IT人材とは?必要なスキルや育成手法を解説

IT人材とは、AIやビッグデータといったIT分野の知識やスキルが豊富な人材のことです。本記事では、IT人材に求められるスキルや育成における課題点、具体的な育成手法を解説しています。IT人材の育成を検討している人事担当の方は、ぜひ参考にしてください。
- 01.IT人材とは
- 02.IT人材に必要なスキル
- 03.IT人材育成における課題点
- 04.IT人材育成のステップ
- 05.IT人材育成の手法
- 06.Schoo for BusinessのDX研修
- 07.まとめ
01IT人材とは
昨今のビジネスシーンでは、DX推進やIT技術の普及に伴って、IT人材育成の必要性が高まっています。ここでは、IT人材の定義やデジタル人材との違いを確認したうえで、IT人材の育成が急務とされる背景についてみていきます。
経済産業省によるIT人材の定義
経済産業省がみずほ情報総研株式会社に委託して行った「平成30年度 IT人材需給に関する調査」によると、情報サービス業やITソフトウェア・サービスの提供事業に従事する人をIT人材と定義しています。また、ITを活用する企業の情報システム部門の従業員もIT人材としています。 この定義に基づくと、DX推進プロジェクトやITを活用した事業に携わる従業員は、IT人材に該当すると言えます。
デジタル人材との違い
IT人材と類似した言葉にデジタル人材がありますが、経済産業省はデジタル人材の定義を明らかにしていません。一般的には、デジタル人材はすべての部署において、デジタル関連の知識やスキルを有している人材とされています。 したがって、IT人材は業務内容がITに関連している一方で、デジタル人材は業務内容を問わないことになります。
IT人材の育成が急務とされる背景
IT人材の育成が急務とされる背景には、昨今のビジネスシーンにおける急速なDX推進が潜んでいます。 近年、マーケットにおけるデジタル化やIT技術による業務効率化といった形で、ビジネスのDXが急速に進んでいます。このような状況で企業の利益向上を図るためには、日常業務にITツールを取り入れたり、IT技術を活用した新規事業を興したりといった取り組みが重要です。 そこで必要となるのが、自社内におけるIT人材の育成です。自社に足りないIT人材を外注に頼る手もありますが、社内のIT人材育成に力をかけた方がコスト面でも将来性の点でも有意義です。
02IT人材に必要なスキル
IT人材は、IT分野に関する知識だけではなく、非常に幅広いスキルが求められます。また、育成対象となるIT人材の業務内容や育成目的に応じて、伸ばすべきスキルを見極めることが重要です。 それでは、IT人材に求められるスキルの例と、必要となる場面や理由について解説します。
データベースやネットワークに関する知識
IT分野に関する基礎知識は、すべてのIT人材に必要なスキルです。例えば、データベースの方式や設計手法といったデータベース関連知識、通信プロトコルやネットワーク管理といったネットワーク関連知識が挙げられます。 社内SE部門で社内ネットワーク構築に携わる場合には、上記のスキルに加えてセキュリティの最新情報や基礎的な知識、自社で扱うソフトウェアについての知識も重要です。
プログラミングスキル
プログラミングスキルとは、システム開発におけるプログラム構造についての理解や、プログラミング言語の知識のことです。新規事業の一環としてアプリケーション開発を行う場面や、社内システムの構築を担当する場面では、特に必要性が高いスキルです。 業務システムやスマホアプリといった開発領域、案件内容に応じて、育成対象とするプログラミング言語の選択を行うようにしてください。
ドキュメント作成スキル
ドキュメント作成スキルは、要件定義書や詳細設計書、総合テスト仕様書といったさまざまなドキュメントを作成する能力です。具体的には、ドキュメントを作成するプロセスやコツがドキュメント作成スキルに該当します。 アプリケーションやシステムの開発時には、ドキュメントの作成業務が必ず発生するため、IT人材が身に付けておきたいスキルのひとつです。
コミュニケーションスキル
IT人材は業務上、社内外の担当者とコミュニケーションを取る場面が非常に多いものです。システム要件を定義するためのヒアリングや開発内容の伝達、各所とのスケジュール調整といった場面で、コミュニケーションスキルが必要となります。 伝わりやすい話し方ができる、あるいは相手の意見を正しく理解できるといったコミュニケーションスキルを身に付けることで、業務効率化や生産性の向上につながります。
03IT人材育成における課題点
IT人材育成の必要性を理解していても、なかなか育成に着手できない企業は多いものです。そこには、IT人材育成の特性における課題点が潜んでいます。 ここでは、IT人材育成で懸念される課題点を解説します。また、課題点を克服するための対策についても、例を挙げて紹介していきます。
社内にIT人材育成の体制がない
IT人材育成を社内で行う場合、講師となるIT人材や育成のノウハウが必要となります。しかし、IT人材が枯渇している、またはIT人材育成の前例がない企業では育成体制を整えられません。 このような企業の対策としては、社外の研修会社に講師を依頼するか、公開型の講座に申し込み、育成体制を整えることが効果的です。
実務に追われてスキル向上の時間が少ない
