フィードバック研修とは?効果的な実施方法とポイントを徹底解説

フィードバック研修とは?効果的な実施方法とポイントを徹底解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

フィードバック研修は、上司が部下に対して効果的なフィードバックを行うスキルや、部下がフィードバックを適切に受け取り、成長につなげるスキルを習得するための研修です。この研修では、部下の行動や成果に対し客観的かつ具体的に評価や指摘を伝えるコミュニケーション手法を学びます。不適切なフィードバックが招く信頼関係の悪化や部下のモチベーション・パフォーマンス低下といったデメリットを回避し、社員個々の成長促進、ひいては組織全体の発展を目指します。

 

01フィードバック研修とは何か?

この章では、フィードバック研修の定義や重要視される理由について紹介します。

そもそもフィードバックとは?

フィードバックとは、対象者の行動や成果に対し、客観的かつ具体的に評価や指摘を伝えることを指します。フィードバックをする目的は、相手の成長を促し、より良い結果へ導くことです。

また、問題行動の改善やモチベーション向上も目的になることがあります。

▶︎参考リンク:フィードバックとは?効果的な方法やポイントを紹介

フィードバック研修とは?

部下の成果・行動に対する評価や指導の品質を高め、成長を促す手法を学ぶ研修です。単なる「ダメ出し」ではなく、相手の納得感を引き出しながら客観的かつ具体的に指摘を伝えるスキルを獲得します。

これにより、部下のモチベーションを低下させずに改善を促進することを目指します。正しいフィードバック手法を身につけることで、部下との信頼関係構築に繋がり、マネジメントもしやすくなります。

フィードバック研修の重要性

上司のフィードバックのスキルが低い場合、上司・部下間の信頼関係の悪化、モチベーションの低下、パフォーマンス低下につながる可能性が高まります。

さらに、フィードバックへのアレルギーや上司・会社への不信感を生むことも想定されます。このような状況が続くと、チームの雰囲気が悪化し、挑戦・改善の機運が失われるなど、組織文化にも悪影響を与える可能性があります。

これらのデメリットを回避し、部下の成長と組織の発展を促すために、フィードバック研修は非常に重要な研修と言えるでしょう。

 

02フィードバック研修の目的

フィードバック研修の目的は、主に以下の3つがあります。

  • ・社員の成長とスキル向上を支援する
  • ・社員のモチベーション維持とエンゲージメント強化
  • ・組織としての成果創出・目標達成

この章では、それぞれの目的について詳しく紹介します。

社員の成長とスキル向上を支援する

フィードバック研修の直接的な目的は、社員の成長とスキル向上を支援することです。社員がスキルやマインドを高め成長するためには、本人が自身の課題を正しく認識し、課題克服に向けた行動をとることが必須です。

正しい方法で行われるフィードバックによって、部下は自身の課題と優先度を把握し、成長速度を早めることができるようになります。また、フィードバックは社員の内省を促す機会にもなります。

内省が習慣化されることによって、自ら改善点を見つけ主体的に行動する能力が育ち、自律的な成長が促されます。

社員のモチベーション維持とエンゲージメント強化

社員のモチベーション維持とエンゲージメント強化も、フィードバック研修の目的の1つです。部下に響かない、納得度の低いフィードバックは、かえって部下のやる気を低下させ、上司や会社への不満や不信感を高める危険性があります。

そのためフィードバックスキルの獲得は、人材育成に関わる社員にとって非常に重要なものと言えます。一方でフィードバックが的を得ていると、部下は上司が自分のことを理解し、見てくれていることに気づきます。

自身に関心を持たれていると分かることで、意欲やパフォーマンスの向上、信頼関係の構築に繋がります。

組織としての成果創出・目標達成

フィードバックを通じて部下の成長を促進することは、最終的に組織の成果創出と目標達成につながります。ここまで見てきた通り、有効なフィードバックには社員に課題を自覚させ、改善行動を促進する効果があります。

また互恵的な成長支援行動によって、上司部下間の信頼関係が構築され、意欲的に目標達成に向かう良い循環が生み出されます。

つまりフィードバック研修は、直接的には「フィードバックスキル」の向上を目指すものですが、大局的な観点では上司の育成スキルを強化し、組織成長と成果創出・目標達成を目指すものと言えるのです。

