公開日:2022/12/21
更新日:2023/02/01

アンゾフの成長マトリクスとは?4つの成長可能性や多角化戦略の方向性について解説

アンゾフの成長マトリクスとは?4つの成長可能性や多角化戦略の方向性について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

アンゾフの成長マトリクスは、事業の成長・拡大を図る際に用いられるマトリックスのことです。「売上の伸びがあまり良くない」「お客様のサービス継続率が低い」などの課題がある場合、市場の変化に合わせた販売戦略を考える上で有効です。本記事では、アンゾフの成長マトリクスの概要やメリット、さらに具体的なアクションについて紹介します。

 

01アンゾフの成長マトリクスとは?

アンゾフの成長マトリクスとは、事業の成長・拡大を分析する際に使われるマトリックスのことです。事業の成長を「製品」と「市場」の2軸に分け、その2軸をさらに「既存」と「新規」に分け4つのセクションで表した企業の成長戦略を見つけるために用いられます。

名前の由来は、イゴール・アンゾフ(1918-2002)という「戦略的経営の父」とも呼ばれるロシア系アメリカ人の経営学者が導き出したフレームワークだからです。このマトリックスは『競争優位の戦略(Competitive Advantage)』の著者であるマイケル・ポーター氏や『コア・コンピタンス経営(Core Competence)』の著者であるゲイリー・ハメル氏にも影響を与えたとも言われています。

 

02アンゾフの成長マトリクスを活用するメリット

世の中には様々なフレームワークや分析方法がありますが、アンゾフの成長マトリクスを使うことでどのようなメリットを得ることができるのでしょうか?大きく2つのメリットを解説していきます。

1.成長戦略を発見できる

近年は、円安などの経済的な動きや世界的な伝染病などビジネスに影響を与える外部環境の変化のスピードが早くなっているのが現状です。アンゾフの成長マトリクスを活用することで、複雑化する事業を分類・整理し、可視化させて有効な戦略を見つけることができます。しかし、一時的な活用になると時代の変化に対応できなくなる可能性があります。自社だけでなく、競合の動きや消費者のニーズの変化を考えて定期的に戦略を見直すことが大切です。

2.経営資源を効率的に利用できる

アンゾフの成長マトリクスを活用することで、参入する市場や開発する商品・サービスを考えて戦略を立案することができます。戦略を立てるだけでなく、実行するための費用や時間も気にしなければなりません。やみくもに戦略を立案するだけでは、労力をかけたにも関わらず思ったような成果を得られないという可能性もあります。参入コストがかかっても、長期的に見ると大きなシェアを獲得できるような有利な戦略を立てるためにはアンゾフの成長マトリクスは役に立ちます。

 

03アンゾフの成長マトリクスから導きだされる4つの戦略について

アンゾフの成長マトリクスは、自社の事業の成長を「製品」と「市場」の2軸に分け、その2軸をさらに「既存」と「新規」の4項目に分け、今後の取るべき方向性を導き出すことができます。戦略ごとの特徴について説明していきます。

1.市場浸透戦略(既存市場×既存製品)

「市場浸透戦略」は、すでに販売している商品やサービスをより浸透させたい時に使う戦略です。既存の市場が浸透するにつれ、競合他社が増えていきます。そのため、販売数の拡大が難しくなるため、「顧客の購買数を増やす」「顧客1人あたりの購入金額を上げる」「リピート顧客を増やす」のように、既存の商品やサービスの売上を拡大させる手法を取ることで、事業を成長させやすくします。

たとえば、化粧品を販売している企業が「特別な日に」と消費者にアピールしていたとします。それを、「毎日を特別な日に」と使用する頻度を上げるようにアピールし直せば、より多くの消費者に手に取ってもらいやすくなります。また、「サンプルを配布する」などの戦略を策定することで、顧客の新規開拓ができ、店舗の売上を伸ばしやすくなるでしょう。

2.新市場開拓戦略(新規市場×既存製品)

「新商品開発戦略」は、既にある市場に新商品や新サービスを打ち出す時に使う戦略です。 既存の商品に関連した新商品を開発したり、前回のモデルをグレードアップさせて販売したりすることで、既存顧客からの売上を増やします。そのため、既存顧客のニーズに合った商品を開発したり、競合と差別化ができている商品を開発することが重要となります。

スナックの開発事業を例とします。季節に沿った新たな味のスナックを発売したり、地域限定の商品を開発することで、スナックのブランドを知っている人や購入したことがある人から購入してもらえる可能性が上がり、売上をさらに伸ばせるでしょう。

3.新製品開発戦略(既存市場×新規製品)

