スナックラーニングとは?メリットや企業が効果的に活用する方法をご紹介
コンテンツの発達に伴い、忙しいビジネスパーソンが自分のスキルアップのために、隙間時間を活用して勉強する「スナックラーニング」が注目を集めています。スナックラーニングにはどのような特徴があるのか、メリットや企業が活用する際のポイントなどをご紹介します。
01スナックラーニングとは
「スナックラーニング」とは、時間が空いた時にお菓子を食べるような気軽な感覚で、e-ラーニングを中心とした、スキルアップのための勉強を行うことです。元々は欧米で生まれた概念ですが、日本においても近年、ビジネスパーソンの中で注目を集めています。 一般的には、スマートフォンやタブレットを活用した動画教材を用いて学習する方法が普及しています。時間や場所に関わらず、どこでも学習が効果的に進められるとして、急速に普及が進んでいます。
語学や資格取得の学習に活用されている
スナックラーニングは1〜5分程度の短い時間で学習するため、習慣化しやすい学習方法です。そのため、継続的な学習が必要な語学や資格取得などを朝の時間帯や通勤の間に活用されています。近年は様々な分野で短時間で学習できるスマートフォンアプリも増えているため、スナックラーニングとの相性は良いと言えるでしょう。
スナックラーニングの目的
スナックラーニングは、個人のスキルアップを目的として行われることが多いです。 時間をかけて行う通常の学習とは異なり、短時間に繰り返し学習することで学習内容を反復的に身につけていく勉強方法になっています。 学習する分野は、自身の業務に関わる資格関係の勉強が多いですが、中にはキャリアアップを目的として、英語に関する能力や別分野の知識を勉強する人も少なくありません。 また、中には企業として従業員のスナックラーニングを積極的に推奨している企業もあります。個人のスキルアップが会社の生産性向上といったメリットにつながることもあるため、推奨する企業は増えてきています。
02スナックラーニングが重要視されている背景
なぜスナックラーニングがビジネスパーソンを中心に注目を集めているのでしょうか。 2つの背景から解説します。
終身雇用制度が崩壊し個人のスキルアップが求められている
日本では古くから終身雇用制度が一般的であり、一度企業に就職し所属すれば基本的には定年退職するまで働き続けることが当たり前とされていました。 しかし、近年では終身雇用制度はもはや崩壊しており、個人の雇用は会社によって保証されなくなってきています。 そういった中で、個人で生き抜いていくスキルを身につける必要性が生まれてきているのです。 スキルを高めていかないと自身の働き口がなくなってしまうため、限られた時間の中で効果的に学習ができるスナックラーニングが注目を集めるようになりました。
モバイルデバイスの普及により学習の機会が増えた
テクノロジーの進化によってモバイルデバイスが普及し、効果的に学習を行うことが可能になったこともスナックラーニングが注目を集める背景として大きいでしょう。 以前は自宅でしっかりと時間を確保し、書籍などを用いてじっくりと勉強しないと学習することができませんでした。しかし現在では、モバイルデバイスを活用することでいつでもどこでも隙間時間での学習が可能になっています。 また、動画を用いたe-ラーニングの活用が多いことから、より短時間で効果的にスキルアップできるようになりました。 モバイルデバイスの普及なしでは、スナックラーニングが注目を集めることはなかったでしょう。
03スナックラーニングを効果的に行うポイント
スナックラーニングを効果的に行う上では、3つのポイントを意識する必要があります。
短時間でも確実に習慣化させる
スナックラーニングを行う上では、短時間でも習慣化させることが非常に大切です。空いた時間ができたらその時に勉強しようという姿勢では、自分から隙間時間を作り出せず、学習効率も低下してしまうことが考えられます。 そうならないためにも、通勤時間に必ず学習する、寝る前に必ず動画をチェックするなど、自身の生活において習慣化させるようにしましょう。 習慣化して初めて、スナックラーニングを効果的に行うことができます。
繰り返し学習し定着化させる
スナックラーニングは、基本的には10分単位の短時間での学習が中心になるため、一回学んだだけでは自分のスキルとして定着させるのが難しい側面があります。 10分の動画であれば、それを何度も繰り返し見直して自分のスキルに落とし込みましょう。理解できたら、それを誰かに説明できるぐらいまで定着化させることが大切です。
意識的に隙間の時間を作り出す
隙間時間は意識的に作り出すことが非常に大切です。意識しなければ日常に潜む隙間時間は簡単に過ぎてしまいます。 自分には勉強できる隙間時間なんてほとんどない、と思う方もいるかもしれませんが、スナックラーニングは5分だけでも効果があるのです。意識して隙間時間を作り出すようにしましょう。