 

03フィードバックの4つの手法

フィードバックの4つの手法には、サンドイッチ型・SBI型・KPT型・ペンドルトン型の4つの型があります。この章では、それぞれの型の概要と効果を紹介します。

(1) サンドイッチ型

サンドイッチ型は、「ポジティブな内容でネガティブな内容をはさむ」という伝え方の手法です。ポジティブなフィードバックで始め、次に改善点などのネガティブな指摘を伝え、最後に再びポジティブな内容で締めくくります。

この方法は、受け手がモチベーションを維持しながら、改善点を受け入れやすくする効果があります。否定から伝えることによるやる気の低下を防ぎ、傾聴を促し、納得感を持ってフィードバックを受け入れてもらうことができます。

(2) SBI型

SBI型は、相手の「状況(Situation)」で切り出し、「行動(Behavior)」を具体的に伝え、それがもたらした「影響(Impact)」を説明する手法です。

SBI型は、行動と結果の因果関係を客観的かつ具体的に伝えられ、受け手は自身の行動が周囲に与えた影響を理解しやすいという特長があります。主観を排し、問題点を多角的に検証できるため、成長を促す効果が期待できます。

(3) KPT型

KPT型は、振り返りを通じた改善を目的とするフレームワークです。「継続すべきこと(Keep)」・「課題(Problem)」・「改善点(Try)」の3つの視点で振り返りを進めます。特に、プロジェクトや業務の進捗を見直す際に活用されることが多い手法です。

課題だけではなく、継続すべきグッドポイントにも目を向けるため、心理的な抵抗感を減らしながら改善行動を考えることができます。KPT型の特長は、対話をしながら進める点にあります。これによって、一方的なフィードバックの押し付けを回避でき、部下の自発的な成長を促すことができるようになります。

(4) ペンドルトン型

ペンドルトン型は、以下のような流れで進めるフィードバックです。

  • 1:相手に「上手くいった点」と「変えられる点(改善点)」について話してもらう
  • 2:聞き手は意見を受け入れた上で、自分の観察に基づいた意見を述べる
  • 3:合意点と不一致点について話し合う
  • 4:プロセスを踏まえ、最終的な行動計画に落とし込む

ポイントは、上司の意見よりも先に部下が自分で「上手くいった点」や「変えられる点・改善点」を考える、コーチング的なアプローチにあります。部下はまず自分の意見を述べ、それを承認されることで安心してフィードバックを聞き入れることができます。

 

04フィードバック研修の効果を高めるポイント

フィードバック研修の効果を高めるには、実践形式のトレーニングを取り入れたり、ポジティブフィードバックを重要視したりといった工夫が必要です。さらに、行動変容を促進するために、研修後のフォローや1on1ミーティングの導入も欠かせません。

実践形式のトレーニングを取り入れる

フィードバック研修の効果を高めるには、実践形式のトレーニングを取り入れることが重要です。座学だけでなく、ロールプレイやケーススタディを通じて、実際の状況に即したフィードバックを実践することで、知識が定着し理解が深まります。

これにより、受講者は現場で自信を持って適切なフィードバックを行うスキルを身につけ、部下の成長に繋げられるようになります。

ポジティブフィードバックを重要視する

フィードバック研修では、ポジティブフィードバックの重要性を強調することが効果を高めます。フィードバックは改善点の指摘に偏りがちですが、ネガティブなフィードバックは「する側」も「される側」も精神的に疲れます。

そのため、相手の行動や成果の良い点を認め、肯定的に伝えるポジティブフィードバックも学ぶことで、まずはフィードバックのハードルを下げ、習慣化できるようになります。また、ポジティブフィードバックであれば、受け手は自己肯定感を高め、意欲を維持しながら課題を受け入れやすくなります。

結果として、部下のモチベーション向上や業務スキルの習得が促進され、研修の目的達成に直結します。

研修後のフォローを行う

フィードバック研修の効果を高めるには、研修後のフォローが不可欠です。学んだスキルを定着させるため、受講者が具体的なアクションプランを立て、現場での実践を促すことが重要です。

