更新日:2025/06/18

OJT研修とは|目的や内容について詳しく紹介

OJT研修とは|目的や内容について詳しく紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

OJT研修とは、OJT担当者を育成するための研修です。本記事では、その目的や具体的な研修内容、現場で活用できるカリキュラム例を紹介し、担当者の育成に役立つ情報を提供します。

 

01OJT研修とは

OJT研修とは、OJTを効果的に実施するために、OJT担当者を育成するための研修を指します。OJTとは、職場の上司や先輩が日常業務を通じて部下や後輩に指導を行い、必要な知識や技術、仕事の進め方を習得させる教育方法です。この方法は、実務を通じてスキルを学べるため、習得した内容をすぐに実践に活用できるという利点があります。

一方で、OJTを効果的に進めるには、指導する側であるOJT担当者のスキルや知識が重要です。OJT研修では、担当者が適切な指導方法を学び、具体的な教育計画の立案やフィードバックの方法を習得します。これにより、部下や新入社員の成長を促進し、職場全体の生産性向上につなげることができます。

 

02OJT研修が必要な背景

“OJT研修が必要な背景”

Schooが実施した新入社員の育成担当者を対象とした調査では、新入社員の育成における課題として、「育成に割く時間がない」という回答が最も多く、続いて「育成方法がわからない」、「部下の成長意欲を引き出せない」、「コミュニケーションがうまく取れない」といった意見が挙げられました。

これらの課題は新入社員の成長を妨げる要因となる可能性があるため、育成担当者への適切な支援や効果的な指導方法を学ぶ機会を提供することが求められます。

育成方法がわからない

OJT担当者の中には、部下の育成方法を具体的に理解していないケースがあります。業務に精通している先輩社員や上司であっても、教える技術や育成計画の立て方に関する専門的なトレーニングを受けた経験がない場合が多いためです。その結果、適切なスキル伝達が行われず、指導の効果が低下してしまうことがあります。

さらに、「見て覚える」といった非体系的なアプローチでは、指導対象者が何をどのように学べばよいかが不明瞭になり、育成がスムーズに進まない原因となります。このような課題を解決するためには、OJT研修を通じて効果的な育成手法を学び、計画的かつ体系的な指導を行うスキルを身につけることが求められています。

部下の成長意欲を引き出せない

育成の場では、指導する側が部下の成長意欲を引き出せず、指導が一方的になることがあります。特に新入社員の場合、業務経験が浅いため、仕事の価値や目的を見出せずにモチベーションが低下しやすい傾向があります。そのため、指導者が適切な目標設定やフィードバックを行わず、さらに部下の強みや興味を十分に把握しないまま指導を進めると、結果的に部下の意欲を大きく損なう恐れがあります。

OJT研修では、部下の意欲を高めるための動機付け手法や、効果的なコミュニケーションスキルを学ぶことで、部下が主体的に学ぶ姿勢を育むことを目的としています。

コミュニケーションがうまく取れない

指導者と部下の間で効果的なコミュニケーションが取れない場合、指導内容が十分に伝わらなかったり、部下が質問や意見を言い出せない雰囲気が生じたりする恐れがあります。その結果、指導の効果が薄れ、部下の成長や意欲の低下につながる可能性があります。特に、世代間のギャップや指導者側の多忙さが影響し、日常的な対話が不足する場合にこの問題が顕著になります。

コミュニケーション不足は、信頼関係の構築を妨げ、指導者からのアドバイスや指摘が部下に受け入れられにくくなる原因にもなります。OJT研修では、傾聴や共感の技術、建設的なフィードバック方法などを学び、円滑なコミュニケーションを通じて指導の質を向上させることを目指します。

新入社員の育成に関する調査レポート2024はこちら

 

03OJT研修の目的

OJT研修の目的は以下の通りです。

  • 1:正しい指導方法を習得してもらう
  • 2:新入社員・若手社員の早期離職を防ぐ

OJT研修を実施することで、OJT担当者は正しい指導方法を習得できます。自己流の指導ではなく、体系的かつ効果的な指導法を身につけることにより、指導対象者が確実に成長を実感できる環境が整います。その結果、部下のモチベーションが向上し、早期離職を防ぐ効果が期待できます。

正しい指導方法を習得してもらう

OJT研修の目的の1つは、指導者が正しい指導方法を習得することです。業務の熟練度が高い社員でも、育成の手法に関しては経験が浅い場合があり、自己流の指導では効果的な教育が難しいことがあります。

OJTに求められるスキルは、目標設定の方法、計画的な指導手順、効果的なフィードバックの技術です。加えて、部下の性格や能力に応じた指導スタイルを身につけることも重要です。これらのスキルを研修で習得することで、体系的かつ個々の特性に合わせた指導が可能となり、部下が効率よくスキルや知識を習得できる環境を整えることができます。

新入社員・若手社員の早期離職を防ぐ

“新入社員・若手社員の早期離職を防ぐ”

