公開日:2022/09/08
更新日:2022/11/17

実行力とは?必要性や求められる3つの能力と鍛える方法を解説

実行力とは?必要性や求められる3つの能力と鍛える方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

実行力は、仕事をする上で求められる基礎的な能力の1つです。VUCAの時代にありながら、コロナ禍で加速した激変する環境変化において、社員の実行力を育成することの重要性は高まっているといえるでしょう。本記事では、実行力とはどのような能力か、その必要性や求められる3つの能力、鍛える方法について解説します。

 

01これからの時代は今まで以上に実行力が求められる

日本経済団体連合会が会員企業を対象に、採用と大学改革への期待に関するアンケート調査(2022年度)を実施しました。その中で、企業が大学生に対して期待する資質として、以下の3つを上位に挙げています。

  • ・主体性(84.0%)
  • ・チームワーク・リーダーシップ・協調性(76.9%)
  • ・実行力(48.1%)

社会人基礎力における12の能力要素のうち、主体性と実行力が上位となり、これらの育成を産業界が大学に強く求めていることが明らかになりました。同時に、新入・若手社員にも主体性や実行力が特に求められている傾向にあることがうかがえます。

▶︎参考:採用と大学改革への期待に関するアンケート結果|一般社団法人日本経済団体連合会

人生100年時代の到来と影響

労働政策研究・研修機構の調査によると、人生100年時代を予測した場合、これまで重視された「経験をもとに着実に仕事を行う能力(46.3%)」などから、将来的には「自ら考え行動することのできる能力(55.3% )」といった、新たな能力の獲得が求められるとの予測が示されました。 人生100年時代と呼ばれる現代は、これまで以上に自分の持つスキルの見直しが求められます。社会環境の変化に加え、年齢により変わる状況に応じて、柔軟に行動することや、目標を実現するには何を行うべきかを自分で決めて実行していく能力が、今まで以上に求められるのです。

▶︎参考:人生100年時代のキャリア形成と雇用管理の課題に関する調査|独立行政法人 労働政策研究・研修機構(2020年)

 

02実行力とは?

実行力とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が提唱した社会人基礎力の1つです。目的や目標に対する計画を設定し、確実に行動する力を指します。計画に沿って目標を現実化する力と言い換えることができるでしょう。 目標を立てる上で重要なのは、実現するために努力を要する目標にすることです。実現不可能なほど高過ぎる目標である必要はありませんが、自分ができることをやり続けるのは、実行力とはいえないでしょう。現在の自分では、すぐに到達できない目標だからこそ、失敗を恐れず行動に移し、粘り強く取り組むという姿勢が求められるのです。

▶︎参考:人生100年時代の社会人基礎力について|経済産業省

行動力との違いは計画の有無にある

行動力と実行力の違いは、行動に対して計画性があるかという点です。実行力が計画に沿って目標を現実化する力を指しているのに対して、行動力は計画の有無にかかわらず積極的に行動を起こす力を意味しています。つまり、実行力は積極的に動くだけでは不十分で、目的や目標を意識し、計画的に行動することが求められているのです。

 

03実行力がある人材に共通する3つの能力

実行力がある人材は、高い目標を掲げ、達成までの計画に沿って、効率的に行動できます。ビジネスにおいて、高く評価される人材です。このような人材には、以下のような共通する能力があります。

  • ・目標達成までの計画を立案する計画力がある
  • ・目標に向かって積極的に実行に移す行動力がある
  • ・論理的思考が身についている

1.目標達成までの計画を立案する計画力がある

実行力がある人材には、優れた計画力があります。計画力とは、単にスケジュールを立てることに留まりません。なぜなら、目標達成に向けたプロセスを明確にし、最善のものを選んだ上で準備する必要があるためです。また、1つの計画案だけでなく、複数の計画案の中から比較検討する能力にも秀でています。だからこそ、目標まで最短距離・最短時間で遂行できるのです。

適切な目標設定ができる

優れた計画力があれば、当然ながら適切な目標設定ができます。成果が上がらない理由として、達成不可能なほど高い目標、もしくは目標が具体的でないなど、目標設定に問題がある ケースが意外と多いです。実行力には、目標を立てる際の設定自体が非常に重要になります。

