ソフトスキルとは?具体例やハードスキルとの違いについて解説
ソフトスキルは、どのような人材にも求められる能力であるといえますが、どうすれば高めることができるのでしょうか。本記事では、ソフトスキルとは、ソフトスキルの具体例、ハードスキルとの違い、ソフトスキルを高めるためのポイント、について解説していきます。
- 01.ソフトスキルとは
- 02.ソフトスキルとハードスキルの違い
- 03.ソフトスキルに注目が集まっている背景
- 04.ソフトスキルの一覧
- 05.社員のソフトスキルを鍛える方法
- 06.ソフトスキルを研修で育成|Schoo for Business
- 07.まとめ
01ソフトスキルとは
ソフトスキルとは、仕事を進める上でベースとなるスキルのことです。具体的にはコミュニケーションスキルや協調性、論理的思考力、創造性などが該当します。ソフトスキルに該当するスキルは全て明確には定まっていませんが、一般的には社会人としての基礎スキルなどが該当することが多いです。
仮に、高い専門スキルを有している人材であっても、ソフトスキルの欠如により実力が100%出せないということもあります。企業としては、社員のソフトスキルを育成し、個々が持つスキルを最大限発揮できるようにする必要があるでしょう。
ソフトスキルの重要性が高まっている理由
コミュニケーションスキルや協調性といったスキルは、どの時代でも重要性の高いものですが、近年は更に重要性が高まっていると言えます。近年はロボットや人工知能による業務の自働化が進んでいます。そのため、人間だからこそ出来るアイデアを創出する仕事や顧客とやり取りを行う仕事の重要性が高まっているといます。そういった業務をこなすには、ソフトスキルを高めないといけません。
また、昨今は終身雇用制度が崩壊し、転職することも一般化しています。そのため、1社に特化しすぎたスキルよりもどの会社でも共通して求められるソフトスキルの価値が固まっていることも理由として挙げられます。
02ソフトスキルとハードスキルの違い
ソフトスキルとハードスキルには、主に以下のような違いがあります。
- 1.「知識」よりも「経験」が重要になる
- 2.評価基準が曖昧になりがち
- 3.スキルの汎用性が高い
ソフトスキルは仕事の根底となる基礎的なスキルであるのに対し、ハードスキルは特定業務をこなすのに必要な専門スキルを指します。
1.「知識」よりも「経験」が重要になる
ソフトスキルは「知識」よりも「経験」が重要になります。ハードスキルは座学によって高めていくことができますが、ソフトスキルは実際に業務をこなさないと難しいです。例えば、実際にプロジェクトをまとめ上げた経験がないと、リーダーシップ力を高めるのは難しいです。部下への教育のポイントなどをいくら本を読んで学んでも、実践できるかどうかはまた別であり、座学では限界があると言えます。
2.評価基準が曖昧になりがち
ソフトスキルは評価基準が曖昧になりがちなのも特徴です。プログラミングなどのハードスキルの場合、資格の有無やペーパーテストなどで実力を図ることができます。ソフトスキルはその人が今どのレベルなのか判断することが難しいです。そのため、次は何が課題なのかも明らかにしにくいと言えます。
3.スキルの汎用性が高い
ソフトスキルはハードスキルに比べて汎用性が高いのも特徴です。ハードスキルの場合、転職して業務内容が変われば役に立たなくなってしまう場合も多くあります。また、時代の流れによって使い物になってしまうスキルもあるでしょう。ソフトスキルはいつの時代もどんな場所でも役立つため、転職してからも活かすことができます。
03ソフトスキルに注目が集まっている背景
ソフトスキルに注目が集まっている背景には、以下の3つの大きな要因が関係しています。
- ・テクノロジーの発展
- ・多様性の推進
- ・働き方の多様化
ソフトスキルは、以上の観点からこれからのビジネス環境で必要不可欠な要素としてますます注目されています。ここではそれぞれについて、具体的に解説していきます。
テクノロジーの発展
テクノロジーの急速な進化により、業務の多くが自動化され、AIやロボティクスが導入されるようになりました。その結果、従来の「ハードスキル」や技術的なスキルだけでは対応しきれない、新しい職場のニーズが生じています。例えば、問題解決能力、創造力、感情的なインテリジェンス(EQ)など、機械には再現できない「ソフトスキル」がより重要視されるようになっています。これらのスキルは、テクノロジーを補完し、変化に柔軟に対応する力として求められています。
多様性の推進
グローバル化の進展や、職場での多様性(Diversity)の推進が進むにつれ、異なる文化や背景を持つ人々と協力する能力が不可欠になっています。ソフトスキルの一つである「コミュニケーション能力」や「共感力」は、多様なメンバー間での効果的な協働を促進し、組織全体のパフォーマンスを向上させます。多様性の中で成功するには、異なる視点を受け入れ、理解し合う力が重要です。
働き方の多様化
リモートワークやフレックスタイムなど、働き方が多様化する中で、従来のオフィスワークの形態に依存せずに、自己管理能力や適応力がますます求められています。 特にリモートワークでは、直接の対面コミュニケーションが減少するため、オンラインでの効果的な意思疎通やチームワーク、自己動機付けが重要になります。これらの能力は、職場での信頼関係を築き、生産性を保つために欠かせません。
04ソフトスキルの一覧
ソフトスキルと一口に言っても様々な種類があります。ここでは代表的なソフトスキルを9つ紹介します。
- 1.コミュニケーション能力
