公開日:2021/05/28
更新日:2024/03/08

モチベーションとは|下がる要因や社員の動機づけに効果的な方法について解説

モチベーションとは|下がる要因や社員の動機づけに効果的な方法について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ビジネスで利用される「モチベーション」とは、「動機付け」と理解されることが多い用語です。企業にとってモチベーションが高い人材の評価は高く必要不可欠な存在になります。本記事は、ビジネスにおける「モチベーション」の意味やモチベーションアップの方法を解説していきます。自社において、モチベーションが高い人材を維持していくための参考にしてください。

 

01モチベーションの意味とは

モチベーション(motivation)とは、「動機(づけ)」や「刺激、やる気」という意味です。ビジネスシーンで用いられるモチベーションは、一般的にワークモチベーションと呼ばれます。ワークモチベーションは「与えられた職務を精力的に遂行する、あるいは目標を達成するために頑張り続けるなど、組織の従業員がある対象に向けて行動しているダイナミックな状態を表す概念」と定義されています。

▶︎参考:九州大学准教授 池田 浩|ワークモチベーション研究の現状と課題

▶︎参考:筑波大学准教授 大塚 泰正|働く人にとってのモチベーションの意義

モチベーションの種類

モチベーションには、外発的動機付けと内発的動機付けの2種類があります。

外発的動機づけ

外発的動機づけとは、報酬や評価、罰則や懲罰といった「外部からの働きかけによる動機付け」です。外発的動機づけのメリットとしては、他者による働きかけで発生するので、短期間で効果を実感できる可能性があります。一方で、デメリットとしては効果が長続きしなかったり、仕事そのものの価値や貢献度を高めにくかったりする点が挙げられます。

内発的動機づけ

内発的動機づけとは、物事に対する強い興味や探求心など「人の内面的な要因によって生まれる」動機づけのことです。内発的動機は、仕事に対する興味や関心、そこから生まれるやりがいや達成感などといった自分自身の内から発生する動機により行動に結びつきます。内発的動機づけは、外発的動機づけと異なり、短期的に変化を促すのは難しいが、持続性があり、効果も外発的動機づけと比較して高いという違いがあります。

関連記事:内発的動機づけとは|外発的動機づけとの違い・社員のやる気を高める方法を紹介

 

02モチベーションが仕事に与える影響

モチベーションが高い場合、仕事における行動量や生産性が向上するという調査結果があります。この章では、これらの調査結果を詳しく紹介します。

▶︎参考:Adam M. Grant|Does Intrinsic Motivation Fuel the Prosocial Fire? Motivational Synergy in Predicting Persistence, Performance, and Productivity

1.行動量が向上

Grant(2008)は、内発的動機づけと仕事のパフォーマンスとの関係性を証明しています。上記のグラフは、縦軸がテレアポの電話回数、横軸が内発的動機です。内発的動機づけが高い場合、行動量(テレアポの電話回数)が増えるという結果となっています。

2.生産性の向上

Grant(2008)は、内発的動機は行動量だけでなく生産性も向上させることを証明しています。上記のグラフは、縦軸がテレアポで得た利益、横軸が内発的動機の高低です。内発的動機づけが高い場合、生産性が向上するという結果となっています。

 

03モチベーションに関わる代表的な理論

モチベーションに関わる代表的な理論は主に以下の4つがあります。

  • ・マズローの5段階欲求説
  • ・マクレガーのX理論・Y理論
  • ・ハーズバーグの二要因理論
  • ・期待理論

それぞれ、以下で詳しく紹介します。

マズローの5段階欲求説

マズローの5段階欲求説とは、「人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成させている」とする心理学理論です。アメリカの心理学者、アブラハム・マズロー(1908~1970)が考案した考え方で広くビジネスに取り入れられています。マズローによれば、人間の欲求には「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求(所属と愛の欲求)」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5段階があり、これらはピラミッド形式に積み重なり1つの欲求を満たせば次の欲求を望むとしています。

マクレガーのX理論・Y理論

X理論・Y理論とは、アメリカの経営学者、ダグラス・マクレガーによって提唱された、組織で働く人々の動機づけにかかわる、2つの対立的な理論のことです。 X理論とは「人間は本来仕事が嫌いであり、仕事をさせるには命令・強制が必要である」という考え方です。性悪説的な捉え方だと言えます。 一方、Y理論は「仕事をするのは人間の本性であり、自分が設定した目標に対し積極的に行動する」という考え方です。性善説的な捉え方だと言えます。

