電話応対研修の実施方法は?優秀な人材を育成する方法を紹介
電話応対研修では、電話応対の基本的なマナーからやり取りの仕方を理解し、お客様に好印象を与えられるようなスキル習得を目指します。本記事では実施方法や優秀な人材を育成する方法を紹介します。電話応対研修を導入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
- 01.電話応対研修とは
- 02.企業における電話応対研修の必要性
- 03.電話応対研修の受講対象となる人とは
- 04.電話応対研修の基本内容
- 05.電話応対研修のポイント
- 06.電話応対研修におけるチェックポイント
- 07.電話応対研修の評価方法
- 08.まとめ
01電話応対研修とは
電話応対研修は、電話を通じての適切なコミュニケーション能力を向上させるトレーニングプログラムです。電話応対研修では、電話応対の基本的なスキルやマナー、効果的なコミュニケーション技術を学びます。具体的には、丁寧な挨拶や受話器の取り扱い、適切な言葉選びや声のトーン、問題解決能力などが重視されます。さらに、顧客やクライアントとの円滑な対話を実現するためのテクニックや、ストレスや不満を扱う方法も学びます。電話応対研修を受けることで、組織や企業のイメージ向上や顧客満足度の向上に貢献することが期待されます。
02企業における電話応対研修の必要性
電話は大切な会社の窓口であり、その電話応対が企業のイメージを良くも悪くもするものです。お客様からのクレームで最も多いのは、顔が見えない「電話での対応」であるといわれています。そのため社員は電話応対研修を通して、電話応対のマナーをしっかりと身につける必要があるのです。
電話を苦手とする若手社員の増加への対策
近年はLINEやメールなどが主な連絡手段であり、電話ではなくメッセージで要件を済ませる場合が多くなっています。また、スマートフォン・携帯電話に相手の名前が表示され、事前に名前がわかった上で電話ができる時代です。そのため、関係が構築されていない方と電話をすることに対して、恐怖心や苦手意識を抱えてしまっている新入社員が少なくありません。 電話応対には慣れが必要です。最初からスムーズにできる人はいないため、基礎の部分から研修を行い、ロールプレイングなどで練習を繰り返す必要があります。研修を通してスキルを身につけていくことで、自信をもって電話で話すことができるようになります。仕事をするうえで電話応対は必須ですし、しっかり応対ができるようになれば個々の自信の育みにもつながります。
従業員のコミュニケーションスキルアップ
電話は顔が見えずに話さなければいけない分、難しさもあります。受け答え方ひとつでも相手に与える印象は大きく変わってくるため、適切な対応が求められます。電話の応対スキルが身につけば相手に好印象を与え、良好な関係を築いていけるため、コミュニケーションスキルのアップにつながります。
企業・組織のイメージ向上
電話応対者は企業・組織の看板を背負っているといっても過言ではありません。何気ない対応でイメージを大きくダウンさせる可能性もありますし、反対に好印象を与える対応ができればイメージ向上を実現できます。一本の電話が、企業・組織のイメージに直結していることを意識して取り組むことが重要です。
顧客満足度の向上
お客様が電話をかけてくるとき、少なからず企業への期待が伴っています。社員の電話応対の内容が期待を下回ると「不満」となり、上回ればそれが「感動・満足」となります。 仮にクレームの内容で電話をかけてきたとしても、丁寧な電話応対を行うことで、顧客の企業へのイメージが好印象に変えられたケースもあります。電話応対次第でお客さまに安心感を与えられるか、満足度の向上できるかが変わるのです。
03電話応対研修の受講対象となる人とは
電話応対研修の受講対象となる人は、新入社員、営業職、事務職、CS担当者、コールセンターのオペレーター・SVなどです。それぞれの職種に合わせて研修内容も考える必要があります。以下で職種ごとに必要な研修の内容も具体的に紹介します。
新入社員
初めて仕事で電話応対をする新入社員も少なくありません。電話応対の基本的なスキルを身につけ、良い電話応対とはどのような内容か、心構えやフローなどを学びます。 慣れによってスキルに自信をつけていく必要があるため、ペアになってのロールプレイングなども交えるのがおすすめです。基礎をしっかり学び、正確で迅速な対応を目指します。
