公開日:2022/09/30
更新日:2024/06/24

TOWS分析とは?読み方からSWOT分析との違い、活用事例まで解説

TOWS分析とは?読み方からSWOT分析との違い、活用事例まで解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

この記事では、TOWS分析のやり方、SWOT分析との違い、活用事例まで紹介します。 TOWS分析を知りたい、 TOWS分析やSWOT分析との違いを知りたい、 TOWS分析の活用事例を知りたい、 このように、TOWS分析について知りたい方はぜひ最後までお読みください。

 

01TOWS分析(クロスSWOT分析)とは?

TOWS(トゥーズ)分析とは、クロスSWOT分析とも呼ばれ、SWOT分析の発展型です。SWOT分析で可視化した要素をかけ合わせることで、より具体的な経営戦略、マーケティング戦略を策定するためのフレームワークです。 以下の4つの要素を抽出・分析することで、SWOT分析をより発展させたフレームワークとなっています。

  • 1.機会(Opportunity)×強み(Strength)
  • 2.機会(Opportunity)×弱み(Weakness)
  • 3.脅威(Threat)×強み(Strength)
  • 4.脅威(Threat)×弱み(Weakness)

それぞれ具体的にみていきましょう。

TOWS分析の要素1.機会(Opportunity)×強み(Strength)

機会 × 強みの要素では、自社の強みを活かして、機会を拡大・最大化する戦略を検討します。機会と強みは、企業の利益に直結する要素です。 自社の製品・サービスの強みを考えながら、どのように機会と掛け合わせるのか検討しましょう。ポイントは、いかに無駄を省き、最適な戦略を組み立てるかです。

TOWS分析の要素2.機会(Opportunity)×弱み(Weakness)

機会 × 弱みの要素では、機会を利用して自社の弱みを補完してする戦略を検討します。機会 × 強みとは反対に、自社の弱い部分を抜き出していくことで改善策を検討・実施します。 加えて、上手く実施できれば、弱みを強みに転化することも可能なので、目を背けずに注力しましょう。

TOWS分析の要素3.脅威(Threat)×強み(Strength)

脅威 × 強みの要素では、自社の強みを活かして、脅威に対処する戦略を検討します。脅威と強み両方の要素を抽出・分析することで、自社の強みを認識できるだけでなく、競合他社の実情や特徴を把握可能です。脅威を機会に転化できないかも合わせて検討しましょう。

TOWS分析の要素4.脅威(Threat)×弱み(Weakness)

脅威 × 弱みの要素では、自社の弱みを補完して、脅威を最小化する戦略を検討します。企業は採算部門と不採算部門を認識し、時には撤退などの処置を施す必要があります。負債を抱えている部門があれば、この分析を通して、今後の収益性を確認しましょう。もし脅威を最小化できないと判断した場合、撤退を選択しなければなりません。

 

02TOWS分析とSWOT分析の違い

TOWS分析とSWOT分析の違いは、以下の2つです。

  • ・構成する要素
  • ・分析の順番

まず、TOWS分析とSWOT分析では、構成されている要素が異なります。それぞれの要素は、以下のとおりです。

  • TOWS分析:1.機会×強み、2.機会×弱み、3.脅威×強み、4.脅威×弱み
  • SWOT分析:1.強み、2.弱み、3.機会、4.脅威

どちらも強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4つの要素を元にしたフレームワークですが、焦点を当てる要素が異なります。また、分析の順番も以下のとおり異なります。

  • TOWS分析:T→O→W→S
  • SWOT分析:S→W→O→T

SWOT分析は、内部環境を起点として外部環境を調べます。そのため、現状の確認と維持に陥りがちです。 一方で、環境変化が激しい現代は、先に外部環境を分析することで問題点を明確化することが重要です。問題点を把握し、どのように自社の強みを活かして改善するか検討できるTOWS分析の方が、現代は適しているという意見が増えています。

 

03TOWS分析の目的

TOWS分析は、自社にとって将来的に有効な経営戦略・事業戦略の策定を行うことを目的に行います。自社を取り巻く外部環境(機会・脅威)を内部環境(強み・弱み)を活かしてどのように拡大・縮小させ、有効な事業を創造するかを検討しましょう。

 

04TOWS分析を企業が活用するポイント

TOWS分析を企業が活用する際のポイントは、以下の3つです。

  • ・目的を明確にする
  • ・自社・他社の情報を正しく把握する
  • ・正しい分析方法を実施する

それぞれ解説します。

目的を明確にする

まずは、TOWS分析を行う目的を明確にしましょう。目的があいまいだと、抽出する要素にばらつきが生まれ、分析の精度が下がってしまいます。目的は前述のとおり「将来的に有効な経営戦略・事業戦略の策定」ですが、企業や業界によってさまざまです。

  • 新規ビジネスの立ち上げ
  • 既存ビジネスの見直し
  • 競合他社分析

具体的に検討している事業があれば、それが本当に利益を上げることができるのか確認するためにも、TOWS分析は活用できます。また、これらの他にも目的は無数にあります。何を目的にTOWS分析を行うのか明確にしてから着手しましょう。

自社・他社の情報を正しく把握する

自社・他社の情報は正しく把握しましょう。誤った情報を元に分析しても、自社にとって効果的な分析はできず、有効な改善策は生まれません。ECサイトを運営している雑貨店Aを例に考えてみます。

