公開日:2022/10/05
更新日:2022/10/05

自己申告制度を効果的に運用するためのポイントとは?

自己申告制度を効果的に運用するためのポイントとは? | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

従業員が人事制度を積極的に活用するためのきっかけとして、自己申告制度は多くの企業で導入されています。しかし、自己申告制度のメリットはある程度誰もが理解しやすい一方で、導入後に効果的に制度を運用できているのか、不安に感じている人は多いのではないでしょうか? そこで今回は、自己申告制度を効果的に運用するためのポイントをご紹介します。

 

01自己申告制度とは?

自己申告制度とは、従業員が異動や転籍、将来のキャリアの希望などを企業側に自ら申告する制度を指します。異動や転籍といった部署や業務がすぐに入れ替わる申告だけではなく、従業員自身が考える今後のキャリアプラン申告や、従業員自身の業績評価を申告する際にも活用される制度です。現在では約8割の企業が導入しているとされており、従業員の意向を直接聞くことができる制度として知られています。

自己申告制度は申告された内容を人事などが把握した上で、今後の組織づくりや制度設計、人員配置に反映します。従業員が申告した内容はあくまでも申告に留まり、必ずしも反映されるとは限らないという点がポイントです。

社内公募制との違い

似たような制度に、社内公募制があります。社内公募制は必要人材が不足している部署が、社内で人員募集を行う制度です。従業員は自身の希望で応募することができ、要件を満たせば実際に異動することも可能です。

自己申告制度と異なり、異動や転籍を目的としているため、従業員にとっては自身の希望が通る可能性が高い一方で、細かな条件が設けられている場合があります。そのような場合には、必ずしも異動や転籍が叶う制度ではないため、注意が必要です。

社内FA制との違い

社内公募制度が求人型の制度だとすると、社内FA(フリー・エージェント)制度は求職型の制度だと言うことができます。社員が自身の経歴や人柄を企業へ積極的にPRすることで、異動や転籍を可能にすることを目的とした制度です。

自己申告や社内公募と異なり、ポジションありきで検討される異動ではありません。進みたいポジションが無くても、タイミングさえ合えば従業員は社内FA権を行使できる可能性があります。

制度として実施するためには、受け入れ側の部署の負担になりかねないことや、文化としてきちんと定着していない限りは、混乱の種となる場合があるため注意が必要です。

 

02自己申告制度の目的

では、なぜ自己申告制度を企業が整備する必要があるのでしょうか。

自己申告制度は、目的をしっかり持って運用しなければ意味がありません。こちらでは、代表的な目的を3つほどご紹介します。

従業員の主体的なキャリア形成をサポートする

従業員が自己申告制度を活用するためには、従業員自身が主体的にキャリアを思い描く必要があります。すなわち、従業員自身が望むキャリアがなければ、そもそも制度を活用するタイミングがないのです。しかし、制度があることで自身のキャリアについて考えを深める人もいるでしょう。

自己申告制度が企業に存在することで、企業は従業員のキャリアに対して柔軟な体制であることを示すことができます。これにより、従業員は自らのキャリア形成を考えることができるのです。

もちろん、従業員自身が考えているだけでは意味がありません。実際にキャリアを形成する機会提供の第一歩として、自己申告制度が重要な役割を担っています。従業員のキャリア形成の最初の一歩として、自己申告制度は非常に重要なのです。

企業が従業員のキャリアの意向を把握する

従業員のキャリアの意向を把握する上でも、自己申告制度は非常に有効です。

もちろん企業は、従業員の特性や志向性を正しく理解した上で人員配置を行っているでしょう。しかし、それが従業員にとって最適なポジションなのか、本人とすり合わせる機会は多くないはずです。そんな時、役立つのが自己申告制度なのです。

自己申告制度は、従業員が異動や転籍を希望するタイミングだけでなく、今後のキャリア希望を申告してもらう際にも活用できる制度です。したがって企業は、自己申告制度を通じて従業員のキャリアの意向を把握することができるのです。

従業員のモチベーション向上につなげる

キャリアの希望に企業が寄り添う姿勢があることで、従業員のモチベーションを維持・向上させるきっかけになり得ます。企業の一方的な方針だけではなく、自身の希望を鑑みた人材配置を行ってくれる期待感があれば、従業員は望むキャリアの獲得のために積極的に行動するでしょう。

このように、従業員のモチベーションをコントロールする施策としても非常に有効なのです。

 

03自己申告制度の運用フロー

では、一般的な自己申告制度の運用フローを見ていきましょう。

1.自己申告用の書類を従業員に配布

まず、自己申告用の書類を従業員に配布します。在宅勤務などの環境の考慮をはじめ、プライバシー保護の観点からもオンライン上で完結するように準備をするのがおすすめです。

2.従業員から自己申告用の書類の提出してもらう

配布後、必要事項が記入された自己申告用の書類を従業員に提出してもらいます。この時、自己申告がある従業員のみに限定するのか、全ての従業員を対象にするのかで運用フローが異なるため、十分な注意が必要です。

