公開日:2021/05/28
更新日:2022/05/23

部下からのハラスメントの事例や対応策について解説する

部下からのハラスメントの事例や対応策について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

本記事では、部下からのハラスメントについての事例や対応策について解説しています。以前であれば、上司からのハラスメントが取り上げられ問題視されていましたが、現在では部下からのハラスメントの問題も大きく取り上げられる様になってきました。部下から受けるハラスメントにはどのようなものがあるかなどを解説していますので、自社におけるハラスメント対策に役立てていきましょう。

 

01部下からのハラスメントとは

部下からのハラスメントとは、どのようなハラスメントなのでしょうか。ハラスメントの定義や代表的なハラスメントについて、ご紹介していきます。自社においてハラスメントが起きているか確認する際の参考にしていきましょう。

ハラスメントの定義

ハラスメントとは、「嫌がらせ、いじめ」と定義することができます。ハラスメントとして取り上げられる種類は多く、他者に対する発言や行動により、意思には関係なく相手を不快にさり、尊厳を傷つけたり、脅威を感じさせることを意味しています。現在では、部下からの上司への行為もハラスメントに該当するとされ、よりハラスメント防止の対応を企業に求めるようになっています。

部下から上司への代表的なハラスメント

部下からの代表的なハラスメントには「逆パワーハラスメント(逆パワハラ)」があります。以前であれば、「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「労働者の就業環境が害される」がパワハラの条件でした。しかし、現在は、優位的な関係とは異なり部下から上司に対しての逆パワハラが問題になっています。多くの企業では、パワハラに対しての研修を行う中で、この逆パワハラに対する育成も実施しており企業での防止対策を実施する必要を認識しています。

 

02部下からのハラスメントが起きる要因

部下からのハラスメントが起きる要因は、主に3つあります。次に、この3つの要因について注意しておくことも、部下のハラスメントが起きることを未然に防ぐことに繋がることを理解しておきましょう。

上司のマネジメント能力の欠如

マネジメント能力の欠如により、部下からの信頼度が勝ち得ない場合があります。また、部下の能力が高い場合には、上司を馬鹿にしたり、もの足りなさを感じることで上司への態度が悪くなったり指示を無視する行動を取ることにつながります。マネジメント力の欠如により部下が上司を軽んじることがハラスメントを起こす要因です。

360度評価などの上司評価制度の影響

360度評価などによる上司評価制度の影響もハラスメントが起きる要因になります。上司評価を行うことで、部下が強気に出ることも可能になりました。上司は、部下からの評価を気にすることで「機嫌を取る行動をする」「部下のへの指導ができなくなる」などが起き、部下の立場が強くなることがハラスメントを起こす要因となります。

ハラスメントに対する知識不足

部下がハラスメントに対する知識不足により、自分が行っている行為がハラスメントに該当することが分からない場合も要因になります。自分が行っている行為により、上司がどう感じるか、ハラスメントに該当するとは考えていないため、気分で態度を変えることが悪いことかに気が付きません。この様な場合も、ハラスメントを起こす要因となります。

 

03部下からのハラスメントの具体的事例

次に、部下からのハラスメントの具体的事例をご紹介しましょう。自社において、同様なことが起きていないか確認をすることで、大きな問題になる前に対応することが可能です。部下からのハラスメントについても早期発見が必要だと理解し確認をしていきましょう。

指示に従わない

上司からの指示に従わない、反論することが続けば、部下からのハラスメントの可能性が高くなります。特に、同じ上司に限り指示に従わないなどが繰り返し行われる場合には、部下からのハラスメントを想定し現状確認をしていく必要があると考えておきましょう。具体的な例は以下の通りです。

  • ・「できません」と指示を断る行為
  • ・「私の仕事ではありません」と指示を断る行為
  • ・部下同士が結託して仕事を断る行為

中傷する

部下が上司の中傷をする、上司の尊厳を傷つける行為をすることは、明らかなハラスメント行為だと考えておきましょう。時には、腹が立つこともあり、むしゃくしゃすることもあります。そういう時に一時的な感情はハラスメントにはなりませんが、中傷を広める行為については早急な対応が必要です。中傷が広がることで、他部署や取引先に影響を及ぼす可能性もあり、時には大きな案件を失墜するなどの機会損失を生む可能性があることにも注意しておきましょう。具体的な例は以下の通りです。

  • ・セクハラをしているなどの中傷を広まる行為
  • ・金銭を着服しているなどの中傷を広める行為

侮辱する

人前で上司を侮辱する行為は、ハラスメントに該当します。議論が白熱した際の意見交換とは異なり、侮辱行為は許されるものではありません。上司から部下に対しても、侮辱行為はハラスメントになると同様に部下から上司への侮辱は禁止する必要があります。具体的な例は以下の通りです。

