人材育成の効果測定方法とは|3つの指標で人材育成の効果を測定

人材育成は「人を育成する施策」を行うことなので、通常の業務上の施策と同様に効果測定をする必要があります。何にどのくらい費用や工数を使った結果、どのような成果を得られたのかという視点は常に持ち続けておかないといけません。そこで、このコラムでは人材育成の効果測定の方法を企業側の視点と社員側の視点から紹介していきます。
- <目次>
- 人材育成にも効果測定は必要不可欠
- 人材育成の効果測定は2つの視点で考える
- 1:企業側の視点
- 2:社員側の視点
- 企業側:人材育成の効果測定方法
- ROIで効果測定する
- 離職率で効果測定する
- 社員側:人材育成の効果測定方法
- 従業員満足度(ES)で効果測定する
- 4. Schooが提供する企業向け学習パッケージ
- Schooのサービスの特徴
- まとめ
人材育成にも効果測定は必要不可欠
少子高齢化に伴い、日本の労働人口は減少傾向にあります。そのため、限られた経営資源である「ヒト」を育成することは、企業が成長を続けていくために必要不可欠なのです。しかし、経営環境が厳しい中で、研修や人材育成にかかる教育コストは抑制されることが多く、効果的な人材育成が人事や教育担当には求められています。しかし、人材育成の費用対効果を測るのは難しく、最初から諦めている人材育成担当者もいるでしょう。費用対効果が見えないと、人材育成にかける投資は次第に減少していき、社員の成長も鈍化。ひいては企業の成長も鈍化していくという悪循環に陥ります。そのため、人材育成の効果測定をしっかりと行い、企業の成長に寄与していることを示す必要があるのです。
人材育成の効果測定は2つの視点で考える
1:企業側の視点
企業側の視点は常に1つ、「どれだけ企業の売上・利益に寄与したのか」です。離職率を例にとってみても、離職者が出たことによって、採用・研修にかけたコストは取り返せたのかどうか、新しい社員を採用するコストはどれくらいかかるのかといったように、支出ベースで効果測定することが可能です。したがって、人材育成を推し進める人事・教育担当者は、社員の成長という軸と共に、いかに会社の利益に貢献したかという軸でも効果測定をする必要があるのです。
2:社員側の視点
社員側の視点は多岐に渡ります。満足度や意欲の向上といった抽象的な指標から、知識やスキルの習得度や資格の獲得といった具体的な指標まで、どのような軸で人材育成の効果を測定するのかは、それぞれの社員によって異なるはずです。しかし、それぞれの社員の指標を個別にリスト化し、上長に報告しても議論しにくくなるため、人事・教育担当者としては一定の指標で上長に報告する必要があります。
企業側:人材育成の効果測定方法
ROIで効果測定する ROIとは「Return on Investment」の略で、投下資本利益率(投資した資本に対して得られる利益の割合)のことを言います。簡単に言えば費用対効果のことです。ROIの計算式は以下のような数式で表します。
ROI(%) = 「利益」÷「投下資本」( × 100)
投下資本に関してはすでに数値化されていますが、人材育成がもたらした利益は数値化することが難しく、多くの人事・教育担当者が人材育成の効果測定を断念してしまう理由がここにあります。
人材育成で得られた利益の測り方
人材育成で得られた利益を概算で算出するのは難しいでしょう。それぞれの社員が努力した結果の積み重ねが売上となり利益となるため、どこまでが人材育成による伸び率で、どこまでが他の要因なのかを切り分けることは困難です。しかし、個々の社員に目標設定をする際に目標を数値化することで、この計算が容易になります。「いつまでに、〇〇をすることによって、売上を〇〇にする」といったような目標を社員それぞれに立てることによって、その成長分の合算が利益となるのです。しかし、これは各部署のマネジメント層の協力無くして出来ないため、いかに各部署と連携して目標設定を具体化し、効果測定できる状態にするかが人事・教育担当者に求められているスキルと言えるでしょう。
離職率で効果測定する
転職市場が活発になったことで、離職率の向上を課題にあげている企業も少なくないでしょう。優秀な社員が次々と離職してしまうことは、企業の成長にとって大きな損失です。また、新入社員の早期離職も採用や研修にかけたコストの回収が追いつかないため、企業にとって損失となります。影響力のある人材の離職は、他者の離職も促す傾向にあるため、離職率を下げるということは企業全体の人材を守ることに繋がるのです。そこで人材育成を行い、離職率がどれだけ下がったかという指標で効果測定することも有効です。人材育成の施策が離職率低下にどれだけ寄与したかを正確に効果測定することは難しいですが、一定以上の信頼性は担保できるはずです。
社員側:人材育成の効果測定方法
従業員満足度(ES)で効果測定する
社員側の効果測定は、従業員満足度(ES)で評価することもできます。ESとは「Employee Satisfaction」の略で、福利厚生やマネジメント、職場環境、働きがいなどについて社員の満足度を表す指標のことです。ESは企業側に視点で紹介した「離職率で効果測定する」に通ずるところがあり、ESが向上したため、離職率が低下した。もしくは、ESが向上したため、会社への不満という離職理由の割合が減ったというロジックが成立します。無料オンラインアンケートツールを用いて、ESを測ることは容易にできるため、このアンケートは定期的に行いましょう。
4. Schooが提供する企業向け学習パッケージ
Schooのサービスの特徴
schooビジネスプランでは、動画配信という形でさまざまなニーズに応えられる授業を提供しています。授業へのご登壇には、各業界における第一人者や著名な専門家の方々をお迎えしています。ご登壇される講師の方々は、ビジネス現場での経験に基づいた事例などを教えてくださるので授業は具体的でわかりやすく、受講者はチャットなどを通じて講師に直接質問をすることもできるため、eラーニングであっても、実際の研修を受けるのと限りなく近い状態で学習することが可能です。受け身型の学習にならないようなコンテンツが多いのも、Schooのeラーニングの特徴です。
まとめ
人材育成の効果測定は、企業の継続的な成長を支えるために必要不可欠です。効果測定が行われないと予算が縮小され、社内で人材が育たなくなり、市場価値の高い優秀な人材から離職していくという結果になりかねません。人材育成の効果測定方法は、企業側の視点と社員側の視点があり、いずれにしても上長・役員に報告した際に効果が出ているなら続けようと思ってもらえることが大事です。ROI(費用対効果)で人材育成の効果測定をするには、各部署との連携が必要になり、かかる工数も大きくなりますが、費用対効果が出ることが人材育成を社内で継続させるためには最も効果的とも言えるので、ぜひ挑戦してみてください。