2.目標に向かって積極的に実行に移す行動力がある

実行力がある人材には、目標に向かって積極的に実行に移す行動力があります。どれほど良い計画を立てても、挑戦しなかったり、途中で諦めてしまったりすれば、成果は得られないでしょう。ビジネスにおいて、期日の遅れが許されないことも多いため、計画通りに進めるには、行動力が重要な能力になります。

最後までやり抜くことができる

実行力がある人材は、たとえ困難なことがあっても、最後までやり抜くことができます。自分1人で行うのが難しい場合には、メンバーに助けを求めたり、他部署と連携したりする柔軟性も併せ持っていることが多いです。高い目的意識があるため、失敗を恐れずに挑戦し、粘り強く取り組むことが可能です。

論理的思考力が身についている

実行力のある人材は、論理的思考力が身についており、目標設定から達成まで、体系的に整理し、筋道を立てて考えることが可能です。論理的思考は、現状の問題を解決するための計画立案や最適な行動を選択する判断に反映されています。想定外のトラブルなどイレギュラーな事態によって、途中で目標や計画の変更が求められることも少なくありません。複数の視点から分析し軌道修正する上でも、論理的思考力は欠かせない能力といえます。

タスクの優先順位を把握している

実行力がある人材は、タスクの優先順位を把握しており、今やるべきことは何かを正しく理解しています。優先順位を把握していないと、業務全体の進捗に影響する場合もあるでしょう。滞りなく実行していくためには、まず最初に何をすべきか、緊急度や重要度に応じて優先順位を把握することが大切です。

 

04社員の実行力を鍛える方法

社員の実行力を鍛えるためには、目標設定から計画、実行、結果の振り返りまでを1つのサイクルとして、成果が上がらない原因や解決策を考えることが大切です。ここでは、実行力のキーポイントとなる目標設定、業務を振り返る方法などをご紹介します。

社員の実行力を鍛える具体的な方法は、以下の4つです。

  • ・G-PDCAを回す
  • ・KPT法を活用する
  • ・OJTを導入する
  • ・ビジネス研修やセミナーを活用する

1.G-PDCAを回す

G-PDCAを回すことで、実行力を鍛えることが可能になります。PDCAにGoalを加えた「G-PDCAサイクル」と呼ばれるものです。「Goal:目的を達成するための目標」「Plan:計画」「Do:実行」「Check:評価」「Action:改善」の4ステップを1サイクルとし、繰り返し実施します。 具体的で明確な目標でなければ、良いPDCAを回すことはできません。チームの全体目標と個人目標をバランスよく統合することで、実行力が鍛えられるでしょう。

2.KPT法を活用する

振り返りのフレームワークの1つであるKPT法を活用することで、実行力を鍛えることができます。KPT法とは、業務の改善や作業の振り返りに適したフレームワークです。改善したい対象に対して、「Keep:継続すること」「Problem:解決すべき課題」「Try:次に取り組むこと」の順に検討します。 文字で書き出すことによって、客観的に振り返ることができ、課題が明確になります。チーム全体で共有することもできますが、個々に活用し、チーム全体に落とし込むことも可能です。業務をしっかり振り返ることで、次の業務にしっかり活かすことができれば、自ずと実行力は鍛えられるといえます。

3.OJTを導入する

実際の職務現場で行うOJT(On-The-Job Training)を導入することで、実行力を鍛えることが可能です。OJTとは、新人社員や未経験者に対して、実務を通して業務知識を身につける育成手法のことです。 上司や先輩社員が1対1で指導するケースが多いため、理解のペースに応じて、研修内容や期間を柔軟に変えることができます。その都度、疑問点を解消できることで理解力も深まるでしょう。実務を通して育成をするため、研修内容と実際の業務とのズレが少なく、OJT終了後は即戦力になる点もメリットです。

4.ビジネス研修やセミナーを活用する

社員の実行力は、ビジネス研修やセミナーで育成することが可能です。実務では経験できないような学びや気づきを得ることができます。日々の業務を客観的に振り返る場にもなるでしょう。実行力を効果的に鍛えるためには、社員の実行力を細分化し、計画力・行動力・思考法などから、どういったスキルが不足しているのか明らかにすることが大切です。

 

05実行力を向上させるSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実

実行力に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、実行力に関する授業を紹介いたします。

成果を出す人だけがやっている仕事の進め方

信頼の獲得、味方作り、スモールサクセスの積み上げ、仕組み化…など結果を出す人には、共通した社内を動かすための具体的な動き方があります。今回の授業ではそれらの動き方を学んでいきます。

