公開日:2021/05/27
更新日:2023/06/26

オンボーディングとは?その意味と実施にあたって重要となる点を解説

オンボーディングとは?その意味と実施にあたって重要となる点を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

オンボーディングとは、新入社員など新しく組織に入るメンバーに対する教育・育成プログラムです。新しいメンバーが早期に組織に馴染み、即戦力となることで離職を防ぐ方法の一つです。受け入れる組織の既存メンバーにとっても、新しく迎えるメンバーをいかにサポートするかといった点が重要となります。 当記事ではオンボーディングについて、その内容と意味、重要な点を解説していきます。

 

01オンボーディングとは何か

オンボーディングのもともとの意味は、英語の「on-board」=飛行機や船に乗る、という言葉から生まれた造語「on-boarding」で、飛行機や船に乗っている状態を表す言葉です。日本では最近使われるようになった言葉ですが、欧米では以前からすでに広く知られており、多くの企業で取り入れられています。会社や組織に新しいメンバーを迎える際に、早期に組織に馴染んでもらい、即戦力として活躍してもらうための取り組みです。

オンボーディングの目的

上記でも解説したように、オンボーディングの目的は組織に新しく入るメンバーに早期から戦力として力を発揮してもらうことです。同時に、受け入れる側にとっても、受け入れ体制を作ることであらためて組織そのものや業務について見直すきっかけとすることができます。オンボーディングは、新しいメンバーとともに既存メンバーにもより活躍してもらうことを目的としたものであるといえます。

 

02オンボーディングを実施するメリット

オンボーディングを実施することで、企業は以下のメリットを享受できます。

  • ・新入社員の早期戦力化
  • ・離職率の改善
  • ・教育制度の一律化
  • ・コスト削減

上記について、さらに以下で詳しく解説します。

新入社員の早期戦力化

新卒社員や中途で入社した社員が活躍するためにも早々に職場に馴染んでいく必要があります。オンボーディングを実施して、社風やルールなどを浸透させ、早期から戦力になってもらうことで会社の利益に繋げることができます。

離職率の改善

新卒社員や中途で入社した社員に限らず、会社の雰囲気に馴染めずに離職してしまう社員は一定数存在します。したがって、企業は従業員の定着率を向上させるためにもオンボーディングを実施し、従業員の満足度を向上させていく必要があります。

教育制度の一律化

新入社員の教育を部署ごとに行う企業も多く存在します。これにより、教育方針や従業員の成長スピードが異なるといった懸念があります。ですが、人事部主導でオンボーディングを実施することで教育制度が一律化され、社内に一体感を生み出すことができます。

期待値と目標設定・管理がしやすくなる

オンボーディングでは、新しく迎えるメンバーにどのような業務を行ってもらうのか、どういった成果を期待しているのか、これらを明確にしておき、本人にも伝えるようにします。加えて、新しく入るメンバーにも会社や部署、仕事にどのようなことを期待するのかを確認しておきます。受け入れる部署と新しく入るメンバー双方の期待値を合わせておきます。そうすることで、どのような目標設定をすべきかが明確となり、その達成度合いを測ることが可能となります。

 

03オンボーディングの活用場面

オンボーディングは、主に新しい社員が入社する際に活用されることが多いです。ここでは、オンボーディングの活用場面について詳しく解説します。

新入社員が加わるとき

新しい会社や組織に加わる際は、誰しも期待とともに不安を感じるものです。オンボーディングが実施されることで、既存のメンバーとのコミュニケーションが増え、また自分が行うべきことが明確となるなど、不安が払拭されるとともにモチベーション向上にもつながります。既存のメンバーとの接点が多いことは、新しい組織に自分が必要とされていると認識することにつながるため、会社や組織へのエンゲージメントが高まります。

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【関連記事】従業員エンゲージメントとは?従業員エンゲージメントを上げる方法とメリットについて解説する

中途社員の入社時にも実施される

新しい会社や組織に加わる際に不安を感じるのは、新卒で入社するときだけではありません。転職により新しい会社に入る場合なども同様です。そのため、十分な経験や知識をもった人を中途採用で迎える場合であっても、まずは組織に馴染んでもらい、早期にその力を発揮してもらうためには、オンボーディングは重要なプログラムであると言えます。

 

