更新日:2026/06/22

社員のプログラミングスキルを高めるには?そのポイントや研修の活用方法を解説

社員のプログラミングスキルを高めるには?そのポイントや研修の活用方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

プログラミングスキルはエンジニアだけでなく、業務改善やDX推進に取り組む社員にとっても役立つスキルです。本記事では、非エンジニアを含む社員のプログラミングスキル習得を支援するメリットや具体的な方法、研修選びのポイントを解説します。

 

01プログラミングスキルとは?

プログラミングスキルとは、コンピュータに対して特定の処理や動作を実行させるために、プログラムを作成・修正・理解する能力を指します。

具体的には、PythonやJavaScript、Javaなどのプログラミング言語の文法理解やコードの記述力に加え、処理手順を論理的に組み立てる力、エラーの原因を特定して改善する力などが含まれます。プログラミングスキルはエンジニアだけに求められるものではありません。業務効率化ツールの作成、データの自動集計、社内システムの簡易カスタマイズなど、非エンジニアの業務においても活用できる場面があります。

そのため、単に「コードを書く力」としてだけでなく、「デジタルの力を使って業務課題を解決する力」の一部として捉えることが重要です。

プログラミングスキルの重要性は高まっている

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、企業では業務の効率化やデータ活用の重要性が高まっています。その実現には、既存ツールを使いこなすだけでなく、業務に合わせて処理を自動化したり、データを加工・分析したりする力が求められます。

こうした場面で役立つのが、プログラミングスキルです。例えば、定型的な集計作業を自動化する、複数のデータを結合して分析しやすい形に整える、社内システムから必要な情報を抽出するといった業務では、プログラミングの基礎知識があることで対応の幅が広がります。

経済産業省の資料では、2030年時点のIT人材の需給ギャップは、試算によって最大で約79万人に達する可能性が示されています。外部人材の採用だけで必要なITスキルを補うことが難しくなるなか、既存社員がプログラミングを含むITスキルを身につけることは、社内でデジタル活用を進めるうえでも重要です。

▼参考:IT分野について|経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課

 

02社員のプログラミングスキル習得を支援するメリット

システム開発を担当しない職種であっても、プログラミングの基礎知識は業務改善に役立ちます。プログラミングの考え方を理解することで、定型業務の効率化やエンジニアとの円滑な連携、IT活用への理解促進など、さまざまな効果が期待できるでしょう。

ここでは、社員のプログラミングスキル習得を支援する主なメリットを3つ紹介します。

業務を効率化できる

業務を効率化できる

非エンジニアがプログラミングスキルを身につける代表的なメリットの一つは、日々の業務を効率化できることです。例えば、管理表の更新作業を自動化したり、社内データの整理・集計を仕組み化したりすることで、作業時間の短縮やヒューマンエラーの削減が期待できます。

例えばSchoo for Businessの授業『GAS 超入門【2022年版】-業務自動化を実現する-』では、業務効率化に活用できるツールとして、Google Apps Script(GAS)を紹介しています。GASは、Google Workspaceと連携する業務アプリケーションを作成できる開発プラットフォームです。GmailやGoogleスプレッドシート、Googleカレンダーなどと連携し、ブラウザ上でコードを作成・実行できる点に特徴があります。

具体的には、フォームへの入力内容を自動でメール通知したり、スプレッドシートのデータを定期的に集計・整理したりといった処理を、比較的少ないコードで実現可能です。プログラミングに苦手意識のある社員にとっても、GASは業務改善の成果をイメージしながら学びやすい題材の一つといえるでしょう。

エンジニアとのコミュニケーションがしやすくなる

プログラミングの基礎知識があると、社内外のエンジニアとの意思疎通がスムーズになります。例えば自社でアプリ開発を進める場面では、実現したい機能や必要なデータ、想定される利用シーンをより具体的に伝えやすくなります。

さらに、プログラムの仕組みをある程度理解していれば、技術的な実現可能性や開発工数を意識したうえで相談できます。その結果、要件のすり合わせが進めやすくなり、認識のずれや手戻りの抑制にもつながります。

