公開日:2021/04/30
更新日:2023/03/16

若手社員の育成に効果的な方法は?効果的な指導方法と事例を解説

若手社員の育成に効果的な方法は?効果的な指導方法と事例を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

組織の発展に欠かせない若手社員の育成。勘所を押さえて効果的な方法を実行しないと効果が期待できません。事例はもちろん、若手社員が現場で育つ方法、指導する側の留意点などを解説していきます。

 

01若手社員育成の重要性

企業の将来を見据えて、人材を育成することはとても重要です。なかでも、若手社員を段階的に育成し、企業で長期的に働くことは、組織的な安定感をもたらします。 昨今、慢性的な人手不足の状況下において、若手社員の離職は企業にとって痛手となるからです。 パーソル総合研究所の調査によると、仕事を通じての成長実感が、仕事への意欲を引き上げ、継続就業意向の向上につながります。 若手社員に成長を感じてもらい、仕事への意欲を高めるような関わり方や育成の方法を実行することで、若手社員の早期戦力化・定着につなげていく必要があるのです。

 

02若手社員育成の課題

若手社員の育成に、苦戦される職場もあるのではないでしょうか。「価値観が多様化した若手社員に、今までの育成手法が通用せず、頭を悩ます方も多いでしょう。若手社員育成において課題となっているものとして主に以下が挙げられます。

  • 1:マニュアル指導で、作業を覚えさせる
  • 2:背中を見て育てと指導している
  • 3:期待をかけすぎる

それぞれどういうことか具体的に解説します。

マニュアル指導で、作業を覚えさせる

作業や業務処理を早くさせるのはむしろ簡単です。しかし、そのうち「なぜ自分がこの仕事をやっているのか」と意味合いが分からなくなるタイミングが訪れます。 生産性の向上の旗印のもと、できるだけ作業効率を上げようという職場も多いでしょう。また、答えを求める若手世代の特徴を考慮し、なるべく詳細に手順を教えることもあると思います。 結果、業務処理やスピードは早々に早くなり、育成の実感を持つこともできるでしょう。 しかし、そのうち「こんな仕事をするために会社に入ったんじゃない」「作業ばっかり、退屈だ」と言われかねません。 この状態を回避するには、その仕事が何に貢献できているのか、何のためにやっているのか、というつながりや目的を説明することが必要です。

背中を見て育てと指導している

成長の尺度が曖昧なまま、「上司の背中を見て、自分の成長は自分で考えてほしい」という思いは通用しません。 なぜなら、昨今の若手社員は「曖昧さ」への対応力が低下している、と言われているからです。 そのため「なにをどのくらい頑張れば『成長した』と認めてもらえるのか」が曖昧だと、モチベーションが低下するのです。 この状態を回避するには、成長のステップを可視化し、具体的な目標設定と評価を行うことで、成長実感を得やすくなります。

期待をかけすぎる

若手社員に対して、過度な期待はむしろプレッシャーになりやすく、注意が必要です。 なぜなら、失敗から素早く立ち直るのは、昨今の若手社員が苦手とするところだからです。また、本当に過度な期待となっているケースも散見されます。 人手不足の職場では、切実に若手社員に早く仕事を覚えて一人前になってほしいと心の底から思っています。もしかしたら、その切実な思いも過度な期待かもしれません。 よほど、能力的に優れていない限りは、期待のバーの目盛りを少しずつあげていくのが適切です。

 

03上司や先輩の若手に対する指導時の心構え

昨今の若手社員の世代的な特徴、価値観がいろいろと表現されています。しかし同じ世代でも価値観はさまざまで、基本的には若手社員個人個人に目を向けて、適切に指導していく必要があります。そのポイントは以下です。 一人ひとりの特徴を把握する 自分の成功体験を押し付けない ロールモデルと解説を駆使する

一人ひとりの特徴を把握する

若手社員一人ひとりの特徴を正しく把握することが重要です。 なぜなら、人材育成や業務指導は、基本的に「教える人」に合わせるのではなく「教えられる人」に合わせるのが大原則だからです。 合わせて、価値観も個人間で差が大きい今、Aさんに通用したのにBさんに通用しないということもあり得るからです。 どのような事象に敏感に反応するのか、モチベーションを高めるには、どんな言い方がよいか、などできるだけ詳細に把握しておくことが理想的です。