3.面談実施

従業員が提出した内容を受けて、人事部長や部門長と面談を実施します。

面談の意図は、従業員の希望をさらに明確にすることで、企業としての対応を決定するためです。面談相手は従業員に応じて柔軟に変更しましょう。

4.取りまとめと人員配置の決定

面談を実施したら、人事側で従業員の意思を取りまとめます。 取りまとめた内容を踏まえ、関係各所と相談し、最終的な従業員の配置を決定します。

5.フィードバック面談の実施

人員配置が決定したら、内容を通知するために従業員とフィードバック面談を行います。 従業員の希望が叶った場合も、そうでない場合も理由を適切に伝えることで、従業員のモチベーションを維持・向上させることが目的です。

6.自己申告制度の振り返り

1~5まで完了したら、人事側で自己申告制度の振り返りを行います。 対象者や時期や頻度、面談までの流れがスムーズであったか、振り返りを行うことで次回に活かしましょう。

 

04自己申告制度が従業員にもたらす影響

ここまでご紹介したように、自己申告制度は企業側に大きなメリットがある一方で、従業員側にも大きなメリットとなります。

従業員へのメリットを理解しておくことで、自社にとって有効な自己申告制度を見出すことが可能です。では、どのような点がメリットになるのでしょうか。従業員にもたらす影響を3点ほどご紹介します。

中長期的なキャリアを考えるきっかけにできる

自己申告制度によって、従業員は短期ではなく、中長期的なキャリアプランを考えるようになります。目先の出世ではなく、長期的な視点で自分は何を目指しているのか、在りたい姿でいるためには、どのようなスキルを獲得する必要があるのか逆算するようになります。

自己申告制度は、直接的に中長期のキャリア設計を促す制度ではないものの、結果として従業員が自発的に自身のキャリアに向き合うきっかけをつくることができるのです。

求められる能力と現時点のギャップに気付くことができる

従業員がキャリアプランを設計し、異動や転籍を望んだ場合、最終的な結果として2点考えることができます。1点目は、これまでの活躍や実績を踏まえ、異動や転籍を認めること。2点目はスタンスやスキルが不足していることから、異動や転籍が叶わないことです。

万が一異動や転籍が叶わなかった場合、従業員は自身のスタンスやスキル不足を痛感することでしょう。

仕事における能力がどのように評価されているのか、従業員が自ら気付くタイミングは決して多くありません。しかし異動が叶わなかった場合には、自らの実力や不足に気付くきっかけとしても自己申告制度は非常に有効なのです。

必要な能力を主体的に獲得するきっかけにできる

中長期的なキャリアプランを設計した場合、将来に向けて今獲得するべき能力は何かを知ることができます。それまではどのようなスキルを獲得するべきか分からなかったとしても、自己申告制度を通じて自身のキャリアを考えることで、必要な能力を明確に洗い出すことができるでしょう。

年次を重ねるほどに、新たな知識を習得できるタイミングは多くありません。そんな時にも、自己申告制度が新たなきっかけをもたらしてくれるのです。

 

05自己申告制度を導入するポイント

では、実際に自己申告制度を導入する場合には、どのような点に注意するべきなのでしょうか。注意するべきポイントをご紹介します。

対象者を明確にする

まず大切なのは、自己申告制度を活用できる対象者を決定することです。この際、自社の自己申告制度がどのような制度なのか、今一度見直す必要があります。

もし、キャリア相談のような自己申告制度である場合には、全従業員を対象としても問題ないでしょう。そうではなく、異動や転籍を認める制度になっている場合には、制度運用前に対象者を検討する必要があります。

年次や役職、職種など、様々なパターンを想定し対象者を決定します。全ての従業員に平等に機会提供できることが望ましいかもしれませんが、現実問題として、業務の核を担う従業員に抜けられてしまっては困ることも多いでしょう。そのため、異動や転籍の影響範囲を明確にした上で、対象者を決定する必要があります。

これらは制度設計時に明確に決めておくのではなく、試験的な運用の元で正式に対象者を決定するという手段もあります。本当に制度が必要な従業員は誰なのか、運用しながら見直していくのも良いでしょう。

運用ルールを定める

対象者が決定したら、運用時のルールを決定します。自己申告用の入力シートを作成したり、異動や転籍を希望する場合には面談などの調整を行うなど、整備するべきルールは山ほどあります。

実際に制度を運用するとなると、従業員との面談などの時間の確保や、人事やマネージャーによるポジション検討など、様々な業務が必要になるはずです。実際の運用イメージを持ちながら頻度やルールを設計し、スムーズに自己申告制度が機能するようにしましょう。

 

06まとめ

自己申告制度は、従業員が希望のキャリアを企業へ申告するためのものではなく、従業員自身も、企業も中長期でキャリア形成を行うために有効な制度です。

自己申告制度は組織や業務にも関わる部分が多いため、簡単に制度を導入し、運用するのは難しいかもしれません。しかし、自己申告制度を上手く活用することができれば、企業内で長期的に活躍してくれる人材を獲得することができます。

人材獲得や人材活躍に課題を抱えている場合には、自己申告制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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