04企業がスナックラーニングを活用するには
スナックラーニングは、個人のスキルアップを目的として行われることが多いですが、企業においては、生産性向上に繋がります。従業員のスキルアップを促すためのポイントを2点ご紹介します。
社員研修用の動画教材を用意する
会社内の研修は講座形式で会議室に人を集め、ホワイトボードや資料を用いて行う方法が一般的です。しかしその手法では、復習する方法が個人のメモしかなく、研修内容が定着しづらいといったデメリットがあります。 そこで研修の内容を動画で撮影し教材として用意することで、従業員が研修内容を繰り返し見返すことができます。 動画の教材になっていれば、隙間時間に従業員が見返すことが可能になり理解度の向上にもつながるため、社内の研修は動画教材として残していくようにしましょう。またこれにより、一度行った研修を再度行う必要もなくなるため、時間の削減にもつながります。 研修に限らず成績の良い従業員へのインタビュー動画なども教材としては効果的です。 先輩目線でのアドバイスは新人に効果的に働くことが多いため、研修に関わらず動画化できそうなものは積極的にしていきましょう。 作成した動画教材は、個人の端末から簡単に再生が行えるように従業員全員で共有するようにしてください。
学んだことを共有する時間を設ける
会社全体としてスナックラーニングの効果を高めるには従業員個人の学習に留めず、日々のスナックラーニングの中で学んだことを、従業員同士で共有する機会を設けることが非常に効果的です。 学んだことをアウトプットすることでより理解も深まりますし、他人の学びを教えてもらうことで学習の効率化にも繋がります。 また、従業員同士で学びを共有し教え合うことで従業員間のコミュニケーションの促進にも繋がります。部署やチーム単位で学びを共有する場を積極的に設けるようにしてください。
05企業におけるスナックラーニングの具体的な活用方法
最後に、スナックラーニングを企業内で具体的に活用するための方法を4つご紹介します。 社内で導入したくてもいいアイデアが思いつかない、といった際に参考にしてみてください。
朝礼後に10分間学習する時間を用意する
朝の決まった時間に朝礼を行う企業は少なくありません。朝礼が終わり次第、慌ただしく業務に移行することが一般的ですが、その前に10分の学習時間を用意しましょう。 大切なのは就業時間内にあえて用意するということです。始業前の時間や定時後に設けたとしても、快く思わない従業員が出てきてしまいます。 業務に支障が出るほどの長い時間を用意する必要はないですが、全社的に研修動画を見たり、スキルアップにつながるスナックラーニングを行うための時間を用意しましょう。
評価制度内に動画学習の習熟度チェックを盛り込む
従業員の評価制度の項目に、用意した研修動画などの習熟度チェックを盛り込むことも効果的です。 研修動画を用意したから自由に活用してね、というスタンスでは積極的に活用されることは少ないでしょう。しかし、自分の評価に影響するとなると、積極的に動画を見返し研修内容を理解しようと励むはずです。 外的な動機付けにはなりますが、従業員の学習に対するモチベーションを高めるためにも、評価制度内に習熟度チェックを盛り込むことは効果的だと言えます。
社内で業務に活かせそうな書籍を誰でも見れるように用意しておく
スナックラーニングは基本的に動画教材などのe-ラーニングを活用することが一般的ですが書籍から学べることが多いのも事実です。 そこで、誰でも読めるような形で、従業員のスキルアップにつながる書籍の教材を社内に用意することも効果的です。特に年配の従業員にとって、モバイルデバイスを使いこなすのが難しいことも考えられます。 そういった人たちは書籍での学習に慣れているため、動画以外の教材もしっかりと用意するようにしておきましょう。
社内でよくある質問をナレッジとして蓄積し閲覧できるようにする
自社の業務に関わるスキルアップを従業員が行うには、業務上よく発生する質問や疑問などを共有し理解を深めていくことも非常に大切です。 そういったナレッジが社内に集約されておらず属人的になっていては、従業員に定着することがありません。しっかりとナレッジが集約され、個人のPCやモバイルデバイスからいつでも閲覧ができるようになっていれば、スナックラーニングとしても活用することができます。 よく聞かれる質問を先輩社員が何度も新人に聞かれうんざりするということも、この方法を用いれば少なくなるでしょう。業務に直結するスキルを高めていくには非常に効果的な手法と言えます。
Schooでもスナックラーニングが可能
Schooビジネスプランでは約8,500本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。また、授業もチャプター毎に短い時間で区切られているので、短時間の学習を継続して行っていきたいという方にもおすすめです。ここではSchooのおすすめの授業を紹介します。