自分の成功体験を押し付けない

自分の成功体験を、そのまま押し付けることは避けたほうがいいでしょう。 なぜなら、環境が変化する中で、やり方自体がそのまま通用するとは限らないことと、若手社員がそのまま実行できるとは限らないからです。 成功体験が無意味だということは全くありません。そのままではなく、抽象化して、なぜ成功したかも含めて解説しながら、指導してあげるとよいでしょう。

ロールモデルと解説を駆使する

元来、まねることと学ぶことは似ていると言われています。若手社員から見て、お手本となるような存在が傍にいると、成長が加速すると言われています。 人材育成の用語で「モデリング」と言われている手法です。 「背中を見て育て」と比較すると、必ず解説がつく、ということです。見るだけで学ぶのではないということが大きな違いです。 若手社員には、ロールモデルとなるような存在が不可欠です。

 

04若手社員の育成方法

若手社員の育成に応用できる方法は以下の5つです。

  • 1:育つ任せ方
  • 2:経験から学ぶ
  • 3:変革の3ステップ
  • 4:自律学習
  • 5:若手社員研修

ここではそれぞれ具体的に解説します。

育つ任せ方

前章で述べてきたように、過度な期待は禁物ですが、若手社員の成長につながる仕事を任せることで、適切に成長実感を促すことができます。 その際、若手社員個々の現在の業務スキル、今後の成長に向けた課題などが、鮮明に理解できていることが重要です。 なぜなら、やみくもに「任せる」だけなら、過度な期待に陥りやすいからです。 具体的には、任せる業務の意味(組織にとって / 本人にとって)を伝え、自己決定を促すことで、仕事への積極的な関与を引き出します。 注意深く観察しながら、失敗しない予防的措置をとれるのが理想です。 このように、本人の力量と成長ポイントに見合った仕事を任せ、意味を伝えることで、完遂した際には若手社員は自ら成長を実感することができるのです。 参考:立教大学経営学部 教授 中原 淳「任せ方の科学」

経験から学ぶ

日々、新たな仕事にチャレンジしている若手社員の経験そのものを、うまく使えば育成につながります。 ポイントは経験した後の振り返り→抽象化の流れです。 仕事は多種多様であり、個別にみるとAという業務で経験したことをBという業務ではいかせないと思いがちです。 ですが、ある業務を経験した後、うまくいったのはなぜか、うまくいかなかったのはなぜか、という振り返りと抽象化を支援することで、他の業務でいかす気づきを与えることができるのです。 その際、できるだけ書き出してまとめる、というのがポイントです。

  • 参考書籍:最強の経験学習(デイヴィッド・コルブ 著)

 

変革の3ステップ

若手社員も業務に慣れてくると、一人前になった感がでてきますが、次の成長ステージに導く必要があります。 さらに成長ステージに導く際の考え方として参考になるのが、下記図1で示す変革の3ステップです。 1の解凍ステージでは、もうできるようになったという考え方を変え、さらに成長できるという働きかけを行います。具体的には、もっと長い時間軸で捉えたり、視座を変えることで変わる必要性を考えてもらいます。 2の変革ステージでは、目標を定め、アクションを促します。 3の再凍結では、変化したアクションを当たり前にします。 もとは企業変革・組織変革で使われていた理論ですが、人材育成に応用できます。

  • 参考書籍:最強の経験学習(デイヴィッド・コルブ 著)
  • 参考書籍:「組織マネジメントの教科書」(クルト・レヴィン 著)
  • 参考書籍:「変化を生み出すモチベーション・マネジメント」(小笹 芳央 著)

 

自律学習

若手社員の間に自律学習の習慣を身につけておくことで、将来的に自分で課題を克服し、未経験の業務にも自分で方法を見つけ取り組むような自律型人材になります。ただ、学習環境を整えるだけでは不十分で、学習せざるを得ない新しい業務を与え続ける環境であったり、何を学べばいいかを指導する管理職のサポートを併せることで、自律学習の促進に繋がっていきます。また、自分で学ぶことはマインドセットが重要になるため、人事からマインドセット研修を実施することも有効と言えるでしょう。

