2年目社員向け研修とは?プログラム例や成功させるポイントを解説

2年目社員向けの研修とは、入社してから2年目の従業員を対象に行う教育プログラムです。 本記事では、2年目社員が離職する原因を確認したうえで、それを防ぐために2年目研修ではどのような目的を達成すべきかを解説しています。 また、2年目研修のプログラム例も紹介していますので、人事担当者はぜひ参考にしてください。
- 01.2年目社員向けの研修と研修の必要性
- 02.2年目社員が離職する原因
- 03.2年目社員向け研修の目的とは
- 04.2年目社員向け研修のプログラム例
- 05.2年目社員向け研修を成功させるポイント
- 06.まとめ
012年目社員向けの研修と研修の必要性
入社直後の1年目社員には徹底した教育を行うものの、2年目では研修に力を入れなくなることもあります。 しかし、2年目社員は求められるスキルが1年目とは異なるうえに、仕事や将来に対する不安も出てくる時期です。 まずは、2年目社員に期待される役割や研修の必要性を確認していきます。
主体性が求められる2年目
1年目社員は指示通りに業務をこなしていれば良かった一方で、2年目になると求められるものが変化します。 2年目社員は、指示を待つのではなく率先して業務をこなしつつ、プラスアルファの気配りができることが望ましいです。 このように2年目社員には主体性が求められるため、研修を通してマインドセットを行う必要があります。
2年目社員向け研修の必要性
厚生労働省が公表しているデータによると、2年目社員が離職する割合はおよそ10%前後で推移していて、この数値は1年目社員の離職率とほぼ同じです。 1年間の教育を経てある程度仕事を覚えているだけに、企業にとって2年目社員の離職は大きなダメージとなります。 2年目研修の最大の目的は、2年目社員が抱える不安を解消して早期離職を防ぐ点にあります。
022年目社員が離職する原因
2年目研修の実施で早期離職を防ぐためには、離職の主な原因を理解しておく必要があります。 それでは、2年目社員が離職する原因にはどのようなものがあるのでしょうか。 ここからは、その主な原因について詳しくみていきます。
次の新人に関心が移る孤独感
社会人になったばかりで右も左もわからない1年目社員に対して、多くの企業は手厚いサポートや徹底した研修を用意しています。 また、上司や先輩も1年目社員に対しては特に気を配って声をかけてくれることも多いです。 しかし、2年目になると次の新入社員が入社してくるため、2年目社員に対するサポートやフォローは薄くなりがちです。 そのようななか、2年目社員は孤独感を抱えて離職の検討に至るおそれがあります。
仕事への慣れで成長を実感できなくなる
2年目になると仕事にもある程度慣れてきて、同期と自分の成長を比較する人が出てきます。 同期と比べて自分が成長できていないと感じた場合、「今の環境では成長できないのではないか」「他の企業の方が向いているのかもしれない」という不安を抱くおそれがあります。 このように現在の状況に不安を抱いた結果、より成長を実感できる企業への転職を考えるに至るのです。
職場の人間関係になじめなかった
2年目社員は仕事に余裕が出てくると、ふと職場の人間関係や社風について考えることがあります。 そのなかで、居心地の悪さや自分の価値観との不一致を感じてしまうと、「自分には今の職場は向いていないかもしれない」と疑問を抱いてしまいます。 その結果、自分に合う他の企業を探し始める可能性があります。
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株式会社CCI 代表取締役
短大卒業後、日本航空に入社。国際線客室乗務員として25年間在籍。その間、客室訓練部にて教官をつとめ、CA採用面接官も経験する。海部元首相や皇太子時代の天皇陛下特別便を乗務。チーフパーサーとしてファーストクラスを担当し、国内外のVIPを接客する。管理職に昇格後は、CAの模範となるサービスアドバイザーとして、機内サービスの企画立案、実施並びに約6000人のCAの指導育成、査察に携わる。退職後は、外資系保険会社にて7年間コンサルティング営業に従事する。接遇と営業の経験を活かし、研修会社CCIを設立。国土交通省を始めとした企業研修や経営者ビジネスサロン「エグゼクティブSTYLE」を主宰、女性向け講座も多数開催している。
032年目社員向け研修の目的とは
ここまでみてきた2年目社員の離職原因を踏まえて、ここからは早期離職を防ぐための2年目研修の目的を解説します。 最終的な狙いは2年目社員の早期離職防止にある点を念頭に置きつつ、2年目研修を実施する主な目的をみていきます。
2年目の役割を理解してマインドセットを行う
指示通りの業務遂行を行う1年目とは異なり、2年目社員は自発的かつ創意工夫を加えて業務をこなす必要があります。 2年目研修では、このような2年目社員の役割を理解したうえで、必要な心掛けといったマインドセットを行います。 研修の事前課題として、2年目社員の役割を参加者に考えてもらう取り組みが効果的です。
主体的な行動を促す
2年目社員に求められるのは主体的な行動ですが、それにはマインドセットだけではなく行動を起こすプロセスの理解が必要です。 主体的な行動のプロセス例としては、自分が担当する業務における課題を捉え、自ら解決の道筋を立てていくことが挙げられます。 2年目研修では、こういった主体的な行動プロセスを学び演習で実践し、自分のスキルとします。
コミュニケーションスキルを向上させる
職場の人間関係になじむためには、コミュニケーションスキルの向上が必要です。 2年目研修では、相手の伝えたい本質を掴む、あるいは自分の意見を的確に伝えるためのコミュニケーションスキルを身に付けます。 その結果、職場の人間関係だけではなく取引先との関係も円滑になって、仕事へのモチベーションも上がるはずです。
