公開日:2020/10/30
更新日:2023/08/10

新入社員研修における目標設定のポイントと具体例を紹介

新入社員研修における目標設定のポイントと具体例を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

新入社員研修の目標設定は、社会人としてのスタートダッシュを切れるかどうかに大きく影響するといっても過言ではありません。 そこでこの記事では、新入社員研修での目標設定がなぜ必要なのか、そしてどのような目標を設定するのが良いのかを解説します。

 

01新入社員研修で目標設定が必要な2つの理由

社会人になりたての新入社員は今後成長していくためには何を学び、身に着けていくべきなのか明確にわかっていない人も少なくありません。そのために目標設定がより重要性を増します。また、その他に目標設定が必要とされる理由があるのでここで紹介します。

目標と現状の乖離からアクションプランを検討できる

新入社員研修で目標設定が必要な2つの理由

新入社員研修に目標がないとどのようになってしまうのでしょうか。新入社員は「何ができるようになったのか」「何ができないのか」といった、現状と課題を見つけることができません。自分の習熟度がわからないというのは、成長意欲が特に高い新入社員にとってモチベーションの低下に繋がる可能性も考えられます。あらかじめ目標を設定しておくことで、現状との乖離を把握でき、その乖離を埋めるために必要なアクションを検討することができます。

新入社員の主体性を発揮させる

目標がなければ、与えられたタスクをただこなすだけの指示待ち人間になってしまいかねません。特に新入社員研修では、企業側から社員に対して教えることが多くなってしまうので、新入社員はどうしても受け身の姿勢になりがちです。そのため、目標設定をすることで新入社員の主体性を発揮させる働きかけをする必要があります。目標は内容にもよりますが、達成するためにはそれなりの努力が必要となるため、その中で自分で考え行動する意識を芽生えさせることができるのです。

 

02新入社員研修の目標設定方法

新入社員研修に限らず研修の目標設定には、考え方のフレームワークがあります。この章では研修における目標設定の方法を紹介した上で、新入社員研修における目標設定の具体的な方法を紹介します。

カークパトリックの4段階評価モデル

ドナルド・カークパトリックの「4段階評価モデル」

カークパトリックモデルの4段階評価モデルとは、教育の効果を反応、学習、行動、結果の4段階で表したものです。研修の効果計測や目標設定は、このカークパトリックの4段階評価モデルを基にして設計する企業が多いです。

しかし、レベル4の業績で研修の効果測定をする企業はほとんどいません。その理由は、業績に関わる要因が研修効果だけでは無いからです。市場環境や社員のワークエンゲージメント・管理職のマネジメントなど様々な要因が絡み合い、業績に影響します。そのため、業績を研修の目標設定としてしまうと、本当は素晴らしい研修をしていたのに効果がないものと誤った判断をしてしまう可能性があるのです。

新入社員研修の目標設定は行動から考える

新入社員研修の目標設定は、まず行動から考えましょう。新入社員が研修終了後に、どのような行動ができるようになっていてほしいのかを考えることで、どのようなことを研修で学ぶ必要があるのかが自然と明確になります。そして、この新入社員がとるべき理想の行動が、そのまま新入社員研修の目標になるのです。

また、行動を考えることで目標設定が抽象的にならずに済むというメリットもあります。

「自律的に仕事に向かう新入社員を育成する」のような目標を掲げてしまうと、その目標を達成しているかどうかの判定が非常に難しくなります。自律的の定義が人によって異なるためです。具体的な行動で目標設定をしておくことで、どのような人が達成しているかどうかを判断しても等しい基準で評価をすることができます。

学習到達度はテスト・レポートが一般的

目標を行動で設定しても、その行動が現れるのは実務です。そのため、研修終了段階で学習到達度という中間目標も立てるのが一般的です。

また、行動目標を達成しているかどうかの判断は、現場の管理職やメンターの協力が必要になります。実際の業務で研修で学んだことが活かされているのかを、人事が自分の目で全て確かめるのは現実的ではないためです。