若手社員研修

新入社員研修から管理職研修まで、研修を実施していないという企業も少なくありません。仕事に慣れてきたが管理職までに道のりはまだ遠いという若手社員の時にこそ、後輩の育成方法や自身の自己研鑽の見直しなどを研修で実施することは非常に有効です。また、20代〜30代はプライベートでも様々な波がある時期です。そのため、キャリアデザイン研修を実施して、将来的なキャリアを踏まえて今後の方向性を決めていくというのも効果的です。

 

05若手社員育成の事例

この章では、若手社員の育成に力を注いでいる企業を3社紹介いたします。

  • 1:株式会社丸井グループ
  • 2:サントリーホールディングス株式会社
  • 3:コニカミノルタジャパン株式会社

株式会社丸井グループ

株式会社丸井グループでは、schoo for Businessを活用して若手社員の育成にも力を注いでいます。アーカイブ動画で社員の好きな時間に関心のある授業を視聴してもらったり、生放送授業に参加して講師に直接質問して理解を深めたりと、研修という軸ではなく自律学習の文脈でSchooを活用しています。

▼事例詳細はこちら▼
株式会社丸井グループ

サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社では、Schoo for Businessの録画授業と社内限定の生放送を組み合わせ、若手社員の育成に取り組んでいます。また、寺子屋という社内限定の学習ポータルサイトでは、社員それぞれが講師になり受講者になるような取り組みを実施しており、社員の主体的な学習をサポートしています。

▼事例詳細はこちら▼
サントリーホールディングス株式会社

コニカミノルタジャパン株式会社

コニカミノルタジャパン株式会社では、Schoo for Businessを「集合研修の事前課題」として利用し、若手社員の育成に取り組んでいます。例えば、新任管理職向けのプログラムでは事前課題としてSchooで知識の習得を行った後に、3日間の集合研修で自分の想いを整理したり視座を高めたりして変革プランを練ります。その後半年間、職場で実践するという形をとっています。Schooで学習したことを職場で実践し、その中で感じた課題を解消するためにまたSchooを使うというサイクルを回すことを意識されています。

▼事例詳細はこちら▼
コニカミノルタジャパン株式会社

 

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06Schooで取り組む若手社員の育成

Schoo for Business は、研修から自律学習まで若手社員の育成にご活用いただくことが出来ます。7,000本を超える数の幅広いジャンルの授業をご用意しており、様々なスキルやノウハウを、オンラインで学ぶことができます。そのため、業務で忙しく研修の時間が確保できないという人には自律学習のツールとして、人事から教えたいことが明確な場合はオンライン研修として利用することもできます。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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研修と自己啓発を両方行うことができる

Schoo for businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

Schooの若手社員研修

Schooは6,500本を超える授業から自由に研修カリキュラムを組んでいただくことが出来ます。以下では主にテンプレートとして利用できる若手社員研修カリキュラムをご紹介します。

OJT担当者や上司向けの研修

若手育成においては、上司や先輩といった指導する側のスキルアップも重要です。Schooではマネジメント方法や、部下のモチベーションを上げるための方法など、若手社員の指導員に必要なスキルを学ぶことができます。

1.新人の力を引き出すOJTとメンタリングの方法

新人の力を引き出すOJTとメンタリングの方法

 

本授業では、OJTやメンタリングをどのように進めれば良いのか、全2回の授業を通じて基礎的な知識について学びます。
 企業内における人材育成の重要性がますます高まっている一方で、その担い手であるOJT(On-the-Job Training)トレーナーやメンターの中には、後輩との接し方が分からず困っている方もたくさんいます。「どのように伝えたら仕事を覚えてくれるのだろう」「なぜあの子はヤル気になってくれないのかな…」など、OJTトレーナーやメンターが感じている悩みが解消できるようになります。

2.チームで成果を出すためのコーチング

チームで成果を出すためのコーチング

 この授業では、「部下の主体性を高める」「組織を活性化する」ためのコーチングスキルについて全3回の授業で学びます。
 授業を通して、チーム、そして部下や後輩が成果を上げるために明日からできるコーチングスキルを身に付けましょう。

