公開日:2021/04/21
更新日:2024/06/25

フォロワーシップ研修とは?具体的な内容や実施のポイントを解説

フォロワーシップ研修とは?具体的な内容や実施のポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

多くの企業において、チームは管理職と部下で構成されていることが多いかと思われます。部下の活躍がチーム全体の成果を大きく左右するため、管理職の責任が伴います。しかし、ビジネス環境の変化が激しい昨今では、必ずしも管理職の意思決定だけに基づいてチームを昨日させることは適切とは言い切れません。 そこで注目されているのがフォロワーシップです。この記事ではフォロワーシップの概要とそれがチームに与える効果、研修内容や実施する際のポイントについて解説します。

 

01フォロワーシップとは?

そもそもフォロワーシップとは、チームのメンバーが管理職といった組織のリーダーの支援、チームに貢献するために能動的・自律的に考え、行動することを指します。 管理職からのトップダウン型の受け身ではなく、部下それぞれの主体性が問われるのです。

フォロワーシップが重要とされる背景

似たような言葉として、リーダーシップが挙げられます。リーダーシップは、チームのリーダーが部下の先頭に立ち、影響力や求心力を発揮することを指します。 しかし昨今では、多くの企業で管理職のプレイングマネージャー化が進んでおり、管理職の負担が大きくなり、リーダーシップをうまく発揮できていないことが少なくないようです。 そうした背景もあり、部下がリーダーをサポートするフォロワーとして、チーム全体で舵取りを進めていくフォロワーシップの重要性が増しているのです。

 

02フォロワーシップで得られる効果

フォロワーシップを身に着けるとチームにもたらす効果として、次の2つが挙げられます。

  • ・部下の自発的な行動を促す
  • ・部下がリーダーの欠点を補うことができる

フォロワーシップが育まれると、部下とリーダーの関係は単なる指示者と従う者の関係を超え、上記のような相互信頼や共感に基づく良好な連携関係へと発展します。ここでは、それぞれについて、具体的に解説していきます。

部下の自発的な行動を促す

リーダーの考え方やビジョンを正確に把握できていなければ、適切なフォローはできません。フォロワーシップは単にリーダーが部下に対して支援を求めるだけでなく、部下がリーダーの考えを組織内に共有するために、積極的に理解していく必要があります。 そのためにはリーダーの考えや目標、チームの方針、事業戦略、競合情報など、さまざまな観点からコミュニケーションをとることが不可欠です。 こういったコミュニケーションを通じて、リーダとの信頼関係が築かれれば、部下は指示待ちすることなく、能動的に行動できるようになるでしょう。

部下がリーダーの欠点を補うことができる

フォロワーシップにおけるサポートには、部下がリーダーの欠点を補うことも含まれています。 どのようなリーダーもすべてを完璧にこなすことができる人はなかなかいません。特に、現場の業務もこなさなければならないプレイングマネージャーでは、マネジメントとの業務バランスをとることが難しくなります。 その際に、上司の欠点を含めてチームないで共有し、円滑にサポートを受けられる関係構築ができていれば、チームがうまく機能しやすくなります。

 

03フォロワーシップにおける5つのタイプ

フォロワーシップには、次の5つのタイプが存在します。

  • 1. 模範型:協働者
  • 2. 孤立型:破壊者
  • 3. 順応型:従事者
  • 4. 消費型:逃避者
  • 5. 実務型:実践者

これらのフォロワータイプは、組織内で異なる役割を果たし、リーダーシップスタイルや組織文化に影響を与えることがあります。リーダーはそれぞれのフォロワータイプを理解し、適切なアプローチで彼らをサポートし、組織の成功に貢献することが重要です。ここでは、それぞれのタイプについて解説していきます。

1. 模範型:協働者

模範型のフォロワーは、チームや組織の目標を理解し、積極的にリーダーシップと協力して目標を達成しようとする傾向があります。彼らは自発的にイニシアティブを取り、他のメンバーに良い手本を示すことができます。

2. 孤立型:破壊者

孤立型のフォロワーは、しばしば自分の目的や興味に焦点を合わせ、他のメンバーや組織の目標とは異なる方向に進もうとします。彼らはしばしばチームの一体感を損なう行動を取る可能性があります。

3. 順応型:従事者

順応型のフォロワーは、リーダーシップや組織の指示に従い、定められたルールや手順に従って行動します。彼らはしばしばリーダーシップからの指示に従うことを重視し、柔軟性や創造性よりも安定性を求める傾向があります。

4. 消費型:逃避者

消費型のフォロワーは、組織の目標やチームの活動に関心を持たず、自分の利益や快適さを最優先します。彼らは責任を回避し、積極的な貢献をせず、組織やチームの成果に寄与しようとはしません。

5. 実務型:実践者

実務型のフォロワーは、実践的な方法で問題を解決し、リーダーシップや組織の目標を達成するために行動します。彼らは自己効力感が高く、困難な状況でも自己管理し、効果的な結果を生み出すことができます。

 

