CSFとは? 経営目標達成のためKPIのツリー構造を役立てて成功させる方法とは

企業の経営目標を達成することは難しいことですが、そんな時にCSFが重要視されています。CSFとは何なのか、またCSFとKPIを適切に設定することで経営目標達成をすることができる方法について見ていきます。
- 01.CSF(重要成功要因)とは?
- 02.KPIのツリー構造からKPI・KGI・CSFを解説
- 03.CSF には5つのタイプがある
- 04.CSFの決め方の手順
- 05.CSFを成功に導くためのポイント
- 06.目標管理力を向上させるSchooのオンライン研修
- 07.まとめ
01CSF(重要成功要因)とは?
CSFとは「Critical Success Factor」の頭文字を取っていて「重要成功要因」という意味の言葉です。経営目標を達成するために重要な影響を及ぼす要因を表します。
経営目標を達成するためには、きちんと「CSF(重要成功要因)」を洗い出して資源投下をしていく必要があるでしょう。例えば、業績を上げる経営目標のためには、「ブランド価値を高める」などという「CSF(重要成功要因)」を設定します。
「CSF(重要成功要因)」を決めておくことで、目標達成度の指標になるのがいい点です。
02KPIのツリー構造からKPI・KGI・CSFを解説
そして、企業の経営目標を達成するためには、「CSF(重要成功要因)」だけでなく「KPI(重要業績評価指標)」も適切に設定する必要があることも知っておいてください。 CSF は具体的なものではなく全体的な戦略目標となるため、具体的にこれを実現するための定量的な「KPI(重要業績評価指標)」を設定することが必要です。
これらはKGI達成のためのKPIツリー構造と言われるものです。KGI、CSF、KPIの3つが経営目標を達成するための階層構造となっているため、次に詳しくご紹介します。
KPI(重要業績評価指標)とは
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、より具体的な日々の行動指針を示すもので「重要業績評価指標」と訳されます。
例えば「CSF(重要成功要因)」を「ブランド価値を高める」と設定した場合、それをいつまで達成すべきなのか、達成する方法などを具体的に設定するのが「KPI(重要業績評価指標)」です。 KPIによって業績の具体的な状況を把握し、定量的に状況測定ができるのでおすすめです。
KGI(重要目標達成指標)とは
そして、KGIとは、「Key Goal Indicator」の略で「重要目標達成指標」のことです。企業が最終的に最重要に掲げる経営目標を定量的に評価する指標です。
そして、指標ですので具体的な数値目標にするのが特徴と言えます。例えば「業界でのブランドシェア率30%」などという数値目標を掲げるのが特徴です。
KPIのツリー構造
KGIを重要目標とし、その下にCSF、KPIがあるという3層構造がKPIのツリー構造です。
例えば次のようなKPIのツリー構造があります。
- ・KGIで「売上20%アップ」
- ・CSFで「ブランド力を上げる」
- ・KPIで「2年で商品知名度、顧客リピーター率の倍増を図る」
というツリー構造を設定します。経営目標が達成されるように具体的な指標の「KGI(重要目標達成指標)」の達成を目指していく構造となっています。
KPIのツリー構造の導入方法
そして、このKPIのツリー構造をどう導入していくのかについても知っておくといいでしょう。次の手順を踏むのがおすすめの方法です。
1.KGIを設定する
KPIのツリー構造を活用して経営目標を達成していくには、まず目標となる「KGI(重要目標達成指標)」の設定が大事です。目標となる具体的な数値目標を設定しましょう。
例えば「今期の採用人数10名」という目標などを設定します。
2.目標達成に必要な要素を分解しCSFを設定する
そして、次に目標達成のために必要な要素を分解していきます。目標のためにどんなことが必要なのか、「CSF(重要成功要因)」を洗い出して設定します。
例えば「面接人数と内定率を上げることが必要」というCSFを設定します。
3.目標達成までのプロセス、成果を測る指標KPIを設定する
そして、目標達成までのプロセスとしてどういう方法で何をしたらいいのか、具体的な日々の行動指針「KPI(重要業績評価指標)」を検討します。
例えば「1ヶ月でオンライン面接人数100名」などというKPIを設定します。
03CSF には5つのタイプがある
CSFを設定する際には、どのような要素を考えて設定すればいいのでしょうか。
「CSF(重要成功要因)」は次の5つのタイプに分けられるため、下記に沿って考えてみるといいでしょう。
- 1. 業界に関連した重要成功要因のCSF
- 2. 競合に関する重要成功要因のCSF
- 3. 一時的な重要成功要因のCSF
- 4. 環境的な重要成功要因のCSF
- 5. 管理職に関わる重要成功要因のCSF
1. 業界に関連した重要成功要因のCSF
経営目標を達成するためには、積極的に業界の動向を分析し、予測する必要があります。
例えば、最近で言えば「SDGsを考えた製造過程にすることで他の業者と差別化を図って、企業のイメージアップを行う」「業界で一番の徹底したカスタマーサービスを行う」などの業界の動向を考えた「CSF(重要成功要因)」を設定するのもいい方法です。
2. 競合に関する重要成功要因のCSF
また、経営目標が達成できるかどうかは競合他社によっても変わります。競合他社と比較して「CSF(重要成功要因)」を考えるのも一つの方法です。
