公開日:2021/08/26
更新日:2022/10/20

インクルージョンとは|推進するメリットや導入のポイントを解説

インクルージョンとは|推進するメリットや導入のポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業を成長させる仕組みであるインクルージョンに注目が集まっています。本記事では、インクルージョンによる企業メリットや企業に必要な理由について解説しています。インクルージョンを活用し企業成長、人材の成長に役立てていきましょう。

 

01インクルージョンとは

インクルージョンとは直訳すると「包括」という意味です。ビジネスシーンにおけるインクルージョンとは、従業員が仕事に参加する機会を持ち、各々の経験や能力と考え方が認められ活かされることを指していると理解しましょう。

インクルージョンが必要な理由とは

インクルージョンの目的は、多様な人材が活躍ができる社会の実現です。現在では、女性活躍促進や一億総活動社会などの活動もあり人材の活躍を促進する動きが活発です。年齢や性別、国籍の多様性を認めようというダイバーシティの導入が進んでも、単体では不十分な所があります。受け入れた人材をどう活かすかまでを考えるインクルージョンがあるからこそ、多様な人材の活躍が促進されていくと考えましょう。

 

02ダイバーシティ&インクルージョンとは

インクルージョンとセットで使われる言葉にダイバーシティがあります。この章ではダイバーシティとは何か、ダイバーシティとインクルージョンの関係性について紹介します。

ダイバーシティとは

そもそもダイバーシティとは、「多様性」という意味です。ビジネスでは人種、国籍、性別、性格や学歴、年齢などを超えた多様な人材を企業が受け入れるという意味で利用します。 ダイバーシティについては、多くのメディアで取り上げられていますが、人材を受け入れる人が働きやすい環境でなければ意味がないという点が課題でした。インクルージョンとダイバーシティを組み合わせることで、多様な人材の活躍を促進すると考える必要があります。

ダイバーシティとインクルージョンの関係性

インクルージョンが個々の社員を活かすという考え方なのに対して、ダイバーシティは人材の多様性を認めるという考え方です。つまり、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)とは、多様性を受け入れながら、持てる力を最大限活かしていこうという考え方と言えます。日本経済団体連合会も以下のようにダイバーシティ&インクルージョンを定義しています。

「ダイバーシティ・インクルージョン」とは、多様性を受け入れ企業の活力 とする考え方である。

▶︎参考文献:一般社団法人 日本経済団体連合会|ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて

このように、ダイバーシティは個人それぞれが意識すべき多様性という概念であるのに対して、ダイバーシティ&インクルージョンは組織として意識すべきことという違いがあります。

 

03インクルージョンを推進することのメリット

次に企業におけるインクルージョン推進のメリットについて解説します。企業にもたらすメリットを理解しておくことは、インクルージョンを推進する上での目標ともなります。メリットを十分に理解し計画立案や目標設定を行っていきましょう。

優秀な人材の確保

ダイバーシティと一緒にインクルージョンを行うことで人種、国籍、性別、性格や学歴、年齢などの垣根を除く広い範囲で人材を募集することができ、優秀な人材の確保に有利です。人材の確保は企業経営においても非常に大きな課題であり、テーマです。特に優秀な人材というカテゴリーは企業成長に大きな力となるため、こぞって募集するといえます。インクルージョンを推進することで、従来よりも広範囲での人材募集ができることは人材エントリーの母数を増やすことにつながると同時に、自社の求める人物像とのヒット率を上げる効果にも期待できます。

生産性の向上

各々の経験や能力と考え方が認められ活かされることによる生産性の向上にも期待できます。生産性の向上には、従業員一人一人の高いモチベーションが必要です。経験や能力が認められることでやる気が芽生え、より頑張りたいという思いからモチベーションが向上します。モチベーションが高くなることで、今まで以上に業務への取り組み姿勢が高まり、結果的に生産性を向上させることに期待できます。

イノベーションの活性化

従業員が仕事に参加する機会を持つことで、今までにない視点で物事を捉えることも可能になります。複数の視点、新たな視点で物事を捉えることは新たな発見につながりイノベーションを起こす期待ができます。インベーションを起こすには、固定概念に縛られず新しい視点や感性が必要になります。従業員が積極的に仕事に参加することは、こうした視点や感性を最大に引き延ばす要素につながります。

離職率の低下

個々人の経験や能力と考え方が認められ活かされることは、モチベーションの維持に役立ちます。認められることは、人間としての満足感にもつながるため、離職率の低下にも良い影響を与えます。自分自身を認めてもらえることや能力を認められることで、高いモチベーションの維持や会社への満足度向上につながり、結果的に離職率を低下させ人材確保の課題をクリアにすることが可能です。

