更新日:2025/05/28

マーケティングとは|種類やフレームワーク、勉強法を紹介

マーケティングとは|種類やフレームワーク、勉強法を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

マーケティングとは、「商品やサービスが売れるようにする一連のプロセス」です。顧客のニーズが多様化していることから、マーケティング活動が思うように進まない方も多いのではないでしょうか。当記事ではマーケティングの意味から、基礎的な手法や戦略を徹底解説します。

 

01マーケティングとは何か

マーケティングとは

Schooの講座「マーケティングとは何をやる仕事なのか?」では、マーケティングとは「本当に必要としている人」に対して、適切な製品やサービスを、適正な対価で、滞りなく届ける仕組みをつくることです。

重要なのは、生産者側の都合で売り込むのではなく、顧客の生活や幸福に貢献する形で自然に届く状態をつくることであり、ニーズに応える価値提供の流れを整えることがマーケティングの本質といえるでしょう。

  • 株式会社やさしいビジネスラボ 代表取締役

    経営学者/YouTuber。経済学博士(東京大学)。大阪大学経済学研究科准教授を経て独立。「アカデミーの力を社会に」をモットーに、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。専門は、イノベーション・マネジメント、経営戦略論。 主な著書に『ど素人でもわかる経営学の本』(翔泳社)『感染症時代の経営学』(千倉書房)『戦略硬直化のスパイラル』(有斐閣)など。
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日本マーケティング協会の定義(2024年)

日本マーケティング協会は2024年に定義を刷新し、「顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。」と表現しました。つまり、単なる企業利益ではなく、共創による成長がマーケティングの本質だとしています。

▶︎参考:公益社団法人 日本マーケティング協会

ピーター・ドラッカーの定義

ピーター・ドラッカーは「マーケティングの理想は、販売を不要にすること」と定義しています。これは、売り込みをしなくても顧客が自然と選ぶ状態をつくることがマーケティングのゴールであるという意味です。顧客のニーズや課題を事前に理解し、それに応じた商品やサービスを用意することで、販売行為そのものが最小限になることを目指しています。

フィリップ・コトラーの定義

マーケティングの第一人者フィリップ・コトラーは「マーケティングとは、ニーズを満たし利益を生み出す社会的・管理的プロセス」と定義しています。企業が自社の目的達成を目指すだけでなく、顧客との信頼関係を築きながら、継続的に価値を提供していくプロセスとして、マーケティングを経営の根幹と位置づけています。

 

02マーケティングとは何をする仕事なのか

マーケティングの基本サイクルプロセス

Schooの講座「マーケティングの基本プロセスと組織」では、マーケティング業務の基本として、リサーチ・ターゲットの選定・戦術策定・実施と検証という4つのサイクルを順に実行する重要性が紹介されています。

それぞれの工程が連動し、リサーチで得た情報をもとに顧客像を明確化し、戦術を組み立てて実行・検証を繰り返すことで、マーケティングの精度を高めていきます。

1:リサーチ・市場調査

最初に行うのはリサーチです。市場全体の動きや顧客の傾向を把握するために、必ず情報をインプットします。難しい統計データを集める必要はなく、現場の観察や顧客ヒアリングといった身近な手段での情報収集でも十分です。ここで得たインサイトが、その後のすべての判断材料になります。

2:ターゲットの選定

リサーチをもとに、自社の商品やサービスが「誰にとって価値があるのか」を明確にすることがターゲット選定です。見込み客を具体的に絞り込むことで、広告や価格、商品パッケージなどの方向性がぶれなくなります。誰に届けたいのかを誤ると、良い商品も売れなくなるため非常に重要なステップです。

3:マーケティング戦術策定

ターゲットが決まったら、次にその人たちに刺さる商品設計や価格設定、販路やプロモーション方法を考えます。ここでは、キャッチコピーや広告媒体など、どのように伝えるかも含めて設計します。ターゲットに響く「伝え方」をいかに磨けるかが成果を左右します。

4:実施と検証

戦術を実行したあとは、必ず結果を検証します。うまくいった部分はさらに強化し、失敗した点は、改善して再実行することが重要です。このプロセスを素早く繰り返すことが、マーケティング活動の質を高めていきます。全ての施策が成功するわけではないからこそ、振り返りと調整が欠かせません。

