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パラレルキャリアとは? 概要と推奨する場合の企業の留意点について解説 

公開日:2021/07/07
更新日:2021/07/28
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パラレルキャリアとは? 概要と推奨する場合の企業の留意点について解説  | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年「パラレルキャリア」という概念が注目を集めるようになっています。本業をもちながら余暇を利用して、本業以外の第2の活動を行うという新しい働き方のことです。当記事ではパラレルキャリアの概要と、企業が推奨する場合の留意点について解説します。

 

パラレルキャリアとは

「パラレルキャリア」とは、経営学者であるP.F.ドラッカー氏が提唱したことにより、世に知られるようになりました。「パラレル(parallel)」とは日本語に訳すと「並列」「平行」という意味の言葉です。ドラッカー氏は著書の中でパラレルキャリアとは「本業をもちながら、第2の活動すること」とまとめています。この第二の活動についての定義は広い意味をもち、「副業」との区別を明確にすることで理解が深まります。

副業との違い

副業とは、収入を増やすために、本業とは別の仕事をすることをいいます。本業の勤務終了後や、休日に行うアルバイトがこれにあたります。一方パラレルキャリアは、必ずしも収入が目的ではない点に副業との違いがあります。パラレルキャリアは起業や他企業への所属など、結果として報酬が発生する場合もありますが、ボランティア活動など無償の活動も含まれる点が副業との違いです。

 

パラレルキャリアが注目される背景

パラレルキャリアはなぜ注目されるのでしょうか。近年、大企業の経営破綻や働き方の多様化を要因として、「仕事」に対する価値観が大きく変化しています。それに加え、政府主導の副業・兼業の推進の動きが拍車をかけたことが大きな要因と考えられます。

副業・兼業推進の動き

厚生労働省が2018年に策定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」にこのように書かれています。

「自身の能力を一企業にとらわれず幅広く発揮したい、スキルアップを図りたいなどの希望を持つ労働者がいることから、こうした労働者については、長時間労働、企業への労務提供上の支障や業務上の秘密の漏洩を招かないように注意しつつ、雇用されない働き方も含め、その希望に応じて幅広く副業・兼業を行える環境を整備することが重要である」


参考:副業・兼業の促進に関するガイドライン 厚生労働省

企業寿命の短命化

現在良好な経営状態である企業も、数年先にはどうなっているか分からないというほど、現代の環境変化はめまぐるしいものがあります。安定した大企業に就職したから安泰だという考え方は、過去のものとなっています。収入やキャリアアップに関して、ひとつの企業に依存するのではなく、第二、第三の活動を通じてそれらを得る方法を考えるのが現実的であるといえます。

働き方の多様化

終身雇用や年功序列といった、かつての日本の働き方に関する考え方は大きく変化を遂げ、定年まで一つの会社で勤めることを美徳とする価値観は、現在ではかなり薄れています。転職に対するマイナスイメージはなくなり、フレックスタイム制度やリモートワークの普及など、働き方のスタイルは多様化の一途をたどっています。こうしたことを背景に、働き方に対する考え方も多様化し、パラレルキャリアが注目されるようになりました。

 

パラレルキャリアの企業側のメリット

ここではパラレルキャリアを推奨した場合に、企業が得られるメリットについて紹介していきます。企業側のメリットとしては従業員が本業以外の活動で得たスキルや経験により能力アップを図り、それを自社の事業に還元してくれることが挙げられます。

従業員の自主性を促す

従業員が本業と本業以外の活動を両立させるためには、自己管理と時間管理を高いレベルで行う必要があります。パラレルキャリアを推奨することは、従業員のセルフマネジメント能力を高め自主性を促すことにつながります。本業においても仕事の効率化が図られるといったメリットをもたらすでしょう。

コストをかけず能力開発が図れる

従業員が本業以外の活動で新たな能力や知識を得ることは、企業にとってはコストをかけずに能力開発が図れている状態であるといえます。新たな知識やスキルを得ることは、本業だけでは獲得できない新たな視点をもつことにつながります。こうした新たな視点は創造的なアイデアとなり、新規事業立ち上げのきっかけになるといった、思わぬ相乗効果を生む可能性を秘めています。

離職防止の効果

パラレルキャリアを推奨することは、本業以外の活動に価値を見出している従業員にとっては、その活動を会社が応援してくれていると感じるのではないでしょうか。パラレルキャリアを実現できる環境は、こうした従業員の満足度を高め離職の防止に効果を発揮すると考えられます。

