公開日:2022/10/07
更新日:2022/11/17

KGIとは?KPI・KSFとの違いや設定する際のポイントについて解説する

KGIとは?KPI・KSFとの違いや設定する際のポイントについて解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

達成指標」と訳される目標指標のことを指します。企業の目標指標にはKGIやKPI、KSFなどがありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。本記事では、KGIの具体的な定義やそのポイント、設定する際のポイントについて解説します。

 

01KGIとは

KGIとは、Key Goal Indicatorの略称のことで、日本語では「重要目標達成指標」や「経営目標達成指標」と訳されます。企業の経営戦略やビジネス事業、プロジェクト等を達成するために定められる目標を定量的に評価するための指標のことです。

例えば、「新規契約数100人」という最終目的があるとします。それを達成するために、契約までに必要な母数である「新規会員登録数10,000人の達成が必要」というような定量的な目標を定めます。これがKGIにあたるものです。

KPIとKGIの違いについて

KPIとは、Key Performance Indicatorsの略称のことで、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。最終目的を達成するためのプロセスが順調に達成しているかを評価するための指標となっています。先程と同じく、「新規契約数100人」という最終目的があるとします。それを達成するための中間的な指標として「直近一か月間の新規会員登録数5,000人」といったような目標を定めたとします。これがKPIにあたるものであり、KGIに示したような目標とは少々異なっています。

KGIが先ほど述べたように最終的な目標に対しての指標である一方、KPIは目標達成に向けて設定される各プロセスを評価する指標となっています。つまり、KPIは目標を達成するための「過程」であり、KGIは「ゴール」であるという違いがあります。

KSFとの違いとは

KSFとは、Key Success Factorの略称のことで、日本語では「重要成功要因」と訳されます。経営戦略や事業を成功へと導くための要因のことです。KSFは事業成功の大要因であり、KPIは目標達成のための重要なプロセスについて具体的な指標を定めたものであるため、KPIはKSFを数値的にとらえた指標という見方をすることができます。

 

02KGIを定めるメリットとは

KGIを適切に定めることによって、得られる利点はいくつも存在しています。反対に、KGIが定められていなかったことによって後々不具合が生じてしまうケースも少なくありません。実際にKGIを定める3つのメリットについて解説します。

  • 1.会社の目指す方向性や意図を社員が理解できる
  • 2.事業の目標やプロジェクトの進捗が明確化される
  • 3.仕事を達成する上での意欲を保つことができる

1.会社の目指す方向性や意図を社員が理解できる

目標が明確でなければ、社員は自分が属する会社がどのような方向に発展していきたいのか、何に力を入れたいと考えているのかが分かりません。それは会社や役員に対して不安を抱いたり、仕事に対するモチベーションの低下に繋がったりすることもあるでしょう。明確な目標を定め社員に周知させることで、社員一人一人が適切な意識をもって仕事に取り組めるようになり信頼感の向上にもつながるでしょう。

2.事業の目標やプロジェクトの進捗が明確化される

最終的な目標やそれを達成するために定められるプロセスがなければ、今やっている作業はスケジュールに間に合っているのか、全体の作業のどのような部分に影響を与えるのかが分かりません。全体のスケジュールより遅れていたりプロジェクトの進捗が今一つであったりしたとしても、その状況を適切に把握することができないでしょう。KGIが設定されていると、進捗が明確に示されていることで初めて取り組むメンバーの理解が可能となります。

3.仕事を達成する上での意欲を保つことができる

目標やプロセスを評価する指標が明確になっていると、進むべき方向性が明確になるだけでなく、関係者が達成状況を客観的に理解できます。それらが不明瞭であると、周りが見えない状況で闇雲に進んでいるかのような状態になってしまい、行動の改善も難しくなり意欲の維持にも支障が出ます。方向性が明確になり、その達成度や進捗を終える方が取り組むメンバーのモチベーションは高く、事業の成長スピードにも違いが生じてきます。

 

03KGIを決定する際に活用するSMARTの法則とは

SMARTの法則とは、簡単に言うと目標の定め方のことです。下記の5つの頭文字を取った言葉で構成されています。

  • 1.確実的:Specific
  • 2.計測的:Measurable
  • 3.事実的:Achievable
  • 4.関連的:Relevant
  • 5.限定的:Time-bound

これら5つの要素に沿って目標を設定していくことによって、人材の高いモチベーションを維持することができ、成功の確率が高まると言われています。KGIの設定にも有効な5つの要素について解説します。

1.確実的:Specific

目標は具体的であり、確実に達成していくことが可能である必要があります。目標が抽象的では、それに付随する行動も抽象的になってしまいます。目標達成と関係ない行動を行ってしまったり、意図が適切に把握できていなかったために間違った方向に進んでしまったりしてしまいます。抽象的過ぎるが故に万人に伝わらない目標を定めてしまっては意味がありません。具体的で確実に遂行できる目標を定めることによって、その目標の達成のために無駄なく効率よく正確に行動することができるようになります。

2.計測的:Measurable

定める目標は計測できる指標に基づいている必要があります。その理由は、常に状況を把握し、その場その場で適切な行動をとれるように目標を管理しておくためです。計測できない指標に基づいた目標の場合、最終段階と現状との相違点を埋めていくためにどのような行動をとる必要があるのかが分かりません。繰り返しアクションを行っていくためにも、より計量的な目標を設定し常に「目標に向けた行動ができたか」「目標達成に近づくことができたか」を確認することが重要です。