03マーケティングで活用されるフレームワーク

マーケティングで活用されるフレームワークは、以下の通りです。

  • 1:3C分析
  • 2:4P分析
  • 3:PEST分析
  • 4:SWOT分析

これらのフレームワークは、顧客や市場の理解から施策の立案・実行、そして環境の変化に対応するための戦略立案までを体系的に支えるツールです。それぞれの視点から現状を可視化することで、より効果的なマーケティング戦略を構築する土台となります。

ここでは、Schooの講座「マーケティング基礎」から、マーケティングに用いるフレームワークを紹介します。

1:3C分析

3C分析

3C分析とは、Company(自社)、Customer(顧客)、Competitor(競合)の3つの観点から、市場のターゲットを定める手法です。まず自社の強みや理念から「何ができるか」を明確にし、その後、顧客のニーズや市場のデータを分析して「誰に届けるべきか」を検討します。最後に、競合他社の動向を見極め、「どこにポジションを取るか」を判断します。この順序が重要であり、最初から競合を意識すると軸がぶれる恐れがあります。つまり、自社→顧客→競合の順に、段階的に検討することが、効果的なターゲティング戦略につながります。

2:4P分析

4P分析

4Pとは、Product(製品・サービス)、Price(価格)、Place(流通チャネル)、Promotion(販促・広報)の4つの要素を指します。これらは企業が顧客に対して提供できる価値の基本構成であり、それぞれをターゲットに応じて調整することが、戦略の実効性を高める鍵です。特に注意すべきは、4Pを検討する前に、誰をターゲットとするか(ペルソナ)を明確にすること。ターゲット像が曖昧なままでは、4Pの設計も曖昧となり、マーケティング活動が空回りしてしまう恐れがあります。

3:PEST分析

PEST分析とは、外部環境の変化をPolitical(政治的要因)、Economic(経済的要因)、Social(社会的要因)、Technological(技術的要因)の4つの視点から整理・分析するフレームワークです。市場環境は常に変化しており、企業が中長期的に成長するためには、こうしたマクロ環境の影響を見極め、柔軟に戦略を調整する必要があります。PEST分析を行うことで、業界全体に及ぼすリスクや機会を早期に把握し、より的確な意思決定につなげることができます。

4:SWOT分析

SWOT分析

SWOT分析とは、自社の内部環境(Strength:強み、Weakness:弱み)と外部環境(Opportunity:機会、Threat:脅威)を整理することで、現状を俯瞰し、今後の戦略立案に役立てる手法です。主観的な判断や希望的観測に陥ることなく、冷静かつバランスの取れた視点で課題と可能性を洗い出すことができる点が特徴です。特に「強みを活かし、脅威を回避する」戦略は、マーケティングのみならず経営全般にも応用可能です。

04マーケティング手法の種類

マーケティング手法の種類は、以下の通りです。

  • 1:マスマーケティング
  • 2:ダイレクトマーケティング
  • 3:インバウンドマーケティング
  • 4:CRMマーケティング
  • 5:Webマーケティング
  • 6:コンテンツマーケティング
  • 7:SNSマーケティング
  • 8:インフルエンサーマーケティング
  • 9:動画マーケティング

マーケティングの手法は、アプローチの違いや目的によって多様に分かれます。マス媒体を活用する手法から、顧客と双方向の関係を築くデジタル手法まで、それぞれに特化した目的とメリットがあります。適切な手法を選び、組み合わせることで、より効果的なマーケティング施策を展開できます。

1:マスマーケティング

マスマーケティングとは、新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアを活用し、不特定多数の大衆に対して一律のメッセージを届ける手法です。広範な認知獲得やブランドイメージの浸透を目的とする場合に効果的で、大手企業や全国展開を目指す商品・サービスに多く用いられます。ただし、ターゲットが限定されないため、広告費が高騰しやすく、費用対効果の面ではデジタル手法に比べて課題もあります。

2:ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングは、個別の顧客に対して直接アプローチする手法です。DM(ダイレクトメール)、メールマーケティング、電話営業などが代表例で、顧客の反応や行動を測定しやすい点が特徴です。ターゲットを明確に設定し、効果測定を通じて施策を最適化できるため、費用対効果の高いマーケティング手法として活用されています。近年では、個人情報の取り扱いに注意が求められています。

3:インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングとは、ユーザー自身に情報を探してもらい、自然な形で自社へ引き寄せる手法です。SEO対策、ブログ記事、ホワイトペーパーの提供などが代表的で、顧客のニーズに応える情報発信を通じて信頼を構築します。広告の押しつけ感が少ないため、エンゲージメントの高い見込み客を育成しやすいのが特徴です。中長期的な視点での集客とブランディングに向いています。

