成長マインドセットとは|固定マインドセットとの違いや身につけ方を紹介
成長マインドセットとは、人の能力は努力により向上するという考え方です。これは人だけではなく企業などの組織にも当てはまるとされています。組織が成長マインドセットを獲得し、継続的に発展していくために必要なものは何でしょうか。人事が行うべきアプローチについて解説していきます。
01成長マインドセットとは
成長マインドセットとは、「自分の才能や能力は、経験や努力によって向上できる」という考え方のことです。成長マインドセット(Growth-mindset)は、スタンフォード大学心理学部教授キャロル=ドゥエックが提唱した概念で、日本語では拡張的知能観と翻訳されています。
成長マインドセットを持っている人は、努力次第で自身の前に立ちはだかる壁を乗り越えられると信じているので、学習に挑戦する傾向にあります。それがひいては、人生のあり方をも決めてしまうことになると、キャロル=ドゥエック氏は主張しているのです。
固定マインドセットとの違い
成長マインドセットと対極にあるマインドセットが、固定マインドセット(fixed-mindset)です。固定マインドセットとは、「人間の能力は先天的に決まっていて努力しても変わらない」という考え方のことを言います。日本語では固定的知能観と翻訳されています。
固定マインドセットを持っている人は、人の能力は生まれつき備わったもので、努力をしても意味がないと考えるので、学習を避ける傾向にあるようです。そのため、チャレンジ精神に乏しく努力を嫌う傾向があり、困難に遭遇するとすぐに諦めるという特徴も見られます。
02成長マインドセットが必要な理由
成長マインドセットを持つ社員が増えることで、組織の成長やパフォーマンスに影響を与えることができます。ここでは、組織に成長マインドセットが必要な理由を3つ解説します。
組織の革新と進化を促進するため
成長マインドセットを持つ従業員は、新しいアイデアやアプローチを積極的に追求します。変化に対して柔軟であり、既存の方法やプロセスに固執せず、常に改善を試みます。このような姿勢が企業全体に浸透すると、革新と進化が促進され、競争力のある市場での成功につながるでしょう。
チームワークと協力の強化
成長マインドセットは、従業員間の協力とチームワークを高める効果もあります。従業員が個々のスキルや知識を共有し、お互いに学び合う文化が醸成されることで、より効果的なチームが形成されます。共同の目標に向けて協力することで、企業全体の成果を最大化することができます。
持続的なパフォーマンスの向上
成長マインドセットを持ち合わせた従業員は、業務のパフォーマンス向上にも貢献します。成長と学習への意欲が高まることで、従業員は能力開発に挑戦し、努力を重ねることができます。それにより、業績向上や目標の達成につながる持続的なパフォーマンスが実現されます。
03成長マインドセットの身につけ方
成長マインドセットを身につけるには、主に以下のステップで進めていくと良いでしょう。
- 1.目標を設定し具体的な行動に落とし込む
- 2.継続的に行動する
- 3.成功体験を積み重ねる
- 4.フィードバックを行う
- 5.自己内省を行う
さらにここでは、上記のステップについて詳しく解説していきます。
1.目標を設定し具体的な行動に落とし込む
成長マインドセット獲得のためには、まず目標を明確に設定し、その目標達成のために取るべき具体的な行動を決めます。組織目標を定め、それを役割に応じた個人目標にブレイクダウンして、達成するための具体的な行動を決めると良いでしょう。
2.継続的に行動する
具体的な行動が決まったら、それを継続することが重要です。目標に向けた行動を常に意識し継続することで、成長マインドセットは定着していきます。継続の過程で迷いが生じることもあるかもしれませんが、そのような場合は面談等で進捗を確認するといった工夫が有効です。
3.成功体験を積み重ねる
継続してきた行動が少しずつ実を結ぶ過程を実感してもらうことが重要です。小さな成功体験の積み重ねが、やがて大きな成果につながることを理解してもらいます。人は、自分に対してメリットがあることは継続しやすい傾向があります。少しずつでも出ている成果を正当に評価することでメリットが実感でき、成長マインドセットが定着するのではないでしょうか。
4.フィードバックを行う
行動を重ねたら、当初策定した目標に対して振り返り、行動や取り組みに対してフィードバックをおこないましょう。うまくいかなかった部分の原因を分析することで、改善点を見つけることができます。また、無意識的な行動をしてしまっている部分は自分だけでは見つけづらいものです。第三者にフィードバックをしてもらうことで、客観的な視点から意見をもらうことができるので効果的です。
5.自己内省を行う
4で実施したフィードバックを加味して、自己内省をおこないましょう。自分がどのような行動を取っていたか、どのような考え方をしたのかなどを内省し、固定マインドセットを成長マインドセットに変換していきましょう。
04成長マインドセットに変化させる際の注意点
成長マインドセットは、一朝一夕で身につけられるものではありません。マインドセットの変革は長期戦であり、周囲の協力やタイミング、本人の意思や行動に大きく影響されます。この章では、成長マインドセットに変化させる際の注意点について紹介します。
成長マインドセットの醸成には時間がかかる
個人の思考や組織文化に根強く定着しているマインドセットは、簡単に変えられるものではありません。変革の過程で生じるマインドセットの再構築には、これまでの価値観を一旦否定するといったプロセスも必要になり、ストレスをともなう場合もあります。焦らず時間をかけ、ゆっくりと醸成していくことが望ましいのではないでしょうか。
タイミングと粘り強さがカギ
組織としての成長マインドセットの醸成は、組織風土や社風に関わるもので、組織を構成する人の意識の変革でもあります。「人の意識は簡単に変えられるものではない」という認識を最初にもっておくことが必要です。変革のタイミングで教育を行い、少しずつでも、粘り強く継続し浸透させていく取り組みが重要であるといえます。
