公開日:2021/07/07
更新日:2023/08/18

カスタマーサポートとは|カスタマーサクセスとの違いや必要なスキルを解説

カスタマーサポートとは|カスタマーサクセスとの違いや必要なスキルを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年、カスタマーサポートの重要性が再認識され、企業の収益向上に欠かせない部門として位置づける企業が増えてきています。カスタマーサポートを充実させ、優秀なスタッフを育成することは企業価値を高めることにつながります。当記事では、企業におけるカスタマーサポートの役割と適性をもつ人材、優秀なカスタマーサポートの必要性について解説します。

 

01カスタマーサポートとは

カスタマーサポートとは、「顧客の問い合わせにメールや電話などで対応する活動、もしくはその業務を請け負っている部門のこと」を指します。企業によってカスタマーサポートの呼称は異なり、ヘルプデスクやコールセンター、お客様相談窓口など様々な呼ばれ方がありますが、担っている業務はいずれも顧客対応に他なりません。

顧客の困りごとを解決することを役割としているので、詳しい商品知識が求めれます。また、カスタマーサポートは直接顧客と接するため、顧客への対応が企業イメージに直結する可能性があり、ブランディングの一翼を担うケースもある重要な仕事です。さらに、クレーム対応も業務範囲に含まれることが多く、業務範囲は多岐にわたります。

 

02カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違い

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの決定的な違いは、行動が能動的か受動的かという点です。カスタマーサクセスは自社の製品を購入した顧客の成功を支援するために能動的に働きかけます。一方で、カスタマーサポートは顧客が購入した製品の不具合や操作方法が分からないといった問い合わせに対して、受動的に対応をします。その他にも、カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いを表にまとめると以下のようになります。

  カスタマーサポート カスタマーサクセス
目的 顧客の課題解決 顧客の成功支援
行動 受動的 能動的
組織内の位置付け コストセンター プロフィットセンター
顧客接点 単発的 継続的
業務内容 問い合わせ・クレーム対応 利用促進・改善提案
主なKPI 対応速度・対応回数 解約率・アップセル・クロスセル
設置企業 すべての企業 主にSaaS企業

このように、カスタマーサポートとカスタマーサクセスには様々な要素に違いがあります。しかし、これらの上下はありません。カスタマーサクセスの需要や必要性がSaaS企業が増加したことにより高まっているため、カスタマーサクセスの方が注目を集めやすい環境ではあります。しかし、顧客の困りごとに即時対応してくれるカスタマーサポートが顧客に与える便益は非常に高く、いずれの職種も組織にとって重要な役割を果たしているのです。

 

03カスタマーサポートの役割

カスタマーサポートの役割は多岐にわたり、さまざまなものがあります。もっとも重要な役割は「顧客の疑問や不満を解消すること」です。自社製品を購入した顧客が製品を使用するなかで発生した「困っている状況」を速やかに解消することです。そして、その活動がもたらす結果として、次に挙げる企業にとって好ましい状況を作る役割を担っています。

顧客満足度の向上

顧客の疑問や課題を速やかに解決することは、顧客満足の向上につながります。顧客満足を構成する要素には、製品の性能や品質だけでなくアフターサービスの充実度も含まれます。この部分を担っているのがカスタマーサポートです。 特に高齢の顧客はアフターサービスの充実度を購入動機の上位に置いていることが多く、その充実度が購入の決め手になることもあるようです。

顧客の要望や潜在ニーズの収集

カスタマーサポートは顧客の問い合わせに対応する過程で、さまざまな要望を耳にします。「顧客の生の声」がもっとも集約しているのがカスタマーサポートです。「顧客の生の声」は、ヒット商品のアイデアとなるような潜在的なニーズが含まれている可能性があり、貴重な情報源であるといえます。そうした情報を収集するのもカスタマーサポートの重要な役割です。

企業イメージの向上

製品に対し何らかの不具合を感じてカスタマーサポートに連絡してくる顧客は、その時点では、その企業に対してマイナスイメージを抱いている状態です。カスタマーサポートは、顧客対応を誠実かつ丁寧に行うことでマイナスイメージをプラスに転換させ、企業イメージを向上させる役割を担っています。

 

04カスタマーサポートの業務内容

カスタマーサポートの業務内容は顧客対応だけでなく多岐にわたります。顧客対応の過程で得た情報を整理して関連部門に報告するといった業務や、顧客管理など営業部門と連携する業務もあります。

顧客対応

カスタマーサポートの業務において、中心なるのが顧客対応です。電話やメール・チャットで寄せられる、顧客からの問い合わせや困りごと、時にはクレームにも対応します。また、「よくある質問」や「FAQ」といったページを作成・更新して、顧客が自ら課題を解決できるようなサポートをするのも業務内容に含まれています。