  • ・「こんなことも知らないのですか」などの発言を行う
  • ・学歴などが下であることを理由にした発言を行う
 

04部下からのハラスメントが起きた場合の対応方法

部下からのハラスメント行為が判明した際の対応方法について解説していきます。部下からのハラスメントが見つかった場合や、ハラスメント自体を起こさない仕組みを構築する際の参考にしていきましょう。

上司や人事部門からの指導

部下からのハラスメント行為を発覚した場合には、上司や人事部門からの指導を行います。この時、ハラスメント対象となっている上司ではなく、同様の立場、または、より上のポションからの指導が有効な指導方法です。行っている行為がハラスメントに該当すること、社内ではハラスメント行為を禁止していることを伝えることに加え、どうしてハラスメント行為に至ったか根本原因の追究を行うことが必要になります。根本原因が判明しない場合には、同様のことが起きる可能性が高く残ることを理解しておきましょう。

社内通報制度の立ち上げ

部下からのハラスメント行為を早期に発見できる仕組みとして、社内通報制度の立ち上げも有効な方法です。周囲から見て、ハラスメント行為だと思う場合には、相談者以外からの通報ができる制度を設け早期発見を行います。通報が起きた場合には、事実関係の確認後、早急に行い対策を講じていきます。あらかじめ、通報があった場合の対応手順をまとめておくことでスムーズな対応ができることを心掛けておきましょう。

アンケートによる情報収集

社内通報制度を利用することに抵抗がある場合もあります。通報がされなければ、ハラスメント行為が発覚しないことを避けるために、アンケートなどによる情報収集を行います。無記名制などにし回答者が、意見を率直に出すことができる方法を選択し定期的な実施を行うことで、ハラスメント行為の発見を促していくことも大事な方法です。

記録を残す

ハラスメントが起きた事実、可能性がある場合の対応は、全て記録に残しておきます。この記録は再発を防ぐ場合や同様のケースが生じた場合の参考となり、後々の活かすことができます。事実確認をした際の記録やアンケートなども同様に記録して一定期間保管することで、再発防止策を検討するなどの際にも重要な情報源となることを理解しておきましょう。

人事部門に相談する

ハラスメントを受けたと感じる場合などには、人事部門への相談を早急に行います。時には、自分の思い過ごしの場合もありますが、ストレスとなり心身への影響が生じる前に相談を行い適切な対応方法について指示を仰ぎます。人事部門内では、守秘義務を徹底し相談内容が社内に漏れない工夫を行う必要がある点を十分に理解しておきましょう。

労働局などの専門家へ相談する

ハラスメントの発生時や、部下からのハラスメントを抑制する方法などを構築した際には、労働局や社労士などに相談を行うことも有効な方法です。対応手順や仕組みなどに誤りや漏れがあった場合には、対応の遅れや問題を大きくする要因となります。専門家の意見を参考にすることで、手順などに漏れが起きず適切な対応を講じていけるため、できるだけ多くの意見を聞き自社に適応した対応を行っていきましょう。

 

05逆パワハラは訴訟することができるのか?

逆パワハラについて、訴訟できるかの議論がありますが、訴訟は可能です。上司から部下へのパワハラに対しては、既に多くの判例も残されています。同様に逆パワハラについても同じパワハラであることから訴訟を行うことは可能だと認識しておきましょう。訴訟については、部下に対してのパワハラと同じ様に起きている事象などに関する証拠を提示する必要があります。また、訴訟をすることで双方において大きな負担が掛かるだけではなく企業名の公表などによる社会的信用を失う可能性もあります。この様な事態を避けるためには、あらかじめ逆パワハラが行われない環境作りが必要だということを再認識して取り組むことが大事です。

 

06逆パワハラによる事例「産業医科大学の逆パワハラ事件」

次に、逆パワハラによる事例をご紹介します。

 

勤務先である産業医科大(北九州市八幡西区)で誹謗中傷の告発に基づき不当な懲戒処分を受けたことで、うつ病を発症したとして、同大医学部の50代男性教授が同大と学校法人理事長をはじめ計6人を相手に、懲戒処分の無効確認と約1100万円の損害賠償を求めて福岡地裁小倉支部に提訴した事例。
参照元:西日本新聞


 

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07まとめ

本記事では、部下からのハラスメントをテーマに事例の紹介などを行っています。部下からのハラスメントについては、大きな社会的問題として取り上げられており企業として対応をする必要があるハラスメントです。本記事を参考に今後の予防策の構築を実施していきましょう。

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