- 2.問題解決能力
- 3.リーダーシップ
- 4.タイムマネジメント
- 5.創造性
- 6.学習意欲
- 7.EQ
- 8.チームワーク
- 9.自発性
1.コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は代表的なソフトスキルの1つと言えます。面接でもコミュニケーション能力の有無は必ずといって良いほど確認されるものです。相手の話を正確に理解するヒアリング能力や、自分の考えを正確に伝えられるプレゼン能力などは、ほとんどの仕事で求められるものです。また、対面のやり取りだけでなく、メールや電話、チャットツールでも円滑にコミュニケーションが取れる必要があります。
2.問題解決能力
問題解決能力とは、自分で課題を見つけてそれを解決する能力のことです。今行っている事業のどこに課題があるのか考えるのに、物事を道筋よく考えられる論理的思考力が必要になります。加えて、問題点を調べるために資料を読み込んだり詳しい方に質問したりするなど、情報収集力も求められるでしょう。
3.リーダーシップ
リーダーシップは、特に管理職やマネジメント職に必要とされるスキルの1つです。リーダーシップは統率力とも呼ばれ、チームや組織の目標を定め、その達成に向けてメンバーをけん引する力のことを指します。それを実現するには、目標を定め発信する力、メンバーと信頼関係を築く力、メンバーのモチベーションを上げスキルアップを実現させる力など、多方面のスキルが必要になります。
4.タイムマネジメント
与えられた時間を有効に活用するためには、タイムマネジメント能力が欠かせません。納期に間に合うように業務計画を立て、計画どおりに仕事をこなしていくことが求められます。時間がかかりそうな仕事は先に済ませたり、仕様が変更になる可能性のある仕事は後に回したり、というように柔軟に対応できることも重要でしょう。また、管理職になると自分だけでなく部下の業務の進捗も管理する必要があります。社員のタイムマネジメント力を高めることで、無駄な残業なども減らすことができ、働き方改革にも繋がると言えます。
5.創造性
創造性とは、これまでになかったアイデアを創出し、実現していくことです。創造性の高い社員は率先して新規プロジェクトに参加し、評価を高めていくことができます。社員の創造性を高めることで、イノベーションを起こすことにも繋がります。市場がレッドオーシャンになっていくとどうしても手詰まりになるため、イノベーションを起こして現状を打破することが必要になってきます。
6.学習意欲
学習意欲の高い社員は業務で必要な専門知識をいち早く身につけることが可能です。業務外でも積極的に学習することは重要です。例えば、仕事の質を向上させるためにビジネス本を読んだり、資格取得に向けて座学を行ったり、業務関連のニュースを収集しトレンドに敏感になれるようにしたり、などです。業務外で勉強することの大切さは、研修などを通じて社員に呼びかけていくことが重要でしょう。
7.EQ
EQとは心の知能指数のことです。EQが高いと他人の感情を把握したり、自分の感情を上手くコントロールしたりといったことができるようになります。EQの高い上司なら、部下のモチベーションが下がっているタイミングで的確に対処できます。また、業務で問題が発生した際もパニックにならず落ち着いて対処できるようになります。EQはIQとは違い生まれもっての才能で決まることはなく、日頃の業務を通じて育てることが可能です。
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【関連記事】EQの高い人の特徴とは? EQ(心の知能指数)を高める人材育成について解説
8.チームワーク
チームワークとは、異なるスキルや背景を持つメンバーが一緒に働き、共通の目標を達成するために協力する能力です。チームメンバーはお互いの強みを活かし、互いに補い合うことでより高い成果を上げることができます。そのため、個人の成功ではなく、チーム全体の成功を重視する姿勢が求められます。現代の職場では、多様なバックグラウンドを持つ人々が集まり、一つのプロジェクトや目標に向かって働くことが増えています。したがって、協力し合い、互いに理解し、共通の目標に向かって動くチームワークの能力が、組織の成功に直結しています。
9.自主性
自発性とは、指示や命令を待たずに、自ら進んで行動し、問題を解決したり、新しいアイデアを提案したりする姿勢のことです。特に、現代の働き方ではリモートワークやフレックスタイムなど、個人が自己管理をしながら仕事を進める状況が増えています。このような環境では、自発的に行動できることが信頼の構築や成果向上につながり、評価される場面が多くなります。
05社員のソフトスキルを鍛える方法
社員のソフトスキルを鍛える方法は、主に以下の4つが挙げられます。
- 1.研修の実施
- 2.管理職の育成スキルを向上
- 3.社内勉強会の開催
- 4.自律学習の環境整備
社員のソフトスキルを向上させるには、研修や勉強会、自律学習などさまざまな方法があります。以下で詳しく紹介します。
1.研修の実施
ソフトスキルを鍛える方法として、研修は多くの企業で利用されています。正しい知識や理論をまずはインプットしなければ、質の高いアウトプットができないからです。昨今では、eラーニングを活用したオンライン研修も普及しており、質の高いインプットを短時間で効率よく行う企業も増えています。
2.管理職の育成スキルを向上
社員のソフトスキルを鍛えるには、管理職の育成スキルを伸ばす必要もあります。主に、コーチング・フィードバックのスキルは重要です。マネジメント研修だけでなく、管理職同士での勉強会や相談の場を創るのも効果的です。