Schooの授業「新入社員の「自発性」を育むOJTの方法」では、若手社員が早期離職に至る主な理由として、「存在承認」「貢献実感」「成長予感」の3つが重要であるとされています。特に、将来的な自己成長を実感できるかどうかが、職場への定着を大きく左右します。

そのため、OJT担当者には、目の前の業務だけでなく、社員の成長ビジョンまで見据えた関わり方が求められます。信頼関係を構築し、日常の対話やフィードバックを通じて「ここで努力すれば理想の自分に近づける」という感覚を持たせることが、離職防止につながります。OJT研修では、こうした視点を持った指導の重要性を伝えることが目的の1つとなります。

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04OJT研修の内容

OJT研修の内容は、以下の通りです。

  • 1:教育担当者としてのマインドセット
  • 2:相手の能力を見極める3ステップ
  • 3:指導の基本|4段階職業指導法
  • 4:フィードバックの基本手順SBI
  • 5:部下への声掛け優先順位
  • 6:叱り方の原則
  • 7:報連相への対応の基本

OJT研修では、担当者が現場で必要とされる育成スキルを段階的に習得できる構成が求められます。本セクションでは、Schooの講座を参考に、研修設計の指針として「どのような内容を提供すれば、OJT担当者が適切な指導力を実践的に学べるのか」という観点で、7つのテーマを紹介します。

1:教育担当者としてのマインドセット

教える側が持っておきたい必須マインド

Schooの講座「仕事を教え、育てていく方法」では、新人がどの段階でつまずいているのかを見極めることで、的確なOJT支援が可能になると説かれています。OJT担当者が育成に臨む際に求められるのは、適切なスタンスを取るためのマインドセットです。「見張らず・見放さず・見守る」という姿勢を通じて信頼関係を築き、成長を促す関わり方を学べるように設計しましょう。状況に応じた距離感や介入の判断基準を持たせることも大切です。

2:相手の能力を見極める3ステップ

相手の理解度を見極める3ステップ

Schooの講座「仕事を教え、育てていく方法」では、効果的なOJT指導の前提として、相手がどの段階でつまずいているのかを見極める力の重要性が紹介されています。OJT研修では、「理解」「想像」「実践」の3ステップを軸に、状況に応じた支援の切り替え方を習得できるよう構成することがポイントです。

頭で理解できているか

「わかったつもり」を見抜くには、用語や説明内容への理解度を丁寧に確認する必要があります。研修では、理解度チェックのための質問技法や、言い換え・例示による補足スキルを習得できる内容とします。

場面が想像できるか

知識が業務シーンに結びついているかどうかが重要です。ロールプレイやシナリオ演習を通じて、理解と行動のギャップを可視化し、適切な支援方法を学べる設計にしましょう。

実際に動けるか

行動に移す段階では、OJT担当者の見守りや介入のバランス感覚が問われます。失敗を許容した上で成長を促す支援のあり方を中心に、実践的なサポート技法を学べる内容にしましょう。

3:指導の基本|4段階職業指導法

4段階職業指導法

Schooの講座「OJTにおける指導の方法/教え方」では、「やってみせる→説明する→やらせてみる→確認・補足する」という4つの工程からなる4段階職業指導法が紹介されています。ホワイトカラー業務においても有効な手法であり、再現性のある育成を行ううえで非常に有用です。特に「やってみせる」の段階では、過程や思考の見える化が欠かせません。研修ではそれらの共有スキルも身につけられる内容にしましょう。

4:フィードバックの基本手順SBI

SBIフィードバックの基本構造

Schooの講座「OJTにおける指導の方法/教え方」では、「状況(S)」「行動(B)」「結果(I)」の順に伝えるSBIフィードバックが紹介されています。OJT担当者が相手の自尊心を損なうことなく、納得感をもって行動を振り返らせるための有効な手法です。研修では、この構造化された伝え方を実践形式で学べるように設計します。

5:部下への声掛け優先順位

部下への声掛けステップ図1 部下への声掛けステップ図2

Schooの講座「OJTにおける指導の方法/教え方」では、「不安の解消→自信の醸成→成長意欲の喚起」という3ステップでの声かけが効果的であると紹介されています。OJT研修では、部下の心理状態を見極めながら、段階的に声をかける手法を学び、会話トレーニングなどを取り入れた構成にすると効果的です。

6:叱り方の原則

叱り方の原則

Schooの講座「OJTにおける指導の方法/教え方」では、「理由と背景の共有」「行動に焦点を当てる」「思い込みで判断しない」という3つの原則が紹介されています。OJT担当者が部下を否定せずに育てるには、感情に流されない適切な叱責のスキルが求められます。研修では、相手の納得感と改善意欲を引き出す伝え方を実践的に学べる構成とします。