IT人材の業務が多忙である場合、実務に追われてスキル向上の時間を用意できない課題を抱えているケースがあります。システム開発や新規プロジェクトでは想定外のトラブルに遭遇することも多く、計画的なスキル育成が難しいものです。 こういった場合には、業務の合間や都合に合わせて受講できるeラーニングがおすすめです。
求められるスキルの領域が広い
IT人材には、IT関連知識だけではなく、コミュニケーションスキルやプログラミングスキルといった幅広いスキルが求められます。研修に長時間を要するため、研修だけで育成を完結させようとすると、業務との両立が難しくなります。 研修はあくまで体系的にスキルを学ぶ場であると心得て、実務をこなすなかでスキルの実践や向上を図る姿勢が重要です。
04IT人材育成のステップ
ここまではIT人材育成の全体像を説明してきましたが、ここからは育成のおおまかな流れや注意点、育成手法の一例を紹介していきます。まずは、IT人材育成で踏むべきステップと、各ステップにおけるポイントを解説します。
IT人材育成の目的を明確にする
IT人材育成はそれ自体が目的ではなく、業務効率化や生産性向上といった結果につなげることが最重要です。そのため、育成の目的や目指すべき人材像を明確にするプロセスが欠かせません。 経営層も交えて、自社に必要なIT人材の定義を明らかにしたうえで、育成の目的を選定します。また、育成効果を高めるために、設定した目的やビジョンは必ず育成対象者に理解してもらうようにしてください。
育成対象の従業員を決める
次に、明確になった育成の目的に照らし合わせて、育成対象とすべき従業員の範囲を考えます。IT人材と一口に言っても、実際の業務内容や担当領域はさまざまです。 業務実態や所属部門に加えて、若手や中堅社員といったキャリアも考慮して、対象者を詳細に決めてください。
スキルマップを作成する
スキルマップとは、育成したいスキルを時系列にまとめた表で、体系的な育成体制の構築に役立つツールです。スキルマップ作成時には、現場の従業員や経営層へのヒアリングを踏まえて、育成したいスキルの内容や優先順位を検討します。 この際のポイントは、スキルの内容があいまいにならないように、「〇〇業務ができる」と具体的に定義することです。IT人材の場合、「要件定義書を一人で作成できる」「システム開発のスケジュール調整ができる」などが好例です。
育成手法を決める
育成の全体像が明確になった後は、社内研修やeラーニングなどの育成手法から最適なものを選定します。それぞれの育成手法にはメリット・デメリットが存在するため、育成目的や予算、育成対象者の特性を総合的に考慮して決めるようにしてください。
05IT人材育成の手法
IT人材育成の手法には、社内研修のほかに公開型講座やeラーニングが存在します。ここでは、それぞれの手法の特徴やメリット・デメリットを解説します。また、それぞれの手法がおすすめな場面も紹介していきます。
社内研修
社内研修とは、社内の従業員が講師を担当して行う研修のことです。メリットは、コストが安く抑えられる点と、自社の業務内容を踏まえたカリキュラムの設計ができる点です。一方で、講師を担当する従業員の負担が大きくなりがちです。 社内にIT人材が豊富に存在し、講師の適任者がすぐに見つかる企業におすすめな手法です。
公開型講座
公開型講座は、特定の研修会場にさまざまな企業の受講者が集まって受講する研修です。メリットは、自社における育成ノウハウが不要な点と、異業種交流が図れる点です。デメリットは、業務と研修の日程の調整が必要な点と、コストが高くなりやすい点です。 公開型講座は、研修で異業種交流をしたいケースにおすすめです。
eラーニング
eラーニングとは、PCやタブレットなどのツールを用いて、オンライン上で研修動画を視聴する研修です。公開型講座のような異業種交流は期待できませんが、各自の都合に合わせた時間で、場所を選ばずに研修を受講できる点がメリットです。また、コストは安く抑えられるうえに、学習理解度に合わせて繰り返し研修動画を視聴できる点も魅力的です。 実務と平行して研修を行いたい、またコストを安く抑えたいといった企業におすすめの手法です。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

06Schoo for BusinessのDX研修
Schoo for Businessでは約7000本を超える数の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自律学習推進を両方行うことができる
Schoo for Businessは社員研修にも自律型学習にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自律型学習には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約7000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自律型学習の双方の効果を得ることができるのです。
SchooのDX研修カリキュラム
Schooの数多くの授業の中にはDXが学べる授業も多くあります。ここでは、SchooのDX研修カリキュラムを紹介します。
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DXを推進する上で、ベースとなるビジネススキルの習得を目的とした研修パッケージです。
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DX人材となるために必要な基礎的なスキルや知識を学ぶことができる研修パッケージです。