ハーズバーグの二要因理論

20世紀のアメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した理論です。ハーズバーグは「動機付け要因」と「衛生要因」からなる二要因理論を唱えています。ハーズバーグによるとモチベーションを決めるのは、「動機付け要因:成功や承認、仕事内容ややりがい」「衛生要因:上司や同僚との信頼関係、労働条件など」だとしており、動機付け要因はモチベーションを上げ、衛生要因はモチベーションを下げる要因になると理解しておきましょう。

期待理論

期待理論とは、モチベーションを決めるのは「努力、結果、魅力」だと唱えています。ビジネスにおいては、「どれだけの努力で結果を得られるのか」「どのくらいの結果があれば評価が貰えるか」という概念で適用します。社員側からすれば、「頑張れば昇進し給与がアップする」という考え方です。

 

04モチベーションが下がる要因

次にモチベーションが下がる要因について解説していきます。モチベーションが下がる要因を理解しておけば、その要因を回避することができます。避けておくべき要因を理解して対策を講じることで、モチベーションを上げることも可能です。

仕事にやりがいを感じない

仕事にやりがいを感じない時には、人はモチベーションが下がる傾向があることを理解しておきましょう。努力していても効果が出ない場合や、ミスが続いてしまうと自分に自信が無くなりやりがいを見いだせないと感じ、やる気という側面のモチベーションが下がります。こうした場合には、結果だけを見て評価するのではなくプロセスを重視し、できていることと注意すべき点を分けて指導することが必要です。

達成感が低い仕事をしている

自分でなくてもこの仕事はできるのではないか。案件が簡単すぎる。などと感じてしまい業務に対して達成感を感じない場合にもモチベーションは下がる傾向にあります。人は、新しい分野にチャレンジしている時の方が自己成長を感じやすく、ポテンシャルが上がるため同じ業務を続けている時や物足りないと感じてしまう場合にはモチベーションが下がることを理解しておきましょう。達成感を感じられないと感じている場合には、業務内容や分担の見直しを行う方法を取ることを検討していきます。

給与などの待遇に不満がある

処遇面での不満がある場合にも、モチベーションは下がります。自分は頑張っている、他の人よりも能力があると感じている人ほど、この傾向は高くなり処遇面での不満を感じる傾向があります。このような場合には、評価制度を透明化し基準を明らかにすることで自分の評価の納得性を高め、評価をあげるために何をすべきかについて理解してもらう方法が最適です。

 

05モチベーションを高める方法

この章では、モチベーションを高める方法について紹介します。

目標の明確化と動機付け

「今期の目標はなにをどうするのか。」などの目標の明確化と動機付けを行います。何を目指して欲しいのか、何を期待しているかを明確に伝えるだけではなく、どうしてこの目標をお願いするかについても説明します。この時、目先の目標だけではなく、中長期的にどう成長して欲しいという期待や何を評価しているかを一緒に伝えるようにしましょう。

仕事への貢献度合いの提示

担当している業務についての貢献度合いを提示することも大事です。今の業務において、どんな役割をしてくれているから業務がまわっているなど、今できていることを評価し貢献度合いを伝えることも必要なフォローだと理解しておきましょう。人は褒められる、評価されると嫌な気分にはなりません。見てくれている人がいることで張り合いを持ち、より頑張る傾向だということです。

配属や配置換えの工夫

担当業務やポジションに不満がある場合には、配属や配置換えを行うことも方法の1つです。より成果のでやすいポジション、成長を期待できる部署への異動により新たなチャレンジ精神が生まれ前向きとなって業務を担当することも可能になります。配属先や配置換えはあくまで、よりメンバーを成長させる観点を持って検討するようにしましょう。

能力開発やスキルアップの場を提供する

厚生労働省によると、能力開発に積極的な企業では、労働者の仕事に対するモチベーションが向上する傾向にあることが示されています。

能力開発の手法としては、主に研修や自己啓発の支援などが挙げられます。厚生労働省の資料では、研修への投資は翌年の売上高を向上させ、自己啓発への投資は翌年の労働生産性を向上させる効果があるとされています。

そのため、社員のモチベーションを向上させつつ、売上や生産性の向上も同時に図れるという点で、能力開発への投資は一石三鳥と言えるでしょう。

▶︎参考:厚生労働省|平成30年版―働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について―

 

06モチベーションを研修で向上|Schoo for Business

Schoo for Business

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。研修だけでなく、自己啓発の支援ツールとしても利用できることが特長です。また、アーカイブされた動画を視聴する形式のため、日々の業務で忙しい方でも隙間時間で受講できます。

受講形式 オンライン
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大企業から中小企業まで幅広く導入

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Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで幅広く、ご導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、IT人材育成もあれば階層別研修やDX研修としての利用、自律学習としての利用やキャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。