 
  • グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長

    慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科修了。スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所にて、エネルギー産業、中央省庁(経済産業省、文部科学省他)、自治体などを中心に調査、研究、コンサルティング業務に従事。現在グロービス経営大学院及びグロービス・マネジメント・スクールにて企画・運営業務・研究等を行なう傍ら、グロービス経営大学院及び企業研修におけるリーダーシップ開発系・思考科目の教鞭を執る。経済同友会幹事、経済同友会教育問題委員会副委員長(2012年)、経済同友会教育改革委員会副委員長(2013年度)、ベンチャー企業社外取締役、顧問、NPO法人の理事等も務める。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』(ダイヤモンド社)、共著に『志を育てる』、『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』(東洋経済新報社)、『日本型「無私」の経営力』(光文社)、『21世紀日本のデザイン』(日本経済新聞社)、『MBAクリティカル・シンキングコミュニケーション編』、『日本の営業2010』『全予測環境&ビジネス』(以上ダイヤモンド社)、訳書に「信念に生きる~ネルソン・マンデラの行動哲学」(英治出版)等がある。

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プロジェクトマネジメント入門~チームで目的達成を目指す方法~

本授業では、プロジェクトマネジメントの基本的な進め方に則り、「①ゴール設定」「②計画の立て方・段取り」「③プロジェクト実行・リスクマネジメント」の全3回に渡って学んでいきます。

 
  • ビジネスファイターズ合同会社 代表

    愛知県生まれ。南オレゴン大学卒。インサイトテクノロジー入社。インド企業とのソフトウェア共同開発プロジェクトに従事。その傍ら、プロジェクトマネジメント協会の標準本の出版翻訳に携わる。マーケティングに特化後は、データベース監査市場にて2年連続シェア1位獲得に貢献 (ミック経済研究所)。 外資系製造企業FAROでは、アジア太平洋地域でのマーケティングやプロジェクトに責任者として取り組む。人材育成や多様性のあるチーム作りにも力を入れ、1on1ミーティングは1,000回を超える。現在は、マーケティング支援や人材育成(研修・講習・執筆)など多方面で活動中。著書に『童話でわかるプロジェクトマネジメント』(秀和システム)、『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』(明日香出版社)、『令和上司のすすめ』(日刊工業新聞社)、『まわるリモートチームのマネジメント術』(明日香出版社)などがある。

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迷わず一歩踏み出せる「脳内スッキリ術」

先が見えない複雑化した時代の真っ只中で、私たちの行動を止めている不安や迷い、悩みなど頭の中のゴミを捨てて行動の第一歩目を踏み出すための秘策を解説していきます。

 
  • 思考の整理家®/株式会社コンパス 代表取締役

    思考の整理家® 1974年生まれ。株式会社コンパス 代表取締役。 現在は「思考の整理術」を使った独自の手法で人材育成トレーナーおよびコンサルタントとして活動中。 大学卒業後、IT系企業や商社を経て25歳で起業。「金なし・人脈なし・ノウハウなし」の3重苦からスタートしたため、3年以上まともに給与が取れずに挫折続きの生活を送る。 その後、思考を整理すれば問題の9割が解決していることに気づき、思考の整理術に開眼。以来、10年以上にわたり研究を独自に重ねて体系化。 難しい問題を優しく解きほぐす「思考の整理術」は、フリーランスや起業家、東証一部上場企業まで幅広く支持され、コンサルティング実績は100社以上、研修や講演は年間150日以上登壇、セミナー受講者数は累計3万人を超す。特に「思考の整理ノート」メソッドは、経営者の意思決定支援や次世代リーダーの育成で圧倒的な支持を得ている。 また、ラジオ、テレビ出演を果たした他、執筆活動にも力を入れ、著書に『1分で頭の中を片づける技術』(あさ出版)など11冊・累計12万部以上の実績を持つ。 読書会を主宰する他、焼き鳥をこよなく愛する。 左手にアメトーク、右手にハイボールを。

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06まとめ

実行力は、人生100年時代が到来した現代において、新入・若手社員をはじめとしたあらゆる年代の社員に求める能力の1つです。そして、実行力のある人材に共通する行動力、計画力、論理的思考力も欠かすことはできません。しかし、行動力はあっても実行力が不足している場合も少なくないため、ビジネス研修やセミナーなどを積極的に活用し、社員一人ひとりの能力を育成を進めることが必要です。

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