05成長マインドセットの醸成ならSchoo for Business
Schoo for Businessでは約8,500本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 8,500本 ※2023年5月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,500本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
自発的に学ぶ人材を育成できるSchooの講座
上記でも説明したように、Schooでは約8,500本もの動画を用意している上に、毎日新しいトピックに関する動画が配信されるため、研修に加えて自ら学び、成長する人材の育成が可能です。近年の社会のグローバル化やテクノロジーの進化などにより、企業を取り巻く環境が刻々と変化しています。それに伴い、社員の業務内容や求められるスキルも早いスパンで変化しています。このような予測のつかない時代の中で会社の競争力を維持するためには、社員一人一人が自発的に学び、成長させ続けることができる環境、いわば「学び続ける組織」になることが必要です。
Schoo for Businessの講座では、各分野の最前線で活躍されたご経験をお持ちの講師をお招きして授業を行うので、より専門的な学習が可能です。
ここでは、成長マインドセットの醸成に活用できるSchooの講座をご紹介します。
モチベーションの保ち方
目標に向かって行動していく際に、どうやってモチベーションを維持し、管理していくのかについて学びます。 また、具体的なモチベーション維持のテクニックや管理方法に加えて、スケジュールどおりに行動している中で出てくる「途中でやりたいことが変わったけど、このまま続けるべきなのだろうか?」といった疑問や、忙しくてどうしてもスケジュール通りできなかった時の対処法についても紹介していきます。
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㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO
2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、代表取締役に就任。コーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。
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個人と組織のパフォーマンスを最大限に引き出す方法
みなさんは「人間力」と聞いて、どのように定義しますか? どのような人のことを「人間力が高い人」だと思いますか? 属人的なその人だけの能力のように思いますが、この「人間力」が高ければ高いほど、組織の生産性は高くなり、周りに与える影響も大きくなります。 そして「人間力」は既存の考え方や思考習慣を変化させることによって、どなたでも高めることができるのです。 今回の授業では、願望や目標の達成を実現するためにどのように「人間力」を高めるべきか、その仕組みと方法論を学んでいきましょう。
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統合共育研究所代表 MGSアカデミー学長 C.E.メンター
州立オレゴン大学院修士課程卒業。様々な国の人材育成プログラム実践者を訪問し、グローバルエデュケーションモデルを模索。平成17年に「共育・共創・共進化」を基本コンセプトにした統合共育研究所を設立し、現在は、企業の人材育成や学校教育等の分野で価値のブレイクスルーを通して思考/行動変容を起こす独自の手法を用い、研修、コンサルティング、制度構築、講演活動などを行っている。
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コーチングのマインド
少子高齢化に伴う人材不足が深刻化する中、現状のメンバーの力を最大限に引き出して成果を出すことが、 チームを率いるリーダー層に求められています。 この授業では、そのための手段の一つである「コーチング」について学びます。 メンバー一人ひとりの力を最大限に引き出すリーダーになるために必要なスキル・マインドセットを学び、また実践例を通して実際のコーチングイメージを持ってもらうことで、現場でのコーチング実践ができるようになることを授業のゴールとしています。
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株式会社ペイミー CFO | 公認会計士
(株)ONDO 代表取締役 早稲田大学ビジネススクール非常勤講師。建材商社営業職、IT企業営業職を経て2005年独立。 専門はビジネスコーチングおよびファシリテーション。企業、大学、官公庁などで研修やワークショップなど、年間約200本の対話を通した学びの場づくりを行う。2015年及び2019年、優れた講義を実施する教員に贈られる「早稲田大学ティーチングアワード」を受賞。
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大企業から中小企業まで幅広く導入
Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで幅広く、ご導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、IT人材育成もあれば階層別研修やDX研修としての利用、自律学習としての利用やキャリア開発の目的で導入いただくこともあります。
導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。
06まとめ
企業が継続的に発展していくためには成長マインドセットの存在は欠かせません。昨今では多くの企業が成長マインドセットの重要性に気づき、教育への取り組みを始めています。自社にマッチした教育を取り入れ、従業員一人ひとりの成長マインドセットを養う施策を検討してみてはどうでしょうか。