そして、定期的な振り返りの機会を設けることで、実践結果を検証し、継続的な改善を支援します。これにより、研修で得た知識が単なる情報に終わらず、確かなスキルとして身につき、部下の成長と組織成果に繋がります。

1on1ミーティングを導入する

フィードバック研修で習得した効果的なフィードバックの与え方・受け方、傾聴、質問力などのスキルは、実際の職場で実践することで定着します。1on1ミーティングは、上司と部下が定期的に1対1で対話する場であり、学んだスキルを試すのに非常に適しています。

1on1ミーティングをフィードバックの場として活用することで、部下の成長促進や信頼関係構築といったフィードバック研修の目的達成に繋がり、研修効果を最大化できます。

 

05フィードバック研修ならSchoo for Business

Schoo for Business

Schoo for Businessは、国内最大級の9,000本以上の講座を保有しており、フィードバック研修はもちろん、階層別研修からDX研修まで幅広い研修に活用いただけます。また、自己啓発の支援ツールとしてもご利用いただいております。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 9,000本
※2023年3月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,650円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております

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フィードバック研修に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、9,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、フィードバック研修に関する授業を紹介いたします。

パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」

パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」

この授業は、国際エグゼクティブコーチのヴィランティ牧野祝子さんを講師にお迎えし、部下の能力を引き出し、組織全体のパフォーマンスをアップさせる、効果的なポジティブフィードバックについて学ぶことができます。

  • 国際エグゼクティブコーチ

    株式会社グローバル・キャリアデザイン 代表取締役。東京生まれ、ミラノ在住。コロンビア大学、INSEAD MBA卒業後、戦略コンサルタントや多国籍企業でのキャリアを経て独立。ポジティブフィードバックを活用したコーチングが好評を博し、法人・個人問わず指導実績を持つ。3児の母。

パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

人事評価 部下の評価を正しく行うポイント

人事評価 部下の評価を正しく行うポイント

この授業では、管理職、上司として公正な評価を行うための考え方や基準、評価面談の進め方を学ぶことができます。適切なフィードバックを通じて、部下の改善点の把握、成長支援、組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。

  • コンサルタントマネージャー

    株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパン コンサルタントマネージャー。小売業の統括エリアマネージャーや人事部長を経て現職。接遇研修からマネジメントまで幅広く対応し、教育プログラムを構築。人材育成におけるマインド醸成を重視。

人事評価 部下の評価を正しく行うポイントを無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

新入社員の「自発性」を育むOJTの方法

新入社員の「自発性」を育むOJTの方法

この授業では、フィードバックをする上での基盤となる、部下との信頼関係の構築方法を学ぶことができます。相手に響く指導・響かない指導や、報連相への対応と伝え方のコツなども解説します。

  • 株式会社カイラボ 代表取締役

    元日本能率協会コンサルタント。2012年にカイラボを設立し、若手社員定着率向上や管理職研修、採用コンサルティングなどを展開。著書「早期離職白書」などを発行し、若手育成の第一人者として活動。

新入社員の「自発性」を育むOJTの方法を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

受講者の声

1 今後もポジティブフィードバックを心がけ、部員のやる気を引き出していける様に取り組みます。
2 ポジティブフィードバックの考え方を初めて学び、大切さが理解できたように感じます。実践が上手くいくかどうかは分かりませんが、行わない理由はないのでやってみます。良い講義でした。
3 目標設定において、SMARTの原則(specific、measurable、achievable、relevant、time-bound)を重視する必要性が理解できた。
 

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06まとめ

フィードバック研修は、社員個々の成長とスキル向上、モチベーション維持・エンゲージメント強化、そして組織全体の成果創出・目標達成を目的に実施されます。サンドイッチ型、SBI型、KPT型、ペンドルトン型といった効果的な手法を学び、ロールプレイングのような実践的な訓練で、学習内容を定着させます。 研修後のフォローや、1on1ミーティングの導入で活用機会をつくることで、その効果を最大化できます。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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