企業ブランド力の向上

インクルージョンの促進が継続的に行われることは、従業員の行動様式や企業成長に大きな影響を与えると同時に結果的に企業ブランド力の向上に拍車がかかります。このスパイラルが繰り返されることは、企業の信頼度を向上させ顧客満足度を向上させることにつながり相乗効果をもたらす良いサイクルです。

 

04インクルージョンを推進する際の注意点

インクルージョンの推進には、メリットだけではなく注意点も必要です。インクルージョンを進める際には、メリットのみを見ていることで想定した目標を達成できないということが起きないように注意点についてもきちんと理解して推進していきましょう。

定着までには時間が掛かる

インクルージョンを進めるためには、時間が必要です。自社において新しい概念であるインクルージョンの主旨を理解し浸透させること、そして、定着化までには時間が必要である点を理解しておきましょう。新しい概念を定着させるためには、繰り返し主旨や目的を説明し理解を促す必要があること、焦らず浸透をさせることが必要です。

反対勢力の説得が必要

新しい概念、新しい風土などを取り込む変革については、反対勢力が出やすいものです。新たな動きに馴染めないなどの理由に抵抗する場合もありますが、企業変革の必要性や目指すべきゴールについて繰り返し説明し、インクルージョンの実施に協力を仰ぐ必要性があると考えて対応していきます。

ルール化や整備が必要

インクルージョンの導入については、企業における新しい概念であることを含め何に注意をした方がいいかなどのグランドルールを整備する必要があります。概念に則し、どの様な変化が生じるかや、運用に関する基準や注意点をあらかじめ整理しマニュアルやルール集として整備し全社員が閲覧可能な環境で公開しておきましょう。

 

05インクルージョンを導入する際のポイント

次にインクルージョンを導入する際に気をつけておきたいポイントについて解説していきます。どの様なポイントに留意してインクルージョンを進めていけばいいかについて理解していきましょう。ポイントをおさえて準備することで、導入を比較的スムーズに進めていくことが可能になります。

トップダウンによる方針の浸透と定着化

まず行うべきなのは、インクルージョンの導入についてはトップダウンによる発信を元に行うことです。トップメッセージとして、方針や目的を説明し理解を促進することにより方針の浸透と定着化を促進させます。インクルージョンの推進に対して、強いトップメッセージがあることで、会社に変革が起きていることを理解し推進を促進させるメリットもあります。

能力や成果を公平に評価できる評価制度の整備

能力や成果を公平に評価できる評価制度の構築も必要です。インクルージョンの推進により評価軸に変化がおきます。これに準じた評価制度を構築します。インクルージョンは、各々の経験や能力と考え方が認められ活かされるという意味を持つため能力や考え方を公平な基準で評価できる仕組みを構築するだけではなく、評価基準についてはあらかじめ公開し周知を行う必要もあります。

社内提案制度の導入

新たな視点での発見による新しい提案を積極的に実施できる仕組みとして社内提案制度の導入を行います。新しい発見があった場合に提案ができないのでは意味がありません。積極的に提案を行える環境を構築することもインクルージョンを促進する方法の1つだと理解し制度の導入を行いましょう。ただし、何でも受け付けてしまうことでは、提案を受け付ける部門の負荷が増加するだけです。提案におけるルール化も同時に行う必要がある点を理解しておきましょう。

部署横断プロジェクト参加による経験値の蓄積

機会創出のために、部署横断のプロジェクト化の促進やプロジェクト参加による経験値の蓄積も必要です。経験値が高くなることだけではなく、新たなプロジェクト参加による発見や気付きは提案力の向上にもつながります。また、経験値が高くなることでより業務への理解度が増す事になる点も大きなメリットです。

チーム評価制度の導入による組織力の強化

インクルージョンの評価は個人だけに囚われずチーム単位での評価にもつなげていくことも方法の1つです。チーム制を設けることで、自社内でのコミュニケーション力の向上や個人では達成できない成果を生みだすことにもつながります。

 

06インクルージョン導入企業の事例

最後にインクルージョン導入企業の事例をご紹介します。インクルージョンを既に導入し成功している企業の事例を確認することで、自社における推進の参考になるだけではなくインクルージョンの可能性について理解できます。

ソニー株式会社

大手企業であるソニー株式会社では、「ダイバーシティ&インクルージョン」というコンセプトを大きく打ち出しています。ソニーでは「高収益のサステナビリティを支えるのは社員一人ひとりのサステナビリティである」と掲げ、社員が定着し働き続けられるかという点に重きをおいています。具体的には、最長2年間は休職して留学できる「フレキシブルキャリア休職」制度、2018年からは全社員がテレワーク制度を利用できる環境を整備しています。その他にも利用可能日数も月10回を限度とした時間単位利用原則制限なども実施し働く環境の整備を行っています。