7:報連相への対応の基本

報連相対応の基本「おひたし」

Schooの講座「OJTにおける指導の方法/教え方」では、「怒らない」「否定しない」「助ける」「指示する」を基本とした「おひたし」という受け止め方が紹介されています。報連相をしやすい関係性を築くには、まずOJT担当者が安心して話せる雰囲気を作ることが重要です。研修では、相談を引き出すための姿勢や、的確な指示の出し方、目的や根拠の伝え方までを実践的に学べる内容にしましょう。

 

05OJT研修のカリキュラム例

本章では、Schooを用いたOJT研修のカリキュラム例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

第1回 新入社員の「自発性」を育むOJTの方法
時間 50分×2コマ
研修内容
  • ・自発性を育むOJTとは
  • ・データで見る新入社員世代の実態
  • ・信頼関係づくりのための声掛け
  • ・指導の基本
  • ・相手に響く指導、響かない指導
  • ・報連相への対応と伝え方のコツ
第2回 新メンバーへの業務の教え方
時間 60分×1コマ
研修内容
  • ・新メンバーへの業務の教え方
  • ・教育にストレスを感じる理由
  • ・教える側が持っておきたいマインド
第3回 パワハラと業務指導 線引きの考え方 -管理職向け
時間 25分×1コマ,35分×1コマ
研修内容
  • ・職場のパワーハラスメントとは
  • ・パワハラの定義等
  • ・パワハラが問題となる局面の多様性
  • ・事例
  • ・言動のみでパワハラか否か判断可能か
  • ・これまで自分自身の言動がパワハラか否かをどのようにセルフジャッジしていたか
  • ・パワハラか否かは言動のみで判断できるのか
  • ・業務指導とパワハラの線引きの基本的な考え方
  • ・業務指導とパワハラの線引きの基本的な要素
  • ・裁判例:業務指導の必要性について
  • ・裁判例:業務指導の相当性について
  • ・裁判例:業務指導の相当性について(指導の内容・態様・執拗さ)
  • ・裁判例:業務務指導の場所、時間の長さ、時間帯等
  • ・裁判例:他の部下に対する指導
  • ・裁判例:上司と部下の関係・職場環境(上司の個性)
   

 

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


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06OJT研修|Schoo for Business

Schoo for Business

Schooでは約9,000本の授業を保有しており、OJT研修に関する授業も多く揃っています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。

研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 9,000本
※2023年3月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,650円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております

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OJT研修に関するコンテンツ一覧

研修内容 時間
新入社員の「自発性」を育むOJTの方法 1時間40分
新メンバーへの業務の教え方 1時間
パワハラと業務指導 線引きの考え方 -管理職向け 1時間
ホンネが分からない相手に“踏み込む“スキル 2時間
心を許したくなる聞き方のコツ 2時間
共に進める関係を築くための「受信力」 1時間
非言語コミュニケーション術 1時間
コーチング 目標設定のための4ステップ 50分
パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」 2時間
ビジネスコーチング スキル・マインドセットと実践例 3時間
損する伝え方・得する伝え方 1時間
コミュニケーションを円滑にする「ほめ上手」のテクニック 45分
若手新入社員の心をつかむ「歩み寄り方」 1時間
 

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大企業から中小企業まで幅広く導入

Schoo導入企業ロゴ

Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで幅広い企業にご導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。

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07OJT研修のよくある質問

ここからは、SchooのOJT研修についてのよくある質問を、Q&A形式でご紹介します。

質問:OJT研修の内容について教えてください。

回答:Schoo for Businessを使ったOJT研修では、OJTの基礎知識やコミュニケーションに関する講座がよくご利用いただいております。 研修を通じてOJTで社員を育成するために必要な知識やスキル習得を目指します。

質問:授業はどのように選んだらよいですか?

回答:スクーでは職種別・階層別に様々な研修パッケージをご用意しています。研修パッケージはいくつかの授業によって構成されており、目的や対象に合わせて研修パッケージのテンプレートを選択するだけで簡単に研修を開始することができます。 OJT研修パッケージの一例をご紹介すると、「OJT研修パッケージ」や「オンラインコミュニケーション研修パッケージ」、「コーチング研修パッケージ」などがあります。

質問:当社の状況を踏まえたOJT研修パッケージは作れますか?

回答:授業を組み合わせてオリジナルの研修パッケージを作成することが可能です。 またスクーでは階層や職種に応じて様々な研修テンプレートをご用意しているので、1から研修を作る手間をかけずに社員に合った研修を始めることもできます。まずはお気軽にご相談ください。<お問い合わせフォーム

 

08まとめ

OJT研修の目的は、指導者に正しい指導方法を習得させることです。これにより、指導を受ける新入社員や若手社員が成長を実感し、早期離職の防止につながります。OJT研修では、コーチングやティーチング、フィードバックなど、指導力の向上に役立つ内容を取り入れることが重要です。また、指導者が信頼関係を構築できるよう、コミュニケーション能力を高める研修も効果的です。これらを通じて、指導者が適切な方法で部下を育成できるように支援しましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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