03オンボーディングの実施のために

これまで見てきたように、オンボーディングは新しいメンバーを受け入れる際に取り入れるとさまざまなメリットがあります。そのメリットを最大限に活かすためには、より適切に設計することが重要となります。ここでは、オンボーディングの実施にあたって、新入社員の最初の窓口となる人事部門と、実際に受け入れる部署がどのような取り組みをすればよいかを見ていきます。

人事部門が行うべきこと

新入社員の受け入れやオンボーディングの実施にあたって、人事部門の果たすべき役割は多く、また重要なものです。それらを順に見ていきましょう。

1.新しいメンバーと事前に十分なコミュニケーションを取る

新入社員は、選考の段階から入社が決まるまで、ほぼ一貫して人事部門とは何らかの関わりをもつことになります。そのため、入社前に人事部門が十分なコミュニケーションをとっておくことで、入社後すぐにスムーズに会社や部署に馴染むことができます。

2.社内や部署の関係者と連携を図る

新入社員を迎えたのちに、社内や配属される部署の既存のメンバーと良好な関係を築くためには、まずは人事部門が関係者と連携を図っておくことが重要です。そうすることで、配属される部署も適切に受け入れる準備をすることができます。

3.業務内容やミッションを整理しておく

新しいメンバーに対して、会社あるいは部署としてどのような業務を行ってもらうのか、またどのようなミッションを想定しているのか、これらをきちんと整理しておく必要があります。そのうえで、入社前に本人に伝えて何を期待しているのか、明確にしておくとよいでしょう。

受け入れ部署が準備すべきことは業務内容の整理

新しいメンバーを迎えてともに仕事をするのは、実際に配属される、受け入れ部署のメンバーです。そのため、採用をしようという段階から、新しいメンバーにはどんな業務を行ってほしいのか、既存のメンバーも交えてしっかりと整理しておく必要があります。新規メンバーを採用するわけですから、当然ながら既存のメンバーだけでは人手不足なのか、あるいは新しい業務をするために増員をするのか、採用にはさまざまな理由があります。いずれであっても、そのような業務内容を行ってもらうのかを明確にし、受け入れの際にはそれをしっかりと伝えることが重要です。

 

04オンボーディングの導入手順

オンボーディングは適切に設計していくべき施策ですが、どのような流れで導入を進めればよいのでしょうか。主な流れは以下の通りです。

  • ・目標設定・内容の整理
  • ・プランの作成
  • ・関係部署との調整
  • ・実施・結果の振り返り

目標設定・内容の整理

オンボーディングを開始する前に、明確な目標を設定し、新入社員が獲得すべき知識や価値観を整理します。早期戦力化や離職防止などの具体的な目標を設定することで、オンボーディングで何を伝えるかといった内容の整理にもつながり、新入社員にとって意義のある内容を提供するための基盤となります。

プランの作成

オンボーディングのプランを作成します。これには、トレーニングセッションやワークショップ、教材やリソースの準備、実施スケジュールなどが含まれます。プランは段階的に進行し、新入社員の理解とスキルの成長を重視したものである必要があります。

関係部署との調整

オンボーディングを円滑に実施するためには、関係部署との調整も重要です。関係部署との連携を確保し、情報やリソースの提供、役割分担、連絡方法などを明確にします。これにより、オンボーディングがシームレスに進行し、新入社員にとって一貫した経験を提供できます。

実施・結果の振り返り

オンボーディングを実施し、新入社員のフィードバックや成果を振り返ります。定期的な評価や面談を通じて、参加者の理解度やスキル習得の状況を確認し、必要な調整や改善策を検討します。このプロセスは継続的な成長と改善を促進し、将来のオンボーディングの品質向上につながります。

 

05オンボーディングの事例

オンボーディングを実際に導入している企業は、どのような取り組みを行っているのか気になる方は多いのではないでしょうか。ここでは、具体的な企業の事例をご紹介します。

株式会社メルカリ

フリマアプリ「メルカリ」を展開する株式会社メルカリ。メルカリのエンジニア組織では、エンジニア向けのオリエンテーションを実施しています。メルカリのエンジニアリング組織の体制、現状の課題や将来の展望について、プレゼンすることで、より組織への理解が深まります。また、「オンボーディングポータル」と言って、オンボーディングで必要な情報をオンボーディングポータルに集約し、必要な情報にいつでもすぐにアクセスできる環境を整えています。加えて、メンターとのランチを通じて、業務で関わりが必要そうなメンバーと一緒にランチができる制度を設けています。これにより横のつながりの強化に繋げています。