達人たちの仕事術
\この授業は、各分野でご活躍の先生同士がそれぞれの仕事術について、工夫されているポイントを語っていただく授業です。 仕事の進め方に正解はありませんが、パフォーマンスを最大化する方法は私たちの業務にもヒントとなるかもしれません。 業務を効率化して自分の時間をつくりたい、コミュニケーションをもっと円滑に進めたい、アイデアを仕事につなげたい...などみなさんの悩みを解消していきます。
-
経営者・著者
ビジネストレーニング事業、業務コンサルティング、小売店支援、飲食店経営、飲食店コンサルティング、旅行代理事業、会議室事業など多岐に展開する。 埼玉県板戸市生まれ。ソフトバンクBB株式会社入社後、4年で独立。 飲食店事業において、スタンディングバー「SHINBASHI」は連日大行列となり、各種メディアに取り上げられる。 有限会社志縁塾が主催する日本最大級の講師イベント「全国・講師オーディション2015」の決勝にも残り、口コミから始めた講演会は、いまでは毎回400名以上も集まる、累計動員数では10万人を超える。 「すべての人の最大限の可能性に貢献すること」を企業理念に精力的に活動する。 業種を問わず、どこにいっても通用する一流のビジネスパーソンの育成をテーマに、パーソナルモチベーターとしても活躍。 多くの若者のメンターでもある注目の起業家である。 本書が著書としてのデビュー作となる。
伝わるプレゼンのコツ
苦手な人も多いプレゼンをうまく運ぶための、人前で話す際の考え方とテクニックを紹介します。 相手に伝わるようにするにはどうすれば良いのか、「プレゼン」の苦手意識をどう克服すれば良いのかを学びましょう。
-
株式会社スパークスラボ マスタートレーナー
株式会社スパークスラボ マスタートレーナー。国際コミュニケーション学学士、心理学学士。日本航空客室乗務員、研修会社講師を経て、枠に囚われない現場のニーズに即した学びと気づきの場を提供すべく、現会社設立に参画。その後、ホテル インターコンチネンタル東京ベイの研修支配人としても活躍した。心理学やコミュニケーション学に基づいたメソッドをもとに、新入社員研修、接遇研修、管理職研修などを企画から実施まで手がけ、研修を通じ企業の人材育成に携わっている。受講生からは「浅井さんのようになりたい!」との声、ファンレターも多数。スパークスきっての人気講師。 共著に『仕事がデキる人が必ずおさえている謝罪・クレーム対応の鉄則』(インプレスコミュニケーションズ)がある。
ロジカルシンキング実践
本授業は、「ロジカルシンキング入門」の続編として、論理的思考を仕事に活かすイメージを掴むことをゴールに、「上司からのあいまいな依頼にどう応えるか」というお題をもとに学んでいきます。
-
ビジネス本著者
1976年大阪府生まれ。灘高校、東京大学経済学部を卒業後、日系メーカーで17年間勤務。経理、営業、マーケティング、経営企画と多様な部門を経験し、半年間のイギリス留学後に外資系企業に転職。在職中より書籍の執筆を開始。2021年に退職し、44歳でFIRE達成。著作に『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』、『4時間のエクセル仕事は20秒で終わる』、『強みを引き出す4分割ノート術』がある。
「研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
研修と自己啓発で学び続ける組織を作るスクーの資料をダウンロードする
■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など
06まとめ
個人のスキルを高めることが重要になっている現代において、スナックラーニングは急速に普及が進んでいます。 従業員個人のスキルアップに留めるだけでなく、会社としてしっかりと制度を設けスナックラーニングを後押しすることで、生産性の向上や従業員のモチベーション向上に繋がっていくでしょう。
▼【無料】働き方改革から学び方改革へ~学ぶ時間の創出で離職率が低下した事例~|ウェビナー見逃し配信中
働き方に関する制度改善を多数行ってこられた株式会社クロスリバー 代表取締役 越川慎司氏をお招きし、「残業削減ではない方法で働き方改革を行い、社員の自発性と意欲を著しく向上させ、離職率を低下させるための自律学習の制度設計」について語っていただいたウェビナーのアーカイブです。同社の調査・分析内容と自律学習の制度設計を深堀ります。
-
登壇者:越川 慎司様株式会社クロスリバー 代表取締役
ITベンチャーの起業などを経て2005年に米マイクロソフト本社に入社。業務執行役員としてパワポなどの責任者を経て独立。全メンバーが週休3日・リモートワーク・複業の株式会社クロスリバーを2017年に創業し、815社17万人の働き方と成果を調査・分析。各社の人事評価上位5%の行動をまとめた書籍『トップ5%社員の習慣』は国内外で出版されベストセラーに。