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モチベーションアップに役立つSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、モチベーションアップに役立つ授業を紹介いたします。

行動のためのモチベーション管理術

この授業では決めたことを行動するために

  • ・行動に必要な目標の設定方法
  • ・立てた目標を行動に移すための具体的なスケジュール管理の方法
  • ・立てた目標に沿って行動を続けるためのモチベーション管理の仕方

について学びます。

 
  • ㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO

    秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。

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※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

やる気が出ないを克服するセルフコントロール

この授業では、心理学の考え方を用いて、自分のやる気をコントロールするための方法を学びます。

 
  • 一般社団法人日本マインドリーディング協会理事

    上智大学経済学部卒、多摩美術大学芸術学部除籍。大学卒業を前に萩本欽一さんの事務所で芸人になるが、お笑いが「人の心理」や「言葉」に大きく左右されることに魅せられコピーライターに転身。「人の心を動かす言葉」を深めたあと32歳でオープンした7坪の眼鏡店が年商5億円を突破するとテレビや新聞などマスコミ取材が殺到。1,500社が集うマーケティング団体で年間最優秀賞を受賞した。ところが目の前に、安さが武器の大型店がオープンして売上げ半減。「心理学は役に立たないのか」との絶望の中、無意識に介入する知見に巡り合いV字回復。近年は実業のかたわら、自身を助けてくれたこの心理学を本や講演やラジオなどを通して伝え、多くの成功例を生んでいる。『禁断の心理話術エニアプロファイル』(フォレスト出版)や『人生を変える心理スキル99』(きこ書房)など著作多数。。

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パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」

「1on1をしているが効果が感じられない」 「どうしたらチームのやる気を引き出せるか悩んでいる」 そんな悩みを改善するのに役立つ「ポジティブフィードバック」に関するコースを開講します。 ポジティブフィードバックとは人や物・出来事の良い面を指摘するフィードバックの一種です。このコースでは、チームのモチベーションをアップさせ、パフォーマンスを改善させる手法について学びます。 このコースでは『人、組織が劇的に変わるポジティブフィードバック』の著者であるヴィランティ牧野祝子先生を講師にお迎えします。

 
  • 国際エグゼクティブコーチ

    株式会社グローバル・キャリアデザイン 代表取締役。 東京生まれ。ミラノ在住。コロンビア大学、INSEAD(インシアード・欧州経営大学院)MBA卒業後、国内外10カ国で、外資系の戦略コンサルタント、多国籍企業のマーケティング、新規事業の立ち上げ等、様々なキャリアを積む。 結婚後もプロジェクトリーダーを務めるなど、精力的に働いていたが、子どもが障がいを持って生まれたのを機に、自力だけではどうにもならないことがあると知り、働き方、あり方を見直す。様々な文化、考え方、事情を持つメンバーが一緒に仕事をし、結果を出すには、個々の良さを引き出し、最大限活用できる環境を作ることが必要だと考え、ポジティブフィードバックを実践しはじめる。 現在は、独立し、国際エグゼクティブコーチ、企業研修講師、コンサルタントとして活動。ポジティブフィードバックを活用したコーチングが好評を博し、法人、個人問わず、グループ面談やセミナーなどを提供。最近は、企業から依頼を受け、経営者、リーダー等にポジティブフィードバックを始めとするビジネススキルを伝承している。3児の母でもある。 また、HPやメルマガ、SNS等で、キャリアについて悩む人々に情報発信をしている。

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・自己啓発への活用方法 など

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07まとめ

本記事では、モチベーションをテーマにモチベーションの定義やモチベーションアップの重要性について解説しています。社内のメンバー全てが高いモチベーションを維持し続けることは、難しいことですが一人でも多くのメンバーがより高いモチベーションを発揮できる参考にしてください。

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“働きがい”の追求で実現する人的資本経営
 

従業員エンゲージメントを高める組織作りついてのウェビナーアーカイブです。なぜ、自律的な組織を作る上で働きがいのある環境が必要なのか。どういうプロセスを経れば働きがいのある会社を作れるのか。人的資本時代のスタンダードとなり得る働きがいのある会社と組織づくりの方法を深掘りします。

  • 登壇者:荒川 陽子 様
    Great Place to Work® Institute Japan 代表

    2003年HRR株式会社(現 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)入社。営業職として中小~大手企業までを幅広く担当。顧客企業が抱える人・組織課題に対するソリューション提案を担う。2012年から管理職として営業組織をマネジメントしつつ、2015年には同社の組織行動研究所を兼務し、女性活躍推進テーマの研究を行う。2020年より現職。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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