  • 1.雑貨店Aは「ECサイト経由の売り上げを昨年度の1.5倍にしたい」という目標を持っていた。
  • 2.自社と競合他社を比較し、自社の弱みは「取扱製品の少なさ」にあると判断し、新製品の開発・仕入れ先を増やした。
  • 3.しかし、実際は製品ラインナップに問題はなく、ECサイトの使い勝手に問題があることが顧客へのアンケート調査で判明した。

このように、自社の弱みを見誤って施策を実施したケースは少なくありません。まずは、正しく自社・他社の情報を把握し抽出しましょう。 ポイントは、担当者1人で行わずに、さまざまな視点を持った人を集めて議論することです。経営者だけでなく、営業、生産工場の技術者、経理など、目的に合わせて幅広い役職者を巻き込んで議論するのが良いでしょう。 また、上記のようにアンケート調査などといった、顧客の潜在的ニーズを把握するための施策をあらかじめ実施することもおすすめです。

正しい分析を実施する

正しい分析の実施も重要です。要素を正しく抽出できていても、分析方法が誤っていては、せっかく集めた情報も無駄になってしまいます。次に、TOWS分析の書き方や分析のやり方を紹介します。

 

05TOWS分析のやり方・書き方

TOWS分析は、以下の手順で行います。

  • 1.事前準備をする
  • 2.外部環境(機会・脅威)を洗い出す
  • 3.内部環境(強み・弱み)を洗い出す
  • 4.SWOT分析表を作る
  • 5.クロスSWOT分析を行う

ひとつずつ解説します。

1.事前準備をする

まずは、事前準備です。具体的には、分析に取り掛かる前に以下を実施しましょう。

  • ・分析の目的を明確にする
  • ・自社の現状を把握する
  • ・競合他社・業界の現状を把握する
  • ・自社の商品・サービスが選ばれている理由を把握する

次のフェーズで外部環境を洗い出しますが、正確な要素を洗い出すために、事前に準備を行いましょう。

2.外部環境(機会・脅威)を洗い出す

次に、外部環境を洗い出します。内部環境は、外部環境に影響される可能性があるため、まずは外部環境からの洗い出しがおすすめです。実店舗を構える雑貨店を例に、機会と脅威を説明します。 まずは機会は、以下のようなものが該当します。

  • ・扱っている雑貨がInstagramで注目を集めている
  • ・おしゃれ雑貨を使ったインテリアが流行している
  • ・近隣に競合となる雑貨店がない
  • ・駅近で人通りが多い立地

一方で、脅威は以下のようなものです。

  • ・雑貨をネットでレンタルできるサービスが流行している
  • ・近々、競合他社が近くの商業施設に出店する予定
  • ・ミニマリストがトレンドになっている

3.内部環境(強み・弱み)を洗い出す

外部環境を洗い出したら、次は内部環境(強み・弱み)です。同じく雑貨店を例に、強みと弱みを抽出します。まずは強みです。

  • ・ECサイト経由でも売り上げが見込める
  • ・和風から北欧まで、幅広いジャンルを扱っている
  • ・安価な価格帯

対して弱みは以下のようなものが該当します。

  • ・従業員が少なくきめ細かな接客ができていない
  • ・高級志向の商品がない
  • ・特定のジャンルに強みを持っているわけではない

4.SWOT分析表を作る

強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4つの要素が抽出できたら、SWOT分析表を作成しましょう。作り方は、以下のとおりです。

  • 1.1枚の紙に十字線を入れて4つの部屋を作る
  • 2.横軸は左から「プラス要因」と「マイナス要因」、縦軸は上から 「内部要因」、「外部要因」とする
  • 3.このとき、左上が「強み」、右上が「弱み」、左下が「機会」、右上が「脅威」となる
  • 4.各部屋に箇条書きで要素を記入する

5.TOWS分析(クロスSWOT分析)を行う

SWOT分析表が完成したら、最後にTOWS分析(クロスSWOT分析)を行いましょう。 抽出した各要素を「機会×強み」、「機会×弱み」、「脅威×強み」、「脅威×弱み」の観点からもう一度分析します。書き方は、以下のとおりです。

  • 1枚の紙に十字線を入れて4つの部屋を作る。
  • 横軸を左から「強み」、「弱み」、縦軸を上から「機会」、「脅威」とする。
  • 各部屋に箇条書きで掛け合わせた要素を記入する。

SWOT分析で終わらずに、各要素を掛け合わせたTOWS分析(クロスSWOT分析)を行うことで、より効果的かつ具体的な戦略を検討できます。

 

06TOWS分析の活用事例

雑貨店を例に、実際にTOWS分析を行なった活用事例を紹介します。

TOWS分析の活用事例

上記のように、強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の要素をまずは書き出し、それぞれを掛け合わせた戦略を書き出していきます。 A4用紙1枚で手軽に始められるので、思考の整理にも役立ててみてはいかがでしょうか。

 

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08TOWS分析のまとめ

今回は、TOWS分析の概要からやり方、SWOT分析との違いについて解説しました。TOWS分析は、SWOT分析をより発展させたフレームワークです。SWOT分析をやってみたけど、具体的な戦略を作れていない、より具体的な施策を検討したいという方は、ぜひ実践してみてください。いきなりSWOT分析はハードルが高いという方は、SWOT分析から行いましょう。

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