▶︎参考:SONY公式HP 「ダイバーシティ&インクルージョン」

三井住友ファイナンスグループ

三井住友ファイナンシャルグループでは男性の育休取得率100%を目指し、お子様が生まれた男性従業員とその上司に対して人事部から取得勧奨メールを送付し2017年度で約230名の男性従業員が育休を取得しています。その他にも介護と仕事の両立の問題についても積極的に取り組みを実施しています。介護休業は1年迄取得可能で「介護を事由」とする時差出勤制度の構築など法定基準を定めた制度を実施しています。ワーキングマザーの多い部署では、「サテライトオフィス」を導入しワーキングマザーが仕事を積極的に行える環境を構築しています。

▶︎参考:SMBC公式HP「ダイバーシティ&インクルージョン推進理念」


 

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07Schooのダイバーシティ研修

Schoo for Businessでは7,000本以上の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。もちろん、ダイバーシティに関する授業も豊富で、研修カリキュラム例として用意しているものもあります。この章では、Schooのダイバーシティ研修に関して詳しく紹介します。

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Schooのダイバーシティに関する授業を紹介

ここでは、Schooの7,000本以上ある授業の中からダイバーシティやD&Iに関する授業を一部紹介します。

ダイバーシティマネジメントの考え方

ダイバーシティマネジメントの考え方
 

この授業では、職場における多様な属性をもつメンバーの個々の力を活かしながら、組織力を高めるためのアプローチ手法、「ダイバーシティマネジメント」について学びます。組織を束ねるマネージャーやリーダーたちが多様性について理解を深め、マネジメントをする上での留意点や効果的な関わり方を把握し、ダイバーシティマネジメントを実践できるようになることを授業のゴールとしています。

  • (株)クオリア代表/プロフェッショナルファシリテーター

    都市計画コンサルタント会社、NPO法人理事、会社経営等を経て、株式会社クオリアを設立。 長年女性の能力開発、キャリア開発、組織活性化などのコンサルティングを実践。 1996年、米国訪問時にダイバーシティのコンセプトと出会い、以降、組織のダイバーシティ&インクルージョン推進を支援している。意識や行動変容を促進するプログラムには定評があり、アンコンシャス・バイアストレーニングや女性のリーダーシップ開発など高い評価を得ている。 2017年、世界94ヶ国1400人の女性リーダーが集うGlobal Summit of Women(GSW)東京大会の招致に関わり、実行委員を務めた。また、2019G20大阪の公式エンゲージメントグループW20運営委員会委員として政策提言に携わった。 国際ファシリテーターズ協会認定プロフェッショナルファシリテーター(CPF) Standing in the fire認定(2015年)ダイバーシティスペシャリスト。

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多様性あふれる時代に「ダイバーシティ&インクルージョン」

多様性あふれる時代に「ダイバーシティ&インクルージョン」
 

この授業では、地雷となることを恐れて発言することやコミュニケーションを取ることをできるだけ避けるのではなく、自ら働きかけていけるようなアクションにつなげるべく、自分事で考えられるように具体的な行動を学んでいきます。

  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。

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投資家が企業に求めるD&I - 人的資本から理解する

投資家が企業に求めるD&I - 人的資本から理解する
 

この授業では、企業の「人的資本」について、投資家が何を期待しているのかを学び、「企業のダイバーシティの推進」や「情報開示」がなぜ求められているのか、理解を深めます。

  • SDGインパクトジャパン 代表取締役Co CEO

    国際機関、財団及び戦略コンサルタントとして、ビジネスを通じたSDGsの実現に携わる。日本の金融機関及び世界銀行で官民連携推進やプロジェクトファイナンス、政治リスク保証等の業務に関わったのち、2017年に当時アジア最大規模のインパクトファンド「アジア女性インパクトファンド」を創設。その後ファーストリテイリングにてダイバーシティのグローバルヘッド、人権事務局長、サステナビリティ広報部長を務め、2021年にSDGインパクトジャパンを設立。共同創業者兼CEOとしてESG及びインパクトベンチャーファンドの設立運営に携わる。東京大学経済学部卒、タフツ大学フレッチャー校修士(環境、金融)。国際協力機構海外投融資リスクアドバイザー、SMBC日興證券ESGアドバイザリーボード、明治ホールディングスESGアドバイザリーボード、W20日本デレゲートなどを務める。

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08まとめ

本記事では、インクルージョンをテーマにメリットや注意点、事例などを紹介しています。現在では、インクルージョンの推進は企業成長には欠かせないものとして取り扱われはじめており、多くの企業で導入を推進しています。今後の企業成長のために、本記事を参考にインクルージョンの推進を検討していきましょう。

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  • 登壇者:石山 恒貴 様
    法政大学大学院政策創造研究科 教授

    NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事等。主な著書:『越境学習入門』(共著)、『日本企業のタレントマネジメント』、『地域とゆるくつながろう!』(編著)、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(共著)等

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