04フォロワーシップ研修で身に着けたい能力

フォロワーシップ研修を実施するにあたって、部下であるフォロワーは最終的にどのような能力を身に着けられればよいのでしょうか。 ここでは主に2つ解説しますので、自社で研修を実施する場合は参考にしてみてください。

貢献力

フォロワーである部下はチームのリーダーの指示をもとに計画を立てて実行することが求められます。 与えられた役割を受け入れ、忠実に取り組む意識や行動はフォロワーには必要不可欠な能力と言えます。

批判力

批判力とは、チームの決定やリーダーの指示を自分なりに吟味したり、批判的に評価することでリーダーに対して発言をする能力のことを指します。 フォロワーはリーダーからの指示をただ鵜呑みにして行動に移すような受け身の姿勢ではなく、チームを機能させるために自発的に考え、行動することが重要です。 そのため、リーダーの指示がチームの目標を達成できるのかどうか、より効果的な方法がないかなどを考え、積極的に発言していくことが求められるのです。 理想的なフォロワーとは、提言力と前述した貢献力を使い分けて成果を出そうと働きかけていく姿であると言えます。

リーダーシップ理解力

フォロワーとして、リーダーシップ理解力を身に着けることは重要です。これは、リーダーシップの概念、原則、およびスキルを理解し、リーダーの視点から組織やチームの目標を見る能力です。リーダーシップ理解力が高いと、リーダーの意図や方針をより明確に理解し、それに従って適切に行動することができます。

自己管理能力

自己管理能力は、自分自身の行動や感情を制御し、目標に向かって効果的に行動する能力です。フォロワーシップにおいては、自己管理能力が高いと、ストレスや課題に適切に対処し、自律して行動することができます。また、自己管理能力が高い人は、リーダーシップを発揮することが期待される状況でも責任感を持って行動し、他のメンバーに良い手本を示すことができます。

チームワーク能力

フォロワーシップは、チームや組織の一員として協力し、共同で目標を達成することが求められます。そのため、チームワーク能力は非常に重要です。チームワーク能力が高いと、他のメンバーとの協力やコミュニケーションを円滑に行うことができ、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。

 

05具体的なフォロワーシップ研修の内容

フォロワーシップ研修で身に着けておきたい能力について解説しましたが、どうすればそれらの能力が身につくのか、疑問だという方も少なくないと思われます。 そこで、ここではフォロワーシップ研修の具体的な内容について解説します。

フォロワーの分類を理解する

そもそも、フォロワーシップを提唱したのは、カーネギーメロン大学ロバート・ケリー教授で、著書『The Power of Followership(1992年)』の中で、貢献力と批判力の2軸からフォロワーを5つのタイプに分類しています。

  • 1.協働者:貢献力、批判力ともに高く、理想的なタイプ。主体的に動ける良きフォロワーだけでなく、時にはリーダーシップも発揮でき、将来のリーダー候補と考えられます。

  • 2.破壊者:貢献力が低く、批判力が高い評論家のようなタイプ。批判が多く、自らは動かないためチームで孤立することも多くなりがちです。周囲との信頼関係に気づければ、協働者となり得るポテンシャルがあります。

  • 3.従事者:貢献力が高いものの、批判力が低いイエスマンのようなタイプ。リーダーへの依存度が高く、このタイプが多いチームは発展性が低くなりがちです。

  • 4.逃避者:貢献力、批判力ともに低い、強制労働者のようなタイプ。自ら考えることがなく、指示されたことを最低限こなすだけになります。

  • 5.実践者:貢献力、批判力ともに中程度の凡庸タイプ。自分の業務の範囲ではフォロワーシップを発揮します。高い目標に挑戦することで協働者になりうることが可能です。

これらのように、同じ部下といっても様々ですので、まずは研修対象者がどのタイプに当てはまるのかを自覚してもらうことが、フォロワーシップ研修の導入として望ましいでしょう。

自分のリーダーを思考や判断軸を理解するノウハウの共有

貢献力を高めるうえで、自分のリーダーについて理解することは必要不可欠です。しかし、リーダーの特性を研修で一概に語ることは難しいと思われるため、理解を深めるために部下はどのように取り組めばよいのかを行動レベルで示すなどが有効です。 例えば、リーダーが参加している会議の資料を共有してもらったり、リーダーと自分の考え方や判断軸をすり合わせる打ち合わせを行うといった具合です。そういった行動だけでも、リーダーは普段からどのようなことを考えなければならないのかが明確になり、そのうえで自分がどう行動すべきかも考える材料にすることができます。 行動レベルでの提示が難しい場合は、グループワークで受講者からさまざまな意見を出し合ってもらい、共有の場とするのもよいでしょう。

論理的思考と多面的思考

論理的思考とは、物事の筋道を論理的に考える力を指します。物事を批判的に捉え、論理的に考えることができれば、リーダーへの提案に納得性を持たせることができます。 加えて、問題解決についても要因の洗い出しから本質的な課題をとらえることにも論理的思考力があると円滑に進めることが可能になります。 また、多面的思考とはその名のとおり、物事をあらゆる視点から捉えることで、人とは異なる切り口を考える力を指します。 リーダーは事業をチームとして成果を出すために、政治・経済・競合・社内の利害関係など、あらゆる視点から物事を考えています。部下の視点をリーダーに合わせるためには、同じような思考力を持ち合わせる必要があるため、研修において多面的思考力を鍛えることは有効であると言えます。