例えば、「より健康的なイメージのブランドとしての認知度を上げる」など、他社と比較しながら顧客層を絞った重要成功要因を設定するのもいいでしょう。
3. 一時的な重要成功要因のCSF
また、一時的な重要成功要因もあります。要因を特定して想定しておくことで、経営目標を達成できるでしょう。
例えば「コロナ禍の新しいビジネスモデルを展開し、一時的に人員配置を変更する」など、一時的な要因を設定することもあるでしょう。
4. 環境的な重要成功要因のCSF
また環境的な重要成功要因もあるため、積極的に要因を特定して設定することが重要です。
例えば「円安による経済不況のため経営目標を変更する」「材料の輸入商品の値上げによる商品ラインナップを変更する」などと環境要因をしっかり分析した「CSF(重要成功要因)」を設定することも大切です。
5. 管理職に関わる重要成功要因のCSF
また、経営目標達成の「CSF(重要成功要因)」としては、管理職について考えなければならないこともあります。管理職のスキルアップを通じて目標達成ができるように考えることもあるでしょう。
例えば、「管理職の人数を変更する」「チーム全体のリスク管理プロセスを導入して管理職のリスク管理を軽減する」などを設定することもあります。
04CSFの決め方の手順
次にCSFの具体的な決め方についてご紹介します。次の手順を踏んで行うのがおすすめです。経営目標を達成するためのCSFであり、まずきちんとした現状分析に基づいていることが重要と言えるでしょう。
そして、次の3つの手順を大事に、CSFを決めていくことで目標を達成し、成功もしやすくなります。
1.現状分析をSWOT分析で行う
まず、しっかりと現状分析をしてCSFを設定します。業界や環境的な要因によりCSFを設定することも多くなるため、現状分析が重要です。
そこで、企業を取り巻く外部環境や内部環境を自社の「強み・弱み・機会・脅威」で分けるのがSWOT分析です。SWOT分析を活用してCSFをまず設定してみるのがおすすめです。そのことによって、経営目標達成の成功率が高まります。
2.KJ法で問題解決策を探る
次にCSFをKJ法を活用して設定するのもいい方法です。KJ法とは、たくさんの情報の本質や問題解決のためグルーピングやラベリング、図解、文章化して考えていく方法です。
これによってCSFを見つけやすくなり、経営目標を達成するための要因、CSFを創造的に考えてみることができるでしょう。
3.いくつかのCSFから絞り込む
そして、いくつかのCSFを見つけたら、そこから絞り込んでいくことが大切です。最も効果的なCSFに絞り込んでいきます。自社を取り巻く要因をSWOT分析やKJ法で見つけながら、そこから最も有効なCSFを設定していきます。
05CSFを成功に導くためのポイント
また、「CSF(重要成功要因)」を設定して達成するためには、目標管理ツールを使うことも大切です。目標管理ツールを使うことで、「CSF(重要成功要因)」や「KPI(重要業績評価指標)」などの進捗状況を多くの人が把握できるようになるためおすすめです。
「CSF(重要成功要因)」や「KPI(重要業績評価指標)」をせっかく設定しても、その進捗状況を多くの社員がリアルタイムで把握できなければ、なかなか進んでいかないでしょう。組織の目標を追跡して、管理する目標管理システムをセットアップするのがいい方法です。
06目標管理力を向上させるSchooのオンライン研修
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株式会社SmartHR プロダクトマネージャー
株式会社SmartHR「従業員サーベイ」プロダクトマネージャー。上級ウェブ解析士。これまではメーカー系SI企業のグループ会社にて広告系のデータ分析、AI系プロダクトのプロダクトオーナーを経験。現在は企業従業員のエンゲージメントを計測できる「従業員サーベイ」の開発に従事。データとコミュニケーションが興味分野。
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目標設定と管理への基礎理解
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㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO
秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。
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07まとめ
「CSF(重要成功要因)」とは何かについてご紹介しました。経営目標達成のため、KPIのツリー構造で考える場合に、大事な「CSF(重要成功要因)」です。
「CSF(重要成功要因)」は具体的な内容は含みませんが、自社を取り巻く様々な外部環境・内部環境を分析したり、問題の本質を創造的に考えたりして設定されるものです。様々な種類の「CSF(重要成功要因)」があり、いろいろな「CSF(重要成功要因)」を設定することができるため、それぞれの企業の経営目標に応じたものをきちんと設定するといいでしょう。
そして、「CSF(重要成功要因)」を設定したら、具体的な行動指針「KPI(重要業績評価指標)」を作成して評価することが重要なことです。そうすることで、実際に経営目標と現実の隔たりを分析することができます。それによって、次の戦略を考えることができるため、とてもおすすめの方法と言えるでしょう。