公開日:2021/08/26
更新日:2023/08/12

企業に必要な人材「ナレッジワーカー」とは?意味や必要なスキル、育成方法について解説

企業に必要な人材「ナレッジワーカー」とは?意味や必要なスキル、育成方法について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年、ナレッジワーカーに注目が集まり需要も高まっています。本記事では、ナレッジワーカーをキーワードに注目を浴びている理由やメリットについて解説していきます。ビジネスにおけるナレッジワーカーの必要性について理解していきましょう。

 

01ナレッジワーカーとは

ナレッジワーカーとは、「ナレッジ(知識)」と「ワーカー(労働者)」を組み合わせたビジネス用語です。ビジネスシーンでは知識による新たな付加価値を生み出す労働者(知識労働者)のことです。形の無い知的資産物を生みだす役割を担い社会学者・経済学者として知られるピーター・ドラッカーが、1960年の著書『新しい現実』の中で提唱したことから利用されています。

ナレッジワーカーの必要性

ナレッジワーカーとは、既存の情報をまとめたり新たな情報の収集から問題発見や解決に至る広範囲な業務を行います。AIの進歩などにより情報処理のあり方に変化が起きていますが、AIに対してインプットする情報の精査などは人間にしかできません。いくら情報処理技術が進歩しても人間が行うべき工程が残る部分をナレッジワーカーにより対処することが必要となるため、今後のビジネスシーンでの必要性はますます高くなることが予測されます。

 

02「ナレッジワーカー」と類似用語の違いとは

次に、混同されやすい類似用語について解説していきます。類似用語の意味を理解することで、ナレッジワーカーに関する理解度を促進できます。用語の理解を行い正しく使い分けることができるようにしましょう。

ホワイトカラーとの違い

ホワイトカラーとは、企業における事務系職種の頭脳集団を指します。ホワイトカラーとナレッジワーカーとは、共に頭脳を使う面では同義ですが、ナレッジワーカーは専門知識や経験を活かした業務を担当しマニュアル通りの業務遂行が難しいことが大きな違いです。事務系処理を行う場合には、マニュアル化された手順で業務を行えることも多いため、ナレッジワーカーとは異なる扱いとなります。

マニュアルワーカーとの違い

マニュアルカワーカーとは、文字通りマニュアルに従った業務を担当する労働者のことです。ナレッジワーカーが専門知識や経験から新しいアイデアを創出するのに対して、 マニュアルワーカーは単純作業や繰り返し同じ処理をマニュアルにしたがって行う点で相違点があります。

 

03ナレッジワーカーが活躍できる職種

次にナレッジワーカーが活躍しやすい職種について解説していきましょう。ナレッジワーカーが活躍できる要素には、どのような場面があるかを創造しながら確認することで、具体的な活躍イメージを持つことができます。紹介している以外にも弁護士、税理士、デザイナーやコピーライターなどもナレッジワーカーに適した職種とされています。

コンサルタント

ナレッジワーカーの代表的な存在が「コンサルタント」です。コンサルタントとは、企業や行政機関からの相談により、問題解決や現状からの変革に協力する仕事です。経営戦略に関する支援を行う経営コンサルタント、システムの開発は導入に向けた支援を行うITコンサルタントは有名な職種です。クライアントが持つ要望のヒアリングや業界や企業の分析を行い最適な分析結果をもとにしたプラン提案を行います。

金融ディーラー

若い年齢でも、その対価が高い職種として人気がある金融ディーラーもナレッジワーカーが活躍する職種です。クライアントから預かった資金、株や債券などをクライアントの代わりに運用し利益を増やし還元します。さまざまな金融商品を扱う面での知識、世界中のマーケット情報を収集し分析する必要があります。非常に多くの情報を収集し分析することで、高度な頭脳労働が必要です。

ITエンジニア

ナレッジワーカーには時間や場所などの制約を受けずに知識による成果を出す側面があります。今までの経験を活かし、どうシステム構成を構築することが有効であるか、効率的であるかを図るITエンジニアもナレッジワーカーに適した職種です。近年では、リモートワーク環境の構築が進み、より場所の制限を設けない開発環境が整ってきています。