「新市場開拓戦略」は、既存の商品やサービスを新たな市場に展開したいときに使う戦略です。海外進出をして販売する市場を拡大したり、ターゲットを変更して新たな顧客層に商品を販売したりします。新しく展開する市場に競合既にがいる場合は、商品力はもちろん、営業力・販売ネットワーク・会社が持つブランド力など「売る力」が勝負を左右することもあります。

例えば、「九州全域でラーメン店を展開していたが、東京に出店して九州の素材を使った料理を強みとして、より売上を上げる」「中高生をターゲットにしていた学習ツールをリスキングしたい層に内容を変更して販売する」といった戦略が考えられます。しかし魅力的な商品やサービスだとしても、市場のニーズが飽和すれば売上を伸ばすのは難しいのが現実です。新市場の開拓はリスクも伴いますが、市場のニーズや売上によっては大きな成果を出せる可能性が出せるため、自社の成長に一役を買う場合もあるでしょう。

4.多角化(新規市場×新規製品)

「多角化戦略」は、新たな市場で新商品・新サービスを販売したい場合に活用する戦略です。既に行っている事業の方法と、営業やマーケティング方法が異なる場合が多いです。企業にとっては新たな分野に挑戦することになります。

ただし、戦略や参入時期によっては想像したように収益を出せなかったり、お客さんの反応が創造と違う場合があります。多角化戦略を成功させるには、ゼロから事業を手がけるのではなく、企業が持つ強みを活かしたり、他社との差別化を図ったりすることが大切です。

 

04多角化戦略に使える4つの方向性

アンゾフの成長マトリクスは、4つの戦略から成り立っています。これらの戦略のうち、新市場を開拓する「多角化戦略」には次の4つのタイプがあります。近年VUCAと呼ばれる時代となり、シンプルなビジネスは淘汰されてしまう傾向があります。そのため、現在ある事業に加えて多角的に事業を広げていく事で不確実な将来に備える事ができます。4つのタイプについて詳しく解説していきます。

1.水平型多角化

水平多角化は、企業が手掛ける事業と同じ分野で新規事業を立ち上げる時に使う手法です。同じ分野で新規事業を行うことで、新規事業ではありますが、既存事業のノウハウを活かせるのが特長です。また、既にシェアを獲得しているほかの事業と掛け合わせることでより多くの顧客を獲得できるでしょう。具体的な事業例として、ジュースのメーカーがお茶を販売することが挙げられます。この手法は市場浸透戦略や新商品開発戦略と似ていますが、「新市場の開拓」を目的として取り組む事業に使いましょう。

2.垂直型多角化

垂直型多角化は、流通や販売で上流や下流の領域に事業を展開する時に使う手法です。そのため、具体的な手法としては、サプライヤーや顧客となる企業の買収などが該当します。例えば、卸売業を営む会社が仕入れ元の企業を買収し自社販売を開始するなどです。この手法は、水平型多角化とは違い上流や下流に新規事業を行うため、企業が持つノウハウを活かして商品やサービスをつくるのが難しくなります。しかし、独自の流通網を確立することや外部委託している部分を自社で対応するなど、既存事業と組み合わせることでコストを抑えることができます。そのため、長期的に見ると効率的な事業運営が可能になります。

3.集中型多角化

集中型多角化は、食品メーカーがバイオ事業に進出したり、酒造会社が化粧品の開発事業を手がけたりするなど、それぞれの事業に関連性がないように思えますが、企業が持つ独自の技術をほかの分野に応用して新規事業を行いたい時に使う手法です。すでに持っている経営資源を有効活用できるため、水平型多角化と似ていますが、既存事業とは異なる分野で新規事業を立ち上げているという違いがあります。集中型多角化は、企業が持つ強みを活用し新たな分野でイノベーションを起こす可能性があるので、日頃から既存技術を新たな事業に応用できないか考えておくことが大切です。

4.集成型多角化

集成型多角化は、既存商品や既存サービスとは関連性のない事業を立ち上げる際に使う手法です。これまで紹介した多角化戦略の中で一番リスクが高い戦略です。その理由として、自社のノウハウを活かすことも難しく、ノウハウがあまりないため、場合によっては参入に失敗し自社が受けるダメージが大きくなる場合があります。しかし、単一の事業を立ち上げるという視点から見るとリスクは高いものの、複数の事業を持つことでリスク分散が図れるというメリットがあります。企業全体のリスクを抑えつつさまざまな事業にチャレンジしたい場合は、挑戦すべき戦略です。

 

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06まとめ

既存事業や新規事業でより売上を伸ばしたい時に使うフレームワーク「アンゾフの成長マトリクス」は4つのセクションから成り立っています。本記事ではアンゾフの成長マトリクスの特徴やメリット、それぞれの戦略について紹介しました。今回の記事を参考に、自社サービスの売上アップを目指しましょう。

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