営業職
営業職は、基本的な電話応対スキルは備わっていることを前提として、電話営業の際に、顧客の心をつかめるようなスキルを習得します。具体的には、提案するお客様を見極める方法、効果的なヒアリング方法、商品をわかりやすく魅力的に伝える方法などです。 また、営業職は数字も意識して業務に日々取り組みます。電話中でもお客様の個性や要望に合わせて柔軟に対応できる力や、より質の高い商品の購買を促進できるスキルを身につけると、必然的に営業力もアップするでしょう。
事務職
事務職は組織の代表として電話応対を行うため、自分の応対が企業のイメージに直結する意識をもつ必要があります。研修では良い電話応対に求められるあいさつや敬語の使い方、受電から取次ぎまでのフローなどを学びます。 その際、顧客に安心感を与える聞き方や話し方、関係部門へのスムーズな連携などの基本スキルを身につけられるようにしましょう。受電時にはさまざまなシーンが想定されるため、具体的なシーンを想定したロールプレイングを取り入れると、より実践的に学べます。
CS担当者
CS担当者はお客様からのクレーム対応も多くなるため、クレーム対応スキルの習得を図る研修が必要となります。クレーム対応では、自分に非があってもなくても、相手の立場に立って言い分を聴く姿勢が求められます。 「組織を代表している」意識を持って、お客様の気持ちを逆なでせずにうまく対応することが求められるのです。代替案・解決策を提示するスキルも身につけられるように、場面ごとの手順を提示しましょう。お客様の口調や要望によって対応方法も異なるため、さまざまなケースを想定したロールプレイングを行ってください。
コールセンターのオペレーター・SV
コールセンターのオペレーターやSVの方は、声がお客様とのやり取り、コミュニケーションすべてです。声だけでお客様に安心していただく必要があります。 研修では聞き方・話し方や敬語の使い方、電話応対での名乗り・終了あいさつなど、基本的なスキルと相手への心配りなど、応用スキルの習得を目指します。
04電話応対研修の基本内容
電話応対研修では基本内容がとても重要です。電話応対では最初の3秒で相手からのイメージを決めてしまうと言われているほどです。基本のスキルをしっかりと身につけたうえで、応用スキルの習得も目指していきましょう。
電話応対の心構え
電話応対の心構えとしては、企業の代表として電話を受けたりかけたりしている意識を常に持つ必要があります。企業のイメージダウンにならないように、正しい電話応対スタイル、軽度、言葉遣いなどをしっかりと学びます。
電話の架電・受電方法
電話を受けてから切るまでの基本的な手順を学ぶなかでは、架電・受電の最初の一言、声のトーンが重要です。最初は緊張しがちですので、ほぐれるまでロールプレイングを繰り返し行いましょう。
言葉遣い
普段使っている「もしもし」はビジネス電話では使いません。また、「折り返しお電話いたします」「〇〇は不在にしております」など、電話で使う機会が多いフレーズもあるため、正しく使えるように指導を行います。自社の従業員には「さん」や役職をつけないなど、基本的なビジネスマナーも教えます。
ロールプレイング
ロールプレイングを繰り返し行うことで、自信を持って、電話応対ができるようになります。また、自分にどのような癖があるのかもロールプレイングで気付ける場合が多いです。 研修にロールプレイングを取り入れる際には、具体的なシーンをいくつか想定して、受講者が架電役と受電役を交代しながら取り組みましょう。
フィードバック
1対1の応答で実践をしたあとには、お互いにフィードバックを行います。癖や改善点を研修中に伝えあうことで、実践的なスキルとして身につけていけます。このときには、改善点のみだけではなく、良かったところも伝えるようにしましょう。課題点ばかり伝えると、受講者が電話応対への自信をなくしてしまうことがあります。
05電話応対研修のポイント
電話応対研修はただ行うだけではなく、実際に現場で活かせるスキルを身につける場にしなければなりません。下記で研修で注意すべきポイントを4つ紹介します。ぜひ研修実施時の参考にしてください。
社内の電話対応マニュアルを作成しておく