3.「真・コミュニケーション能力」の教科書 -ほめる力編-

「真・コミュニケーション能力」の教科書 -ほめる力編-

 この授業では、「ほめ育コミュニケーション」と題して、どんな職場環境でも毎日が楽しくなるコミュニケーションの技術について学ぶことができます。
「後輩となかなか打ち解けられない」「部下や後輩とのコミュニケーションで認識齟齬が起きてしまう」など、コミュニケーション上のさまざまな悩みを一つずつ解決し、スキルを少しずつ着実に上達させていきましょう。

4.「真・コミュニケーション能力」の教科書 -雑談力編-

「真・コミュニケーション能力」の教科書 -雑談力編-

この授業では、口べたな方でも気楽に雑談を楽しむコツや話のネタに困らないための話題収集術について学ぶことができます。
 部下や後輩との何気ない雑談が上手くできない方、雑談をチームの信頼関係構築に上手く活用したい方に特におすすめです。

5.指示待ち部下が自ら考え動き出す!

指示待ち部下が自ら考え動き出す!

この授業では、目標実現の専門家・メンタルコーチの大平 信孝先生が提案された「行動イノベーショントーク」の解説を交えながら、具体的な活用方法まで学ぶことができます。

1万人のリーダーが学んだ技術を習得して、自ら考え動く部下の育成、成果を出す組織の構築を実現し、リーダーがより生産的な仕事ができる環境づくりに取り組みましょう。

6.若手メンバーのキャリアマネジメント

若手メンバーのキャリアマネジメント

ここの授業は教育担当を任された方から管理職の方までを対象として若手メンバーのキャリアマネジメントの方法を学びます。 若手メンバーの早期育成や定着は上司のマネジメントによる影響を受けやすい部分です。メンバーが成果を発揮するためには業務のマネジメントはもちろんのこと、キャリアマネジメントが大切です。 昨今は、そんな若手のキャリア観、職業観に変化が見られており、教育担当の方や管理職の方の若手時代とは違ったコミュニケーションの在り方が求められています。 今回は、パーソルキャリア株式会社の大浦先生に具体的な実例やキャリア論を交えながらどのように若手のメンバーマネジメントをするのかを教わります。

人事担当者向けのSchooの講座

Schoo for Businessでは、研修動画だけでなく、人材育成や、組織開発など人事担当者向けの動画もございます。

「若手育成に成功している組織は何をしているか~人事のためのリモート下における人材育成のポイント

コロナをきっかけに広まったモートワーク。様々なメリットがある中で、組織上の課題が解決できていないケースもあります。その中のひとつが、新人・若手育成ではないでしょうか。 在宅勤務下の新人受け入れは、リモートでのOJTが実施されますが、コミュニケーション不足などから、最悪、早期の離職につながるなど課題が多いのが実情です。どのような工夫をすれば、新人・若手がスムーズに業務遂行でき、モチベーション維持も担保できるのでしょうか。コミュニケーション活性化やマネジメント方法の転換といった対策が必要になる中、具体的な事例を通して若手の人生育成に効く組織づくりのポイントを学んでいきます。

→「『若手育成に成功している組織は何をしているか~人事のためのリモート下における人材育成のポイント」を無料視聴する

10日間無料これらの授業や資料が見放題のデモアカウントも発行しておりますので、ぜひこちらよりお気軽にご連絡ください。

 

07まとめ

若手社員に研修を実施することも有用ですが、「教える側」「指導する側」の育成力を強化することも、とても重要です。育成担当者や管理職には、価値観が多様化する若手社員個々に対する、適切な働きかけによって、成長へと導くことが求められます。

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Z世代の自律型組織開発法をテーマにしたウェビナーのアーカイブです。将来の会社の成長を担う若手世代。「すぐに離職してしまう」「モチベーションの管理方法がわからない」など、Z世代を含む若手の扱いに対して課題を抱えている人事責任者の悩みに対し、若手社員の成長を促進する組織作りについて深掘ります。

  • 登壇者:高木 一史 様
    サイボウズ人事本部 兼 チームワーク総研所属

    東京大学教育学部卒業後、2016年トヨタ自動車株式会社に新卒入社。人事部にて労務(国内給与)、全社コミュニケーション促進施策の企画・運用を経験後、2019年サイボウズ株式会社に入社。主に人事制度、研修の企画・運用を担当し、そこで得た知見をチームワーク総研で発信している。

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