研修で学んだことを理解しているのか、テストやレポートで確認することで少なくとも研修で知識のインプットができていることを確認すると良いでしょう。

テストとレポートどちらが良いのか

テストとレポートのどちらで測定すべきかという悩みを持つ人も多いでしょう。研修の目標設定を行動変容で考えるのであれば、レポートで学習到達度を測定する方が良いです。

あくまでも研修の目標は、学んだことが業務に活かされるかどうかです。テストで学習到達度を測定してしまうと、テストのための研修となってしまう可能性が高く、実務に戻った際には忘れているということも想像に難くないでしょう。

そのため、「どのようなことを学んだのか」・「学んだことを実務でどのように活かすのか」をレポートで提出してもらうことで、自ら実務での活用イメージしてもらうことができます。この際に、実務での活用イメージが全く湧かないのであれば、人事や管理職がその学んだことを活かせるような業務(経験資源)を配分してあげる必要があります。


研修の組み立て方 ‐ 設計・実施・評価

この授業では、研修の設計から実施、評価までの一連の組み立て方について学ぶことができます。インストラクショナルデザイン(ID)をベースにした研修の組み立て方について、講師2名のデモンストレーション形式で解説しています。

 
  • サンライトヒューマンTDMC株式会社 代表取締役社長

    熊本大学大学院 教授システム学専攻 非常勤講師。製薬業界での営業、トレーニング部門を経て、起業。HPIやIDを軸とした企業内教育のコンサルティングやインストラクショナルデザイナー、インストラクターを育成する資格講座の運営を行っている。IDの実践方法を提供してきた会社は100社、4,000名を超える。 主な著書:『魔法の人材教育(改訂版)』(幻冬舎、2017年)、『ビジネスインストラクショナルデザイン』(中央経済社、2019年)

研修の組み立て方 ‐ 設計・実施・評価を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

 

03新入社員研修で目標設定をするときのポイント

新入社員研修に限らず、目標設定をする際には抑えておくべきポイントが2つあります。1つは、具体的で測定可能な目標にすること。もう1つは、達成可能な目標にすることです。この章では新入社員研修で目標設定をするときのポイントを詳しく紹介します。

具体的で測定可能な目標を設定する

目標は大まかに分けて測定が可能な定量的なものと抽象度が高い定性的なものが目標があります。前者は数字で達成進捗を確認できますが、問題は後者です。例えば、「社会人としてふさわしいビジネスマナーを身に着ける」ことを目標とする場合、どこまでいけば目標達成なのか明確ではありません。先輩や上司に対してか、社外に出ても問題ない程度なのか、解釈は人によって様々です。

そのため、もう一歩踏み込んで具体性をもたせ、定量的な指標で図れるような内容にすることが望ましいです。前述した例だと、「研修期間中に先輩や上司からビジネスマナーで受ける注意を0にする」であれば、よりわかりやすくなります。 あくまで一例ですが、あまりに抽象度の高い目標は振り返りの際に評価がしづらくなってしまうので、できる限りイメージしやすい内容にまで落とし込むことが重要です。

達成可能な目標を設定する

無理難題な目標の設定はモチベーションを低下させる要因となります。また、未達の目標ばかりになってしまうと、新入社員は社会人としての自信を喪失してしまいかねません。そのため、目標は現状では達成できないけれども、その後の努力によって達成が可能な内容が望ましいです。ただし、容易に達成できる目標ばかり設定してしまうと、目標以上に成長する意欲を削いでしまうことも考えられることに注意が必要です。

さらに達成難易度の高い目標も同時に設定するのも方法の一つ

ある目標に対して、さらにその上の難易度の目標も設定することも効果的です。つまり、一つの項目に対して目標を二つ設定するということです。前述した達成可能な目標は、あくまで「少し努力すればできる」という位置づけとし、チャレンジングな目標を追加することで、さらにスキルを磨くモチベーションが生まれやすくなります。易しい方の目標は研修期間中に達成することを目指してもらい、難易度の高い方は1年目のうちに達成するという設定の仕方でもよいでしょう。

 

04新入社員研修で設定する目標例

新入社員研修とひとえに言っても、研修内容は各社で異なります。しかし、一般的な新入社員の研修内容は以下のものが挙げられるでしょう。

  • 社会人としてのマインドセット
  • ビジネスマナー
  • ロジカルシンキング
  • ExcelやWordなどの基本的なPCスキル
  • コンプライアンス