社内のIT活用やDX推進への理解が深まる

プログラミングの基礎を学ぶことは、ITツールやデータ処理の仕組みを理解することにもつながります。プログラムがどのような手順で処理を実行するのか、データがどのように取得・編集・出力されるのかを知ることで、業務にITを活用する際の解像度が高まるためです。

例えば、新しいITツールを導入する際にも、「どの業務を自動化できるのか」「どのデータを連携すれば効果が出やすいのか」といった観点で考えやすくなります。これは、単にツールを使うだけでなく、業務プロセスそのものを見直すうえでも役立ちます。

経済産業省・IPAが策定する「デジタルスキル標準」では、DXリテラシー標準が、すべてのビジネスパーソンがDXに関するリテラシーを身につけ、変革に向けて行動できるようになるための指針として位置づけられています。 プログラミング学習は、デジタル技術やデータ活用を自分の業務に引き寄せて理解するための、有効な入り口の一つといえるでしょう。

▼参考:デジタルスキル標準 ver.2.0 2026年4月|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構|経済産業省

 

03社員のプログラミングスキル習得を支援する方法

社員のプログラミングスキル習得を支援する方法として、以下3つについて解説します。

  • ・自律学習を支援する環境を整える
  • ・資格取得を支援する
  • ・社員研修を実施する

自律学習を支援する環境を整える

まずは、社員が自律的に学べる環境を整えることが重要です。具体的には、書籍購入補助やeラーニングの提供、学習時間の確保、社内勉強会の開催などが考えられます。

特に、現場で業務効率化の必要性を感じている社員や、自ら学びたいと考えている社員は、学習内容を実務に結びつけやすいと考えられます。そのため、社員の関心や業務課題に応じて学習できる制度を設けるとよいでしょう。

資格取得を支援する

資格取得の支援は、社員が学習範囲や到達水準を把握しやすくする方法の一つです。資格の出題範囲に沿って学ぶことで、プログラミングだけでなく、情報処理やシステム開発に関する基礎知識を体系的に学びやすくなります。

ITの基礎を幅広く学ぶ目的であれば「ITパスポート試験」、システムやソフトウェア開発の基礎まで学ぶ目的であれば「基本情報技術者試験」も選択肢になります。社員の職種や到達目標に応じて対象資格を選ぶことが重要です。資格対策の勉強会を実施したり、受験費用の補助や資格手当を導入したりすることで、自主学習を後押しできます。

社員研修を実施する

社員研修を実施する

プログラミング研修を取り入れることも効果的な選択肢の一つです。社内にエンジニアがいる場合は、社内メンバーに講師役を担ってもらう方法もあります。

非エンジニア向けの研修においては、専門的な開発スキルよりも、業務改善やデータ活用につながる実践的な内容にすることが重要です。社内での実施が難しい場合は、外部研修の活用も選択肢に入れつつ、受講者の職種やレベルに合った講座を選ぶとよいでしょう。

また、単に研修を実施するだけでなく、社員が自分自身で学びを進める力を育てることも重要です。Schoo for Businessの授業『ビジネスパーソンの「学習設計マニュアル」』に登壇する鈴木克明先生は、社員の自律的な学びを促すうえで「学び方を学ぶ」ことの重要性を解説しています。研修を通じて知識やスキルを身につけさせるだけでなく、「自分で学べる人になること」を目標の一つとして研修設計に組み込むことで、受け身になりがちな学習姿勢を変えていくことができます。

 

04社員のスキル習得を成功に導くためのポイント

ここでは、社員のスキル習得を成功に導くための4つのポイントを解説します。

習得の目的とゴールを定義する

まず「何のために学ぶのか」という目的とゴールを明確にすることが重要です。例えば、既存業務の効率化を目的とするのか、あるいは職種転換や職域拡大を目的とするのかによって、対象となる社員や目指すべきスキルレベルは異なります。

目的が曖昧なまま学習を始めると、学習内容と業務の間にミスマッチが生じやすく、社員の学習意欲も続きにくくなります。現場の課題や事業戦略と照らし合わせながら、「誰に」「どのレベルまで」「どのような活用を期待して」学んでもらうのかを整理したうえで、育成計画を設計することが大切です。