生産性アップのための考え方を学ぶ
2年目になると、こなす業務の量は増える一方で求められる質は高まります。 しかし業務時間は限られているため、優先順位をつけて段取り良く業務をこなし、生産性を上げることが重要です。 2年目研修では、業務の判断軸を決めて仕事に取り組むノウハウを学びます。
042年目社員向け研修のプログラム例
2年目研修と言っても、研修の目的や身に付けたいスキルによってプログラムは異なります。 それでは、2年目研修のプログラムには具体的にどのようなものがあるのかを詳しくみていきます。それぞれのプログラムで身に付けられるスキルも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ビジネスマインド強化研修
ビジネスマインド強化研修では、2年目社員に必要な心構えを学びます。 自ら率先して業務を見つけてこなしていく主体性を養い、振り返りの習慣化によってパフォーマンス向上を行うプロ意識を体得することが目的です。 またこの研修には、自分が抱えている不安を参加者で共有し、離職の防止効果を高める狙いもあります。
アサーティブコミュニケーション研修
アサーティブコミュニケーションとは、相手の気持ちを尊重しつつ自分の主張を正しく伝えるコミュニケーションを言います。 職場内の人間関係を円滑にするには、言いにくい内容をオブラートに包んで伝えることも時に必要です。 そのため、2年目研修ではこういったアサーティブコミュニケーションのスキルを学んで、周囲との人間関係構築に役立てます。
タイムマネジメント研修
タイムマネジメント研修は、一日の限られた時間のなかで業務を効率良くこなす方法や心掛けを学ぶプログラムです。 この研修では自分の業務スケジュールを振り返ることで、業務のこなし方における課題点を発見します。 また、PDCAサイクルに現在の課題点を当てはめて、業務効率を向上させるプロセスを実際に体験します。
ロジカルシンキング研修
2年目社員は、課題に対する解決の手だてを考えて、自ら実行していくこともあります。 そのような場面では、課題の本質を見抜いたうえで論理的に業務に取り組む姿勢が重要です。 ロジカルシンキング研修では、与えられた情報や現在の状況を整理して、自分なりの結論を導き出すノウハウを学びます。
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052年目社員向け研修を成功させるポイント
2年目研修を成功させて2年目社員の早期離職を防ぐためには、気をつけるべきポイントがいくつか存在します。ここでは、2年目研修を成功させるポイントを4点紹介します。 2年目研修の計画を立てる際には、ここで紹介するポイントをプログラムに盛り込んでみてください。
入社後の成功体験を参加者で共有させる
2年目研修の冒頭には、研修の参加者同士で入社後の成功体験を共有してもらうのがおすすめです。 2年目社員のなかには、日々の業務のなかで不安や不満を抱えている人が一定数いるため、研修の序盤で前向きな気持ちになってもらう狙いがあります。 成功体験を思い出して前向きな気持ちで研修に臨めば、モチベーションが高い状態で学習に取り組めて成果が上がりやすくなるはずです。
参加者が抱える不安についてアドバイスを送る
2年目研修では、日々の業務で抱える参加者の不安を講師がヒアリングする時間を設けてください。 講師はそれを受けてのアドバイスやフォローを行い、参加者同士でも意見交換をするのがおすすめです。 アドバイスを受けて課題の解決法がわかれば、参加者の不安が解消に向かう可能性があります。
研修終盤では1年後の目標を設定してもらう
2年目研修の終盤では、1年後つまり3年目の目標を設定してもらうようにしてください。 これには、自分のビジョンやキャリアをそれぞれ思い浮かべてもらい、仕事へのモチベーションを高める狙いがあります。 1年後にはどのような社員になりたいかといった目標を設定したうえで、必要な取り組みや努力も考えてもらいます。
専門の講師によるオンライン研修がおすすめ
2年目研修を実施する時におすすめなのが、専門の講師によるオンライン研修です。 2年目研修では、アサーティブコミュニケーションやタイムマネジメントといった専門的なスキルを扱うため、研修に精通したプロの講師に依頼するのが効果的です。 また、2年目社員は通常業務をこなしながら研修を受けるため、時間や場所の制約がないオンライン研修が最適です。 インターネット環境さえあれば、どこにいても自分の好きなタイミングで研修を受講できます。
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06まとめ
仕事にも慣れてきて、惰性や不安が見えはじめる2年目社員。 2年目は研修や教育がおろそかになりがちですが、早期離職を防いでさらなる戦力となってもらうためには2年目研修が欠かせません。 2年目の研修で扱う学習プログラムは多岐にわたるため、研修の目的を明確にしたうえで最適なプログラムを検討してみてください。
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登壇者:高木 一史 様サイボウズ人事本部 兼 チームワーク総研所属
東京大学教育学部卒業後、2016年トヨタ自動車株式会社に新卒入社。人事部にて労務(国内給与)、全社コミュニケーション促進施策の企画・運用を経験後、2019年サイボウズ株式会社に入社。主に人事制度、研修の企画・運用を担当し、そこで得た知見をチームワーク総研で発信している。