 

06フォロワーシップ研修を実施するうえでのポイント

チーム内でのフォロワーシップを実現するためには、研修を企画・実施する段階で押さえておきたいポイントとして、次が挙げられます。

  • ・研修対象者には管理職も含める
  • ・研修後の行動目標は明確にする

ここではそれぞれについて解説していきます。

研修対象者には管理職も含める

フォロワーシップは部下が身に着けるものということから、中堅社員などが研修対象者と考えがちですが、管理職も研修対象者に含めて実施していくことが望ましいです。 理由として、企業は経営者をトップとしてピラミッド型になっていますから、管理職にもその上の役員などのリーダーが存在するためです。 各階層の社員がフォロワーシップの視点を持ち合わせていれば、すべての社員が自発的な行動ができる組織作りが可能になるため、管理職もぜひともフォロワーシップ研修を導入しておきたいものです。

研修後の行動目標は明確にする

研修を受講後、現場に戻ってからどのように行動するのかといった行動目標を立てもらいましょう。 研修で学んで終わりでは実施した意味がありませんから、行動は具体的にかつ、取り組みやすい内容が望ましいでしょう。 また、実際に行動した結果のレポートなどを作成してもらい、それに対してフィードバックを行うことも、フォロワーシップに磨きをかけるうえで有効です。


 

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・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
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・自己啓発への活用方法 など


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07フォロワーシップ研修におすすめのSchoo for Business

Schoo for Businessでは8,500本以上の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。


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受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 8,500本
※2023年3月時点
研修管理機能 あり
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費用 1ID/1,650円
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契約形態 年間契約のみ
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1.研修と自己啓発を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,500本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.フォロワーシップ研修におすすめのチームビルディング研修パッケージ

記事内でフォロワーシップ研修の内容やポイントについて解説してきましたが、フォロワーシップを高めるために重要なチームビルディングを行うには、Schooのチームビルディング研修パッケージがおすすめです。この研修パッケージでは、フォロワーシップに必要なチーム内でのコミュニケーションに関する講座や、チームの繋がりを強固なものにするための講座がカリキュラムを組み合わせて網羅的に構成されており、フォロワーシップに必要なスキルを体系的に学ぶことができます。

さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、よりチームの繋がりを強くすることができます。

  • 相手を尊重しながら自分の意見を伝える「アサーション」「アサーティブコミュニケーション」について学べる研修パッケージです。ビジネスコミュニケーション事例からアサーティブコミュニケーションの方法について学び、人間関係のストレスを減らして仕事のパフォーマンスを上げる方法を身につけることができます。
  • マネージャー向けの組織マネジメントについて学べるカリキュラムです。マネージャーの役割と業務について体系的に学んだ上で、具体的にチームで成果を出していくために必要なことについて学習できる研修となっています。
  • チームビルディングについて基礎を身につけたいという方向けの研修パッケージです。成果を出すチームビルディングに必要なコミュニケーション方法や、チームで成果を出すための基本スキルについて学びます。
  • チームビルディングの基礎については習得していて、さらにスキルアップしたいという方向けの研修パッケージです。チームをさらに強化するための「仕事可視化の技術」や「課題を解決するファシリテーションの方法」について学ぶことができます。

チームビルディング研修パッケージを見る

カリキュラム例(チームビルディング研修パッケージ(初級編))

研修時間目安: 6時間(60分×6コマ)

​ ​
授業名 チームワークの教科書
時間 2時間(60分×2コマ)
学べること ・モチベーションの上がる環境創り戦略
・リーダーシップとは
・コミュニケーションとは
・リモートワークでも生産性を上げるポイント
・リモートワークでモチベーションを上げる3つの秘訣
授業名 チームビルディング
時間 1時間(60分×1コマ)
学べること ・チームビルディングとは何か
・チームで成果を出すために大切なこと
・チームを支える上司のコミュニケーション
・現場力を上げ続けていくための仕掛けづくり
授業名 チームで成果を出すためのコーチング
時間 3時間(60分×3コマ)
学べること ・チームで成果を上げるために必要なこと
・コーチ型リーダーの特徴
・コーチングの三原則とは
・データからみる優秀なリーダーとは
・組織を活性化するポイント
・部下の目標達成意欲を高めるポイント
・コーチングで成果を生みだすための3つのステップ
・コーチングを学んだリーダーの具体的な変化や成果事例
・コーチングのスキルアップと実践のポイント

3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

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08まとめ

フォロワーシップはリーダーをサポートすることはもちろんのこと、チームとしての意思決定をより洗練させるために有効です。 部下がフォロワーシップを発揮するためには、自分のリーダーの考えを知り、自発的に考えて行動していくことが重要となります。 この記事で解説した内容をもとに、効果的なフォロワーシップ研修を検討してみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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