顧客管理

顧客管理もカスタマーサポートの業務の1つです。営業部門と連携して自社商品を購入した顧客情報の整理を行ったり、顧客が抱える課題を分析して営業部門にフィードバックしたりします。既存顧客の「囲い込み」において営業部門のサポート役として機能します。

顧客の声を報告する

顧客の要望やクレーム、自社に対する意見や要望など、「消費者目線の生の声」がもっとも集まるのがカスタマーサポートです。こうした情報を収集・整理し、関連部門に報告することもカスタマーサポートの重要な業務です。

 

05カスタマーサポートに求められるスキル

カスタマーサポートに必要なスキルは多岐にわたりますが、主に以下の5つが重要なスキルと言えるでしょう。

  • 傾聴力
  • コミュニケーション能力
  • 課題発見力
  • 業務処理能力
  • 対応力

以下で、それぞれのスキルについて詳しく紹介します。

傾聴力

カスタマーサポート業務に適性がある人は、まず傾聴力に優れています。傾聴力がある人は相手の話を遮らずじっくりと聴き、相手が伝えたいことを汲み取る能力があります。これはカスタマーサポートにとって必要なスキルです。 顧客のなかには、伝えたいことの要点が整理できていない人もいます。むやみに質問を返すと顧客を怒らせてしまう可能性もあります。じっくりと話を聴いて、相手の意図を理解しようとする傾聴力は、カスタマーサポートにとって必須といえます。

コミュニケーション能力

電話やメール・チャットのやり取りが中心となりますが、たくさんの顧客と接することがカスタマーサポート業務の特徴です。よって、コミュニケーション力がもっとも重要なスキルであるといえます。顧客の要望を察知し、相手の立場に立って提案やアドバイスをする能力が求められます。

課題発見力

カスタマーサポートは顧客の課題を解決する役割を担っています。そのため、課題発見力も当然求められます。

顧客から寄せられる問い合わせの中には、自身が抱えている課題を明確に理解していないものもあります。このような問い合わせに対して、顧客が本当に解決したい課題は何かを発見し、適切な対応をするスキルはカスタマーサポートとして欠かせません。

業務処理能力

業務における正確性と迅速さもカスタマーサポートに求められる適性です。顧客の個人情報を扱う業務であるため、些細なミスが大きな問題に発展する可能性があります。また対応において顧客を待たせないことや、多数の案件に対応するという面でもスピードが要求されます。

対応力

カスタマーサポートの業務は、基本的にマニュアルに沿って対応していくことになります。しかし、マニュアルだけでは対応しきれないケースは必ず出てきます。そうしたときに相手の意図を汲み取り臨機応変に対応できなければ、クレームに発展する恐れもあります。ある程度の臨機応変さは必要といえます。

 

06カスタマーサポートの育成方法

企業によってはカスタマーサポート業務をアウトソーシングしたり、派遣社員で対応しているケースも多いようです。外部メンバーに依頼するにせよ社員で対応するにせよ、優秀なカスタマーサポートを育成するには、社内の教育体制の整備が不可欠です。定期的な研修やミーティングを開催し、スキルアップや情報共有を図る必要があります。

自社製品の知識を習得してもらう

カスタマーサポート業務に従事するスタッフには、自社の製品について熟知しておいてもらう必要があります。製品の性能や使用方法、セールスポイントやメインとなる購買層まで、知識としてインプットしてもらいます。自社製品を実際に使用してもらい、使用感を確かめるような取り組みも有効です。

対応マニュアルを整備する

問い合わせの多い事項に関しては、対応マニュアルを整備して対応します。基本的なマニュアルがあれば、未経験のスタッフでもスムーズに業務に対応できます。マニュアルでは対応できないイレギュラーに関しては、過去の対応事例を研修等で学習してもらい、大まかな方針を共有すると良いでしょう。

研修を実施する

カスタマーサポートに求められるスキルは多く、日々の業務を通して学ぶOJTに加えて、研修も実施すると良いでしょう。特に傾聴力や課題発見力は、カスタマーサポートとしてだけでなくビジネスパーソンとしても汎用性の高いスキルなので、定期的に社内研修を実施して、スキルの向上を目指してください。

また、カスタマーサポートには業務処理能力も欠かせません。デジタル技術を用いて、業務効率化を行うことによって生産性を高めることができると、顧客対応に割くことのできる時間が増え、結果的に顧客満足度の向上にもつながります。


 

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07まとめ

カスタマーサポートは顧客のフォローを通じて企業イメージを高める重要なセクションです。ここでの顧客に対する手厚い対応が自社のファンを増やすことにつながり、利益に貢献していきます。カスタマーサポート部門の体制強化とスタッフ教育をぜひ検討してみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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