学習の進捗を可視化し、継続を支援する

スキル習得を継続させるには、社員自身が「自分がどの段階にいるか」を把握できる仕組みが必要です。学習の進捗や習得レベルが見えない状態では、成長の実感を得にくく、途中で学習が止まってしまうこともあります。

具体的には、スキルアセスメントの定期実施、eラーニングの受講履歴や修了状況の記録、目標設定と振り返りの機会づくりなどが有効です。上司や人事担当者が進捗を把握し、必要に応じてフォローできる体制を整えることで、社員が学び続けやすい環境をつくれます。

人事評価・キャリアパスと接続する

スキル習得の取り組みを根付かせるには、学びの成果を人事評価やキャリア形成と接続することも重要です。学習機会を提供しても、それが実務上の役割や今後のキャリアにつながらなければ、社員にとって学ぶ意義を感じにくくなります。

例えば、KDDIは、2025年に「日経リスキリングアワード2025」の企業・団体総合部門で最優秀賞を受賞した企業の一社であり、参考にしたい好事例です。

同社は「KDDI版ジョブ型人事制度」を導入し、30の専門領域を153のジョブに細分化したうえで、各ジョブに必要なスキルを定義しています。また、内製のアセスメントツールで社員のスキルを定量的に測定し、ジョブが求めるスキルとのギャップを把握できる仕組みを整えています。さらに、スキル習得を人事評価・賃金制度と連動させ、高評価者への特別昇給や特別賞与の支給も行っています。

このように、習得したスキルが本人のキャリア形成や評価につながる環境を整えることで、社員の自律的な学習を促しやすくなります。

▼参考:日経リスキリングアワード2025にて「企業・団体総合部門 最優秀賞」を受賞 | KDDI News Room

事業・実務に活かせる研修プログラムを設計する

プログラミング研修の効果を高めるには、実務との接続を意識したプログラム設計が欠かせません。汎用的な知識を学ぶだけでは、現場での活用イメージが湧きにくく、学習内容が定着しにくい場合があります。

例えば、営業・マーケティング職であればデータ分析や業務自動化、企画・管理部門であればExcelやスプレッドシートの自動化など、職種や役割に応じたテーマ設定が有効です。研修の中に実際の業務課題を題材としたワークを取り入れることで、学んだ内容を現場で活かしやすくなります。

外部研修を活用する場合も、自社の目的や対象者のレベルに合ったプログラムを選定し、研修後に実践する機会まで設計することが、スキルの習得と定着を促すうえで重要です。

 

05外部のプログラミング研修を検討する際のポイント

社員のプログラミングスキル習得を支援する有効な方法の一つに、外部研修の活用が挙げられます。外部研修を選ぶ際は、受講者のレベルや学習スタイル、実務との関連性を確認することが重要です。主なポイントとして、以下の3点について解説します。

  • ・受講者のレベルに合ったコースがあるか
  • ・対象者に合った研修スタイルか
  • ・職種や実務に適したプログラミングスキルが学べるか

受講者のレベルに合ったコースがあるか

プログラミング研修には、未経験者向けのものから、実務経験のあるエンジニア向けのものまで、さまざまなレベルのコースがあります。受講者のレベルに合ったコースが用意されているかを確認しましょう。

その際は、過去の学習経験だけでなく、現在のITリテラシーや業務でのツール利用経験、研修後に目指す到達水準に応じて、コースや難易度を選べる研修を選ぶとよいでしょう。

対象者に合った研修スタイルか

プログラミング研修には、講師が対面で行う集合研修、オンラインでのライブ研修、テキストやeラーニングを用いた自己学習型の研修など、さまざまな形式があります。対象者の職種や勤務形態、学習目的に合った方法を選ぶことが大切です。

例えば、新卒社員に対して一斉に基礎研修を行う場合は、集合研修としてまとめて実施する方法が効率的な場合があります。一方、リモートワークを取り入れている企業や、一定の基礎知識がある社員のスキルアップを目的とする場合は、オンライン研修やeラーニングを組み合わせる方法も有効です。

また、目的に応じて、対面研修とオンデマンド学習を組み合わせるブレンド型の設計も考えられます。基礎知識のインプットはeラーニングで行い、演習や質疑応答は集合研修で実施するなど、学習内容に応じて形式を使い分けるとよいでしょう。

