ビッグデータとは?特徴やビッグデータの活用事例を解説
ビッグデータとは、一般的なデータベースソフトウェアでの蓄積や運用をはじめ、分析できる能力を超えた膨大で複雑なデータです。本記事では、ビッグデータの特徴をはじめ、具体的な活用事例を紹介します。
- 01.ビッグデータとは?
- 02.ビッグデータの特徴
- 03.ビッグデータ活用で実現可能な内容
- 04.ビッグデータ活用での注意点とは
- 05.ビッグデータの具体的な活用事例
- 06.まとめ
01ビッグデータとは?
ビッグデータとは、一般的なデータベースソフトウェアでの蓄積や運用をはじめ、分析できる能力を超えた膨大で複雑なデータを指します。ここでは、ビックデータの特徴とAI、IoTの関係性について詳しくみていきましょう。
02ビッグデータの特徴
インターネット上では、膨大な情報があり、毎日新しく生み出されています。これをビッグデータといいますが、ビッグデータは、単なる大きなデータを意味するだけではなく、3Vの特徴があります。3Vとは、膨大な量(Voolume:ボリューム)、速度(Velocoty:ベロシティ)、多様性(Variety:バラエティ)です。近年のIT技術の発達により、こうしたビッグデータの収集が可能になり、分析されてさまざまな分野で広く活用されています。オープンデータやAI、IoTの関係についてみていきます。
オープンデータとの違い
オープンデータとは、ある一定のルールに基づき公開されているデータで、制限なしに誰でも利用可能です。地方自治体が保有する住民情報や防災情報をはじめ、公共施設情報、地図情報、観光情報、各種統計などのデータをルールの範囲内であれば、自由に加工や複製・頒布できます。もちろん、商用としても利用可能です。 総務省によると、国や地方公共団体が提供するオープンデータは、ビッグデータに分類されるとしています。 このほか、企業のノウハウをデジタル化・構造化したデータや企業のM2M(Machine to Machine)に関するストリーミングデータ、個人情報であるパーソナルデータもビッグデータに分類されます。広義に捉えると、オープンデータもビッグデータの一部といえます。
ビッグデータとAIの関係性
ビッグデータの形式はテキストや音声、動画、センサーからのデータなどバラエティに富んでいます。こうした非構造化データは、そのままの状態では利活用できず、BIツールなど分析するためにシステムが必要となります。また、AI開発を行う際にもビッグデータが必要不可欠です。 つまり、ビッグデータとAIは、お互いに密接な関係があるといえます。AI技術が飛躍的に進歩したことで、膨大なデータから有用なデータを抽出し、効率よく分析できるようになりました。
ビッグデータとIoTの関係性
ビッグデータは、顧客名や住所など形のある構造化データと、形の決まっていない非構造化データ、モノから得られるIoTデータで構成されています。IoTとはInternet of Thingsの略で、モノのインターネットを意味し、さまざまなものがインターネットでつながることで、情報をやり取りできる技術やサービスです。 モノのインターネットの環境下においては、人がモノのそばにいなくとも、状況に適した機能を実行できます。ビッグデータは、こうしたIoT技術とクラウドの発達で容易に収集可能となり、AIで分析され、活用されるようになったのです。
03ビッグデータ活用で実現可能な内容
ビッグデータの概要についてみてきました。ここからは、ビッグデータ活用で実現可能な内容について考えていきます。ビッグデータを活用することで、精度の高い予測やデータを基に企業経営を行えるようになります。ひとつずつ詳しく解説します。
精度の高い予測が行える
ビッグデータの活用で、精度の高い予測が行えます。たとえば、製造業において、過去の販売実績や価格傾向を分析し、この推移をもとに将来予測をすると、余剰在庫の防止や欠品を防げます。 こうした商品の需要予測だけにとどまらず、業務効率化や事故、犯罪予測、健康管理など活用範囲は多岐にわたります。
データドリブン経営の実現
ビッグデータの活用で、データドリブン経営が実現可能になります。データドブリン経営とは、データを基に経営を行う方法のことで、ビッグデータを収集・蓄積・可視化し、ビジネス上の意思決定に使用します。 データに基づく施策立案や効果検証を行い、客観的な視点で経営の意思決定を行えるようになります。開発やマーケティングなど多くの分野で活用できるでしょう。
新しいビジネス創出につながる
