更新日:2026/07/17

eラーニングコンテンツの作り方を解説|自作する際の注意点を紹介

eラーニングコンテンツの作り方を解説|自作する際の注意点を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

社内研修をデジタル化・効率化する方法の一つが、eラーニングコンテンツの活用です。本記事では、代表的なコンテンツ形式やトレンド、用意する手段に加え、ADDIEモデルを参考にした作成手順と、自作する際の注意点を解説します。

 

01eラーニングとは?

eラーニングとは、インターネットなどのコミュニケーション・ネットワークや、コンピュータなどの情報技術を活用して学ぶ学習形態のことです。学習者は、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末から、学習目的に沿って作成された教材にアクセスして学習を進めます。

総務省の「平成18年版 情報通信白書」では、eラーニング白書の定義を基に、eラーニングを「情報技術によるコミュニケーション・ネットワーク等を活用した主体的な学習」と説明しています。この定義では、学習者が教材を一方的に受け取るだけでなく、提供者と学習者間、学習者同士のコミュニケーションを通じて学ぶ「双方向性」も重視されています。

双方向性とは、学習者が教材を一方的に受け取るだけでなく、学習状況に応じて教材やシステム、講師、他の学習者等から働きかけを受けたり、自ら操作・回答・質問したりしながら学習を進められることを指します。例えば、確認テストの結果に応じて解説やフィードバックが表示される、受講者が掲示板やチャットで質問できる、学習履歴に応じて次に学ぶ内容が提示されるといった仕組みが挙げられます。

なお、eラーニングで使用する教材は「eラーニングコンテンツ」と呼ばれ、動画やスライド、テキスト、音声、確認テストなど、さまざまな形式があります。また、これらの教材を配信し、受講状況やテスト結果を管理する仕組みがLMS(学習管理システム)です。

eラーニングによる研修の効果を高めるには、システムを導入するだけでなく、研修の目的や受講者の知識レベルに合ったコンテンツを設計することが重要です。

▼参考:平成18年版 情報通信白書|総務省

 

02eラーニングコンテンツの形式

eラーニングコンテンツには、さまざまな表現・提供形式があります。形式によって、適した学習テーマや制作・更新にかかる負担が異なるため、研修の目的や受講環境に合わせて選ぶことが重要です。

まずは、代表的な5つの形式の特徴を一覧で比較します。

形式 概要 適したテーマ・用途 制作・更新の負担
資料アップロード PowerPointやPDFなどの既存資料を閲覧してもらう 社内資料・マニュアルを活用した知識のインプット 小さい。元資料を編集できれば更新も容易
アニメーション 図解やイラストの動きで内容を伝える 業務フローや仕組みなど、構造・変化の視覚化 中程度。再撮影は不要だが、修正時はナレーションや動きの再調整が必要な場合がある
動画講義 講師の解説を撮影して配信する 経営方針の共有などメッセージ性の高いテーマ、実演を伴う解説 中〜大。内容変更時は再撮影・再編集が必要
漫画 登場人物のやり取りをストーリーで描く 学習に前向きでない層への導入、事例・問題提起 中程度。体系的な説明には不向きで、他形式との併用が前提
VR 現場に近い環境を疑似体験しながら学ぶ 危険を伴う作業の手順確認、接客・災害対応などの状況判断訓練 大きい。機材費・制作費に加え、管理・保守などの運用負担も発生

それぞれの形式について、詳しく解説します。

資料アップロード形式

PowerPointやPDFなどの既存資料を、オンライン上で受講者に閲覧してもらう形式です。社内に蓄積された研修資料やマニュアルを活用できるため、教材を一から制作する場合と比べて、制作の手間やコストを抑えやすい点が特徴です。元の資料を編集できる環境があれば、内容の差し替えや更新にも対応しやすいでしょう。

一方、受講者が資料を閲覧するだけでは受け身の学習になりやすく、内容や分量によっては受講者が重要なポイントを把握しにくくなることがあります。 1テーマあたりの情報量を絞る、確認テストや演習を組み合わせる、要点を図解するなど、学習への参加を促す工夫が求められます。

アニメーション形式

図解やイラスト、キャラクターの動きを用いたアニメーションによって内容を伝える形式です。業務フローやシステムの仕組み、金銭の流れなど、実写や文章だけでは説明しにくい構造や変化を視覚化するのに適しています。