マーケター

マーケターは、戦略的な考え、クリエイティブなアイデア、データ分析能力などを駆使して、製品やサービスを市場に向けて展開し、集客を行う職種です。ナレッジワーカーは市場トレンドを把握し、競合分析を行いながら、効果的な広告キャンペーンを設計したり、ブランドイメージを構築したりする役割があります。デジタルマーケティングやコンテンツマーケティングなど、幅広いスキルが求められます。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、大量のデータから価値ある情報を抽出し、ビジネス上の意思決定を支援する職種です。データの分析、モデリング、予測、パターン認識などの高度なスキルが求められます。ビッグデータ技術の進歩により、企業はますます多様なデータを収集できるようになっており、データサイエンティストはそのデータを活用して、事業の成果を最大化するために重要な役割を果たします。

 

04ナレッジワーカーに必要なスキル

次にナレッジワーカーに必要なスキルについて解説していきます。ナレッジワーカーとして活躍するためには、どのようなスキルを保有しておく必要があるのでしょうか。必要なスキルを理解しておき、スキルアップや育成の際の参考にしていきます。

思考力

ナレッジワーカーには思考力、つまり、考える力が最も必要です。物事の本質を捉えたり、何を分析するべきかを考えておくことで知識を習得し、その知識をどう活用するべきかを整理する必要があります。この考える力がなければ、課題に対してどうアプローチしていくべきかを決めることができません。ナレッジワーカーとして活躍するためには、思考力は必須のスキルといえます。

情報収集力・情報分析力

「どのような情報を収集し、どう分析するか。」という情報収集力、情報分析力も必要スキルです。課題解決のために必要な情報をどう収集するか、集まった膨大なデータから必要な情報を精査し分析する知識労働はナレッジワーカーの代表的な業務です。日頃から情報収集先や収集方法、分析技法の習得などについてアンテナを立てておくことも必要です。無駄な情報をいくら集めても意味がありません。いかに利用できる情報を収集しても意味はありません。利用可能な情報を効率的に集め、分析し活用できてこそナレッジワーカーとしての力量が高いといわれます。

コミュニケーション力

情報の交換や課題把握などにおいて、コミュニケーション力も必須のスキルです。日常の情報交換を通じて、収集するものも多いため関係先とのやり取りも重要です。日頃から人間関係を構築しておき必要な際には、協力を得ら.れるようにしておくことが大事だと理解しておきましょう。ナレッジワーカーでも知らない事はたくさんあります。知らないことを教えて貰える環境や信頼関係を構築することもナレッジワーカーとして活躍する上では必要な事柄です。

発想力

今までにない発想力を持って、問題解決の方法や新商品のアイデアを創出することも必要です。膨大なデータから、今まででは考えられなかった解決方法や課題の根本原因を探り出すこと。その他にも、データを分析し新サービスなどのアイデアを創出するには、発想力が必要です。いわゆるアイデアの創出は、ナレッジワーカーとして活躍する上では必須のスキルといえます。固定概念に囚われることなく、ゼロベースで物事を考えていける力が必要です。

問題意識

常に起きている事象の根本が何であるかを考える習慣も必要です。課題解決を行う際には、顕在化していない問題の発見、根本t来な原因が何であるかを考えることが必要です。本当の問題が何であるのか、問題が起きていないのか。こうしたことを常に念頭におき問題の解決やアイデアの創出を行います。問題意識についても、習慣化させ根本を見つけ出す力が必要だと考えられています。

 

05ナレッジワーカーの育成方法

最後に企業におけるナレッジワーカーの育成方法について解説します。ナレッジワーカーには期待できる役割が多いため、社内で育成し人数を増やしたいと考えることも多いため、育成方法について理解しておきましょう。

自己啓発制度を活用した育成

自己啓発制度を活用し書籍などを購入した育成方法があります。自分自身が学ぶ意欲がある場合には、積極的に制度を活用できるようにすることが大事です。自己啓発制度は、ナレッジワーカーだけの学習ではなく他の分野にも活用できます。制度を導入することは、対象者を絞ることなく広く参画できる制度です。自社内でのスキルアップを広く行いたい場合には、自己啓発制度を導入し利用することが最適です。

