フォローアップとは?重要性や具体的な方法、行うタイミングなどを解説

「研修を実施したものの、実践に結び付いているのか、知識が定着しているのか、研修の効果があるか分からない。若手社員の離職率の高さに悩んでいる。」という企業は多いでしょう。そのようなお悩みを解決する方法の一つとして、「フォローアップ」があります。今回は、フォローアップとは何か、重要性や具体的な方法、行うタイミング、実施するポイントなどをご紹介します。
- <目次>
- フォローアップとは
- フォローアップの重要性と離職率との関係
- フォローアップの具体的な方法とは
- 人事面談で意見を聴く
- 上司によるフォローアップ
- メンターをつける
- フォローアップ研修
- フォローアップを行うべきタイミングは?
- 研修から3ヶ月後
- 研修から1年後
- フォローアップを効果的に行う2つのポイント
- フォローアップを受けている人の意見を集める
- PDCAサイクルを回す
- フォローアップ研修ならSchooの企業向けパッケージがおすすめ
- まとめ
フォローアップとは
「フォローアップ」は、すでに始めたことや習ったことに対して、それを強化したり効果を認識したりするために、ある程度時間が経ってから繰り返し行うことを意味します。
企業は「従業員の帰属意識を高め、生産性を向上させる」「研修効果の定着や離職率を低下させる」ことを目的として、フォローアップを行います。企業などで開かれるフォローアップ研修とは、研修終了後、一定期間が経過した後に再度同じメンバーが集められて開催される研修を意味します。一度受講した研修の内容をある程度時間が経ってから、もう一度確認することで、知識を定着させ、実践を促進します。
フォローアップの重要性と離職率との関係
離職率が高いと、時間や金銭的なコストアップだけでなく、従業員のモチベーションの低下を引き起こします。厚生労働省が発表した「新規学卒者の離職状況」によると、入社1年目で大学卒は11.6%、高校卒は17.2%が離職しています。入社3年目までには大学卒は32.8%、高校卒は43.0%と3から4割の新入社員が離職しています。この調査より、新入社員の離職率は高い傾向にあるとことが分かります。特に入社後の3年間は、新入社員のフォローアップが大切です。
尚、内閣府の就労等に関する若者の意識によると、初職の離職理由(複数選択可)についてみると、「人間関係がよくなかったため」が「仕事が自分に合わなかったため」「労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため」に続いて高い結果となっています。人間関係については、人事や周りのフォローアップで改善することが可能な場合もあります。この結果からもフォローアップは必要だといえます。
フォローアップの具体的な方法とは
では、フォローアップの具体的な方法とはどのようなものがあるのでしょうか。一般的に用いられる方法の各詳細をみていきましょう。
人事面談で意見を聴く
一般的なフォローアップの方法として、人事との面談があります。普段の業務の指示や指導、管理を行うのは直属の先輩や上司です。しかし、社員の抱える悩みとなるとなかなか言い出せないケースもあります。特に新入社員の場合は、採用や研修を担当した人事担当者の方が話しやすい場合があるでしょう。そこで、人事担当者が面談の機会を作り、話しやすい環境を作ると本音を聴くことが可能となります。
社員の本音を聴くことができると、課題が把握しやすくなります。今後の研修や人事管理における改善点が見つかりやすくなるでしょう。
上司によるフォローアップ
毎日社員を管理・指導している上司は普段の業務を把握しています。また、普段から部下を普段から観察していると、何か悩みを抱えているときも気づきやすいでしょう。きめ細やかなフォローアップが期待できます。
しかし、日々の業務の中で悩みを聞き、解決策を導くのは難しい場合もあるでしょう。定期的に上司・部下の1対1の面談の機会を設けると、話しやすくなります。その際、現在の仕事のことだけでなく、中長期的な目標や、期待すること、スキルアップの方法などを話し合うとより効果的です。
メンターをつける
メンター制度とは、新入社員や若手社員などの悩みに対して、年齢や社歴の近い先輩社員が助言する制度のことで、多くの企業で取り入れられています。英語のmentor(助言者)に由来します。サポートする側をメンター、サポートされる側とメンティと呼び、メンターはメンティとは別の部署に所属する社員が一般的。同じ部署ではないので、メンティは正直に思いを伝えやすく、メンターは客観的な立場でアドバイスができます。
フォローアップ研修
フォローアップ研修とは、研修の終了後一定期間が経過した後に再度同じメンバーが集められ開催される研修です。フォローアップ研修の目的は、研修で学んだことが自身に定着しているか、実践できているかを振り返ること。更に今後の目標設定なども実施します。また、新入社員の場合は、配属後の不安解消、同期との連帯感の構築、新入社員教育の内容の定着アップ、モチベーションアップなども目的としています。
フォローアップを行うべきタイミングは?
では、フォローアップを行うべきタイミングはいつがよいのでしょうか。実際の業務で生かされているかを振り返るため、3ヶ月度・1年後とある程度の期間を開けて実施するのが適切だといわれています。
研修から3ヶ月後
まずは、研修から3か月後です。短期間で実施されるので、3ヶ月間の目標達成状況などをプレゼンするなど具体的なプログラム内容となることが多いようです。あらかじめ、フォローアップ研修とセットで研修のスケジュールを組むこともあります。新入社員が対象の場合は、実際に業務経験してからの仕事の進め方の再確認や悩みの払拭などの目的もあります。
研修から1年後
研修から1年後にフォローアップ研修を実施すると、1年間現場で実践してみた総合的な振り返りができます。また、1年も経過すると各受講者に部下を持ったり、業務内容に変化が起きている場合があります。次のステップに向けての目標設定の場にもなります。
新入社員の場合は、1年経つと業務の中でも中心的な役割を担うことが増えてきます。先輩社員としてのステップアップが期待されます。これまでの復習をするとともに、先輩社員としての心構えを身に着けさせるという機会にもなるでしょう。
フォローアップを効果的に行う2つのポイント
フォローアップを効果的に行うときのポイントとは何でしょうか。2つのポイントをご紹介します。
フォローアップを受けている人の意見を集める
実際にフォローアップを受ける人の意見を集めると、どんな支援が求められているのか、次の研修で何を重要視すべきかが分かります。特に研修を実施した後にはアンケートを取り、研修内容について意見を聞いたり、理解度を測定することをおすすめします。また、一定期間経過後にどの程度定着しているかを確認し、不足する項目についてフォローアップ研修に組み込むことも有効でしょう。
PDCAサイクルを回す
PDCAとは、 Plan(計画)・ Do(実行)・ Check(評価)・ Action(改善) の頭文字をとった用語です。社会人にとって、働く上で必要なスキルと言えます。まず、過去の研修終了後にPlan(計画)・ Do(実行)します。そして、フォローアップ研修時に過去の研修で学んだことを実施できているかCheck(評価)して確認します。その上で、次の行動Action(改善)を決めます。様々な研修や普段の業務において、PDCAというサイクルを回すと効果的です。
▼フォローアップに関して詳しく知りたい方はこちら▼
【関連記事】フォローアップ研修の意味や目的とは?研修を行う際の3つのポイントをご紹介
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まとめ
今回は、フォローアップとは何か、重要性や具体的な方法、行うタイミング、実施するポイントなどをご紹介しました。フォローアップには、上司によるフォローやメンター制度、フォローアップ研修という方法があります。そして、一定期間経過後にフォロ-アップをすることで、離職率の低下や研修の効果の定着が期待できます。また、フォローアップをする際には、フォローアップを受ける人の意見を集める、PDCAサイクルを回すというポイントに留意すると効果的です。ぜひ、自社の実情に合った形でフォローアップを行いましょう。