学習内容に沿って図解や動きを適切に用いることで、受講者が情報の関係性や手順を理解しやすくなります。ただし、内容と直接関係のない動きや効果音を増やすと、重要な情報に集中しにくくなる場合があります。装飾を目的とした演出は控え、理解に必要な要素に絞ることが大切です。

また、実写動画のように再撮影を必要としないメリットがある一方、修正内容によってはナレーション、字幕、動きのタイミングなどを再調整する必要があります。更新頻度が高いテーマでは、社内で元データを編集できるか、外注先への修正依頼が必要かも確認しておきましょう。

動画講義形式

講師が解説する様子を撮影し、講義として配信する形式です。講師の表情や話し方も伝えられるため、経営方針の共有などメッセージ性を重視する研修や、講師による実演・解説が理解を助けるテーマに適しています。

近年は、業務の合間にも受講しやすいよう、学習内容を短い単位に分けて提供するマイクロラーニング型の動画も活用されています。

考慮しておきたい注意点として、内容に変更が生じた場合には再撮影や再編集が必要になる点が挙げられます。更新頻度が高い情報は字幕や別資料に分けるなど、修正しやすい構成にしておくとよいでしょう。

▼参考:Microlearning beyond boundaries: A systematic review and a novel framework for improving learning outcomes(Heliyon, 2024)

漫画形式

登場人物のやり取りを漫画で描き、ストーリーを通じて学ぶ形式です。文章だけの教材に比べて心理的なハードルが低く、普段学習に前向きでない層でも読み進めやすいのが特徴です。 受講者の業務に近い場面や、判断に迷う状況を描くことで、具体的な行動について考えるきっかけをつくることができます。

一方、漫画だけで多くの情報を体系的に説明しようとすると、コマ数が増えて要点が伝わりにくくなる可能性があります。漫画で事例や問題提起を示した後に、解説資料や確認テストを組み合わせるなど、ほかの形式で知識を補うとより効果的でしょう。

VR形式

VR(仮想現実)ゴーグルなどを使い、実際の現場に近い環境を疑似体験しながら学ぶ形式です。高所作業や機械操作など危険を伴う作業の手順確認や、接客・災害対応などの状況判断を、安全な環境で繰り返し練習する用途に適しています。

一般に、資料や簡易な動画を用いる形式と比べて、制作・運用コストが高くなりやすい点には注意が必要です。機材の導入費やコンテンツ制作費に加えて、機材の管理・保守、衛生管理、コンテンツ更新などの運用負担も発生します。導入時には、実地研修の会場費や移動費を含めた総コストを比較し、VRの利点を生かしやすい職種や研修テーマに対象を絞ることが重要です。

 

03eラーニングコンテンツのトレンド

eラーニングコンテンツへのニーズは、社会環境や法制度、テクノロジーの変化とともに移り変わっています。ここでは、人事・人材育成担当者が押さえておきたい3つの動向を紹介します。

DX・AI教育の対象拡大

DX推進や生成AIの業務活用が広がるなか、全社員を対象としたITリテラシー・AIリテラシー教育の需要が拡大しています。AI活用のルールやリスク、プロンプト技術といった全社員向けの内容から、営業・企画・開発など職種別の活用スキルまで、教育の対象範囲は広がり続けています。

こうした全社員向けの基礎教育と、専門人材・職種別の教育を設計する際に参考になるのが、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が策定した「デジタルスキル標準」です。こちらは、全ビジネスパーソンを対象とする「DXリテラシー標準」と、DXを推進する人材を対象とする「DX推進スキル標準」で構成されています。生成AIをはじめとする技術環境の変化を踏まえて改訂されており、企業が対象者ごとに教育体系や学習内容を検討する際の指針になるでしょう。

DXスキルへの需要の高まりを背景に、Schoo for Businessでは、デジタルスキル標準に準拠した「DXスキル診断」の機能を提供しています。従業員のDXスキルレベルの診断と、診断結果に応じた学習コンテンツのレコメンドを受けることができます。