企業内OJTでの育成

既にナレッジワーカーによる業務が進んでいる場合には、OJTを通して人材を育成する方法があります。OJTを通して育成することで、教えている側(トレーナー)の成長にもつながります。OJTでは、実務にそった学習ができるため即戦力としての人材育成が可能です。OJTでの育成においては、座学であるOFF-JTも同時に行い理解度の促進を図っていきましょう。

外部研修の活用による育成

外部機関を使って人材育成を行う方法もあります。外部研修を受講することのメリットは、体系だったプログラムが準備され、複数の観点を整理して習得することが可能です。体系化されたプログラムを受講することで、効率的な学習が可能になります。外部研修の活用は計画的に段階をおった習得ができるように参加先を決めておくとよいでしょう。ただし、自社における業務に直結しないテーマでのワークを行う場合もあります。研修後には、自社の業務に役立てるために実践していく必要があります。

ジョブローテーションの実施による育成

社内の人材をジョブローテーションを実施することで、ナレッジワーカーを複数部署に配置する方法もあります。ジョブローテーションによりナレッジワーカーの育成を行い他部署への異動させることで、再配置後の部署で業務改革を行うことを繰り返すことで、自社ないの各組織の変革を促していくことが可能です。このジョブローテーションを繰り返すことで、自社全体の底上げを行うことが可能になります。ただし、短期間で頻繁にジョブローテーションを行うことは、異動者の負担が高くなる可能性があります。業務の習熟度合を勘案してジョブローテーションを行うようにしましょう。


 

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判断力に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、ナレッジワーカーの育成に役立つ授業を紹介いたします。

良い情報収集のセオリー~ビジネスリサーチの基本~

良い情報収集のセオリー~ビジネスリサーチの基本~
 

本授業では、情報収集の中でも「ビジネスリサーチ」のやり方にフォーカスします。ビジネスリサーチとは、すでに公開されている業界や企業についての一次データを調べて、二次データに加工することと本授業では定義します。

  • 青山学院大学大学院法学研究科ビジネス法務専攻 非常勤講師

    青山学院大学大学院法学研究科ビジネス法務専攻の非常勤講師。Yahoo!ニュースの公式コメンテーター。フィスコのシニアエコノミスト兼シニアアナリスト。早稲田大学ファイナンスMBA。近著は『IR戦略の実務』、『企業価値評価の教科書』(共に日本能率協会マネジメントセンター)。ナブテスコの広報・IR担当では日本IR協議会によるIR優良企業特別賞の所属会社初受賞に貢献。

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課題設定力の磨き方~ロジカルに課題の精度を上げる方法~

課題設定力の磨き方~ロジカルに課題の精度を上げる方法~
 

生産性やアウトプットの質を高める上で重要な「課題設定力」をどのように磨いていくか、そのノウハウについて学んでいきます。 課題設定の精度を上げる手法として、ロジカルに考えていく方法、そしてラテラルに考えていく方法があります。第1回目の授業では、ロジカルに課題設定の精度を上げる方法について紹介します。

  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。

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ディスカッションに効く“ピラミッド・ストラクチャー”の活用

ディスカッションに効く“ピラミッド・ストラクチャー”の活用
 

今回の授業は、ロジカルにコミュニケーションができるようになる、“ピラミッドストラクチャー”の使い方をご紹介します。「会話」「ディスカッション」に使える方法を中心に、伊藤先生にレクチャーしてもらいます。

  • Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長

    武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長。日本興業銀行、プラスを経て2015年ヤフー。現在Zアカデミア学長としてZホールディングス全体の次世代リーダー開発を行う。 またウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてリーダー開発を行う。 2021年4月 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)学部長就任。

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07まとめ

本記事は、ナレッジワーカーをテーマにスキルの紹介、育成方法について幅広く解説しています。企業に必要な人材であるナレッジワーカーについては、高いスキルを必要としている人材ですが、育成をすることで習得できるスキルでもあります。自社を成長させること、業務の効率化などを行う際に大きな戦力になります。本記事を参考に、自社におけるナレッジワーカーの育成を実践していきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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