▶︎参考:「すべての新入社員に素晴らしいオンボーディング体験を」リモートオンボーディングを成功させる施策 #メルカリの日々 | mercan (メルカン)

サイボウズ株式会社

グループウェアの開発、販売、運用やチームワーク強化メソッドの開発、販売、提供を手掛けるサイボウズ株式会社。新卒とキャリアに対してオンボーディングを実施しています。まず、新卒においてはサイボウズで働くうえで重要なキーワードである「個人の自立」と「チームワーク」の2つを軸に、社会人としてのマインドセットやキャリア選択に対する考え方など、汎用的な知識・スキルを身に着けるプログラムを準備しています。また、同期や人事とコミュニケーションをとるための「ザツダン」という時間を設けたり、困りごとを相談できる「オンボーディングサーベイ」も実施しています。 次に、キャリアに対しては「サイボウズの制度と風土に慣れて、安心して仕事ができるようになる」をコンセプトに、前職との文化やコミュニケーションの違いにじっくり慣れてもらうためのプログラムを用意しています。また、キャリアの横のつながりを作るための「同期トーーク」というイベントや、社長と少人数で交流できる機会などを設けて、コミュニケーションの活発化を図っています。

▶︎参考:オンボーディングと学習制度 | 採用情報 | サイボウズ株式会社


 

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現代では様々な育成手法や指導方法が展開されています。しかし「そもそも業務を教えるとはどういうことなのか」じっくりと向き合う機会がないまま教育を任されている人もいらっしゃるかもしれません。今回は「知識やノウハウを教えていく立場になった時に何を考えればいいのか」「具体的にどんなことから始めればいいのか」について、先生ご自身の経験を踏まえてお伝えします。

 
  • 看護師・管理職YouTuber|業務コンサルタント

    看護師の経験や、管理職として働いた経験から、人との関わり方やものごとの捉え方など「人間力」を磨くことが何よりも重要だと再認識する。2020年より主にYouTubeで、働いているとぶつかる壁の乗り越え方(仕事術/キャリア/人間関係など)について発信をしている。働く上で誰しもが持っておきたいこれらのノウハウは、医療従事者のみならず他業界からも多くの支持・共感を得ている。現在は、個人や企業に向けた業務コンサルティング・セミナー講師・執筆など活動の幅は多岐に渡る。著書「仕事も人間関係もうまくいく」(日本看護協会出版会)出版。

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リモートワークで若手の心理的安全性を高めるには

本授業のメインの対象者は管理職・人事の皆様です。 第3回の授業では「入社後のオンボーディング支援」を扱います。

 
  • エッグフォワード株式会社  代表取締役社長

    企業変革請負人。組織・人財開発のプロフェッショナル。 京都大学卒。大手戦略コンサル入社後、アジアオフィス代表を経て、「世界唯一の人財開発企業」を目指しエッグフォワードを設立。 業界トップ企業からスタートアップまで数百社の企業変革を手掛ける他、キャリアの専門家としても2万人以上のビジネスパーソンの意思決定支援に従事。

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07まとめ

ここまで見てきたように、オンボーディングを実施することは、新しく迎えるメンバーだけではなく、受け入れ部署や既存のメンバーにとってもさまざまなメリットがあります。そのためには、準備すべきことや整理しておくべきことも多くあります。これらを通じて、会社や組織内のコミュニケーションが活性化し、より円滑な組織運営が可能となります。これを機に、ぜひオンボーディングの実施や内容の見直しを検討してみてください。

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  • 登壇者:高木 一史 様
    サイボウズ人事本部 兼 チームワーク総研所属

    東京大学教育学部卒業後、2016年トヨタ自動車株式会社に新卒入社。人事部にて労務(国内給与)、全社コミュニケーション促進施策の企画・運用を経験後、2019年サイボウズ株式会社に入社。主に人事制度、研修の企画・運用を担当し、そこで得た知見をチームワーク総研で発信している。

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この記事を書いた人
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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