3.社内勉強会の開催
社内でソフトスキルについて学ぶ勉強会を開催するという方法もあります。研修のように強制的にインプットができるわけではないですが、勉強会を社員が主体的に実施するような文化を創ることができれば、学び続ける組織形成につながります。
4.自律学習の環境整備
社員が自発的に学ぶことのできる環境を整えることも、社員のソフトスキルを鍛えることに繋がります。書籍の購入制度を整えたり、オンライン学習サービスを導入したりすることで、意欲の高い社員に学習環境を提供しましょう。
06ソフトスキルを研修で育成|Schoo for Business
Schoo for Businessは、国内最大級8,500本以上の講座を保有しており、社員研修や自律学習の支援を通じて、学び続ける人材の育成、学び続ける組織づくりを支援しています。
導入企業数は4,000社以上。ソフトスキルに関する研修はもちろん、階層別研修からDX研修まで幅広い研修、自己啓発の支援ツールとしてもご利用いただいております。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 8,500本 ※2023年5月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
大企業から中小企業まで4,000社以上が導入
Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで4,000社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、IT人材育成もあれば階層別研修やDX研修としての利用、自律学習としての利用やキャリア開発の目的で導入いただくこともあります。
導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。
ソフトスキルに関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,500本以上の講座を取り揃えております。この章では、ソフトスキルに関する授業を紹介いたします。
本当に必要なビジネススキルとは
リクルートの住宅領域の新規事業であるスーモカウンター推進室室長時代に同事業を6年間で売上30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍にした立役者として活躍され、現在は株式会社中尾マネジメント研究所 代表取締役社長の中尾隆一郎さんに、著書『最高の成果を生み出すビジネススキル・プリンシプル』(フォレスト出版)をもとにお話いただき、受講生のみなさんと一緒にどう活用していけるのか考え・自分の力にできるよう習得できることを目指す1時間です。
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中尾マネジメント研究所 代表取締役社長
中尾マネジメント研究所 代表取締役社長 兼 LIFULL取締役、旅工房 取締役、博報堂フェロー、東京電力フロンティアパートナーズ 投資委員、LiNKX監査役。2019年中尾マネジメント研究所を、自律してマネジメントできる経営リーダを育成するために設立。仕事をするスタンスとして、世の中に役立つ会社の世の中に役立つテーマである事。そして当社が役立てる内容、形で、『気持ちの良い方々と一緒』にプロジェクトを進められる事を大事にしています。リクルートグループ29年間でIT会社社長、住宅領域での事業開発担当執行役員などを通じて事業執行、事業開発、管理会計、マーケティング、人材採用、組織創り、KPIなどのスキルを習得。著書として『最高の結果を出すKPIマネジメント』12刷。『「数字で考える」は武器になる』6刷など13冊。最新刊として『世界一シンプルな問題解決』を2022年2月19日発売。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
ムーンショットの学び方 -10倍成長のノウハウと働き方-
みなさんは「ムーンショット」や「10×」という言葉を聞いたことがありますか? 飛躍的な技術や発想で"月まで打ち上げる"かのようなイノベーションを起こす思考であり、働く態度とも言えるこの概念は、古くはスタートアップ界隈で、今では大企業でもよく耳にするようになりました。このムーンショット的な思考は、選ばれし経営者やイノベーターだけでなく、今後だれもが理解すべきものとなる時代に備え、どのようにムーンショットを体現すべきか、その学び方について学びましょう。
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株式会社Moonshot 代表取締役 CEO
これまでのBtoC、BtoB、大企業、スタートアップ、女性向け、男性向け、サービス、メーカーなど、あらゆる企業のコンサル、アドバイザーの経験を活かし企業の10倍成長を支援するアドバイザー業として2018/7/1にムーンショットを創業。(Twitter:@xxkenai )
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07まとめ
ソフトスキルはハードスキルと違い、客観的に評価するのが難しいのが特徴です。そこで360度評価を導入するなどして、評価の納得感を高めることが大切です。評価の納得感が高まれば、社員も率先してソフトスキルを磨こうと考えるようになるでしょう。