公開日:2022/01/26
更新日:2023/12/28

リフレーミングとは?従業員教育に最適な活用方法を徹底解説

リフレーミングとは?従業員教育に最適な活用方法を徹底解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

リフレーミングとは、物事の捉え方を変化させて前向きに考えることです。本記事では、ビジネスにおけるリフレーミングの必要性や実践方法を解説しています。また、リフレーミングを行う際の注意点や対象となる従業員も紹介していますので、人事担当者はぜひ参考にしてください。

 

01リフレーミングとは

リフレーミングは、物事を違う視点で捉えることでポジティブに考える思考法です。 例えば、水が半分入ったコップがあるとします。この状態を「半分しか入っていない」と思うのか、それとも「半分も入っている」と思うのか。考え方は人それぞれですが、後者のほうが満足度や幸福度が高いと言えます。ビジネスにおいては、失敗しても前向きに捉えることで、仕事のモチベーションやパフォーマンスが向上するはずです。 このように、視点を変えて物事を捉えることで、ポジティブに考える思考法がリフレーミングです。

リフレーミングとは
 

ポジティブシンキングとの違い

物事を前向きに考えることを示す言葉に「ポジティブシンキング」がありますが、。これは具体的な実践方法を説明しているわけではなく、前向き思考そのものを指す言葉に留まっています。 そのため、「物事を捉える枠組みを変化させる」といった前向き思考の実践方法を説明するリフレーミングとは異なる概念です。つまり、ポジティブシンキングの実践方法のひとつにリフレーミングがあると言い換えられます。

▼ポジティブシンキングについて詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】ポジティブシンキング・思考の身につけ方やポイントを解説

 

02リフレーミングの種類

リフレーミングは、特定の出来事や状況を異なる文脈や視点で見直しする「状況のリフレーミング」と特定のアイデアや信念、考え方を異なる視点で再構築する「内容のリフレーミング」の大きく2種類が挙げられます。ここでは、それぞれどのようなものなのかを具体的に解説していきます。

状況のリフレーミング

状況のリフレーミングとは、自分が置かれている状況の捉え方を変化させることです。 例えば、病気や怪我で仕事を休んだときに「仕事を休んだせいで時間を無駄にした」ではなく、「自分の内面と向き合う貴重な時間を得た」という前向きな考えは、状況のリフレーミングに該当します。 仕事をしているなかでは、ときに失敗したり思うように進まなかったりもします。しかし、自分の置かれている状況を前向きに捉えることで、次の一歩を踏み出せる勇気が出てくるはずです。

内容のリフレーミング

内容のリフレーミングとは、出来事や性格といった内面的な部分の捉え方を変化させることです。例えば周囲と協力し合う姿勢がない部下がいたとして、裏を返せば「周囲のペースに乱されずに決められた仕事を淡々とこなせる」とも言えます。 このように性格をリフレーミングすることで、部下の適性を見つけ出し、適材適所の人材配置が実現すると期待できます。

 

03ビジネスにおけるリフレーミングの必要性

ビジネスにおけるリフレーミングの実践によって、モチベーションの向上や人間関係の円滑化といったさまざまなメリットがもたらされます。ここでは、ビジネスでのリフレーミングの必要性を確認することで、リフレーミングが注目を集める背景を探っていきます。

仕事へのモチベーションを上げられる

仕事をするうえでは、商談やプレゼンテーションといった大事な場面で不安になることもあります。こういった機会にリフレーミングを活用すれば、自分が成長できる貴重な場面と前向きに捉えられるはずです。 その結果、仕事へのモチベーションが上がって良いパフォーマンスを期待できます。

人間関係を円滑化する

職場の人と協力して仕事を進めるなかでは、他者からアドバイスや意見をもらうこともあります。こうした意見を批判的に捉えてしまうと、素直に受け止められずに人間関係が悪くなるおそれがあります。 リフレーミングによって他者からの意見を前向きに捉えられれば、人間関係が円滑化し職場全体の雰囲気も良好になるはずです。

失敗したときにも気持ちをすぐに切り替えられる

仕事は成功することもあれば、失敗して気持ちが落ち込むこともあるものです。失敗したという事実を引きずってしまうと、次の仕事に集中できずにモチベーションが低下するおそれがあります。 失敗は良い経験になったとリフレーミングできれば、失敗しても気持ちをすぐに切り替えて次の仕事に取り掛かれます。