この章では、上記のスキルそれぞれに対して新入社員研修の目標設定として、どのような具体例があるのかを紹介します。

マインドセットにおける目標設定の例

新入社員は社会人としての規則や規範もなく、中にはまだ学生気分が抜けていない人もいるでしょう。そのため、社会人としての心構えや組織で正しい振る舞いができるように、マインドセットをまずは身につける必要があるのです。

社会人としてのマインドセットの目標設定は以下が主な例となります。

  • 1.やむを得ない事情を除いて、遅刻をしない。遅刻をしてしまった場合は、上司にすぐ連絡をする。
  • 2.自責に物事を捉えて、他責な発言をしない。
  • 3.主体的に仕事に取り組み、手持ち無沙汰の際は自ら仕事を探す。

ビジネスマナーにおける目標設定の例

新入社員研修といえば、ビジネスマナーを思い浮かべる人も多いでしょう。挨拶から始まり、名刺の渡し方や言葉遣いなど、社会人としての基礎となる研修の1つです。ビジネスマナーの目標設定は以下が主な例となります。

  • 1.出勤・退勤時には人の目を見て挨拶をする
  • 2.電話対応は必ずメモを取り、担当者に正しく引き継ぐことができる
  • 3.尊敬語や丁寧語を理解し、正しいビジネスメールを送ることができる

ロジカルシンキングにおける目標設定の例

社会人にロジカルシンキングは必須のスキルです。どのような職種に配属になっていても、論理的に説明したり、MECEに考えたりしなければいけない場面は多く訪れます。ロジカルシンキングの目標設定は以下が主な例となります。

  • 1.ピラミッド構造で自らの業務の役割を整理することができる
  • 2.上司への報告や説明を論理的に行うことができる
  • 3.因果関係を正しく把握することができる

基本的なPCスキルにおける目標設定の例

ExcelやWordを代表とするOAスキルは、営業に配属になってもバックオフィスの配属になっても必要です。基本的なPCスキルの目標設定は以下が主な例となります。

  • 1.ピボットテーブルを使って集計ができる
  • 2.関数を用いてデータを整えて集計することができる
  • 3.会議の議事録を正しいフォーマットで記載することができる

コンプライアンスにおける目標設定の例

社会人においてコンプライアンスの遵守は、会社を毀損しないためにも不可欠です。SNSによる情報拡散が当然となった現代社会で、情報漏洩やマナー違反などの不祥事は会社の存続に関わる事案につながる恐れがあるためです。コンプライアンスの目標設定は以下が主な例となります。

  • 1.公共のWi-Fiを繋いでカフェなどで業務をしない
  • 2.PCを社外に持ち出す際は肌身離さず持ち歩く
  • 3.本名でSNSを利用する際は発言に気をつける

 

即戦力となる新入社員を育成
社会人基礎力をきちんと身につけられる
・現場に即した実践的なスキルアップも可能
スクーの資料をダウンロードする


■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


Schoo_banner
 

05Schoo for Businessの新入社員研修

Schoo for Businessでは8,000本以上の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

Schoo for Businessの資料を請求する

1.研修と自己啓発を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約7,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.Schooの新入社員研修カリキュラム

様々な研修に対応できるSchoo for Businessの研修パッケージですが、もちろん新入社員研修にも対応しています。Schooの新入社員研修パッケージには、新入社員がまず身につけなければならないビジネスマナーや報連相に関する知識から、ビジネスパーソンとして必要なOAスキルやコミュニケーションスキルまでがラインナップされており、新入社員に必要なスキルや知識をこの研修パッケージで網羅できます。

さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。

新入社員向け研修パッケージを見る

3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

Schoo for Businessの資料を請求する

 

06まとめ

新入社員研修の頃からきちんと目標設定を行い、目標達成に対する意識を醸成させることはその後の社会人での活動でも必ず活きてくるものです。 また、早期に目標達成の経験をすることでモチベーションを高めたり、自信にも繋がります。 今後、企業に貢献できるような人材になってもらうために、この記事でご紹介したポイントや目標設定例を参考にしてみてください。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE
この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
執筆した記事一覧へ

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