3.事実的:Achievable

より高いレベルの目標を定めることは良いことです。しかし、要求されるレベルが高すぎる目標を設定してしまうと、そもそも達成できないのでは、といった状況に陥ってしまいます。定めた目標にどう頑張っても届かないと分かってしまうと、モチベーションの低下に繋がることもあるでしょう。より高い結果を残すために現実性のない目標を設定してしまっては意味がありません。あくまで現状に基づき、達成できる可能性が十分あるような目標を設定することが重要です。

4.関連的:Relevant

「目標」を達成するために「手段」があるのであって、「目標」が「手段」になってしまっては意味がありません。その「目標」を達成するだけでなく、目標を達成することによってその後でどのようなことに繋がるのか、そもそも何のために目標達成を目指すのかを明確にしておく必要があります。目標は達成したけど結果その後の何にも繋がらなかった…なんて状況を避けるためにも、先を見据えた目標設定を行うことが重要です。

5.限定的:Time-bound

目標を達成するために用いることができる時間や資源は有限です。目標達成のためなら いくらでも時間を割いたり惜しみなく資金を割いたりすることはできません。加えて、目標達成に向けてだらだらと作業を行っていても、そのモチベーションを維持することはできません。時間や労力の多くを無駄にしてしまいます。限られた時間や資源を有効に活用していくことによって、集中してプロジェクトに取り組むことができるのです。そのため、目標を達成するための期限や制限を予め定めておくことが重要です。そうしておけば、一つ前の項目で重要であると述べた「先を見据えること」が可能となります。

 

04KGI・KPIとOKRの各利用シーンとは

会社の目標設定指標には、KPI、KGIだけでなくOKRなど様々なものがあります。これらのメリットや特徴を踏まえ、実際のビジネスシーンではどのような状況で用いるのが良いのでしょうか。よく比較されるKGI・KPIとOKRのそれぞれが最適なシーンを具体的に解説します。

KGIやKPIは部門ごとの目標設定・管理に適切

KPIやKGIは、部門ごとに目標を定めるときに向いている指標となっています。KPIやKGIは厳格な目標管理が可能となる一方で、外的要因の変化についていくことが難しいといった欠点があります。そのため、あまり外的要因に左右されることがない部門というくくりでKPIやKGIを用いることによって、適切に状況を管理していくことが可能となります。

OKRは会社全体の目標管理に最適

OKRとは、Objective and Key Resultの略称のことで、日本語では「目標と主要な結果」と訳されます。会社全体として目標を定めるときに向いている指標です。現在は様々な外的要因により会社を運営していく環境は目まぐるしく変化しています。 KPIやKGIを用いると現状を常に管理することが可能となりますが、その一方でそれらの環境の変化に柔軟に対応していくことが難しくなってしまう、といった問題が生じてしまいます。しかし、OKRは短期間ごとに見直していくことが一般的であるため、世の中の情勢の変化に適切に対応していくことも難しくありません。上層部の意思を会社全体で共有しつつ、あらゆる状況に柔軟に対応していくことができるため、様々な企業で導入されている手法となっています。

 

05目標管理力を向上させるSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

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目標管理力に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、目標管理力に関する授業を紹介いたします。

見るべき数値を特定できるKPI定義とその設定

本授業では、データ活用の基礎となる指標、KPI(key performance indicator:重要業績指標)の設計の方法と各種データの意味を考える授業です。 授業では、設計のコツだけでなく設計の際のアンチパターン(陥りやすい失敗)などもご紹介しKPI設定を深めていきます。

 
  • 株式会社SmartHR プロダクトマネージャー

    株式会社SmartHR「従業員サーベイ」プロダクトマネージャー。上級ウェブ解析士。これまではメーカー系SI企業のグループ会社にて広告系のデータ分析、AI系プロダクトのプロダクトオーナーを経験。現在は企業従業員のエンゲージメントを計測できる「従業員サーベイ」の開発に従事。データとコミュニケーションが興味分野。

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目標設定と管理への基礎理解

適切な目標設定とその管理はチームメンバーのモチベーションを維持、向上させるための原動力です。 そこで、この授業では適切な目標設定やその具体的な手法、フレームワークについて学びます。 講師には人材開発領域にてプロコーチとして活躍される大坂谷 勇輝氏(㈱MEXUS 代表コーチ/㈱LEBEN CAREER 代表取締役)をお迎えし、全4回にわたり授業を届けます。 この授業ではすぐにでも実践で生かせるコツや備えておくべき知識が学べます。

 
  • ㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO

    秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。

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06まとめ

KPI、KGI、OKRと経営やプロジェクトの進行に用いられる手法はいくつも存在していますが、各手法を用いる目的や各手法が持ち合わせている役割は大きく異なっています。 KPIやKGIは厳格な目標管理を行うことが可能なため、各種要因によって左右されることが少ない状況下では大きな効力を発揮することでしょう。

それに比べてOKRは、柔軟性を持っています。常に様々な要因を考慮して適切に舵を切っていく必要があるといった状況下では、KPIやKGIよりもこちらの手法の方が適しているでしょう。組織全体として同じ目標を共有することも可能です。 必ずしもどちらかの手法だけにとらわれる必要はありません。その場に応じて適切な手法を用い、目標達成に向けて努力していくことが重要であるのです。

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