▼参考:デジタルスキル標準|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

法改正に対応したコンプライアンス教育

コンプライアンス教育は、ハラスメント防止や安全衛生など、法令で企業に対策や教育が求められる領域を含んだ企業研修の定番テーマです。

近年では、企業実務に関わる法改正も続いています。2026年1月1日には、下請法の改正法である取適法が施行されました。また、2026年10月1日には、カスタマーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置が義務付けられます。

コンプライアンス分野の教材は、内容が古い、あるいは不正確なままでは、従業員に誤った対応を促したり、必要なルールが十分に浸透しなかったりするおそれがあります。施行日や社内規程の改定に合わせて速やかに更新するとともに、法務担当者や、必要に応じて弁護士・社会保険労務士などの専門家に確認を依頼し、内容の正確性を確保することが重要です。

▼参考:令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について|厚生労働省

▼参考:中小受託取引適正化法(取適法)関係|公正取引委員会

生成AIを活用したコンテンツ制作

生成AIの普及により、eラーニングコンテンツの制作を効率化しやすくなっています。例えばAIを用いて、既存のマニュアルや資料を基にした構成案、スライド原稿、動画台本、テスト問題案、動画字幕などの下書きを作成できます。適切に活用すれば、企画や下書き作成にかかる工数を抑え、自社で制作できる範囲を広げられる可能性があるでしょう。

一方、生成AIは事実と異なる情報を出力することがあるため、活用には注意が必要です。加えて、入力する情報によっては、著作権、個人情報、社内の機密情報に関する問題が生じる可能性もあります。

AIはあくまで構成案や素材の下書きを作るために利用し、出力をそのまま教材として公開しないことが重要です。公開前には、事実関係、法令・社内規程との整合性、著作権、個人情報や機密情報の有無、テスト問題と解答の妥当性などを担当者が確認しましょう。

 

04eラーニングコンテンツを用意する手段

eラーニングコンテンツを用意する方法は、大きく「自社で制作する」「既製コンテンツを利用する」「外部にオリジナルコンテンツの制作を依頼する」の3つに分類されます。

それぞれ、自社業務への適合度、制作期間、費用、更新のしやすさ、社内で必要となる工数が異なります。研修テーマや予算、社内の制作体制に応じて適切な手法を選択しましょう。

自社で制作する

社内の担当者が、コンテンツの企画や原稿作成、撮影、編集などを行う方法です。自社の業務内容や社内ルール、実際の現場で起こる事例を反映できるため、受講者が自身の業務と結び付けて学びやすいコンテンツを制作できます。

機密情報を含む内容も社内で完結して扱えるほか、外注費がかからず、法改正や制度変更の際も自社のタイミングで更新できます。

一方で、教材設計のノウハウが不足していると、資料をそのまま掲載したり、内容を一方的に説明したりするだけの教材になる可能性があります。制作後の更新・保守を含め、品質を確保するための担当者や確認手順を決めておくことが重要です。

既製コンテンツを利用する

eラーニング教材や学習管理システムを提供する事業者(eラーニングベンダー)が提供する、完成済みの教材を利用する方法です。ビジネスマナーやコンプライアンス、ITスキルなど、多くの企業に共通するテーマであれば、一から制作する場合と比べて短期間で研修を開始することができます。

専門家が監修をした正確な内容が担保されやすく、法改正への対応などのアップデートもベンダー側が行ってくれるため、運用負担が小さいのが大きな魅力です。一方、自社固有の業務手順や社内制度はカバーできないため、独自性の高いテーマは自社制作や外部委託と組み合わせる必要があります。

外部にオリジナルコンテンツの制作を依頼する

制作会社やeラーニングベンダーに、自社専用のコンテンツ制作を依頼する方法です。自社の業務内容を反映しながら、映像制作や教材設計に関する外部の知見を活用できます。

高度な映像表現や学習設計が必要な研修、全社的に展開する教材など、自社だけでの制作が難しいケースに適しています。一方、企画や撮影、編集を個別に対応してもらうため、既製コンテンツを利用する場合と比べて、制作費用や期間が大きくなりやすい点には注意が必要です。

完成後の修正や更新を外部に依頼する場合は、追加費用や作業期間が発生することがあります。契約前に、修正可能な範囲、元データの納品の有無、著作権や利用権の帰属、更新費用、納期などを確認しておきましょう。

 

