者の課題解決だけでなく、次世代の経営幹部候補人材の育成に活用することもできます。 現在の自分の姿と将来ありたいと思う姿を考える機会とし、会社の進む方向をしっかりと理解し、自分の考え方を見直すことにつながるケースがあります。

経営層に気づきを与える

経営層が自分達ではわからない気づきを与えることも、エグゼクティブコーチングの大きなメリットです。話し合いを通じて経営層の意識や行動に変容を与えるきっかけを作り、会社を変化させていきます。

 

05エグゼクティブコーチング導入の流れ

エグゼクティブコーチングを実際に導入する場合にどういった流れで行われるのか、順を追って説明していきましょう。

  • ・導入の目的を明確にする
  • ・コーチを選任する
  • ・コーチングを実施する
  • ・振り返りを行う

導入の目的を明確にする

まずは、コーチングを受ける経営者自身が、その意思を持っているかどうかが重要です。 人事部から提案したとしても、本人が必要性を感じていなければ十分な効果は期待できません。 そして、コーチングを受ける意思があるということであれば、経営者自身がどのような点に課題を感じているのか、どのように変わっていきたいと考えているのかをヒアリングし、エグゼクティブコーチングを導入する目的を明確にしておきます。

コーチを選任する

エグゼクティブコーチングを導入することが決まったら、次に適切なコーチを選任します。 コーチの選び方の注意点は後述しますが、これまでの実績や成果などをもとに候補者を絞っていきます。経営者自身がコーチングの進め方のスタイルなどに要望があれば、それもひとつの基準として検討します。 条件に合う候補者と面談やトライアル等を経て、依頼するコーチを決定します。

コーチングを実施する

コーチングの実施には、一般的に最低実施期間を設けています。コーチングの効果が現れるまでにはある程度の時間が必要だと考えられているからです。 多くのケースでは「月1回2時間程度のセッション6ケ月間」を最低実施期間として、受講者とも相談しながら進め方を決定します。

振り返りを行う

エグゼクティブコーチングを実施した後は、振り返りを行います。コーチングの効果が現れて経営者の意識や行動が変わり、企業経営に反映されるまではある程度の期間が必要になります。 エグゼクティブコーチングの効果を測定するために、事前に目安となる確認項目を設定しておいて実施後の達成度や感想を記録しておくのもいいでしょう。効果を判断しながら、今後の進め方を話し合います。

 

06エグゼクティブコーチングを選ぶ際の注意点

自社にとって効果があるエグゼクティブコーチングを選ぶには、慎重に検討する必要があります。主な注意点である、以下の3つについて解説します。

  • ・組織の業績に貢献するかどうかを検討する
  • ・コーチングを受ける経営者の要望をヒアリングする
  • ・トライアルで相性を確認する

組織の業績に貢献するかどうかを検討する

これまでコーチングを行った実績を確認し、エグゼクティブコーチングを導入したことで 企業の業績にプラスの効果があったかをチェックしておきます。 サービス企業からヒアリングし、これまでの実績やどういった効果があったのかを詳しく聞いておきます。 可能であれば、実際にエグゼクティブコーチングを受けた企業からの感想や効果などの話ができると、より具体的にイメージしやすくなるでしょう。

コーチングを受ける経営者の要望をヒアリングする

経営者がどのようなコーチングを求めているのかもコーチ選びの重要なポイントです。経営者からヒアリングしてコーチを選ぶ際の参考にします。 自社や自分自身の課題を経営者自身がどう考えているか、どうなりたいと思っているのかを具体的に聞き出していくことで、どのようなコーチが適しているかを考える材料とします。

トライアルで相性を確認する

コーチ自身は様々な経験を持ち実績がある場合でも、自社の経営者との相性は考えておく必要があります。経営者自身がコーチを受け入れることができなければ、効果を上げることは難しくなるでしょう。 サービス企業では多くの場合、無料のトライアルセッションを用意しており、お試しで一度コーチングを受ける機会を設けています。 実際にコーチングを受けてみて経営者の意見を聞き、最終的な判断をします。


 

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07まとめ

重い責任を負いながら難しい判断をしなければならない経営者にとって、エグゼクティブコーチングは、精神的な安定を得られる機会として期待できます。 アメリカ企業の経営者の多くがエグゼクティブコーチングの効果を認め導入を進めており、日本においても利用している企業は増えてきています。 エグゼクティブコーチングをうまく活用することによって、経営者自身の成長だけでなく、企業の在り方にもプラスの効果が生じることがあります。導入の場合にはしっかりと選定し、本当に任せられるコーチを選びましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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