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インターネットの仕組みから、情報セキュリティに関する知識を習得することを目的としたパッケージです。
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ただ数値を見てボトルネックを発見するのではなく、課題の本質を見抜くという点に焦点を当てた研修パッケージです。
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与えられた課題に対してそのまま実行に移すのではなく、一歩引いた状態で“与えられた課題の目的・背景”=Whyを考えられる能力を養うことを目的としたパッケージです。
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問題解決を目的としたデータ分析の方法や批判的思考法を学び、デジタル技術を組み合わせながら課題解決をどのように実施していくかを導き出す能力を養うことができます。
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DXを推進する上でのデジタル技術の基礎を学ぶことができます。IoT導入の担当者やDX推進プロジェクト担当者におすすめの授業です。
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DXを進める上で欠かすことのできない顧客理解・インサイトの見つけ方を習得することを目的としています。
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DXのプロジェクトを実際に推進していく人におすすめの研修パッケージとなっています。
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DXは1人では実現できず、チームとして着実に前に進めていく必要があります。この研修パッケージでは、チームとして生産性高く、イノベーションを起こしていく方法を学ぶことができます。
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デジタライゼーションに留まらず、本質的なDXを推進したいという方におすすめの研修パッケージです。
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プロジェクトマネジメントに必要なスキル・知識を体系的に学べる授業をまとめました。PMだけでなくチーム全員で研修を受けておくと、それぞれの視座も上がり、さらにコミュニケーションが円滑になるかもしれません。
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「じゃらん」や「ホットペッパー」などの事例を用いて、CRMの基礎からデータ分析の方法まで学ぶことができる研修パッケージです。
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DXを用いた新事業創造や、事業戦略の立案についてを学ぶことができるパッケージ
3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。
まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。
この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
07まとめ
IT人材の育成に取り組むことが、社内におけるDX推進の活性化やIT活用事業の後押しにつながります。また、IT化が急速に進む昨今では、IT人材の育成が多くの企業の急務となっています。 社内にIT人材育成のノウハウがない場合には、日常業務と両立可能な外部の専門講師が行うeラーニングがおすすめです。IT人材育成を考えている人事担当者は、ぜひeラーニングでの研修を検討してみてはいかがでしょうか。
▼【無料】経済産業省が取り組む デジタル人材育成プラットフォーム|ウェビナー見逃し配信中

経済産業省の商務情報政策局 情報技術利用促進課でDXリテラシー標準化の検討会を行っている同課の金杉 祥平氏をお招きし、「経済産業省が取り組むデジタル人材育成プラットフォーム」について語っていただいたウェビナーのアーカイブです。デジタル人材要件の定義や、リスキリングするための構造化された項目、さらに経済産業省で構想している人材育成プラットフォームについてもお話しいただいております。
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登壇者:金杉 祥平様経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課 課長補佐(企画)
2006年に経済産業省に入省。過去には、再生可能エネルギーの推進、家電製品の安全基準の整備、電気事業制度のルール整備、福島第一原子力発電所の廃炉推進に従事し、2021年5月から現職。情報技術利用促進課では、地域企業・産業のDXの実現に向けて、デジタル人材の育成を推進するため、デジタル知識・能力を身につけるための実践的な学びの場を提供する「デジタル人材育成プラットフォーム」の制度設計を担当。