変化をポジティブに捉えることができる

ビジネス環境は常に変化しています。リフレーミングを通じて、変化をポジティブなものとして受け入れ、柔軟性を持ちながら新しい状況に適応することができます。これは、自信を持って未知の状況に取り組む力を育む際の助けとなります。

 

04リフレーミングの方法

リフレーミングにはいくつかの手法が存在していて、リフレーミングの対象となる事柄はその手法ごとに異なります。状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。それでは、リフレーミングの手法には具体的にどのようなものがあるのか、詳しくみていきます。

例外のリフレーミング

例外を探すとは、自分の弱みに対して、そうでなかったケースを探すことです。人は物事に対して、ネガティブな側面ばかりを気にしてしまう傾向があります。ネガティブな面についての例外を、具体的な内容を思い出しながら、声に出したり、紙に書き出すことで、弱みではないと意識することができます。

言葉のリフレーミング

自分の弱みを肯定し、強みに言い換えることもリフレーミングの方法の一つです。例えば、「自分は心配性である」ことが弱みだと思っているとすれば、「心配性のおかげで準備を徹底するので、ミスを起こさない」と考えることもできます。弱みがあるからこそ良かった時をイメージすることで、強みとして言い換えることができるのです。また、言葉のリフレーミングを活用すれば、自分に弱みがあることで、誰かに活躍する機会を与えることができていると考えることができます。例えば、「自分は口下手で交渉が苦手である」という弱みがあるとしたら、交渉が強みの人に活躍できる機会を与えられていると考えることができます。自分の弱みで誰かに迷惑をかけている、と考えるのではなく、誰かの役に立っていると考えることで、弱みを肯定することにもつながります。

時間軸のリフレーミング

時間軸のリフレーミングは、特定の出来事や課題を異なる時間軸で見ることです。これにより、過去、現在、未来の異なる視点からその出来事を評価することができます。例えば、過去の失敗を「成長の機会」としてとらえ、未来への学びと捉えることができます。また、現在の苦境を将来の成功への一歩と見なすことも含まれます。

「もし〜だったら」のリフレーミング

「もし〜だったら」のリフレーミングは、仮定や仮説を導入して状況を見る方法です。例えば、「もしこのチャレンジが成功したら、どんなメリットがあるだろうか?」というように、成功の可能性に焦点を当てることで、ポジティブな視点を強調します。この手法は、悲観的な考え方から抜け出し、希望やチャンスに焦点を当てるのに役立ちます。

Wantのリフレーミング

Wantのリフレーミングは、感情を整え、目標を再定義する手法です。具体的には、「欲しいものが手に入らない」という悩みに対して、「欲しいものを得るためにどうするべきか」を考える手法です。これにより、失敗や挫折を成長の機会ととらえ、より良い結果を得るための新しい方向性を見つけることが可能です。

 

05リフレーミングの注意点

リフレーミングを実践するためには、リフレーミングのメソッドやポイントを従業員に対して教育する必要があります。こうした教育においては、教育を担当する人材や実施方法がリフレーミングの成果を左右するのです。ここでは、リフレーミングを実施するうえで注意すべきポイントを解説します。

リフレーミングの訓練は長期的に行う

リフレーミングを日々の業務で実践するためには、思考方法を根本から変える必要があります。そのため、短期的な教育ではリフレーミングは完全には身に付かず、長期的なリフレーミングの実践で前向き思考を習慣化することが重要です。 一日に一度はリフレーミングを行う機会を設けて、毎日かつ長期的にリフレーミングの訓練を行うようにしてください。

反省するべきところはきちんとさせる

リフレーミングの最終目的は前向き思考ですが、反省すべきところから目をそらしてしまうと、その人の成長につながらないおそれがあります。失敗した部分をきちんと反省したうえで、自分の成長の糧になったと前向きに捉えられる状態が理想的です。

相手の心に寄り添える人材を選ぶ

リフレーミングの教育を行ううえでは、指導役の人材の選定が重要です。ただ前向き思考を押し付けるのではなく、教育対象の従業員の気持ちや考え方を尊重して寄り添うことで、リフレーミングの実施効果も上がります。他者へのリフレーミングでポイントとなるのは相手への強化や理解、という点を念頭に置くようにしてください。