職種や実務に適したプログラミングスキルが学べるか

職種や実務内容に即した研修カリキュラムを選べるかも、重要なポイントです。例えば、業務自動化を目的とする場合はPythonやVBA、Web制作を目的とする場合はHTML・CSS・JavaScriptなど、自社の業務や事業内容に合った技術を学べるかを確認しましょう。

一定の開発知識がないと、自社の業務と研修カリキュラムの相性を判断するのは難しい場合があります。そのため、人事部門だけで判断するのではなく、技術知見を持つエンジニアや、研修対象となる部署の責任者と連携し、研修内容が実務に合っているかを確認することが大切です。

研修会社の中には、自社の事業内容や受講者のレベルを踏まえたうえで、研修カリキュラムや授業内容を設計してくれるケースもあります。外部研修を選ぶ際は、カリキュラムの柔軟性や事前ヒアリングの有無も確認しておきましょう。


 

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■資料内容抜粋
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06Schoo for Businessで始めるプログラミング学習

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは9,000本以上の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。

受講形式 オンライン
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プログラミング学習の第一歩に役立つ講座を紹介

ここでは、Schoo for Businessの講座から、プログラミング学習に関する講座を紹介します。

めげないプログラミング学習の始め方

“めげないプログラミング学習の始め方

ロボットサイエンス教育を実践する福田哲也先生が、プログラミング学習を続けるための考え方を解説する授業です。授業では、「楽して簡単にできる方法はない」としたうえで、「何のために学ぶのか」という目的意識を持つことの重要性が語られています。教育現場での事例を交えながら、プログラミングを通じて考える力や課題解決力を育む学び方について理解を深めることができます。

  • 追手門学院 ロボットプログラミング教育 研究推進室 室長

    2003年、NASAの教育基金をもとにロボットサイエンス教育を展開。指導する生徒たちは、「World Robot Olympiad」や「FIRST LEGO League」などの世界規模のロボコン世界大会に日本代表として出場し、総合優勝を含む数々の入賞を果たす。これまで2度の文部科学大臣賞を受賞。日本のプログラミング教育、STEAM教育の普及・啓発を目指して、カリキュラム監修や出張講義などにも取り組む。教育誌「ミライノマナビ(今、なぜロボット・プログラミング教育は必要なのか)」で、これからの教育のあり方について持論を連載中。

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連続起業家に学ぶ「プログラミング学習」の一歩目

連続起業家に学ぶ「プログラミング学習」の一歩目

複数の事業づくりに携わってきた連続起業家・鶴田浩之先生が、プログラミング学習を始めるうえでの考え方を語る授業です。授業では、プログラミングは「誰もが学ぶべき時代」であり、学習を続けるには目的を明確にすることが重要だと説明されています。言語の書き方だけでなく、プログラミングを通じて身に付く考え方がビジネスにも役立つことを、先生自身の経験を交えて学べます。

  • 株式会社LABOT 代表取締役CEO

    慶應義塾大学在学中にアプリ開発Labitを創業し、大学生向けアプリ「すごい時間割」を開発、2014年に事業売却。その後、ゲームエイトを設立し月間1億PVに成長。2017年、IPO前のメルカリに参画しグループ会社執行役員に就任してCtoCサービスを企画、開発、PMとしてプロデュース。スタートアップや上場企業での経験をもとに、新たなプログラミング教育サービスを提供すべく、日本で始めて授業料の「出世払い」であるISAを仕組みに取り入れたエンジニア養成学校「CODEGYM」を2019年に創業。

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07まとめ

プログラミングスキルの習得支援は、業務効率化やエンジニアとの連携強化、DXへの理解促進など、幅広い効果が期待できる取り組みです。社員が学ぶ目的と到達目標を明確にしたうえで、自律学習の環境整備、資格取得支援、研修実施を組み合わせ、学習の進捗や成果を可視化しながら継続を支援することが重要です。

外部研修を活用する際は、受講者のレベルや職種、実務内容に合ったプログラムを選ぶ視点が求められます。社員一人ひとりのITスキルを底上げすることは、組織全体の業務改善力やDX推進力の向上にもつながるでしょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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