4:CRMマーケティング

CRMマーケティングは、顧客関係管理(Customer Relationship Management)を活用し、既存顧客との関係を深めていくマーケティング手法です。顧客の購買履歴や行動データをもとに、個別最適なコミュニケーションを行い、リピート率やLTV(顧客生涯価値)を向上させます。新規顧客獲得よりも効率が良いため、収益性の高い施策として注目されています。

5:Webマーケティング

Webマーケティングとは、インターネット上のあらゆるチャネルを活用して行うマーケティング活動を指します。サイト改善による検索エンジン対策(SEO)、リスティング広告、SNS広告、アフィリエイトなど、多様な施策を組み合わせて、ターゲット層へのアプローチを図ります。

リアルタイムでの効果測定や、改善が可能で、費用対効果の高いマーケティング展開が行えます。

6:コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって価値のある情報やコンテンツを提供することで、信頼関係を構築し、自社への関心を高める手法です。記事、動画、ホワイトペーパー、事例紹介など、目的に応じたコンテンツを通じて顧客の課題解決を支援します。

顧客との中長期的な関係性を築くことができ、インバウンド施策とも相性が良いとされています。

7:SNSマーケティング

SNSマーケティングとは、X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、TikTokなどのソーシャルネットワークサービスを活用して情報発信や顧客とのコミュニケーションを図る手法です。拡散性の高さやエンゲージメントの取りやすさが特徴で、ブランド認知やファンの獲得に効果的です。企業アカウントの運用だけでなく、ユーザー投稿を活用するUGC施策も注目されています。

8:インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングは、SNSなどで影響力を持つ個人(インフルエンサー)を起用して、商品やサービスを紹介・拡散してもらう手法です。フォロワーとの信頼関係が強いため、広告感が薄く、購買意欲を自然に刺激しやすい点が特徴です。ターゲット層に近いインフルエンサーの選定や、表現の自由度とのバランスが成功の鍵となります。

9:動画マーケティング

動画マーケティングは、動画コンテンツを用いて商品・サービスの魅力や使い方を伝える手法です。YouTubeやTikTok、Instagram Reelsなどのプラットフォームを活用し、視覚・聴覚を通じて情報を伝えることで、記憶に残りやすく、理解も促進されます。ブランディングから商品説明、カスタマーサポートまで幅広く活用されており、今後も需要が拡大すると見られています。

05マーケティングの勉強法

  • 1:YouTube
  • 2:書籍
  • 3:オンライン学習サービス

マーケティングの学習方法は、動画・書籍・オンライン講座と多様です。短時間で概略を把握できるYouTube、体系的な知識を得られる書籍、そして継続的に学べるオンライン学習など、それぞれに特長があります。自分の目的や生活スタイルに合った手段を選ぶことで、効果的にスキルを習得できます。

1:YouTube

YouTubeは無料でアクセスできる手軽な学習ツールとして、多くの人に利用されています。マーケティングの基本概念から最新トレンドまで、多様なコンテンツが揃っており、短時間で情報を得たい人にとって最適です。また、実際の企業事例や講師による図解付きの解説動画など、視覚的に理解しやすい形式が多く、初学者にもおすすめです。ただし情報の信頼性には注意が必要です。

2:書籍

書籍は、理論的な背景や体系的な知識を深く学びたい人に向いています。マーケティングの定番理論やケーススタディを含む書籍は、実務に活かせる知見が詰まっており、基礎固めや応用力を高める手段として有効です。特に、著名な専門家が執筆した書籍は信頼性が高く、長期的に活用できる資料となります。一方で、情報のアップデートが遅い点は補足が必要です。

3:オンライン学習サービス

オンライン学習サービスは、体系的なカリキュラムで段階的に学習を進められるのが特長です。動画とテストを組み合わせた形式で理解を深めやすく、通勤中やすきま時間を活用した学習も可能です。初心者から上級者まで幅広く対応しており、ビジネス現場に直結する実践的な内容も多く含まれています。


 

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07まとめ

マーケティングとは、商品やサービスが売れる仕組みをつくることであり、経営そのものであると言い換えることもできます。 どんなに魅力的な商品を作っていたとしても、届けるべき対象に届けることができなければ、商品は価値を発揮できません。 自社の商品をより必要としている多くの人に届けるためにも、マーケティング活動を強化していきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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