ビッグデータの利活用は、新たなビジネス創出につながる可能性を秘めています。イノベーションモデル企業のひとつがGoogleであり、同社が提供する検索エンジンの利用履歴はビッグデータのソースとなっています。たとえば、インターネット情報には、あらゆる情報が存在していますが、こうした外部データを社内データと組み合わせると、より大きな価値を引き出すことが可能になるのです。
04ビッグデータ活用での注意点とは
ビッグデータの活用で実現可能な内容についてみてきました。こうした利点がある一方で、ビッグデータ活用に際しては注意すべき点もあります。膨大なデータ分析に対応可能な仕組みをつくるための環境整備や、人材確保についてなど主に3つの注意点について解説します。
社内システムの環境整備
膨大なデータを用いて、システムを稼働させられる社内システムの環境を整備が求められます。ビッグデータを保存するストレージや、機械学習を可能とするだけの計算能力を備えたコンピューターを用意しましょう。プログラミング不要でマウスによる簡単な操作だけで AIプログラミングを可能とするソフトウェア、GUIツールを準備しておくと有用です。
万全のセキュリティ対策を行
ビッグデータを活用する際には、個人情報や企業の機密情報を含め、秘匿情報の扱いについて万全のセキュリティ対策を行う必要があります。セキュリティ面に優れたシステムの選定や、より綿密なセキュリティ管理が重要です。
ビッグデータ解析可能な人材の確保
ビッグデータを解析できる人材の確保も重要なポイントです。ビッグデータの収集自体が目的となっていまい、その先のデータの利活用がうまく行かないようでは本末転倒です。データ分析の基盤を支えるデータエンジニアや、分析したデータから有益な知見を見出すデータサイエンティストなどスキルのある人材の雇用や、人材育成に注力しましょう。
05ビッグデータの具体的な活用事例
ビッグデータの概要や実現可能な内容、注意すべき点について解説してきました。ここでは、ビッグデータを有効に活用している4社の具体的な事例を紹介しますので、自社でビッグデータを活用する際の参考にしてください。
三井住友海上火災保険株式会社
ビッグデータを活用した新たな防災・減災サービスのニーズが高まるなか、三井住友海上火災保険は、「RisTech(リステック)」サービスを2021年より開始しました。このサービスは過去の事故データをはじめ、顧客データ、契約に関するデータ、コールセンターへの入電データといった蓄積されたデータを組み合わせて活用し、企業のリスク分析やリスクモデルの開発を行うものです。その結果、事故・災害の未然防止や企業課題への対策につながります。
株式会社ビビッドガーデン
「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデンでは、ビッグデータを活用してあらかじめ農業事業者の収入を予測するデータドリブン経営を目指しています。一般的に、農作物の栽培は勘や経験に依存しがちです。しかし、農作物に必須の土壌と空気、日照量のデータを畑から取得し、受信機を通じてデータベースに記録、アプリで可視化するセンサーシステム「Agri Palette」を用いることで、品質・収量・収穫時期のコントロールが可能になります。 将来的には、農業事業者がデータを参照しながら作付けすることで、収穫前に収入予測が可能な農業の実現が期待されています。
株式会社あきんどスシロー
回転寿司のチェーン店「スシロー」を運営する株式会社あきんどスシローでは、すべての寿司皿にICタグを取り付け、レーンに流れる寿司の鮮度や売上状況の管理を行っています。 店舗ごとに、注文情報から廃棄された寿司ネタ情報に至るまで、そのデータ量は年間で10億件以上にのぼります。こうして収集・蓄積したデータは、店舗オペレーションの改善や新商品の開発などに有効活用しています。
楽天グループ株式会社
楽天は2018年5月に、楽天IDと消費行動分析データなどのビッグデータを分析して消費行動を理解し、マーケティングに活用するAI「Rakuten AIris(楽天アイリス)」を開発しました。購買見込みのあるユーザー抽出や、広告配信において精度の高い拡張ターゲティングを可能にします。
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・自己啓発への活用方法 など
06まとめ
ビッグデータは、今後、企業の経済活動や社会基盤に大きな影響力をもたらしていくと考えられます。しかし、ビッグデータの活用方法は企業ごとに異なり、単に収集・分析をするだけでは、ビジネス成果にはつながりません。ビッグデータの具体的な活用事例を参考に、ぜひ自社のビッグデータを価値あるものに変えていってください。