研修でロールプレイングを繰り返し、スキルに自信がついていたとしても、いざ実践となると不安になる方が多いです。基本的な電話の用語や言い回しなど、社内の電話対応マニュアルを作成しておくことで、社員は電話応対に安心して取り組めるようになります。 スマホに慣れている世代は、固定電話の取り扱いにも大きな不安を感じます。電話機本体の取り扱い方法などもマニュアルに取り入れると良いでしょう。
OJTやオンラインよりも集合研修がおすすめ
電話応対研修は、OJTやオンラインよりも集合研修がおすすめです。多くの企業が新入社員を対象に、一定期間、集合研修を実施しています。集合研修は、業務から離れて行う対面式の研修です。集中した時間の中で研修を受けられるため、講義を受ける際にも頭に入りやすいものです。自社で対応するのが難しい場合は、外部講師に依頼する方法もあります。
職種によって研修内容を変える
営業職、事務職、CS職など、職種によって電話応対の内容は異なります。そのため研修内容もそれぞれで変える必要があります。想定された場面で使えるスキルを身につけてこそ、実践で役立ちます。日程を複数設けて、何度か開催するのも良いでしょう。
話し方だけではなく表情や声のトーンも指導する
電話での印象は話し方だけではなく、表情や声のトーンによっても大きく変わります。対応者のイメージも決まってしまいますし、企業のイメージも左右されます。好印象を与える良い応対スキルを身につけることができれば、トラブルの未然回避にも役立つはずです。
06電話応対研修におけるチェックポイント
電話応対研修の中では、ロールプレイングを繰り返し行います。どのような点に気を付けて社員の習熟度を見たら良いのか、迷う方も多いと思います。ここでは研修内でのチェックポイントを紹介します。
適切な言い回しはできているか
電話応対では挨拶や敬語、クッション言葉などを正しく使えているか、まずチェックしてください。間違った敬語を使っていないか、学生言葉になっていないか、「折り返しお電話致します」など、電話特有の言い回しができているかを確認できるチェックシートを作成しましょう。
発音や発声・滑舌に問題はないか
電話は声がすべてです。相手にとって聞き取りやすい発声になっているかどうかを確認しましょう。チェックするポイントは、声の大きさ、速さ、滑舌です。滑舌を改善するのはなかなか難しいものですが、姿勢・舌の動き・口の開け方・表情で変わってきます。こういった点を指摘して、改善を図りましょう。
わかりやすく説明・対応ができているか
電話応対では、電話相手の時間をいただいて対応することになります。回りくどい話し方やわかりにくい説明では、相手の時間を奪うだけです。説明や対応が簡潔に行われているかどうかもチェックポイントとなります。
メモは的確に取れているか
取次ぎ相手が不在の場合、内容を的確にメモする必要があります。正確な伝言ができていなければ、トラブルの元になりかねません。相手の社名、名前、電話番号、要件など、ポイントを押さえてメモを取れているかどうかを確認しましょう。
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07電話応対研修の評価方法
電話応対研修の評価方法として、「応対品質の指標を設ける」と「顧客満足度の指標を導入する」の2つがあります。両方の指標を組み合わせることで、電話応対研修の効果を包括的に評価し、必要に応じて改善を行うことができます。ここでは、それぞれの評価方法について具体的に解説していきます。
応対品質の指標を設ける
研修後の電話応対の質を定量化するための指標を設定しましょう。これには、電話応対の速度、正確性、丁寧さ、情報提供の明確さなどが含まれます。例えば、電話応対の録音やモニタリングを通じて、特定の基準に沿った評価を行い、フィードバックを提供します。このような指標を使用することで、電話応対スキルの向上度を客観的に評価することが可能です。
顧客満足度の指標を導入する
電話応対後に顧客にアンケート調査を行ったり、フィードバックを収集することで、顧客の満足度を測定しましょう。この場合、顧客がどの程度満足しているかを直接的に把握することができます。また、顧客からのフィードバックを通じて、改善すべき点や課題を特定し、継続的な改善を図ることができます。
08まとめ
近年では固定電話に触れる機会も少なくなり、電話応対に慣れていない方が想像以上に多いものです。電話応対は社会人の基本的なビジネススキルでもあります。基礎からしっかり研修を行うことで、社員が自信をつけつつ成長していけるようにしましょう。