外部研修業者に依頼をするのも手

リフレーミングの教育ノウハウを有していない場合、外部の専門講師を招いて研修を行うことをおすすめします。外部の研修業者であれば、効果的なリフレーミングの実施メソッドを把握しているため、リフレーミングの実施効果をより高められます。

 

06リフレーミングの例

ここでは、ケース別にリフレーミングを実施して、物事をポジティブに考えていく方法について解説します。

苦手な人がいるとき

苦手な相手は、捉え方を変えることで苦手意識を取り除くことができます。例えば、自分とソリが合わず、苦手意識を感じている相手には、「こういった異なる意見もあるのだ」と考えてみましょう。そうすることで、自分自身の視野を広げることができ、新しい価値観を取り入れることができる相手として、良好な関係を築くことができるのです。

モチベーションアップしたいとき

モチベーションを上げたい時は、自分主体に考えるのではなく、相手主体で考えることがおすすめです。例えば、やりたくない仕事や業務に対して、モチベーションが上がらず、集中力を挙げられないことがあるでしょう。こういった時は「目の前のやりたくない業務を実施することで、全体の事業の進捗が前進する。困っていた人が助かる。」と考えることで、自分自身のモチベーションにつなげることができます。

自分に自信を持ちたいとき

周りに優秀な人が多く、自分の自信がなくなってしまうことがあるかと思います。そんな時は、視点を変えて、自分の行いによるメリットを考えてみましょう。例えば、心配性であることから他の人と比べて業務に時間をかけすぎているとします。そういった時は「他の人よりも業務に対して丁寧なので、深い部分まで振り返りができている。結果的にミスも少ないし、クオリティも高い」と考えることで自分の長所や良い部分が見え、自信に繋がるでしょう。

何かに失敗したとき

仕事に限らず、さまざまな面で失敗や挫折はつきものです。ですが、何事も失敗から学んで成功につながっています。「失敗は成長の機会」と捉えて、落ち込んでしまう気持ちを転換させていきましょう。

何かに批判されたとき

批判的な意見は、それだけに注意が向いてしまうと物事の本質から遠のいてしまいます。本来注意しなければいけなかったことからズレてしまうので、まずは批判を冷静に受け止め、あくまで異なる視点からの意見と捉えていきましょう。

新しいトライに対して不安なとき

異動や転職、やったことのない仕事など、新しい挑戦には不安がつきものです。そんな時は「新しい挑戦をした後の自分」を想像してみましょう。違う経験は、成長を加速させます。成長のチャンスと捉えることで、新しいトライに対してもポジティブな状態で臨むことができますよ。

 

07リフレーミングを向上させるSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級8,000本以上の講座数
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リフレーミングに関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、リフレーミングに関する授業を紹介いたします。

長所を見つけ自信をつける

この授業では、アドラー心理学の専門家である平本先生から、目の前の出来事に対する解釈の方法を教えて頂きます。題材として自身の長所を見つけることをとり上げ、リフレーミングを実践します。

 
  • 米国アドラー大学院修士号 講師/講演家/メンタルコーチ

    日本人では数少ない「米国アドラー大学院修士号」取得者。東京大学大学院修士(専門は臨床心理)。病院での心理カウンセラーや、福祉系専門学校の心理学講師を歴任。1995年 阪神淡路大震災で両親を亡くしたことを機に、一念発起して渡米。アドラー心理学をベースに600種類以上の心理学やボディワーク、瞑想を習得後、数々の手法を統合。アメリカでは、小学校や州立刑務所、精神科デイケアなどに、コーチングを初めて導入した。2001年 ニューヨークテロ直後、日本に帰国。北京オリンピック金メダリスト、メジャーリーガーなどのトップアスリートや有名俳優、上場企業経営者をコーチング。産業、医療福祉、教育、政治、芸能など各業界のリーダーや、起業家もサポート。「現場変革リーダー養成コース」を主宰。

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08まとめ

仕事をするうえでは、失敗や挫折を味わったり、思うような結果が出せずに落ち込んでしまったりするものです。その際にリフレーミングによっていち早く気持ちを切り替えられれば、次の仕事へのモチベーションを高く維持できて業務パフォーマンスも向上します。 リフレーミングは高度な知識が必要であるため、専門の外部講師に依頼してリフレーミングの正しいメソッドを学んでみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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