05eラーニングコンテンツの作成方法

eラーニングコンテンツを効果的に活用するには、制作に着手する前に、対象者や学習目的、評価方法を整理することが重要です。ここでは、国連食糧農業機関(FAO)のeラーニング設計ガイドでも紹介されている「ADDIEモデル」に沿った5つのステップを解説します。

ADDIEモデルは、「分析(Analysis)」「設計(Design)」「開発(Development)」「実施(Implementation)」「評価(Evaluation)」の頭文字を取ったものです。各段階は必ずしも一方向に進むものではなく、レビューや評価の結果を受けて、前の段階に戻りながら改善します。

▼参考:E-learning methodologies and good practices|The Food and Agriculture Organization (FAO)

対象者と学習ニーズを分析する

最初のステップは「分析(Analysis)」です。誰に、何のために学んでもらうのかを明確にします。

具体的には、対象者の職種や経験、現在の知識・スキル、受講環境などを把握します。受講環境については、使用する端末がパソコンかスマートフォンか、業務中にどの程度の学習時間を確保できるかなどを確認しましょう。

そのうえで、組織が目指す状態と現状のギャップを整理し、そのうち、知識やスキルの習得によって解決できる課題を学習ニーズとして特定します。課題の原因が、業務プロセスや設備、人員配置、権限などにある場合は、研修だけでは解決できないことにも注意が必要です。

分析を省略すると、対象者にとって簡単すぎる、または難しすぎる教材や、課題の解決につながらない教材を作ってしまう可能性があります。対象者へのアンケートやインタビュー、業務データなども活用し、実態を把握しましょう。

学習目標とコンテンツの構成を設計する

次のステップは「設計(Design)」です。分析結果を基に、受講後に何ができるようになるのかを、学習目標として定義します。

このとき、「内容を理解する」のような抽象的な表現ではなく、「製品Aに関する代表的な問い合わせについて、社内マニュアルを参照しながら適切に一次回答できる」のように、受講後の行動を確認できる表現にすることがポイントです。

加えて、学習目標の達成に必要な項目を洗い出し、学ぶ順序を決めます。さらに、各項目に適した形式や学習活動、評価方法を選び、コンテンツ全体の構成案や設計書にまとめましょう。

学習目標、教材の内容、評価方法を対応させておくことで、何を教え、どのように達成度を確認するのかが明確になります。設計書は、その後の制作における指針となり、関係者との認識合わせや品質確認の基準としても活用できます。

設計に沿ってコンテンツを制作する

3つ目のステップは「開発(Development)」です。設計書に沿って、スライド、動画、テキスト、演習、テスト問題などを制作します。

最初から全体を作り込むのではなく、まずは1章分などのサンプルを制作し、関係者や、想定する受講者と職種・経験が近い社員に確認してもらうと良いでしょう。内容の分かりやすさ、情報量、操作性などを確認してから残りを制作すると、完成後の大幅な修正を減らしやすくなります。

制作中は、対象分野を所管する部署や専門家による内容確認、誤字脱字や表記ゆれの校正も行います。また、使用する文章、画像、映像、音源などについて、著作権や肖像権、利用条件を確認しましょう。

コンテンツを公開し、受講環境を整える

4つ目のステップは「実施(Implementation)」です。完成したコンテンツをLMSなどの配信環境に登録し、対象者が支障なく受講できる状態にします。

対象者が使用する端末やブラウザで正しく表示・再生されるかを確認します。必要に応じて、受講者の登録、閲覧権限の設定、字幕や音声などのアクセシビリティ、問い合わせ窓口の整備も行いましょう。

受講案内では、対象者、受講目的、期限、所要時間、受講方法、問い合わせ先を明示します。公開後は受講状況を確認し、必要に応じて未受講者への案内や、技術的な問題への対応を行える体制を整えておきます。

学習効果を評価し、コンテンツを改善する

最後のステップは「評価(Evaluation)」です。設定した学習目標や研修目的に照らして、実施結果を評価します。

受講率や完了率から研修の実施状況を確認し、テストや演習の結果から学習目標の達成度を評価します。受講後アンケートでは、教材の分かりやすさや業務への関連性など、受講者の反応を把握できます。

研修の目的によっては、受講直後の結果だけでなく、一定期間が経過した後に、学んだ内容が職場で活用されているか、行動や業務成果に変化があったかを確認することも重要です。