社外の知識やノウハウが獲得できる

本業とは違う環境で経験を積むことは、本業だけでは獲得できない知識やノウハウ、人脈の獲得につながります。その経験を積極的に自社の事業にフィードバックしてもらうことは、企業にとって大きなメリットであるといえます。

 

パラレルキャリアの企業側のデメリット

パラレルキャリアを推奨することによる企業のデメリットは、従業員が本業以外の活動に力を入れるあまり、さまざまな弊害をもたらすことにあります。労働時間や健康面への配慮など、新たな管理の手間が増えることも考えられます。

本業に支障をきたす

本業以外の活動は想像以上に時間や労力を消費し、心身に負担をかけます。自己管理がうまくできなければ体調を崩すなど、本業に支障をきたす可能性があります。企業としては本業が優先であることをはっきりと示し、パラレルキャリアにより本業がおろそかになっている従業員がいないか、常に気をつけておく必要があります。

人材流出のリスク

パラレルキャリアの活動が軌道に乗ることで、それを本業に起業したいと考える従業員が出てくる可能性があります。また本業とは違う環境に身を置くことで、自社の悪い部分が目について不満を感じたり、新たに得た人脈から刺激を受け、転職を検討するといったことも十分に考えられます。パラレルキャリアの推奨は人材の定着と離職、プラスとマイナスに作用するものであると認識しておく必要があります。

情報漏洩のリスク

情報漏洩のリスクについては、パラレルキャリアの人材を外部から受け入れる場合と、外部に送り出す場合、双方において注意が必要です。他社のノウハウや知見が自社の業務に役立つ可能性は十分にあります。しかしそれ以上に、情報漏洩のリスクがあることを認識し、対策を講じることが必要となります。

制度の改定や管理など手間が増える

パラレルキャリアを推奨するにあたって、制度の改定や管理の手間が増えることは避けられません。まず報酬が発生する場合の副業との線引きを規定化することが必要になります。パラレルキャリアを承認することで、従業員個人がどのような働き方をしているのか、会社として把握して管理する必要があり、その手間が増えることも予測されます。

 

パラレルキャリアを推進するにあたり企業が留意すべきこと

パラレルキャリアの推進は、自社だけでは獲得できないノウハウや知識を得ることにつながり、企業にとって大きなメリットをもたらします。しかし弊害もあることは十分に認識する必要があります。起こりうる弊害を未然に防ぎ、トラブルが発生した際は的確に対処できるように事前の準備が必要となります。

就業規則等への明示

パラレルキャリアとして会社が認める範囲を、就業規則等で明示することが必要です。他社での就業を認める場合は業界や業種を限定したり、申請・手続きの手順を決めなくてはなりません。また禁止事項や違反した場合の罰則についても、明確に定めなくてはなりません。本業に支障をきたしている状態を明示し、そのように判断された場合は中止を命ずることができるような規定が必要となります。

競業避止・守秘義務の徹底

競業避止の観点から、自社の利益を損なうような活動については中止命令や制限ができるような規定を定めておく必要があります。また守秘義務に関しても誓約書や秘密保持契約といった書面の取り交わしをしておき、違反した際の罰則を明示しておかなくてはなりません。

面談等で健康面に配慮する

パラレルキャリアの従業員には定期的な面談等で、本業以外の活動状況を把握することが望ましいといえます。パラレルキャリアの活動は想像以上にエネルギーを消費します。十分な睡眠が確保できているか、過重労働になっていないかなど、健康面の確認を定期的に行うことが望ましいといえます。

 

従業員のスキルアップは企業にとって歓迎すべきこと

企業としてパラレルキャリアを推奨することは、メリットとデメリットの双方を十分に検証し、慎重に検討する必要があります。パラレルキャリアのような柔軟な働き方は、変化の激しい現代にマッチしているといえます。パラレルキャリアの推奨により自社の従業員が新たなスキルや能力を身につけること、また他社のノウハウを積極的に受け入れることは、今後の企業の発展には欠かせない要素となるでしょう。

 

まとめ

パラレルキャリアの概要と、企業が推奨する場合の留意点について解説してきました。企業が継続的に発展していくためには、多種多様な人材の活用が必要不可欠となります。変化の激しい時代、競争力を強化し生き残っていくためにはデメリットを恐れず、新たな人材の活用方法を検討する必要があります。自社に合った形のパラレルキャリアについて、検討してみる価値があるのではないでしょうか。

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