離脱が多い箇所があれば、情報量、操作性、動画の長さなどを見直します。正答率が低い設問については、教材の説明に加えて、問題文や選択肢、学習目標との対応も確認しましょう。

 

06eラーニングコンテンツを自作する際の注意点

eラーニングコンテンツの自作は、自社の業務やルールを反映しやすいメリットがある一方、更新や品質管理も自社で担わなければいけない点を考慮する必要があります。

継続的に活用できる教材にするために、押さえておきたい4つの注意点を解説します。

更新の体制・ルールを決めておく

eラーニングコンテンツは、テーマによっては、法改正や社内制度の変更、組織改編などに伴い、公開後も継続的な更新が必要です。制作前に、点検の時期、更新の判断基準、担当者、承認手順を決めておきましょう。

特にコンプライアンスや社内制度を扱う教材は、内容が古い、または不正確なままでは、従業員に誤った対応を促すおそれがあります。テーマの変更頻度に応じて定期的な点検時期を設定するとともに、法改正や社内規程の改定など、臨時更新のきっかけとなる事象も整理しておくことが重要です。

学習目標に必要な内容に絞る

自作コンテンツで陥りがちなのが「せっかく作るのだから」とあれもこれも盛り込んでしまうことです。情報を詰め込むほど受講時間は長くなり、受講者の集中力が続かず、完了率や理解度はかえって下がってしまう可能性があります。

設計段階で定めた学習目標に立ち返り、その達成に直接必要な内容だけに絞り込みましょう。参考情報は「詳しく知りたい人向け」の補足資料として切り出すのも有効です。また、1本あたりの学習時間を数分〜10分程度に区切るマイクロラーニングの考え方を取り入れると、業務の合間でも受講しやすくなり、学習の継続と定着につながります。

職場での実践を促す構成にする

職場での実践を促す構成にする

企業研修で用いるeラーニングコンテンツは、知識を伝えるだけでなく、研修の目的に応じて、学んだ内容を職場で活用できる状態を目指して作ることが重要です。

実務での活用を目的とする場合は、動画や資料を閲覧するだけの構成にせず、業務場面を想定した演習や確認テスト、職場で試すことを前提とした実践課題などをコンテンツに組み込みましょう。

Schoo for Businessの授業『社員研修のあるべき姿』に登壇する鈴木克明先生は、研修設計では「何を教えるか」ではなく「受講後に職場でどんな行動ができるようになるか」というアウトプットから逆算して中身を考える「逆三角形研修設計法」について解説しています。

研修で扱う知識や教材は、受講者に与える「インプット」です。しかし、研修の目的は、受講者が話を聞いたり動画を見たりすることではなく、その結果として、顧客からの質問に答える、製品を説明する、報告書を作成するといった具体的な行動ができるようになることにあります。まず受講後に実現したい行動を明確にし、その行動に必要な知識やスキルを逆算してコンテンツを構成しましょう。

コンテンツを自作する際は、「何を盛り込むか」から考えるのではなく、「受講後に何ができるようになってほしいか」を起点に構成を決めることが重要です。

更新しやすい形式・ツールを選ぶ

コンテンツの形式や制作ツールは、制作時の手軽さだけでなく「あとから直しやすいか」という観点でも選びましょう。例えば、凝った編集を加えた動画は一部の情報が変わっただけでも撮り直しや再編集が必要になりがちですが、スライド+ナレーションの構成であれば該当ページの差し替えだけで済みます。

変更が頻繁に発生しそうな箇所(制度名、金額、担当部署名など)は動画内に埋め込まず、テキスト資料側に分離しておくのも有効な工夫です。あわせて、編集可能な元データを必ず保管し、特定の担当者しか扱えないツールへの依存を避けることで、更新のたびに大きなコストが発生する事態を防げます。

 

07eラーニングの効果を高める「ブレンド学習」について

eラーニングの効果を高める「ブレンド学習」について

eラーニングは、時間や場所の制約を受けにくい優れた学習手段ですが、eラーニングだけで人材育成が完結するわけではありません。学んだ内容を実務につなげるには、eラーニングを集合研修やOJT、職場での実践と組み合わせる「ブレンド学習(ブレンディッドラーニング)」の視点が重要です。

例えば、基礎知識の習得はeラーニングで事前に済ませ、集合研修の時間は演習やディスカッションなど、対面でしかできない活動に充てるといった組み合わせが考えられます。eラーニングと対面研修のそれぞれの強みを生かすことで、限られた研修時間をより有効に活用できます。

Schoo for Businessの授業『社員研修のあるべき姿』に登壇する鈴木克明先生は、人が学ぶ方法には「研修で学ぶ」だけでなく、「情報から学ぶ」「経験から学ぶ」「仲間から学ぶ」といった多くの選択肢があると解説しています。そのうえで、仕事を離れて研修に参加する時間だけを考えるのではなく、OJTや職場での経験、上司・同僚との学び合いなど、職場の中での学習をいかに支援するかまで含めて組み合わせることが重要だと指摘しています。

eラーニングコンテンツを制作する際も、コンテンツ単体で完結させるのではなく、育成プロセス全体の中でどの役割を担うのかを明確にしましょう。事前学習、実践の準備、振り返り、知識の補完など、コンテンツの役割を位置づけたうえで、集合研修やOJT、職場実践とつなげて設計することが重要です。


 

社員が主体的に学ぶオンライン研修とは
プロから学べる質の高い授業が受け放題
・オンラインで集合学習ができる


■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


Schoo_banner

Schoo for Businessの資料をダウンロードする

 

08法人向けeラーニング|Schoo for Business

eラーニングは、多くの従業員に学習機会を提供しやすい一方、「配信して終わり」になり、学びが現場に定着しないという課題を抱えがちです。

Schooが実施した調査(従業員数1,000名以上の企業に勤め、eラーニングや研修を提供または受講している人事・従業員641人を対象)では、企業が提供する学習を業務に「とても活かせている」と回答した従業員は10.4%でした。一方、人事担当者では36.1%が「とても活かされている」と回答しており、両者の認識には約3.5倍の差が見られました。

また、学習を業務に「とても活かせている」と回答した従業員では、73.0%が、受講後に上司や同僚と学びの活かし方を話し合った経験を持っていました。これに対し、「あまり活かせていない」と回答した層では7.3%にとどまり、対話経験者の割合には約10倍の差がありました。

この結果は、学習機会を提供するだけでなく、学んだ内容をどの業務でどのように活用するかを考え、周囲と話し合う機会を設けることの重要性を示唆しています。

調査結果の詳細は、以下のホワイトペーパーよりダウンロードいただけます。

【調査レポート】
大企業における「企業が提供する学習の定着と業務活用」に関する実態調査

▼参考:【調査結果】⼤企業における「企業が提供する学習の定着と業務活⽤」に関する実態調査(株式会社Schoo)|PRTIMES

eラーニングでの学びを行動までつなげる仕組み

法人向けオンライン研修サービスSchoo for Businessでは、階層別の年間育成計画パッケージ「プランニングパス」を提供しています。

プランニングパスには、新入社員から上級管理職まで、6つの階層に応じた年間カリキュラムがあらかじめ用意されています。9,000本以上の授業から人事担当者が一からカリキュラムを組む必要がなく、コンテンツの選定にかかる工数を抑えられる点が特徴です。

また、各カリキュラムの講座をベースにした確認テストや、導入各社が合同で参加できるグループワーク型の「AI公開講座」など、学んだ内容を言語化し、実践につなげるための機会も追加費用なしで利用いただけます。

階層ごとのコンテンツ選定から実践機会の設計までを、限られた工数で進めたい人事・人材育成担当者の方は、以下より詳細をご覧ください。

プランニングパスの詳細はこちら

 

09まとめ

eラーニングコンテンツには資料アップロード・アニメーション・動画講義・漫画・VRなどの形式があり、テーマや予算に応じて自社制作・既製コンテンツ・外部委託を使い分けます。自作する場合は、ADDIEモデルに沿って、対象者の分析から設計、制作、公開、評価・改善までを進めると良いでしょう。

あわせて、更新・保守の体制づくりや、学んだことを職場での実践につなげる構成を意識することも欠かせません。本記事を参考に、自社に合ったコンテンツづくりを進めてみてください。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE
この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
執筆した記事一覧へ

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

法人向けサービストップ